色使いは七色と舞う「クソザコ能力だったけど、能力を極めた結果、最強になりました。」 作:ぱすたご
「落ち込む気持ちもわからなくはないが、まぁ、命に別状がなかっただけましじゃあないか。」
シンは憤りの声をあげていたタクミをなだめるかのように話す。
「いや、どう考えても問題大アリだろ!!なんで、死んだんだよ!」
「それが、奴の治療は問題なく終わり、意識も回復するまでは何もなかったんだ。だが、意識が回復し、捕らえられているとわかった途端に死んでしまった。あまりにも不審すぎたから、死体解剖に回した結果、体内で致死性の毒が検出された。俺の推測では体の中に毒を隠し持っていた可能性が濃厚だろうな。」
「は?意味不明だろ。なんで、躊躇いもなく死ぬことができるんだよ。後、能力で毒を生成した可能性は考えられないのか?それこそ、毒の変化系統とかは?何かを毒に変化させる能力だったら説明がつくんじゃねぇの。」
「確かにその考えもあるな。でだ、躊躇いなく死ぬことができるのはそれだけ組織への忠誠心が高かったのだろうよ。」
シンは千篇と相対したときのことを思い出しながら話しているようだった。
組織、、、まてよ。あいつ、俺を実験対象にするとかいっていたような。
そもそも、所属している組織があぁも強襲された後にどこで千篇は実験するつもりだったんだ。
「なぁ、シンさん。」
「なんだ?」
「千篇の所属する組織って、本当に仁能会なのか?もっと別に所属していた組織がないか調べてくれないか?」
「何か引っかかっているんだな。わかった。見つかる可能性は低いと思うが、仕事の合間に調べておく。用件はそれだけか?」
「あぁ、シンさん、ありがとよ。」
「何かあれば、連絡してくれ。それとちょっと紗理奈にかわってくれないか?」
「わかった、、、紗理奈さん、シンさんが電話にかわってくれだってさ。」
「もしもし、シンくん、、、、、、なになに、ふむふむ。あー確かにね。わかった!こっちは任せといて。お仕事頑張ってね!じゃあねー」
ピッ
電話を切ると紗理奈さんは笑みを浮かべながらくるりとこちらのほうを見た。
「ちょっと楽しいところいこうか。タクミちゃん。」
まてまてまて、笑みは笑みでも邪悪な笑みにしか見えないのはたぶん何かのまちg、、ッッ
詰めよってきた紗理奈さんに強烈な手刀を浴びせられて、意識はブラックアウトした。
「んん、、、ここは?」
ふわふわとする意識の中、背中から伝わるわずかな振動と視界に入ってくる光によって、タクミは覚醒した。
目を覚ますと、そこは天国、、、、
ではなく、車の中だった。
服は検査着から元着ていた服に戻っているようだ。身体は座席にシートベルトで固定されており、隣を見ると紗理奈さんが運転しているのがうかがえた。
こちらを見られたことに紗理奈さんは気が付いたようだ。
「あ、もうおはよう?タクミちゃん。思ったより早かったね。」
「おいおい、どこに連れていくつもりなんだ。」
「ついてからのお楽しみってことで。ふふっ」
相変わらず不穏な笑みを浮かべている紗理奈さんは深紅のステーションワゴンのハンドルを捌き、車を走らせてゆく。
「さぁ、目的地に着いたよ。」
ぼんやりと窓越しに流れていく風景を見つめながら、着いた先は大型ショッピングモールだった。
「ショッピングモール?何しに来たんだよ。昼飯でもおごってくれるのか?」
「んー、買い物に付き合ってくれたらね。」
「よっしゃっ!!じゃあ、紗理奈さんの買いものとっとと済ませようぜ。」
「あー私の買いものじゃないよ。」
どうやら紗理奈さんの買い物じゃなかったらしい、となると誰の??
嫌な予感が当たらないことを祈り、おそるおそる紗理奈さんに尋ねる。
「じゃあ、、、誰の?」
「そんなの決まってるじゃん。タクミちゃんのだよ。今持っている服だと、サイズが合わないから全部買わないとね。」
それはそれはもう服を選ぶことを想像しているのか、満面の笑みを浮かべながら紗理奈さんは答えた。
どうやら長い一日になりそうだ、、、