色使いは七色と舞う「クソザコ能力だったけど、能力を極めた結果、最強になりました。」 作:ぱすたご
先に動いたのはビギニングだった。
彼は地を蹴ると、次の瞬間にはタクミの目の前にまで迫っていた。
「GYAAAAA」
左フックが目の前に迫る。一発のパンチと言えど5mほどの巨体から繰り出される高速パンチは自動車と正面衝突するようなものである。
正面から受けきるのは、まずいと判断しタクミは右に飛ぶ。拳はタクミの服を掠め、通り過ぎていった。
なんとか、避け切ったタクミはそのまま近くの物陰に隠れてビギニングを観察する。
こいつと俺ではそもそもの身体能力が違いすぎる。人間やめてるだろ、、、。地道にやるかぁ。
「
「GYA?」
ビギニングは目の前の状況に混乱した。それもそのはずだ。タクミが3人も現れたのだから。
「GYA!」
ビギニングは目の前でちょこまかと動き回るタクミに攻撃を与えようとしては空振り、翻弄されていく。
背後ががら空きだ!
タクミは疲れ果て動きの鈍ったビギニングの背後へと回り込み、斬りかかろうとする。むき出しの足に攻撃を与えることで、その機動力を無効化しようという考えだ。
ザクッ
攻撃はビギニングに入った。
だが、よく考えてみよう。丸太のような足を大した長さのない双剣で断つことができるだろうか?答えは否である。
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」
ビギニングは散々タクミに翻弄され、不可視の一撃を背後から与えられたことに激怒した。瞬時に不可視の存在に攻撃を与えるべく、斬りつけられた足を回し蹴りの要領で振り回した。
タクミは運悪く、その回し蹴りを回避することができなかった。
攻撃の勢いを受け流すべく、双剣を胸の前で十字にした。だが、勢いよく壁に叩きつけられてしまう。
ガハッゴフッ
背中を強打し、肺の空気が強制的に体の外へと押し出され、せき込んでしまう。
血の味がする。
くそっ、最初から光科学剣を使えていれば、、、
最初から使えていればよかったかもしれない。だが、光科学剣を使うためには生成に多少の時間と目立ってしまうという弱点が存在する。
ビギニングの圧倒的なスピードの前ではタクミが光化学剣を生成するには時間があまりにもなさすぎた。
状況はタクミにとって不利であった。力のイメージが追い付かずに虚像や透明化が解かれかけていたのだ。
「所詮、その程度か。いいよ、ビギニング。データは取れたから殺しちゃいな」
データを取り終わった千篇はビギニングに指示をだした。
まずいな、このままだと死ぬ。だが、虚像で翻弄させている間にわかったことがある。さりげなく千篇に攻撃を誘導できないかと思ったときに、ビギニングは一度も千篇に攻撃が当たらないようにしていた。つまり、やつは千篇を攻撃してはいけないような縛りがあるはずだ。よしっ、一か八かでやってやろうじゃないか。
立ち上がったタクミは能力を使うべくイメージする。
「
タクミはこちらに左の拳を繰り出してきたビギニングと自分の間に晩夏十千篇の虚像を作り出した。
「GYUUUU????」
反射的に拳の勢いが遅くなる。それにあわせて、タクミはビギニングの左腕に飛び乗り、ビギニング頭に必殺の一撃を加えるべく疾走する。
「なにをしているビギニング。そいつは私ではない!」
千篇はタクミの起死回生の一手に驚く。
ビギニングは主の声で目の前の千篇が虚像であることを認識した。そして、自分の腕を駆け上がってくる邪魔者を捕まえようと右手を伸ばす。
だが、その右手は空を切る。タクミは透明化し、自分の虚像を目の前に繰り出したことでビギニングの目を欺いたのだ。
「うおおおおおおおおおお!来い、
タクミは一本のペン型ライトを両手に握り、ビギニングの頭上から一撃必殺の
収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ収束しろ
その思いは光を収束させ、一つの剣となってその手に顕現する。
「くらええええええっっっっ!!!」
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
ビギニングは悲鳴を上げるがその声は次第に弱くなっていき、生命の音は途絶えた。
「おい!次はお前の番だ。覚悟しろ。」
ビギニングという倫理観を無視した生体兵器を作り出した張本人に向かってタクミは怒りの言葉を吐いた。