色使いは七色と舞う「クソザコ能力だったけど、能力を極めた結果、最強になりました。」   作:ぱすたご

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#12 最強は遅刻し、発狂する

「ふぅうう、すっきりしたぜ」

 

シャワーを浴び、体を洗い流したタクミはバスタオルで体を拭く。

 

体を拭いたタクミは先ほど着ていた白いパーカーと新たな黒いスポーツウェアの半ズボンに着替えた。

 

それにしても、いったいなんで体が女になったんだ、、

 

部屋に置いてある黒のビーズクッションに座りながら考える。

 

、、、、、、

 

、、、、、、

 

わからん!!

 

よしっ、困ったらシンさんだな

 

ちなみに時刻は9時5分。仕事の始まりは8時半である。

 

スマホを持ってきて、電話帳からシンさんと登録された番号に電話をかける。

 

 

プルルルルr

 

「タクミィィイイ、まさか二日連続で遅刻か?!あとで仕事を説明するのはこっちなんだぞ。」

 

電話がすぐにつながると同時にシンの怒りの声が通話越しに聞こえた。

 

落ち着け、事情を説明しよう。そうすれば、わかってもらえるはずだ。

 

電話に出て、早々に激昂するシンさんをなだめようとタクミは喋ろうとする。

 

「あー、ちょっとまず「女の声だと!まさか、女を連れ込んだのか?!?!?昨日の焼き肉店で暴れた挙句の果てに女に手を出して、その後始末を俺に頼むつもりか!!今すぐにそこにいる女と一緒に職場に来るんだ!事情を洗いざらい説明してもらおうじゃないか。」

 

ガチャッッ

 

 

やっべぇぇぇ、声が変わっていること忘れてた!!絶対、誤解されただろ。

 

怒ったシンさんにこれ以上説明しようとしても無理そうだからなぁ。直接会いに行って事情を説明するしかないか。

 

 

 

 

 

荷物を準備した後に玄関から寮の一室を出ると、タクミは能力を使用した。

 

色調変化(カラーイリュージョン)

 

自分の姿の上から男であった姿を塗り重ねる。能力は問題なく使えるようだ。

 

これで周りから見れば、男に見えるはず

 

ぶかぶかのサンダルを履いたタクミはパタパタと音を立てながら職場のほうへ歩いていった。

 

 

しばらく歩くと、対異能犯罪機関の本部であるビルにたどり着いた。そのまま、エントランスを抜け、エレベータを介して、タクミは第四部隊隊長であるシンにあてられている部屋に向かう。

 

向かう途中で顔見知りの同僚に挨拶をされるが、軽く手をふるように虚像を動かすことで対処した。

 

な、なんとかたどり着けたぜ。感知系の能力者が廊下の奥から現れた時は見破られないかとひやひやしたけどなんとかなったぁああ。

 

シンのいる部屋の手前まで無事にたどり着けたタクミは安堵して、扉をノックした。

 

こんっこんっ

 

「構わんぞ」

 

部屋の中から入室の許可を得たタクミは珍しく緊張した面持ちで部屋に入った。

 

入ってきた人物を確認するべく、部屋の奥の机にいるシンがこちらを見た。どうやらシンは何かの書類に目を通していたようだ。

 

「きたか、、、タクミィィイイイイ!事情とやらを説明してもらおうじゃないか。で、連れこんだ女と共に来いといったはずだが、どこにいるんだ?」

 

入ってきた人物がタクミであるとわかるなり、椅子から立ち上がったシンさんはすさまじい形相でこちらに詰めよってきた。

 

「シ、シンさん、ちょっと待って!誤解してる!!」

 

あわてて能力を解除し、事情を説明しようとする。

 

「あ?!お前、誰だ?」

 

能力を解除したタクミ(少女)に目線をあわせたシンは反射的に目の前の人物を警戒して構えた。

 

「シンさん落ち着けって。俺だよ、俺。タクミだよ。」

 

タクミは自分の顔に向けて指をさし、わかってもらうために主張する。

 

「その言葉は使い古された詐欺師のセリフだ。騙されんぞ」

 

「シンさん。いくら詐欺師でも、のこのこと現れる奴なんていないよ。」

 

「じゃあ、お前がその第一号だな。後、知らないやつに名前を呼ばれる筋合いはない。」

 

「だからぁ、俺は一色タクミだって。生年月日は2016年1月6日。第四部隊所属の最強、能力は色調変化(カラーイリュージョン)。趣味は絵を描くことと映画鑑賞だ。」

 

「初めて、出会ったときに使ってきた能力は?」

 

「覚えているのは銃の虚像でシンさんを脅したやつかな。」

 

「……先週、しつこく見てこいと勧めてきた映画の名前は?」

 

「スティール・バグの『ダイナミック・ダイナソー・ディスティニー』。恐竜に乗って、アメリカを舞台にレースをする映画だ。恐竜に乗った馭者の駆け引きが見どころなのが最高に熱いやつだな。で、見終わった?」

 

その言葉を聞いたシンは硬い表情を崩し、大きく目を見開いて、信じられないといった様子でタクミを見る。

 

「おいおい、嘘だろ。何が起こった!?本当にタクミか?」

 

「さっきからそう言ってるだろ!」

 

昨日、体に違和感を覚え、早々に寝たこと。朝起きたら、なぜか可憐な少女になっていたことをタクミは説明した。

 

「事情はわかった。だったら、事前に連絡はしろ!連絡は!!遅刻した分の時間は減給だな。」

 

「嘘だろ…。」

 

「懲戒処分がないだけでも十分ましなほうだ。とりあえず、研究課のほうに今から連絡するからそこで異常がないか検査してもらってこい。」

 

そう言い、シンは研究科に連絡を取るべく、机の上におかれた電話を手に取った。

 

「もしもし、シンだ。今、暇か?部下が急に女になった原因を調べてくれないか?………あぁわかった。すぐに向かわせる。よろしく頼んだぞ。」

 

シンは電話を切ると、タクミのほうを向いた。

 

「で、どうすればいいんだ?俺は。」

 

「女の体は、女に診てもらうのが一番いいから紗理奈に頼んだ。喜んで体の隅から隅まで調べてくれるだとさ。」

 

「うげっ、まじかよ。シンさん、よりによってあの人に頼んだのかよ!!後で覚えとけよ。」

 

タクミはこれから待ち受けることに身震いし、シンを恨んだ。

 

音塚紗理奈、能力は記憶共有(メモリーシンパシー)。音塚シンの妻である。ちなみにバイセクシュアルである。

 

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