マージナル・アーカイブス - 子供使い、先生になる -   作:オーバードライヴ

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00100110_僕はイヌワシ

 いきなり枕が飛んで、目の前に星が散った。

 

「おーい、ねぼすけ。起きろー」

 

 フブキが枕を蹴飛ばしたのだ。恨みがましく思いつつも、とりあえず身体を起す。だれかが毛布をかけてくれていたらしい。

 

「……って、令状!」

「とっくに出してきたよー。今手続き中。カンナ局長が通してくれるってさ」

「~~~~~~~っ、よかったぁ……」

 

 飛び起きたがへたり込む。なんとか間に合った。これが間に合わなかったら先生の根回しも全部パーになるところだった。

 

「そして、ほら。手帳と端末」

「え? もう処分解除?」

「というより、処分そのものをもみ消した感じじゃない? 潜入捜査とかそういう感じで」

 

 なんだかものすごく釈然としない。昨日の朝……日付が変わってるから一昨日の朝のあの売り言葉に買い言葉はなんだったんだ。

 

「なんだかカンナ局長の手のひらの上で踊っただけだった気がする……」

「カンナ局長と踊れるだけ相当じゃない?」

 

 フブキはそう言って銃を背負い直す。

 

「行こっか。アビドスの皆さんがお待ちかねだよきっと」

 

 そう言われて教室を出るけれど、慌てて戻って毛布を畳んでから追いかける。後でお礼を言わなくちゃ。

 

 アビドス高校の校庭にはヘリが1機とロジコマが6台並んでいた。

 

 ヘリにはトリニティ総合学園の校章がついていた。先生が人道支援ということで救護騎士団と話をつけたらしい。あの大きな盾を持っているのは蒼森ミネ団長なのだろう。こういう所に本人がでてくることは最近なかった。先生はかなりの無茶を通したようだ。

 

 ロジコマは全部が昨日できあがったばかりの量産型の新型で、砂漠迷彩のタンカラーに、低視認性塗料(ロービジ)で連邦捜査部のマークが見える。ミレニアムのエンジニア部の超技術で、電流のかけ方で色も自由に変わるというから驚くが、周囲の地形に合わせてリアルタイムで塗料の色を変えられるのは便利だ。

 

 それに突入組となるヴァルキューレとアビドスの面々には一人一台のロジコマが割り当てられ、ロジコマの後ろにある制御モジュールに乗って操縦することになる。座面もついて昨日使ったロジコマよりは楽だが、風防兼防弾板のおかげで視界が狭い。TITTYの情報連携でロジコマのカメラ映像がなければまともに操縦すらできないゲテモノ装備だ。一応細い窓から外を見ることはできるがほぼ意味が無い代物なあたり割り切った作りになっている。おかげでお尻の大きな蜘蛛みたいな見た目でちょっとグロテスクだ。

 

「あ、キリノさん。おはようございます」

 

 笑顔のノノミさんが声を掛けてくる。ノノミさんの武器はロジコマに既に接続されていて、完全に車載武装みたいになっている。この状態で三分間は弾帯交換ナシで撃てるらしい。

 

「はい、おはようございます! えっと、毛布ありがとうございます」

「ふふっ、そのお礼はセリカちゃんに」

 

 ロジコマの操作性を確認していたセリカさんがぺこりと頭だけ下げて作業に戻っていた。忙しそうだから後でお礼をしっかり言っておくことにして、私の搭乗機に向かう。

 

「よろしくね」

『はいっ! お任せくださいませ!』

 

 ものすごくハキハキ喋るAIが搭載されている。バッテリーを確認し、自身のTITTYとロジコマをリンク。これで頭を振った向きに合わせてリアルタイムでカメラの映像が転送されるようになる。先生の端末はスタンバイになっているらしく、繋がらなかった。

 

「キリノ」

 

 シロコさんが声を掛けてくる。シロコさんは、ホシノさんの盾とショットガンを背負って行くらしい。

 

「間に合いそう?」

「はい、フブキが頑張ってくれたので」

「頑張ったのはキリノだよ。そんな謙遜しないの。私が真面目にやるように見える?」

 

 ロジコマのガンラックに乱雑に銃を投げ込みながらフブキがそう言うが、結構真面目なのは知っている。かなりごねてくれたはずだ。

 

「わかった。終わったらお礼させて」

「お礼なんてとんでもない! ヴァルキューレの責務ですから!」

「あ、それじゃあ今度先生にスイーツバイキング奢ってもらう約束したから、今度みんなで行こうよ」

 

 フブキ、それ聞いてない。

 

「……わかった。いろいろ後で話させて」

 

 シロコさんのテンションが少しさがった気がするが多分気のせいだ。気のせいということにしたい。アヤネさんが苦笑いを浮かべている。

 

「それじゃあ、用意できたら移動しましょうか。移動しながら動作チェックということで」

 

 アヤネさんに促され、私もロジコマに乗る。拳銃を二つ脇に下げているだけなので、ガンラックは使わない。バイク用みたいなシートにまたがり、フットレストに脚を掛ける。かなり前にあるハンドルを握るとほぼ乗り心地はバイクそのものだ。

 

 アヤネさんが合図を出して移動を開始。今回の班のリーダーはアヤネさん。先生の隣で指揮をしているのを見ていた限り、かなり信頼できる指揮官だ。先生との無線が断絶した場合、指揮はアヤネさんが引き継ぐことになっている。

 

《これだけゴツい防弾板なら結構安心ね》

 

 そんなことを言って居るのはセリカさん。そうですねーとノノミさんが返している。続けて発言したのはアヤネさんだった。

 

《とはいえ、突入時は色々気をつけないとですから。全員で一斉に時速120キロの最高速度で相手の迫撃砲の投射域を飛び抜けることになります》

「そういえばノノミさん、線路の使用許可って……」

《バッチリです☆ もう廃線になったところしか影響しないんで、路盤ごと吹き飛んでも問題無しということで話がつきました》

 

 ノノミさんもかなり頑張って交渉をしていたはずだ。本当にいろんな人がなんとかここまで繋いできた。

 

《キリノさんもフブキさんも無理しないでくださいね。逮捕権限があるのはお二人なんですから》

《ははは。大丈夫大丈夫。ヤバくなったら隠れるから安心して》

「それのどこに安心する要素があるんですか……」

 

 私の突っ込みは黙殺される。令状に基づく法執行ができるのは、ヴァルキューレ警察学校の警ら学生として職責がみとめられる私とフブキの二人だけ。ホシノさんを保護出来ればそれで一応作戦は成功なのだが、ほぼ間違い無く実行犯がそこにいる。それを無力化して逮捕するのが―――実際は、みんなでボコボコにした相手に手錠を掛けまくるだけなのだが―――私達の役割だった。

 

 だから今から、危険地帯(ホットゾーン)に飛び込む。

 

「……私が、ヴァルキューレであるために」

 

 無線に乗せずに呟く。待機場所のアビドス東駅が遠くに見えてきていた。

 

 

 


 

 

 

「……先生、風邪引いちゃいますよ」

 

 ユウカが呼びに来ていた。砂漠の夜が冷えるというのはキヴォトスでも同じらしい。

 

「そろそろ時間かな」

「もう少し時間はありますが……気になって」

 

 移動指揮車はわずかな丘の上に配置されていた。ここからだとアビドスの旧市街が遠くに見える。

 

「気になってって何がだい?」

「先生が、です。……大丈夫ですか?」

 

 そう言われて笑ってしまった。

 

「大丈夫だ。それとも、大丈夫じゃないと言えば、代ってくれるかい?」

「それは……」

「冗談だよ。指揮官は僕だ。そのための大人だ」

 

 空を見上げるとまるで天使の輪のように恒星の軌跡が描かれている。

 

「ここは星がきれいだな。……僕の知っている並びと違うようだけど」

「先生が外の方というのは……本当、だったんですね」

 

 この言い方だときっと僕と黒服の会話のアーカイブを見たのだろう。

 

「失望したかい?」

「いいえ」

「そうか。……ユウカはこんな最低な大人になるなよ」

「先生は!」

 

 ユウカが食いついてくる。

 

「先生が最低じゃないことは、知ってます。それは私よりも、アビドスの生徒さんたちがよく知っていると思いますし、先生が最低だったなら、ここまで人が集まってません!」

「……そうだといいな」

「そこは自信を持ってくださいよ、先生。貴方は、間違いなく私達の先生なんですから」

 

 先生、か。

 

「そうだな。いい加減僕も覚悟を決めないといけないね」

「え?」

「大丈夫。もう、大丈夫だ」

 

 タブレットと指揮官用の管制端末をリンク。振り返れば小ぶりなトラックが待っていた。移動指揮管制車。荷台スペースが横に広がるようになっていて、作業スペースを確保する形だ。そういえばこんな形の救急車があった気がする。ここまでコンパクトで人員の展開ができるなら確かに便利だろう。

 

 荷台に伸びるタラップを昇り、指揮所に入る。そこで待っていたのはユウカと同じ色合いをした制服を着た、桃色の髪の小さい子。

 

「コユキ」

「あ、やっと戻ってきた! ユウカ先輩、これ因数分解できます? 多分500桁同士の素数に6桁くらいの何かを掛けてると思うんですけど」

 

 そう言ってコユキが画面に数字の羅列を表示した。多分1,000桁くらいの数字が羅列されている。一瞥したユウカがコユキの使っている管制卓のキーボードを叩きはじめる。

 

「合計1,000桁ちょっとだと入力に2分くらい掛かるわよ」

「にゃはは、さすがユウカ先輩太もも大根。……暴力反対っ!」

「次言ったら反省部屋だからね」

 

 どうやら足下を蹴られたらしい。僕では見ても何が何だかさっぱり分からないので素直に聞くことにした。

 

「コユキ、これは?」

「なんか旧市街からずっと出てる電波通信です。多分出力からして中近距離向けのハンディ機が発信元っぽいですね。どうやらC4ISR回線の補助で使ってるようなんで解析中なんですが……RSA方式で暗号化されると単純にダルいんですよねーこれ」

「そのダルい計算を私にさせてるわけ?」

「悲しみも怒りも全部因数分解できる先輩なら楽勝ですよね?」

「いや、解くのは一瞬でも入力がダルいんだけど」

 

 C4ISR回線といえば軍用通信回線だ。その通信プロトコルを人力で解析できるあたりこの二人も相当とんでもない。1,000桁の数列を一瞥しただけで因数分解できるとかどう考えても尋常じゃないのだが、これも神秘のなせる技なんだろうか。

 

「はい、入力完了」

「にゃはは~。はい、一段階目突破! 二段階目はっと……うーん、暗号テーブルが雑! 一定時間ごとにカイザーインダストリー製通信機、多分KWNI-2077かな? その暗号表をデフォルトのままホッピングさせてるだけですね。秒殺です秒殺」

 

 そう言いつつものすごい勢いでキーボードを叩くコユキ。なんだか最近の子はすごいんだな。僕の知らない戦場が目の前で動いている。

 

「ユウカ先輩コレ本当に私必要でした? ネズミにも抜かれそうな暗号強度しかないんですけど。はい三段目突破。さすがに四段目はないか。一段目のRSAで時間稼いでただけでした。中身はデータ通信っぽいんですが、これ通話ですかね。これなら復号もらくちん、っと……先生! 5分前の通信から追っかけて復号かけますんでリアルタイムの補正にはならないんですけど反映してっていいですか?」

「頼む」

 

 僕はとりあえず全体のマップをスクリーンに呼び出すことにした。作戦領域に各人員の配置が見て取れる。

 

「アロナ」

『はい、先生』

「僕は極悪人だ。それでも、僕はみんなの先生でありたいと、大人でありたいと思う」

『はい』

 

 シッテムの箱を受け取ったときから、僕はきっと、覚悟を決めるべきだったのだ。認めるべきだったのだ。

 

 ここが僕の戦場だという覚悟が足りなかった。その自覚のなさが、攻撃にスタンスを移すことができない原因となって、結果的にホシノを追い詰めた。

 

「僕は、よい先生になれるだろうか」

『きっともうなってますよ、先生。―――移動指揮車、およびシャーレ本部システムの全領域を管制モードに移行できます』

 

 アロナの確認。

 

 変わるしかない。僕が、進むしかないのだ。

 

「掌握を頼む」

『音声認証スタンバイ、パスコードをお願いします』

 

 ここからだ。ここから僕は再起動(リブート)する。

 

「……我々は望む、七つの嘆きを 我々は覚えている、ジェリコの古則を」

 

 僕は、イヌワシにならねばならない。僕が飛ぶこの空はもう僕の戦場なんだと、認めなければならない。

 

『第一、第二パスコードクリア。ユーザアサーション検証開始。検証シーケンスは正常終了しました。使用者はアラタ・リョータ、A.R.O.N.A正式ユーザです』

 

 作戦図が高速で更新されていく。意識を広く、どこまでも広く持つ。フラットに、そして、高く保つ。それを見ながら左目を二回瞬き、それがモーションセンサで読み込まれ、全体無線がオープンする。

 

状況確認(ネガティブ・レポート)、SA班」

 

 廃駅になったアビドス東駅の側にあるアイコンが光る。

 

《SA1、アヤネです。コンディションブルーです》

 

 突入の中核であり、攻撃の起点となる対策委員会組と、法執行権限があるキリノとフブキからなるSA班からすぐに回答がある。状況は(ブルー)。問題無く用意を終えたことを伝えてくる。新型ロジコマの起動試験も無事に終えたらしい。

 

「SC班」

《こちらSC1、チヒロ。コンディションブルー》

 

 目標のアビドス旧校舎に一番近い位置まで潜入しているチヒロから小声での通信。便利屋68のメンバー4人を護衛に現地で物理アクセスが必要なイントラネットの掌握のためにチヒロとマキが突入する。連携事項(ノーティス)も伝えてこないということは、今のところ接敵はしていないことになる。

 

「SD班」

《SD1、空崎ヒナ、コンディションブルー、配置についたわ》

 

 ヒナからの通信。アビドス旧市街に一番近いカイザーコーポレーションの補給拠点(デポ)から続く道の脇に隠れているのが配置図からわかる。装甲車が高速で通過できるのはこの道しかない。

 

「SE班」

《SE1、えっと、ファウスト、です! 配置つきました。コンディションブルー!》

 

 少し慌てた様子のヒフミの声。一応ここでも名乗らないことをナギサに厳命されているのだろう。いつぞやのコードネームで伝えてくる。

 

「医療班」

《こちら救護騎士団、蒼森ミネ以下3名、ヘリにて待機中です》

 

 救護騎士団からの人道支援という名目でリーダーとして蒼森ミネ、治療担当として鷲見セリナと朝顔ハナエが来てくれている。今はアビドス高校のグラウンドに駐機しているヘリの中で待機してもらっている。おおよその戦闘の目処が付いたら上空に進出、そのままホシノを回収してトリニティの医療施設に叩き込んでもらう手はずだ。

 

「通信班」

《こちらハレ、シャーレ本部サーバサイド、コンディションブルー、ミレニアムサーバサイド、コタマいかが?》

《こちらコタマ、ミレニアムサーバサイド、コンディションブルー》

 

 今回は向こうのカウンターハッキングが熾烈になることが予想される。ヴェリタスのメンバーはそれぞれ分散して通信の維持に努めてもらうことになる。エンジニア部の面々も、ハードウェアのトラブルに備えてミレニアムとシャーレ本部ビルに分かれてスタンバイしてくれている。

 

「臨検隊、ノア」

《カイザーグループ本部側で43名が分散待機中、コンディションブルーです。無事カンナ公安局長とも合流しました。令状の写しが転送され次第いつでもいけます》

 

 ミレニアム側の臨検隊もなんとか時間に間に合った。これで敵は対応を分散せざるを得ない。政治的な判断が遅れれば遅れるほど、僕たちには有利になるはずだ。

 

「管理班」

「いつでもどうぞ」

 

 ユウカがそう言って回線を全体向けに開き直す。

 

「全作戦参加者の情報連結を確認しました。時計合わせ実施、時刻0455(マルヨンゴーゴー)まで、3、2、1、ハック」

 

 ユウカはそのまま期待に満ちた眼で僕を見てくる。マイクを切って、なにか言うことないんですか、とささやいてくる。正直なところ訓示は苦手だが、一つの区切りとしてするべきだろう。

 

「僕は君たちの先生を名乗る大人だ。時には子供使いと呼ばれることもある」

 

 無線の奥は静かだった。皆が僕の言葉を聞いてくれている。

 

「だが実際は、僕は君たちの頭上を飛ぶ、一匹のイヌワシに過ぎない。君たちの肩に止まるイヌワシだ。君たちがいつか大人になり、銃以外の解決方法を見つけてくれることを願っているイヌワシだ。僕に肩を貸してくれる心優しい君たちに、僕はできる限りのサポートをする」

 

 そうして、僕は君たちを戦場に送り出す。これをいつか、誰かが裁いてくれればいい。大人になった君たちが、こんなやり方は間違っていたと弾劾し、よりよい方法を見つけてくれればいい。

 

「僕が約束できることは少ない。だが、僕は君たちのことを記憶し続ける。僕は、君たちと共にある。これはそういう契約だ」

 

 タブレットに目を落とす。

 

「連邦捜査部シャーレは君たちと共に歩む組織にしていくつもりだ。僕たちシャーレは、前を向こうとあがく君たちが、自分の力で羽ばたくその日まで、シャーレという鳥籠を君たちが窮屈だと壊して出て行くその日まで、君たちを守る最後の砦でありたいと願う。そのための努力を、僕は欠かさない」

 

 シャーレのエンブレムを見る。この世界にしかない、ヘイローを模したもの。天使の輪のように見える、それ。

 

「僕が約束できるのはここまでだ。苦しみを消すことはできない。悲しみはこれから山のように積み上がるだろう。……それでもいつか、いつか必ず世界を変えよう」

 

 たとえそれをつけた子ども達が天使だとしても、それによって銃撃に耐えられたとしても。子どもが銃で苦しむのなら、子どもが戦争で苦しむのなら。

 

「君たちに銃を取らせ、戦うことを強いる世界でいいはずがない。――――――この世界は、間違っている」

 

 僕は、僕の一切をもって、それを否定する。

 

 たとえ今はそれに頼って戦争するしかないとしても、いつかは必ず、変えなければならない。

 

「僕たちは今日ここから、この砂漠から世界と戦う。なによりもまず、君たちのために」

 

 タイマーのカウントダウンを確認する。

 

「作戦目標に変更はない。カイザーコーポレーションの子会社、カイザーPMCに囚われた小鳥遊ホシノの安全を確保する。僕は彼女を見捨てたくない。そのために、君たちの力が必要だ。力を貸してほしい」

 

 カンナからメールが届く。アロナが自動で開封。キリノとフブキにはカンナから直接届いているはずだ。

 

「そのための権限が、今、僕たちに与えられた」

 

 連邦生徒会の承認がおり、正式な令状が届いた。作戦開始時刻が確定する。日の出直前の午前5時ちょうど。ヴェリタスのメンバーが考えてくれた作戦名も一応伝達しておく。

 

「みんなで暁を呼び戻すぞ。0500(マルゴーマルマル)よりオペレーション・ホルアクティ。地平線のホルス作戦を開始する。各員、配置につきなさい」

 

 カウントダウンがまもなくゼロになる。

 

 限界・ギリギリ・マージナル。最後は運任せのマージナル・オペレーションになるだろう。

 

 それでも僕があがくことに意味があると信じる。それがこの世界に呼ばれた意味だと信じる。

 

「作戦を開始する」

 

 だから、僕は僕のやり方で戦争を始めることにした。またいつか、呪われて死ぬその日まで、また戦うことにした。




ようやく戦闘開始です。人数多いから戦闘はしばらく続きそうです、
気合い入れていくので連日投稿が止まるかも知れません(書き上がったらもちろん出していきますが……)、その時はごゆるりとお待ち頂ければと思います。

次回 暁に紛れて

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