私が消防団員という職業に就いた理由をつらつらと書いたエッセイです。

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『私が助けられ、助ける人を目指した切っ掛け』

とある高校生の夏の日のこと

家族で出掛けていた私は、用事があって少し家族から離れた。

M市にある2番目に大きなショッピングモールだ。

一階には高速や路線といったバスのターミナルもあり、県外からも人が来る。

私が1人でそこを歩いていると降車専用バス停に1台の高速バスが止まった。

その当時は既に人間観察が好きだったから何気ないフリをして、バスから降りる乗客を見ていた。

続々と降りる客達。サラリーマンに、旅行客といった様々な方が降りる中、私は1人の乗客に目が止まった。

視覚障害者の持つ白杖、そして通常なら居るはずのサポーターが居ないのだ。

その人はバスから降りて数歩歩いたところで止まった。

なぜ止まったんだろうそう思いながらその人を見ていると白杖を両手で握り、持ち手ごと立て掲げている。

これは私が小学生の頃習った視覚障害者のヘルプサイン。

私は内心誰かがやってくれるだろう。と思ったが周りを見た時にその人が居ないかのように進む人ばかり、それを見ると同時に私は

『自分には用事はあるが、それは先方に謝ればいい。今目の前に困っている人がいて、自分には助けれる力がある』

そう思い話し掛けた。

「いきなりお声掛けしてすみません。如何なさいましたか?」

そう言うと

「ここにお土産屋さんがあると聞いたのですが、私は初めてここに来たのでどこに行けば良いのか分からないのです……」

そう言われた私は行き慣れているこの場ですぐにお土産屋なんてものは分かる。

「お土産買いに来られたんですね。その場所なら私わかるのでお連れしますよ!腕掴ませてもらっていいですか?」

相手が同意したのを確認して強すぎないように腕を絡ませる。

「歩きますよ」

そう言ってその人の歩調に合わせながらゆっくりとだが進んでいく。

途中で、左に曲がります。など普通の人なら考えられないだろうが進む方向などを教えながら歩んでいく。

無事お土産屋に着いた。

「はい、ここがお土産屋さんですよ。私はこのあと用事があるのでお店の人にご案内頂けるようにお願いしてきますね」

そう言ってゆっくりと相手がびっくりしないよう腕を解いた。

そこの店員にどういった方なのか、自分が何者か伝えると快く受けてくれ、その店員は頭を私に軽く下げた後直ぐにその方のフォローに着きに行った。

その時から私は誰かが困っていたら助けよう。

自分には精神疾患があれど、外身はどこも欠損がない。ならば自分に助けれる人は全てこの手で救おう。

そう心に誓った。

そして大人になり、M市消防団員として数年活動し、上京しても変わらず消防団員となり、今では一次救命処置を行える技能までを持ち得た。

最初に消防団員になった時に、医学も軽くかも知れないが一通り勉強し、応急処置も学んでいた。

だがそれで終わりでは無いのだ。

この先何十年と生きるこの体である限り、いや

 

生まれ変わっても

『人を救う』

その為にこの経験があったのだろう。


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