マージナル・アーカイブス - 子供使い、先生になる -   作:オーバードライヴ

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アビドス対策委員会編最終話です。


00101011_僕が信じた君たちへ

『昨日午前5時頃に連邦生徒会ビルで襲撃騒ぎがあった件について今日、七神リン連邦生徒会長代行が記者会見を開き、他学区への影響は最小限に抑えられたこと、犯人については現在捜索中と発表しました。本件についてはヴァルキューレ警察学校が主体で捜査中であることから詳細については発表されませんでしたが……』

 

 どこかの病室からそんなニュースの音が流れてくる。ミネとの打ち合わせが終わり、彼女にホシノの病室まで案内してもらっているのだが、ミネは振り返らずに口を開いた。

 

「ホシノさんの病状は安定しています。……彼女はもちろん、カイザーにもより強度の高い救護が必要だとは思うのですが……」

 

 強度の高い救護とはなんだろうとは思うが、手当てが必要という意味では否定できないので肩をすくめた。それじゃあ伝わらないかと思って僕も口を開く。

 

「そうだね。……まあ、でも相手は法人だ。大人がたくさんいるし、今回の事件で膿を出し切ってセルフエイドしてくれればと思うよ」

「もしそうでなかったら先生はどうするのですか?」

「どうもしない……と言いたいところだけど、子どもたちが巻き込まれるなら、今回と同じように戦うことになるだろうと思う」

「……やはり先生に相談したのは正しかったと思います」

 

 足を止め振り返ったミネが一礼をした。

 

「これはトリニティの問題。本来ならあなたを巻き込むことは許されない問題です。ですので大変申し訳ありませんが、どうか……」

「内密に、だね。大丈夫。さっきまでの会話は僕の脳内にしかない。電子媒体にも入れてないよ。……ちなみにこの内容をナギサやミカは?」

「知らせておりませんし、こちらから知らせることはありません。公になっている情報が全てです。それが……彼女たち自身をも守ることにつながると信じております」

「わかった。トリニティの生徒にも、ということだね」

「はい。ありがとうございます。……願わくば、世界を救う糧とならんことを」

 

 その言い草に少し目を伏せる。

 

「僕には世界を救うことはできないよ。極悪人だからね」

「生ける者は皆が咎人ですよ、先生。では私はこれにて。ホシノさんの病室はこの廊下の角を曲がったところです。アビドス高校の生徒さんが歩哨に立っておりましたので、間違うことはないかと」

「わかった。ありがとう」

 

 階段へと消えていくミネを見送ってから言われた廊下を曲がる。そこにはセリカがライフルを手に立っていた。

 

「セリカ」

「遅い。今日はもう来ないかと思ったわよ」

「ごめんごめん。いろいろあってね」

 

 そう言って肩をすくめると、セリカはため息をついた。

 

「シロコ先輩は?」

「アヤネとアビドスに戻ってもらった。疲れ切ってるみたいだったからね、今頃列車の中じゃないかな。君は大丈夫かい?」

「柴関のバイトに比べれば楽勝。疲れたら座ってもいいし、空調効いてるし」

「そうか。無理はしないでくれ」

「心配性だし、なにかあったらここ病院なんだから診てもらうわよ」

「それもそうだな」

 

 状況が状況なため部屋にネームプレートは掛かっていない。ノックして入る。

 

「やあ」

 

 病室に入るとリンゴを剥いていたノノミと目が合った。セリカは病室には入らず、廊下で待ってるとのこと。

 

「ほらホシノ先輩、先生が来てくれましたよ」

「うへ……」

 

 ベッドに横になったまま顔を逸らされたのが見える。ピンク色のヘイローがこちらを向いている。病室は個室で窓の外に夕日が沈もうとしていた。面会時間ギリギリになってしまったが、なんとか来ることができた。

 

「もう、ほらそんなに恥ずかしがらないでくださいよ、先輩。……ウサギさんにしたリンゴ、置いておきますね」

 

 ノノミはそう言って慌てて席を立つ、止めようとしたら、ウインクをされた。どういう意味なんだそれ。

 

「それじゃ、先生。包丁とか洗ってきますから、先輩のこと、お願いします」

 

 そんな流れになるのかと思ってもホシノはいっこうにこちらを向こうとしない。浅黄色の病院着の肩とピンク色の髪が見えている。理由もあるとなると引き留めづらいしなと思っているとさっさとノノミも出て行ってしまった。仕方なくてノノミが使っていたスツールに座る。椅子をわざわざずらして座るのも変だろうと思いノノミがいた位置に腰かけると、顔が真っ赤なホシノが一瞬睨んできて、目をそらした。包帯などで頭や頬を覆っていて、その白さが痛々しい。顔を逸らそうと寝返りを打とうとしたようだが、ギブスで固められた左足が吊られて固定されているせいでまともに逃げられていない。

 

「……大丈夫かい?」

 

 こういうときはどういう言葉を掛ければいいかわからなくなって、無難な言葉を掛けてしまう。言わなきゃいけないこととか、確認しなきゃいけないことがたくさんあって、確認してきたはずなのに、こういうときにとっさに言葉が出てこない。メモでも作っておけばよかった。

 

「……怒らないの?」

「なにについてだい?」

 

 そう聞き返すと、しばらく気まずい間が空いた。

 

「……勝手に出て行ったこと、とか」

「それはもうみんなから怒られただろうから、僕は怒らないよ。実際かなり怒られただろう?」

「う、うん……アヤネちゃんが本当に怖かった」

 

 何をしたんだアヤネと聞きたくなるが本人はいない。怒らせると怖そうというのはわかる。

 

「君の周りには、君が思っている以上に、君のことを心配している人がたくさんいるって話したのは覚えてるかい」

「覚えてる……うん」

「なら僕から怒ることは何もないよ」

 

 そういうと、ホシノがゆっくりとこちらをみた。横になったままの彼女の髪は汗をかいたのか、ぺたりと張り付いていた。少し目が充血しているだろうか。瞼の上の傷テープが痛々しい

 

「借金について、アヤネちゃんが交渉したんだって?」

「立派だったよ。おかげで借金が2億8,000万まで減った」

「うん……聞いた……」

 

 といっても相手が飛ぶ前に僕とアヤネでロジコマをタクシー代わりにしてコーポレーションの本部に挨拶に行っただけだ。利率計算をしたメモ用紙を出しただけで、カイザーローンの法人営業部長だというロボットが慌てふためいて借金を全額帳消しにしようとしてきたので、アビドス対策委員会として借金の返済をしっかりさせてくれと僕とアヤネで頼みこむよくわからない事態が発生したのだ。

 

「でもこれで、アビドス生徒会の財産は負債コミコミで正常に継承できた。やっと一歩目だよ、ホシノ。対策委員会の一歩目だ。君が繋いだ一歩だ」

「うん……」

 

 アヤネが要求したのは、カイザーローンの()()()()()()()()()で発生した過払い金をミスの発生時、すなわち借金の発生時から遡って正しい利率で計算してもらいその差額を返済に充ててもらうこと。これだけで6億円ほど借金が減ったことになる。どれだけの暴利だったかがこれだけで見て取れる。向こうが正しいものとして提示した利率が最低金利になっていたのは、それだけ対策委員会が優良顧客だと思っていると勝手に向こうが口走っていたから、そこだけは見逃すことにした。焦りというのは本当に恐ろしい。

 

 こういうときに欲をかかずにきっちり筋を通せるアヤネは強い。おかげで虚偽の条件で雇用契約を結ぼうとしたPMCへの民事訴訟への影響は封じることができた。ホシノへの傷害罪についても現在ヴァルキューレ主導で調査中だが、被疑者死亡のまま書類送検され、管理責任ということでPMCを民事で訴えることになるだろう。どちらも数年がかりになるだろうが、このあたりの動きは後で詰めていけば良いレベルまでは初動対応を終えている。

 

「生徒会じゃ、なんにもできなかったのに……」

「ホシノ」

 

 名前を呼ぶが、ホシノは止まらない。

 

「何やってるんだろうね。勝手に飛び出して、勝手に騙されて、勝手に絶望して……なんだか、バカみたい」

「……すまない」

「なんで先生が謝るのさ」

「僕のオペレーティングミスだからだ。……相手の戦力の投入量から借金が手段に過ぎないことはわかっていた。そこで特定の生徒を狙っている可能性に行きつくべきだった。……奴らが狙っていたのは、学校でもなく、生徒会という肩書でもなかった。君自身を狙っている可能性を、ありえないと黙殺した」

「……だって、言ってなかったでしょ?」

 

 そう言ってホシノはどこか拗ねたように頬を膨らませる。

 

「やっぱり先生は、ずるいよ」

「ずるいかい?」

「……全部持っていくつもりだったの。全部守るつもりだったんだよ。直接相談したら絶対丸め込まれると思ったから手紙にして、縁もしがらみも全部切って出ていったんだよ。……それなのに、迎えにきてさ。それもゲヘナやトリニティ、ミレニアムにヴァルキューレ……アビドス含めて五校合同の連合部隊を一晩で組み上げて」

 

 ホシノがシーツを握りこむ。

 

「私の意地も、見栄も、その責任も、損害も、全部帳消しにするんだもん。ずるいよ……」

「……ごめん」

「謝らないでよ!」

 

 ホシノの声が病室に響く。

 

「わかってるんだ……! 私のせいだって。信じるべきだった、先生は大丈夫だって、わかってたのに、手を伸ばしてくれたのに、信じてくれたのに……! 私が、手を伸ばさなかったから」

「ホシノ……」

「信じなかったんだよ。先生が大人だから、“大人”ってだけで信じなかったのは私じゃんか! ダメだったのは先生じゃなくて私じゃんか! それでなんで……」

「ホシノ!」

 

 これ以上は聞いていられなくなり、僕も声を張る。びくっと震えてホシノの声がやむ。どうしてホシノがこんな目に合わなきゃいけなかったんだと心の奥がざわつく。今からでも遅くないと信じてカイザー本社を火の海にしたくなるが、僕のミスで子どもがまた一人ひどい目に合うのは御免だ。

 

「手紙も読んだ。僕は、ホシノが信じようとしてくれたことがうれしかったよ」

 

 シーツを握りしめたままの手を見ながら、ゆっくりと言葉をまとめる。

 

「信じるっていうのは、責任を一緒に背負うということだ。失敗しても、成功しても、その結果を一緒に受け止めるってことだ。それには勇気がいる。たくさんいる。あと、そこまでの時間の積み重ねがいる。……信じられないことに、理由はいらない。それを君は責めなくていい」

 

 これだけの時間で誰かを信じると言うのは大人でも難しい。だからお金と肩書に頼る。個人じゃ背負いきれない信頼と責任を看板と金額で分散させて管理するのだから、ホシノが僕を信じられないのは当たり前だ。そこまでの積み重ねがない。信じろと言う方がどうかしている。

 

「信じてくれとは言わない。それでも僕は君の先生でありたいと思う。この世界は君からの信頼を失ってしまった。だけど、もしもホシノが許してくれるなら、もう一度だけ、君の時間を僕たちに分けてほしい。どこまでも不甲斐なくて、どこまでも弱かった大人に、いつか飛び立つ君の背中を、もう一度だけ守らせてほしい。このままじゃホシノがちゃんと大人になる前に参ってしまうよ」

 

 きっといつか、僕は子供たちの期待を裏切るだろう。これは果たすことのできない約束かもしれない。きっとその時間を乞うことすらも傲慢なんだろう。

 

 それでも、諦めるわけにはいかない。

 

「でも……私は……っ!」

「いいんだホシノ。乗り越えられる。必ずだ。必ず乗り越えられる。ただ泣くしかできない夜だってある。後悔で眠れない夜もある。君はそんなつらい夜を知っている。そんな夜を乗り越えてきた君を、僕は支えたいと思う。次の朝を迎えるまでの屋根になりたいと思う。それが僕のエゴだとしてもね」

 

 スツールを降りて、枕の横に膝をつく。汗でぺったりと張り付いた髪に指を通す。

 

「大丈夫だ。僕はそんな君を信じる。君は君を許していいんだ」

 

 濡れた目が細くなって、涙が落ちていく。泣き顔を見られたくないのか僕のワイシャツをつかんで、顔を僕の方に寄せてきた。そのまま胸元に顔を埋めてしゃくりあげている。タイピンが顔に当たらないように慌てて外して避けた。

 

 ごめんなさいと何度も謝りながら泣きじゃくるホシノの頭を抱き込む。今ならどんな戦争でもできそうな気持ちになるが、アヤネにも説教じみた会話を昨日したばかりだ。僕が理性を失うわけにはいかない。

 

「いいよ。大丈夫。大丈夫だ。許していいんだよ、ホシノ」

 

 謝る度に僕も繰り返す。こんな子に戦争を強いていいはずがない。シャーレがそんな世界を変える一助になればいいと思うが、まぁそうなると最後は自分で自分の頭をぶち抜くことになるんだろうな。それでもそうするべきなんだと思うなら、僕はそれを貫くしかない。これは長丁場になりそうだ、しばらくは死ねそうにない。

 

 しばらく泣いて落ち着いたのか、ホシノの顔が僕のシャツから離れた。ばつが悪そうにホシノが笑う。

 

「……シャツ、ごめん」

「いいんだ。この後誰かに会う予定もないからね」

 

 そう茶化して肩をすくめる。

 

「……先生はこれからどうするの?」

「変わらない。連邦捜査部の顧問とアビドス対策委員会の顧問を兼任し続ける」

「そっか……なら、指が無事でよかったかな」

「指?」

 

 ホシノが両手を見せてくる。

 

「だって指がないと銃も盾も持てないからさ。迷惑かけた分は返さないと。ポイントマンが銃も持てなくなったらもう使いようもないしさぁ」

 

 前言撤回して今すぐ悪人を成敗してさっさと僕ごと消えた方がいいんじゃないかと思わず口にしかけた。

 

「ホシノ。そういうのは僕に返すんじゃなくて、君が大人になった時に後輩や子どもたちに返すものだ。それにそういう恩返しは僕も困る」

「でも、こういう形しか知らないし……」

「じゃあ覚えてくれ」

 

 知らないのは本当だろう。それ以外のやり方を大人が奪ってきたと思うと本当に腹が立つ。

 

「スキルの切り売りはちゃんと土台ができてからやるものだ。今の段階でホシノがそれをしても引き出しがあっという間に枯渇するだけだ。きちんとした知識とスキルを身に着けろ。そしてそれを後輩に技術展開(トランスファー)できるようになってくれ」

「むぅ……本当に先生みたいだ」

「先生だからね。僕は君の先生でありたいと伝えたはずだぞ」

 

 う、と言葉に詰まった様子。その様子がいとおしい。

 

「……こんな量の恩を返すとなると、おじさんも長生きしないとだめかぁ」

「じゃあ僕は君が長生きできるようにどんどん恩を売ることにしよう」

 

 そういうと、やっとホシノが笑った。

 

「……もう大丈夫かい?」

「うん。ありがと、先生」

 

 それを合図に僕が入口を見ると少しだけ開いたドアの向こうと目が合う。

 

「もう入って大丈夫ですかー?」

「うえっ、ノノミちゃんたちもしかして全部聞いてた?」

「珍しいホシノ先輩の本音ですからね」

「盗み聞きするつもりはなかったんだけど……珍しい怒鳴り声が聞こえたから……ごめん」

 

 入ってくるセリカとノノミの姿にホシノの顔が一気に赤くなる。セリカがTITTYをつけているということは、おそらくそれをシロコとアヤネに転送したんだろう。私的利用はやめてほしいが、今日だけは見逃すことにした。

 

 そんな様子を見て僕も笑ってしまってホシノが頬を膨らませた。

 

「先生が笑うのはひどくない!?」

「ごめんごめん。ただ、うん。会った時よりいい顔をするようになった」

 

 そう言ってジャケットのポケットからケースを取り出してサイドボードへ。中にはTITTYの情報端末が入っている。それともう一つ、預かっていた拳銃を置く。

 

「返しておくよ。必要になったら借りるかもしれないけど、今は返しておく。まずは少しでも体を休めてくれ。希望があれば可能な限り対応したいと思ってる」

「じゃあ……早速一つだけ」

 

 ホシノがノノミの方をちらりと見てから僕を見てくる。

 

「できれば早めにD.U.の病院に転院したい。これはノノミちゃんとも話したんだけど、アビドスからトリニティは移動も大変だし、あんまりトリニティに迷惑かけたくないし」

「わかった。調整してみよう。どちらにしても入院は長引かないとは思うけどね。通院もD.U.にするかい?」

「そうだねぇ……うん、その方がいいかな。アビドスより専門医多いだろうし、なんならシャーレに寄れるし」

 

 その言い分に僕は苦笑いだ。

 

「さっきも言ったけど恩返しとか償いとかそういうのならお断りだからね」

「私が行きたいってのはダメ?」

「それならいいけど、無茶だけはしないように。実際ホシノたちがシャーレを手伝ってくれるならありがたいんだけど、シャーレとしても課題山盛りでね」

「なんかあるの?」

 

 セリカが聞いてくるので肩をすくめた。

 

「早速ユウカに怒られまくってるよ。活動規則やら組織図やら予算執行計画やら、あと食堂や医療体制を整えたりとかね、まぁシャーレの組織運営に必要なバックオフィス業務が遅延しているんだ。この先ひと月ぐらいはそういう地固めで駆けずり回らないといけない感じだ」

「あー、ならなんですけど、アビドスでも協力できるかもしれませんよ!」

 

 ノノミがポンと手を打って僕を見てくる。

 

「そうなのかい?」

「ちょっとできるかどうかを確認してからご相談ということで、ちょっとアヤネちゃんにも相談したりしてから先生に上げてもいいですか?」

「わかった」

 

 そう答えて僕は帰ることにした。

 

「何度でも言うけど、ホシノ、君はまず休養が最優先だからね」

「はぁい……」

 

 そう答えつつもどこか笑っているのを見て、少しだけ救われた気分になる。やっぱり子どもというのは笑顔が一番だ。うん。

 

「それじゃ、また」

「うん。また」

 

 またと言えることをかみしめながら病室を出る。少しだけ心が軽くなった気がした。

 

 

 


 

 

 

 それがどうしてこうなるんだ。

 

 数日で繰り上げ退院したホシノがD.U.の病院に連日通院することになり、その利便性の向上という名目でシャーレの宿泊施設にホシノが転がり込んでくるのは予想外だった。またそのサポートという名目でアビドスの面々が代わる代わるシャーレに泊まり込むことになるとも思ってなかった。いろいろ思うところがあるが、説得しきれなかった僕の責任だ。

 

 だけれども、これがかすむような事態が発生したのでそれどころではなくなってしまったのはなんとかしないといけない。キヴォトスにとっては些細なことなんだろうが、シャーレにとっては結構大きな、僕にとっては天地がひっくり返るような事態。

 

えーっと

 

 とりあえず英語で呼びかける。取り急ぎ息苦しいのを何とかしたい。

 

 交通室の依頼を受けてヴァルキューレと共同で貨物列車の襲撃犯を取り押さえに行ったまではよかった。

 

 襲撃犯がカイテンジャーとか名乗っていたふざけた5人組だったのも驚いただけで済んだ。

 

 問題はその後。

 

 

 

頼むからまず話を聞いてくれ――――――ジブリール

 

 

 

 5人組を追い払った後、線路脇のバラック街からなぜか赤いヘイローを浮かべた僕の守護天使が飛び出してきて、いきなり僕に飛びついてきたのだ。護衛担当のシロコとユウカが発砲する間もなかったから相当な速度だ。

 

 あとタジキスタンで初めて会ったときぐらいまで身長が縮んでないか? 高い身体能力は健在で飛び上がって僕に飛びつくことができるぐらい元気だったのは喜びたいけれど、肩車を前後逆にしたような姿勢で頭を抱きしめられてるのは正直息が苦しいし、純粋にしんどい。

 

アラタがいる場所に来てはいけなかったのですか。私はあなたの妻です。第一夫人なのですよ

 

 全方位から僕に絶対零度の視線が突き刺さっているのは見なくてもわかる。

 

 頼む。みんな僕の話を聞いてくれ。




というわけで、アビドス対策委員会編、お付き合いいただきありがとうございました!

透き通る世界観の大人気学園RPGとはいえ、クロスオーバー作品、かつ、クロス先がマージナル・オペレーションというあまり二次創作を見ない作品でここまで伸びるとは思っていませんでした。皆さんの感想や評価に支えられてまずはここまで来ることができました。厚く御礼申し上げます。

ですが、それにしてもおかしい。30万字も使ったらとっくにパヴァーヌも完結とまで言わずとも、半分くらいは終わっている予定だったのに……。相変わらず字数の目算は苦手です。

そんな状況ですが、さらに文字数を増やして、2章の前に状況整理とショートストーリーをいくつか挟みます。これまでほどシリアスにならないさっくりとした話がしばらく続きますので、よろしくお願いいたします。

まあ、次回からすでに急転直下ではあるのですが。

また、第一章クライマックスということで連日投降と相成りましたが、さすがにハイサイクルすぎて作者がヘロヘロのため、投稿ペース落とします。そこも合わせてご了承ください。




次回 成功報酬をご用意するとお伝えしたじゃないですか。

感想・評価などはお気軽にどうぞ
誤字報告大変助かっております。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。




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F1:守護天使、襲来

――――神は救いを求める人のところにイヌワシを遣わしたのでしょう。私たちにイヌワシを遣わしたように。
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