色使いは七色と舞う「クソザコ能力だったけど、能力を極めた結果、最強になりました。」   作:ぱすたご

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#4 最強は駆け抜ける

腕や首に刺青が入ったガラの悪そうな服に身を包んだ5人の男たちがアサルトライフルらしき銃を持って廊下の曲がり角から現れようとしているのが見える。

 

先ほど気絶させた男とは違って、明らかに工場で働いている人には見えない風貌だ。

 

よしっ、先手必勝でいくぜ!

 

タクミは先ほどと同じように気絶させようと相手との距離を縮めようと駆け出した。

 

「おいっ!待てタクミっ。」

 

シンが勝手に突っ込むタクミを止めようとする声に反応し、男たちは廊下の奥から右の壁沿いに走ってくる少年に気が付く。

 

「おいおい、どんな侵入者が来たと思ってきてみれば無鉄砲な馬鹿が廊下の奥から剣を持って突っ込んでくるじゃあないか。」

男たちは少年の無謀さをあざ笑う。

 

「だったら、こいつでハチの巣にしてやるよ。」

 

ジャキッ

男たちは廊下の奥から走ってくる男を確実に殺すために銃の狙いを定めた。

 

ババババババババババ

 

銃声が轟き、弾丸が放たれる。

 

男たちが放った銃弾は寸分狂うことなく目標にあたり、その体は真っ赤な血でぬれた。

 

 

 

 

 

だが、少年は倒れなかった。

 

 

 

走りを止めることなく男たちに向かって双剣を持ち、狂気の笑みを浮かべ突き進んでくる。

 

その距離、約五メートル。

 

 

「おい、どうなってんだ。奴の身体はどう見ても歩ける状態じゃあない。まさか、不死身か?!それとも透過系統か?」

 

「撃ち続けろ、透過系統なら攻撃するタイミングで実体になるはずだ。」

 

そう話してる間にも、少年は距離を詰めてくる。

 

 

約三メートル

 

銃弾はさらに彼の体に命中し、廊下に血を撒き散らしながらこちらへと向かってくる。

 

身体に撃ち続けても無駄と分かったのか足に銃弾を命中させることで動きを止めようとするが少年は止まらない。

 

 

約一メートル

 

 

少年は双剣で男たちに攻撃を仕掛けるため、加速した勢いで地面を蹴り上げ、飛ぶ。

 

リーダー格の男は銃弾を撃ち続けながら、思考をめぐらす。

おかしい、、、おかしいぞ。透過系統ならば、なぜ奴の身体に弾が命中しているんだ?だったら、不死身の能力か?いや違う。不死なら死ぬことはないが歩みは止まるはずだ。まてよ、、、、

 

男はそもそも前提から間違えていたことに気が付く。

 

そう、タクミは能力によって虚像を作り出し、虚像とは逆サイドを能力で透明になることで駆け抜けていたのだ。

 

「まてっ、そいつは分身(フェイク)だ!!」

 

慌てて、声を上げる。

 

だがもう遅い。気づいたときには男たちは頭上へと飛んだタクミの虚像に目を奪われていた。

 

ドン、バン、ガッ、ボキッッ

 

男たちの背後に回り込んだタクミは男たちの意識を刈り取るべく、急所に容赦のない一撃をすばやく5人に与える。

 

「うっっっ」「ぐはっ」「いってぇぇぇ」

男たちはそれぞれうめき声をあげながら地面に倒れこんだ。

 

「俺がもう少し早く気が付いていれば、、、」

リーダー格の男は自責の念を吐露する。

 

「気づいていても結果は変わりないさ、なんたって俺は最強だからな。」

 

それは男が意識を手放す前に聞いた、侵入者の最後の言葉だった。

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