色使いは七色と舞う「クソザコ能力だったけど、能力を極めた結果、最強になりました。」   作:ぱすたご

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#7 最強は没個性と出会う

タクミがエレベーターにのってからおよそ30秒がすぎた。だが、エレベーターは一向に減速しなかった。

 

地下一階へと向かうボタンちゃんとおしたはずだよな。なのにまだ動いてるって、いったいどんだけ地下深くに研究施設を作っているんだよ。そんなことまでして、隠したいものでもあるのか、、、と思案を巡らしながら到着するのをまだかと待つ。

 

チーン

 

エレベーターはようやく地上からはるか奥深くに離れた地下一階へとたどり着いた。

 

扉がひらくと非常灯が薄暗く光る廊下へとでた。その廊下は左右に道が続いているようだった。

 

タクミは施設の案内板がエレベータに面した壁に貼られているのを見つける。

 

なるほど、右、左、右、直進、下る、右、右、直進、右でたどり着くのか。

 

研究室までの経路を間違えないため能力を使い、案内板を袖にうつしとった。

 

タクミは目的である研究室へ行くため右に曲がり進む。

 

向かう途中で廊下に面した部屋をガラス越しにペン型のライトで照らし中の様子をうかがうと、人の気配はまったくといっていいほどなかった。代わりに何かの研究資料をあわてて持ち去るときに落としたのか、床に紙が無数にちらばっていた。

 

他にも、怪しげな実験器具や薬品が並んだ実験室らしき場所や薬物を動物実験に用いたのかケージに入れられたネズミやウサギがいる部屋、大きな動物が十分にはいれるであろう檻が並べられている部屋を通り過ぎてゆく。

 

曲がったり進んだり下ったりで迷路のように複雑な道のりををぬけていった廊下の先に両開きの大きな扉があるのが見えた。

 

その扉の隙間からは廊下の薄暗い光とは対照的な明るい光が漏れでて、中には誰かがいるような雰囲気がうかがえた。

 

タクミは中にいる人物に気が付かれないよう持っていたライトを消し、そっと扉の近くに忍び寄った。

 

そして、部屋の中の音を聞くために扉に耳を当てようと、、、、

 

「そんなに中を探りたいなら正々堂々と入ってくればいいのにさ、、ほら、黙ってないでさっさと入ってきたらどうかな?対異能犯罪取締機関の第四部隊所属のタクミくん」

 

と扉を越えた部屋の中から声をかけられ、思わず身が強張る。

 

考えろ、なぜばれた、、、

 

外にいるのがばれるのは十中八九、監視カメラかなにかの類だ

 

だが、どうして所属機関、部隊と挙句の果てに名前までばれている、、

 

疑問が渦巻く。

 

こうしていても埒が明かないので双剣を構えて、警戒しながらおそるおそるドアを押し開ける。

 

「そんなに警戒しなくてもいいのに~、私は君にすばらしい提案をしに待っていたんだよ」

 

部屋に入ってきたタクミの目の前に立ちはだかった女はせせら笑いながら、そう言った。

 

 

女の風貌は20代前半といったところであろうか。どこにでもいるような研究者の服を着ている。その容貌は黒く長い髪、黒い目をして、どこにでもいるかのような没個性な顔であった。

 

だが、その没個性が女の独特な名前を際立たせる。

 

「私の名前は晩夏十千篇(ばんかとせんぺん)。今はここで研究者として働いているものさ。」

 

「俺の名前は一色タクミ。お前を捕まえに来た最強だ。」

 

こうして、タクミは晩夏十千篇(ばんかとせんぺん)と出会った。

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