色使いは七色と舞う「クソザコ能力だったけど、能力を極めた結果、最強になりました。」   作:ぱすたご

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#16 最強は髪を切り、下着を買います。

 

ショッピングモールに連れてこられると、紗理奈さんがあらかじめ予約していたのか中にある美容室へと通された。

 

紗理奈さんが美容師の人になにか言っているのを見つつ、もうどうにでもなれと思いながら渡された雑誌に目を通す。

 

若い女の美容師がこちらにやってきて、髪の毛を洗うとチョキチョキと専用のはさみで切り始めた。

 

その後のことはあまり覚えてないけど、終わった時には寝ぐせで少しはねていた髪の毛はストレートにされて、バラバラな長さだった髪は綺麗に整えられた。

 

「わぁーよく似合っていますね。こんなに可愛い子の髪の毛を切ることができるなんて幸せすぎて、グヘへへへ

 

最後の不吉な発言は聞こえなかったことにして、鏡に映っていた自分を見た。

 

朝見た時よりも百倍可愛くて思わずにやけてしまい、だらしない顔になってしまった。

 

その様子を後ろから紗理奈さんにニマニマと笑いながら見られていたことに気が付き、耳の先まで真っ赤になって恥ずかしくなったのは別の話だ。

 

美容室から出た後に次はどこに連れていくのかと紗理奈さんに聞くと

 

「どこに連れていかれるのかドキドキしてるタクミちゃんが可愛いからお楽しみってことで」

 

と返され、(たち)が悪すぎると思いながら紗理奈さんの後についていく。

 

「ちょっと待って、紗理奈さんここって」

 

たどり着いた場所は女性モノの下着を取り扱う店だった。

 

鮮やかな色とりどりの女性モノの下着が並ぶ店を見ることを反射的に避けてしまう男の時の癖が思わず出て、タクミは咄嗟に目をそむけた。

 

「そう、ランジェリーショップだよ。タクミちゃんの下着、ちゃんと可愛いの選ばないとね。」

 

店内に入るのをしり込みするタクミの手をつかんで、紗理奈は強引に連れ込んでいく。

 

「すみません。この子の試着、お願いしたいんですけどできますかね?」

 

店に入った紗理奈は店員に声をかける。

 

「はい、こちらのほうでブラジャーのみの試着ができます。」

 

店員に誘導され、試着室の前へと連れていかれる。

 

「んー、これとこれと、、、あーこれもいいね。」

 

紗理奈さんはタクミの体に似合いそうな下着を見定めると3つほど手にもってきた。

 

「はい、これ。試着できたら教えてね。」

 

と下着とブラジャーのワンセットでハンガーに吊るされた下着を突き出して、試着室の中にタクミを押し込んでカーテンを閉めた。

 

「ちょっと待ってくれ、紗理奈さん。いきなりすぎて、頭がパンクする。後、ブラのつけ方なんてわかんねぇよ。」

 

閉じられたカーテンを開け、タクミは紗理奈に話す。

 

「あ!そっか、タクミちゃん、ブラ着るの初めてだもんね。わかった。お姉さんが優しく教えてあげる。」

 

紗理奈さんはタクミのいる試着室の中に一緒に入るとタクミの上の服を慣れた手つきですばやく脱がせた。

 

「え、え、え」

 

急に脱がされて、混乱するタクミをよそに紗理奈はブラジャーを着せるべく次の段階にとりかかった。

 

上半身が裸になったタクミの両手から白のレース柄のブラジャーの肩ひもを通し、たわわな双丘にブラジャーをあてがう。続けて、タクミの背中に手を回してフックをとめた。

 

「まぁ、こんな感じかな。あとは、ちょっと胸を脇から中央に寄せたほうがいいかな。やってみて。」

 

「いきなりすぎて怖いわ。後なんで手慣れているんだよ。さては裏で女の子を、、、」

 

苦労して胸をブラにおさめながら、訝しげな目を紗理奈にタクミはむける。

 

「まさかぁ、でもタクミちゃんが可愛すぎて食べちゃったらその時はごめんね。」

 

「食べた後であやまっても、それもうアウトだろ。あと、夫にバレたらまずいって。」

 

「女の子ならバレても大丈夫でしょ。ノーカン、ノーカン。」

 

シンさん。この人冗談なのか、本気で言っているのか。わからなくて、怖いです。

 

「で、着てもらった感じ、サイズちょうどピッタリでいいね。タクミちゃんには白が似合ってるよ。」

 

満足げにうなずく紗理奈さんを見て、自分も姿を確認するべく、鏡に体を向けた。

 

胸はすっぽりとブラに収まり、サイズは大きくもなく小さくもなくピッタリであった。

 

ピッタリ?ん、、、待て、胸のサイズなんていつ測られたっけ、、、あれぇ、なにかおかしいぞ。

 

「紗理奈さん。俺の胸のサイズは?」

 

「バスト95のCカップでしょ。」

 

「胸のサイズなんて言ったっけ?」

 

「ソレハタクミチャンガオシエテクレタジャナイカー」

 

「俺も知らないのになんで知ってるんだよ。おいっ、いつ測った!!」

 

タクミは紗理奈の肩をつかんで、顔を寄せる。

 

「きゃっっ、た、たくみちゃんを気絶させた時だよ。ねぇ、恥ずかしいから離れてくれないかな、、、」

 

顔を朱色に染めて、口元を手で隠し、目をそらす紗理奈にタクミは驚いて距離をとった。

 

「悪かった、紗理奈さん。でも、気絶していた時にサイズ測るなんて、ひどいって。」

 

「いやぁ、スリーサイズ知らないと下着すぐに選べないからさ。測っちゃった。」

 

バストのサイズどころかスリーサイズまではかっていたのか。

 

どうやら、この人は反省というものを知らないようだ。軽く紗理奈さんの頬をつねって懲らしめてやった。

 

その後は何事もなく、すぐに終わった。下着をいくつか試着し、似合ったものを購入した。

 

今、着ている下着は最初に試着した白の下着だ。ブラをつけていないと胸の形状が崩れるからすぐに着ろといわれ、しぶしぶ、上下共に着ることにした。胸と股に少し違和感があるが、しばらくすれば慣れるだろう。

 

ちなみに全部、紗理奈さんのおごりだった。どうやら、セクハラ代も入っているらしい。金で買われた気がするが、紗理奈さんの可愛さに負けて許すとするか。さすがにもう、セクハラなんてないさ。

 

「下着を買ったことだし、後は服買いに行こっか。タクミちゃん」

 

撤回、この後もセクハラされそうだ。

 

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