遊戯王GX~Ritual Story   作:ゼクスユイ

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第17話 友情の一撃!吠えろ、サイバー・エンド・ドラゴン!

「賢者の石とは非金属を貴金属に、無機物を有機物に、非生物を生物に、無から有を創ることができる万能の石のことにゃ。この賢者の石を創ろうと数々の錬金術師が挑んでは失敗したんだにゃ。かの有名な錬金術師であるクリスチャン・ローゼンクロイツらもその例外ではないと言われ……」

 5限目の錬金術の講義をしていた大徳寺先生はふと生徒らの方を見ると、十代が机に涎を垂らしながら寝ていた。やれやれといった表情をしたあと、十代にこっそり近づき手にしている本で頭をこんこんと叩く。

「十代君、私の授業どこまで聞いていたのかにゃあ?」

「へ、へへへ……」

「そんな悪い子は校長室行きだにゃぁぁぁ!!」

「えええええっっっーー!!」

 十代の絶叫が教室に鳴り響き、その声にほかの生徒らはどっと笑いだす。そして、授業が終わるとなぜか万丈目、明日香、三沢、夜光もなぜか校長室に呼び出されるのであった。

 

「な~んだ、万丈目たちも寝ていたのか」

「そんなわけあるか! 俺は貴様と違ってちゃんと授業は受けている!!」

 校長室につづく廊下で万丈目の怒声がなる。オベリスクブルーはデュエルの腕だけでなく授業の成績でも上位に入りつづけなければならないほどシビアな世界だ。ブルーに所属している万丈目が退屈だと感じているとはいえ錬金術の授業で寝たり、サボったりするわけがないのだ。

「とにかく校長室に行けば理由がわかるはずだ」

「それもそうだ。さっさと行くぞ」

 三沢の言葉を聞いて万丈目が早足で校長室に向かい、それを追うように十代たちは校長室に向かって歩いていく。そして、校長室のドアをガチャリと開けると、そこには鮫島校長だけでなくクロノス先生、カイザーがおり、アカデミア有数の腕をもつデュエリストが校長室に集合していることになる。どうやら、居眠りの件で怒られるような様子でないことに十代はホッと胸をなでおろそうしたが、響先生に睨まれ、委縮してしまう。

「貴方たちに集まってもらったのはほかでもありません。この島に古から封印されている三幻魔のカードを護ってほしいのです」

「三幻魔のカードってなんだ?」

 十代の当然の疑問に答える鮫島校長。三幻魔のカードとはこの世の災いを封じ込めた3枚のカードであり、学園の地下深くに封印されている。そして、その封印を解くと世の中に災いが訪れ、世界が破滅すると語り継がれているそうだ。一見、眉唾ものに見える伝説だが、世の中には特別な力を持つカードが数は少ないとはいえ存在している。そのため、三幻魔が世界を滅ぼすと言われていても不思議ではない。

 そして、その封印を解こうとデュエルアカデミアに挑戦状がたたきつけられた。その者たちはセブンスターズ、7人の闇のデュエリストだ。彼らは三幻魔の封印を解くのに必要な七星門の鍵を奪うため、デュエルを仕掛けるそうだ。

「この七星門の鍵を貴方がた7人のデュエリストに護って頂きたい」

「要するにアカデミアの看板を賭けた道場破りが来ると思えばいいノーネ」

「まあ、今はそう思っていただいても結構ですが……」

 クロノス先生が鍵を受け取り、それに続いてカイザーたちが鍵を受けとっていく。その後、セブンスターズの襲来に備えるため、各々自分の部屋でデッキ調整をしようとしたとき、カイザーが夜光を呼び止める。

「お前にはいろいろと聞きたいことがある」

「良いぜ。こっちも聞きたいことがあるからな」

 それなら話は早いとカイザーと夜光は今晩灯台の下で待ち合わせすることにする。

 

 星が煌めき、三日月が出ている夜空の下で、カイザーと夜光は真剣なまなざしで相手の顔を見ている。

「お前はなぜ藤原のことを知っている」

「俺の知り合い、いやデュエルを教えてくれた師匠と呼ぶべき人がカードのことを研究している人なんだ。その人が開発したカードの影響を受けなくする特殊なコーティングを俺のカードに施してくれたんだ。多分、その影響で藤原優介のことを覚えていたんだろうな」

「待て。藤原に関する記憶が消えていったのはカードの影響とでも言うのか!」

「さっき聞いていただろう、三幻魔のこと。世の中には不思議な力を持つカードはたくさんあるんだ。記憶を消すようなカードがあってもおかしくはない」

「にわかには信じがたい話だ」

 カイザーは考えもしなかった夜光の言い分に衝撃を受ける。三幻魔の話を聞いていなければ、嘘だとはっきり言い切ることができただろうが、三幻魔のことを話す鮫島師範代の真剣な表情がそれを許さない。今、この場で真偽を下すことができないカイザーは夜光の疑問に応えることにした。

「俺の質問もカイザーと同じさ。なんでカイザーは藤原優介のことを覚えているんだ」

「わからない」

「へっ?」

「わからないんだ、俺も」

 先までの堂々とした態度から一転、カイザーは声を震わせながら語っていく。藤原が居なくなってから、友人だけでなく教師までもが藤原のことを最初からいなかったように振る舞う中、いつ自分が藤原のことを忘れてしまうのかと心の奥底で恐怖を感じていたのだ。だが、その恐怖を誰かに打ち明けようとしても、彼の言うことを理解できる人間は誰もいない。そんな孤独の中で、恐怖を打ち消すかのように戦っていくうちに彼はいつしか『孤高の帝王』と呼ばれるようになった。

「怪しいと思うよりも同じ状況にいる仲間が居てくれたことに喜びを感じていたかもしれないな。もし、藤原のことで何か気づいたら、教えてくれ」

「ああ。わかった」

「話が長くなったな、寮に帰るとしよう」

「素晴らしい話を聞かせてもらったよ」

 カイザーと夜光が自分の寮に帰ろうとしたとき、何者かが二人に話しかける。誰だとと言って、声がしたほうを振り向くと、レッドアイズを模したような仮面を身に着けた黒コートの長身の男性が立っていた。

「私の名はダークネス。セブンスターズの一人だ」

「その声……まさか!」

「今日の私は運が良い。七星門の鍵を持つものが2人もいるのだからな。さあ、どちらが先に私にやられるか選ぶがいい」

「ここは俺がやる。文句はないな」

「ないね。やるからには必ず勝てよ、カイザー」

「「デュエル!」」

 コイントスの結果、カイザーが先行を取りデュエルが開始される。

 

カイザーLP4000

ダークネスLP4000

 

-カイザーのターン-

「俺のターン、ドロー!

俺はカードガンナーを守備表示で召喚する」

 カイザーの場に現れたのはおもちゃみたいな小型のロボット。先行では彼のエースモンスター、サイバー・ドラゴンを召喚することはできないため、まずは墓地肥しをしてフィールドを整えるようだ。

「そして機械複製術を発動。このカードの効果により、デッキからもう一体のカードガンナーを特殊召喚する。2体のカードガンナーの効果でデッキからカードを6枚墓地に送る」

 

落ちたカード

大嵐

トラップ・スタン

サイバー・ドラゴン

神の宣告

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

死者蘇生

 

 墓地に落ちたカードを見て、カイザーは苦虫を噛み潰したような表情をする。強力な制限カードが2枚も墓地に落ちてしまったのだから仕方がない。だが、彼にとってこの一戦はこれまでの人生の中で最も重要なデュエルなのだ。運が悪かったので負けましたでは話にならない。

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

手札:3枚

場:カードガンナー×2

魔法・罠:伏せ1枚

 

-ダークネス-

「私のターン、ドロー!

私は竜の霊廟を発動。デッキから真紅眼の黒竜を墓地に送る。この瞬間、竜の霊廟の更なる効果が発動する。このカードの効果で墓地に送ったカードが通常モンスターだった場合、デッキからもう一体ドラゴン族モンスターを墓地に送ることができる。

七星の宝刀を発動。手札の嵐征竜-テンペストを除外し、2枚ドロー!さらに除外されたテンペストの効果によりデッキから風属性・ドラゴン族モンスターを手札に加える。

思い出のブランコを発動。墓地の真紅眼の黒竜を復活させる」

 海より浮上したレッドアイズが真紅の眼でカイザーを睨めつけながら、ダークネスの場に現れる。城之内克也をはじめとする著名な決闘者に使われている有名なカードだが、カイザーにとってレッドアイズなどは眼中になかった。

「その声、そして思い出のブランコ……間違いない。お前は吹雪だ!」

「吹雪ではない。ダークネスだ!」

「吹雪、お前は誰かに操られているのか!」

「操られてなどいない。その証拠に見せてやろう。ダークネスの真の恐ろしさを!

私はチューナーモンスター、ドラグニティ-コルセスカを召喚」

「チューナー? なんだそれは?」

「私はレベル7真紅眼の黒竜にレベル1ドラグニティ-コルセスカをチューニング!」

 コルセスカが1つの輪となり、レッドアイズが7つの星となって輪の中へと潜っていく。その召喚方法に二人は目を見開き、驚愕する。

「う、嘘だろ。この世界に……この時代にはまだ実験段階のはず……」

「シンクロ召喚!出でよ、クリムゾン・ブレーダー!」

 血のように紅い鎧を身に着けた二刀流の剣士がダークネスの場に現れる。それを見たカイザーはシンクロ召喚とは普通の融合や儀式よりも剣闘獣のような融合だと考える。剣闘獣の融合との違いは融合素材、この場合はシンクロ素材と呼ぶべきものはデッキに戻らず、墓地に送られるようだ。昔とは違い、今の環境は墓地からの蘇生手段が多く、『墓地は第2の手札』とまで呼ばれる。つまり、シンクロ召喚は墓地を再利用し続けることが可能であり、第2、第3のシンクロ召喚が行われる可能性が非常に高い。驚異の召喚方法にカイザーは冷や汗を流す。

「ふははははは!これが過去・現在・未来を操り、12次元世界を統べるダークネスの力だ!貴様ごときに勝ち目などない!!

クリムゾン・ブレーダーでカードガンナーに攻撃!レッド・マーダー!」

「たとえ未知の力であろうと俺は俺のデュエルを貫く!カードガンナーの効果で1枚ドロー!」

 だが、相手が詳細が不明な召喚方法を使おうとカイザーはこのデュエルをサレンダーすることはない。たとえ、相手が強力なカードを出したとしても必ず弱点はあるのだ。今はその一瞬を信じて、カードをドローする。

(サイバー・ドラゴンを引いた!これで俺の手札にあるサイバー・ドラゴンとパワーボンドを使えば……)

「どうやらお目当てのカードを引いたようだな。だが、クリムゾン・ブレーダーが戦闘破壊したとき、相手は次のターンレベル5以上のモンスターを召喚・特殊召喚することができない」

「俺のサイバー・ドラゴンが封じられた……!?」

 カイザーは自分のすべての戦術を封じられたことを知る。クリムゾン・ブレーダーを倒さない限り、カイザーに勝機はない。だが、攻撃力2800のモンスターをレベル4以下のモンスターだけで倒すのは至難の業だ。

「貴様の戦略は融合などの魔法カードでレベルの高いモンスターを呼び出し、圧倒的なパワーでねじ伏せるもの。だが、高レベルモンスターを封じた今、貴様は翼を失った鳥に同じ!」

「くっ……」

「カードを2枚伏せる。ターンエンド」

 

手札:2枚

場:クリムゾン・ブレーダー

魔法・罠:伏せ2枚

 

-カイザーのターン-

「俺のターン、ドロー!

サイバー・ドラゴン・コアを守備表示で召喚。サイバー・ドラゴン・コアが召喚に成功したことで、デッキからサイバネティック・ヒドゥン・テクノロジーを手札に加える」

「なるほど。そのカードでクリムゾン・ブレーダーを牽制し、次のターンでサイバー・エンド・ドラゴンかサイバー・ツイン・ドラゴンを召喚しようという魂胆か。だが、そううまくいくかな」

 カイザーにしては非常に消極的な一手。だが、サイバー・ドラゴンを召喚できないこの状況でクリムゾン・ブレーダーの攻撃を抑制するにはこれしかないのだ。

「……カードガンナーの効果でデッキのカードを3枚墓地に送り、カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

手札:3枚

場:コア

  カードガンナー

魔法・罠:伏せ3枚

 

-ダークネスのターン-

「私のターン、ドロー!

リビングデッドの呼び声を発動。墓地のレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚する。レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンの効果で墓地の真紅眼の黒竜を特殊召喚する。

竜魂の力をクリムゾン・ブレーダーに装備する。このカードの効果でクリムゾン・ブレーダーはドラゴン族となり、攻撃力が500ポイントアップする(ATK2800→3300)

チューナーモンスター、ドラグニティ-ファランクスを召喚。

レベル7真紅眼の黒竜にレベル2ドラグニティ-ファランクスをチューニング!

シンクロ召喚!出でよ、蒼眼の銀竜!」

 青眼の白龍によく似たドラゴンが天空より降臨し、他を圧倒するオーラを放つ。カイザーは知る由もないが、銀竜は海馬瀬人がブルーアイズの進化形態として作り出した専用のシンクロモンスターであり、ダークネスの場に伝説のドラゴンの進化形態が並ぶのは異常ともいえる光景だ。

「蒼眼の銀竜が特殊召喚に成功したとき、場のドラゴン族は効果の対象にならず、効果では破壊されない!」

「なに!」

 カイザーはその強力な耐性に驚く。ミラフォや炸裂装甲のような破壊効果を持つカードだけでなく、次元幽閉のような対象をとる効果までもがこのカードの前では無力と化すのだ。

「クリムゾン・ブレーダーでサイバー・ドラゴン・コアに攻撃!」

「リバースカード、アタック・リフレクター・ユニット。サイバードラゴン扱いのサイバー・ドラゴン・コアをリリースして、デッキからサイバー・バリア・ドラゴンを守備表示で特殊召喚する」

「サイバー・バリア・ドラゴンの守備力は2800。だが、クリムゾン・ブレーダーの攻撃力はそれを上回っている。そして貴様に逃げ道などないことを教えてやろう。リバースカードオープン、竜の逆鱗!このカードの効果でドラゴン族は貫通効果を得る」

 クリムゾン・ブレーダーはサイバー・バリア・ドラゴンを切り裂き、破壊する。そして、破壊されたサイバー・バリア・ドラゴンの破片がカイザーの頬をかすめ、血を流させる。

 

カイザーLP4000→3500

 

「受けたダメージが現実になっている……?」

「そう。これが闇のデュエルだ。そして貴様のライフポイントが0になったとき、貴様の命も0となるのだ!

蒼眼の銀竜でカードガンナーに攻撃!」

 青白く輝るブレスがカードガンナーを貫き、その勢いを落とすことなくカイザーを吹き飛ばす。

 

カイザーLP3500→1400

 

「カードガンナーの効果で1枚ドロー!」

「だが、これで終わりだ!レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンでダイレクトアタック!!ダークネスメタルフレア!!」

「この攻撃が通れば、カイザーのライフは……」

「罠発動、ガードブロック!戦闘ダメージを0にし、1枚ドローする」

 ガードブロックは数少ない対象を取らない効果。よって、蒼眼の銀竜の効果範囲外であり、攻撃を防ぐことができた。首の皮一枚でつながったカイザーに対し、ダークネスは苦々しい表情をする。

「ちっ、耐えたか。カードを1枚伏せてターンエンド」

(私の伏せたカードはトラップ・スタン。これで次のターン、奴の息の根を確実に仕留めてやる)

 

手札:0枚

場:レダメ

  蒼眼

  クリブレ

魔法・罠:伏せ1枚

     リビデ(レダメに使用)

     竜魂(クリブレに使用)

     逆鱗

 

-カイザーのターン-

(俺の手札にあるモンスターカードはサイバー・ドラゴンのみ。だが、クリムゾン・ブレーダーの効果で召喚を封じられている)

「どうした。早くカードを引き給え。それとも怖じ気ついたか」

「くっ……俺のターン、ドロー。このカードは……!?」

(奴の表情が変わった? 一体何を引いたというのだ)

 カイザーはドローしたカードを見て、窮地に追い込まれ絶望した表情から一転、希望を手に入れたような表情をする。

「そうだな。俺は一人だけで戦っているわけじゃない」

「一体、何を言っている!」

「俺はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

-ダークネス-

「私のターン、ドロー!

私は銀竜の効果で墓地の真紅眼の黒竜を特殊召喚する。アドバンスドローを発動。蒼眼の銀竜を生贄にささげ、2枚ドロー!

真紅眼の黒竜を生贄に真紅眼の闇竜を特殊召喚!真紅眼の闇竜の攻撃力は墓地のドラゴン族一体に付き300ポイントアップする。私の墓地には2体のドラゴン族チューナーと真紅眼の黒竜、蒼眼の銀竜の4体。よって攻撃力は3600。さらに装備魔法、団結の力を装備する。

そしてレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンの効果で、蒼眼の銀竜を特殊召喚!」

 銀竜の効果により、再びダークネスの場のドラゴンが最強の耐性を手に入れる。これで伏せていたトラップスタンと合わせてダークネスは安心して攻撃をすることができる。

「真紅眼の闇竜でダイレクトアタック!」

「速攻魔法、瞬間融合!」

 

瞬間融合(アニメオリカ)

速攻魔法

このカードはバトルフェイズ中のみ発動する事ができる。

自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められたモンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚扱いとして特殊召喚する。

この効果で特殊召喚した融合モンスターは、エンドフェイズ時にエクストラデッキに戻る。

 

「このカードの効果で俺の場のモンスターを融合させる」

「だが、貴様の場にモンスターはいない」

「それはどうかな」

「なに!」

「俺はもう一枚のリバースカード、サイバネティック・フュージョン・サポートを発動していた。このカードの効果で俺は場だけでなく手札・墓地のカードも融合素材とすることができる。その代償として融合素材は除外され、俺は半分のライフを失う」

 

カイザーLP1400→700

 

「俺は墓地のサイバー・ドラゴン、サイバー・ドラゴン・ツヴァイ、サイバー・ドラゴン・ドライを融合!出でよ、サイバー・エンド・ドラゴン!」

 カイザーの場に自身の代名詞ともいえるサイバー・エンド・ドラゴンが現れる。サイバー・ドラゴン封じはあくまでもカイザーのターンのみ。ダークネスのターンに融合召喚すれば封じられることはないのだ。だが、カイザーが必死の思いで召喚したサイバー・エンド・ドラゴンをダークネスは嘲笑う。

「なるほど。サイバー・エンド・ドラゴンを盾にして、次のターンパワーボンドやリミッター解除などを使用し、ワンショットするつもりか。だが、真紅眼の闇竜の攻撃力は団結の力により6500となっている。1ターン、遅かったな。

行け、真紅眼の闇竜!サイバー・エンド・ドラゴンを粉砕しろ!ダークネス・ギガ・フレイム!!」

「藤原、力を貸してくれ!俺はオネストを発動!!」

 カイザーはオネストを発動させると、サイバー・エンド・ドラゴンの機械の羽がパージされ、その中から天使の羽をのぞかせる。カイザーは藤原の行方を示す手がかりを求め、彼の部屋だった空き部屋をくまなく調べ、彼が大切にしていたオネストのカードを見つけたのだ。そして、友情の証としてデッキに入れていた彼のカードがカイザーの窮地を救ったのだ。

「オ、オネストだと……!? うっ、頭が……」

「オネストの効果により、俺のサイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力は10500! 吹雪、俺たちの友情の一撃で目を覚まさせてやる!! 友情の一撃、エターナル・エヴォリューション・バースト!!!」

「オネスト、そんな目で俺を見るなぁぁぁぁぁ!!」

 カイザーたちには見えないが、ダークネスにはオネストの精霊の姿がはっきりと見えていた。そのため、本体が捨てたはずの過去を思い出しそれが苦痛となっているのだ。そんなことは知らないカイザーだが、さっきまでとは明らかに違う態度に驚くカイザー。一体何が起こったのかその原因を考えていくうちにカイザーは拒否したいが、真実かもしれない可能性に気付く。

「オネストに反応している? まさか、吹雪をダークネスを操っているのは……!?」

 そう、藤原のオネストに反応する人物となれば藤原本人しかいない。つまり、藤原と吹雪は何かの事件に巻き込まれたのではなく、吹雪が藤原の手によって拉致された事件だったのだ。自分らの友情は偽りだったのかという考えをカイザーは心の中で必死に消す。

 そして、サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃がダークネスを襲い、その仮面を破壊する。

 

ダークネスLP4000→0

 

 破壊された仮面の下から現れた素顔は行方不明になっていた明日香の兄、吹雪だった。闇のデュエルの影響か気を失っているようだが、命に別状はなさそうだ。そして、カイザーは医務室に運ぶため、吹雪を肩に担ごうとするが、闇のデュエルでのダメージが大きいせいか身体がうまく動かない。

「無理するな、カイザー。今、だれか呼んでくるから」

「……親友が敵に回ったとき、お前はどうする?」

「せめての情けで自分の手でそいつを倒すさ」

 カイザーはそうかと無理やり納得させようとする。友情を踏みにじり、吹雪を操り、明日香を悲しませ藤原はせめて自分の手で決着をつけようと決めようとしたとき、夜光の口が開く。

「……だが、そいつが本心から敵に回ったわけじゃないなら、何が何でも助け出す。大切な奴ならなおさらな。たとえ、命を投げうってでも」

 夜光が救助を呼びに闇夜の中へと消えていく。一人残されたカイザーは藤原の真意はどこにあるのか自問自答するが、答えは出ない。だが、これから先セブンスターズと戦っていけば、ダークネスのことが分かるかもしれない。カイザーは結論付けるにはまだ早いと考えるのであった。




3か月ぶりの投稿です。
カイザーストラクで良い感じに強化されました。
できればもう少し強いカードがほしかったけど、強すぎるカードがあるとそれはそれでデッキの多様性が失われてしまいますからね。

そして、この小説での初シンクロ。
ダークネスの設定はとても便利で素敵。アニメの活躍は知らん。
ゼアルもあとわずかですが、ダークネスと関わりのあるヌメロンコードのことは早く明らかになってほしいですね。

それでは来年もよろしくお願いします。
(と言いつつ年末に投稿しているかも)
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