色使いは七色と舞う「クソザコ能力だったけど、能力を極めた結果、最強になりました。」   作:ぱすたご

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#6 最強は双頭をぶった切る

噛斬(ばいざん)はタクミとシンにむかって、巨体からは考えられない早さで匂いからこちらの正確な位置を把握し突きを繰り出してくる。そのうえ、横に避けても両腕が変化したヘビの頭は首を柔軟に曲げこちらの身体に食らいつこうとしてくる。

 

タクミは素早くよけ、シンもかろうじてだがよける。

 

ドガァァァァン

 

勢いよく空ぶった一撃は壁に激突し、めり込む。

 

『どうなってんだ。このジジイ、人間の速さじゃあねぇぞ』

 

シンは必死に回避し、反撃で銃を噛斬(ばいざん)にむけて何発も撃ちこむがヘビのの頭でガードされる。

 

噛斬(ばいざん)から次々と繰り出される攻撃をかわしながら、タクミはシンに提案する。

 

『このままじゃあ、じり貧だ!シンさん!俺に考えがある。俺にかかっている能力を解除してくれ。』

 

『正気か、お前?!信じていいんだな。』

 

『任せてくれ。でも、後方から銃で援護してくれると楽で助かる。』

 

『わかった。じゃあ、解除するぞ』

 

シンはタクミにかけていた無音地帯(サイレントフィールド)を解除する。

 

「おい、クソジジイこっちだ!」

 

タクミは能力による透明化を自分だけ解除し、噛斬(ばいざん)の前に姿を現す。

 

「言葉の使い方がなっとらんの小僧!!のこのこと隠した姿をさらすとは馬鹿か?」

 

「どうせ、居場所なんてとっくにバレてるんだろ。それにあんたを早く倒すために必要なことだからだ。」

 

そうタクミは話しながらあろうことか双剣を鞘に納め、二本のペン型ライトを取り出し両手に持った。

 

「武器をしまうだと、、ふざけるな!そのちゃちなペンライトで何ができる。まさか、それでわしを倒そうというのではあるまいな。」

 

「まぁ、今にわかるぜ。」

 

タクミは噛斬(ばいざん)に話しながら、ライトの電源をつけ、光を収束させるイメージをはじめた。

 

タクミがこの技を思いついたのは、およそ三年前であった。当時、タクミの能力である【色調変化(カラーイリュージョン)】はそれなりの域に到達していた。しかし、せいぜい相手の目くらましになるだけで能力による直接的な攻撃手段は無いに等しかった。

 

そこそこの相手なら十分に戦える力ではあったが、彼はさらに上を求めた。

 

最強を求めた。いや、求めなければならなかったといったほうが正しいだろうか。

 

彼は自分の能力の可能性を追求し続けた。

 

そして、彼は一つの考えに行き着いた。

 

色って光の波長の一種なわけだから、その波長を極限まで伸ばすか縮めてやればたぶんレーザー出せるんじゃね

 

科学の領域を超えた事象を再び科学の枠組みに落とし込む。

 

彼は試行錯誤を繰り返し、改良を重ね、新たな技を発現させた。

 

そのイメージをより強固なものにするためにこの技をこう名付けた。

 

 

 

光科学剣(フォトンソード)

 

 

 

 

両手にもつライトから伸びた強烈な白い光は収束しその色を真紅に変え、レーザーソードへと変化した。

 

ブォンンン

 

試しに軽く振り下ろすとその動きに合わせてレーザーが揺れ動く音がでる。

 

よしっ問題ないようだな。

 

動かしても形が安定していることを確認して、タクミは光科学剣(フォトンソード)を噛斬にむかって構えた。

 

「ラ◯トセイバーだと?!透明になれる上に剣まで出すとは、、、まさか、二重能力者か?!」

 

「さぁ、どうだろうね。あと名前は光科学剣だ。」

 

噛斬もタクミの持つレーザーソードを警戒し、その動きを見定めようとにらみ合うような形になった。

 

 

 

だが、この場にはもう一人いることを忘れてはならない。

 

姿と音を消したシンは噛斬(ばいざん)の右側から両腕に持った二丁の銃の引き金を同時にひいた。

 

銃の撃針が雷管を叩き、内部の火薬が燃焼し爆発する。それは銃声となり響くはずだった。

 

だが、その銃声はシンの無音地帯(サイレントフィールド)によってかき消されていた。

 

放たれた二つの銃弾は噛斬(ばいざん)に向かって進んでいく。

 

噛斬(ばいざん)は、自分の急所を狙い向かってきた二つの銃弾を右腕のヘビ頭で再び防ごうとわずかに体を右に向けてしまった。

 

その瞬間、勝負の行方は決した。

 

噛斬(ばいざん)の意識が銃弾のほうに一瞬向いてしまったのをタクミは見逃さなかった。

 

うおおおおおおおおお今だああ

 

足に力をこめ、勢いをつけて噛斬(ばいざん)との距離を詰める。

 

噛斬(ばいざん)は銃弾を防ぎ、こちらに詰め寄ってくるタクミに対処しようとするがもう遅い。

 

 

タクミは噛斬(ばいざん)の右腕を右手で振りおろした光科学剣(フォトンソード)で切り落とす。

 

それから素早く体を反時計回りに回転させ、立て続けに左手に持つ光科学剣(フォトンソード)噛斬(ばいざん)の左腕を切り落とした。

 

「ぐっ」

 

両腕を同時に切りおとされ、噛斬(ばいざん)の表情が苦痛に歪む。

 

まだ抵抗しようと右足で蹴りをかましてくるが、上に飛んでかわし、そのまま意識を刈り取るべくドロップキックを思いっきりぶちかます。

 

噛斬(ばいざん)は両腕をぶった切られた上に容赦のないドロップキックを胸にかまされて、満身創痍の状態で地面に倒れていった。

 

ドンッッ

 

地面に強く頭を打ったせいで完全にのびてしまったようであった。

 

ドロップキックを噛斬にぶちかまし地面に着地したタクミは能力を解除した。

 

 

「ま、最強の俺にかかればこれくらい余裕だな!でも、シンさんのおかげで長期戦にならずにすんだぜ。さんきゅー」

 

能力を解いて姿を現したシンにむかって、タクミは笑みを浮かべながら勝利のvサインをした。

 

「あぁ、俺はこいつの意識が戻って逃げられると厄介だから、後続のやつらが来るまで見張っておく。後で追いつくからお前は先に地下へ行って、目標である晩夏十千編(ばんかとせんぺん)を確保しにいってこい。お前の実力なら問題ないだろうが、相手は得体のしれないやつだ。くれぐれも油断するんじゃあないぞ。」

 

「あぁ、任せてくれ。ぶっ倒してくるぜ」

 

心配するシンにタクミはそう言い残して、地下に向かうべく一人でエレベーターに乗りこんだ。





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