マージナル・アーカイブス - 子供使い、先生になる -   作:オーバードライヴ

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OPR-K003_思い切り殴りました。

「ユズ、ロジコマで制止できるかやってみようか」

 

 先生は何でもないかのようなテンションでそんな命令を飛ばしてくるけれど、SC班のロジコマをコントロールしていた私にとっては大問題だ。

 

 何が問題がといわれれば、全てが問題と言うしかないと思う。少なくとも部長をしているゲーム開発部の仲間が現場にいないこと――ジブリールちゃんはミレニアムの短期留学プログラムを修了したので、名誉部員となってしまい残念ながら員外カウントになっている――にほっとする。少なくともミドリやモモイが居なくて良かったと思う。ミドリはなんだかんだトラブルに弱いし、モモイは「カッコイイ!」とか言ってワンテンポ反応が遅れそうな気がする。アリスちゃんなら即応して完封できそうだけど、代償として1ブロックが壊滅する。とりあえず今はベストに近い状況であると信じたい。

 

 とりあえずで24台のロジコマを動かしたのはいいのだけれど、先生はそれだけ動員しておいて12機しか戦域に入れなかった。残りの機体で外側を固める。ちゃんと逃げ道を塞ぐためにも予備戦力を整えておくのは、当たり前といえば当たり前の話だ。私の仕事はジブリールちゃんたちが追い込んできた相手の逃げ道をロジコマでふさいで足を止めさせることと、爆発物が飛んで来たらロジコマで防ぐだけの簡単なお仕事のはずだった。

 

 そして、その前提が一発で崩れた。なぜかドリルを載せた台車が警戒域の外側からバクシンしてきたからだ。

 

「とりあえずドリルには止まってもらって、話を聞かなきゃね」

 

 先生は正面のモニタが見やすいようにか、普段の操作に慣れているシッテムの箱でコントロールしたいからかわからないけれど、立ち上がりながら、フラットにそんなことを言っている。驚いていないのか、驚いても顔に出ないだけなのか、私はまだつかみ切れていない。

 

 何はともあれ、ドリルである。削岩機である。あれが突っ込んでこられたらさすがのキヴォトス人でもたまったものではない。

 

 SC班側、北口に構えていたロジコマがドリル台車――とりあえず勝手に『ジェットモグラ』と呼ぶことにしたそれをカメラでとらえた。結構大きい。おそらくドリルの直径は2メートル程度。台車の上に乗ってるからかなりの高さがあるし、重量もある。

 

「あ―――」

 

 ぶつけて止めるには質量差が大きい。ロジコマで止められるか。使えるロジコマは8機、うち6機はSC班のサポートに使っていたから初動が遅れる。ロジコマの下部にはM242 25mm機関砲(ブッシュマスター)を搭載しているものの、あのドリルにどこまで効くのか。

 

「ジブリール、SC班側に敵性車両だ。北側に近づけさせるな。数分ほどSAの指揮を預ける。君の判断で動いていい」

《はい》

 

 そんな声が聞こえるが、こっちはそれどころじゃない。ぶつけたところで止められるか? 直撃を逸らしたところでどこまで―――

 

「―――アイハブロジコマ。アロナ音声直接入力インタフェース(D V I)アクティベーション。優先制御権を要求(リング・マイナスワン)

 

 声がすぐ近くから降ってくる。使っているキーボードに先生の左手が降ってくる。私の制御卓の脇に先生のタブレットが置かれ、それも同時に叩きながら早口で指示が出されていく。

 

「L32、L43は防御姿勢で後退、SC班の人員を回収。L42、N32P35へ」

 

 左手でショートカットを高速で叩いていく先生。キーボードでコールしたのがL24号機。防戦に入るのかと思ったら、そのL24号機と同じコマンドがコピーされたL33号機とL16号機が同時にジェットモグラの方へと飛び出していく。ジェットモグラは白衣を着た人の他にも何人か乗っているらしく、ライフルや肩撃ち式のロケットランチャーを構えている人たちが見える。ロックオン警報を中心に複数の警報が表示されるが先生は一瞥しただけで警報解除(クリア)

 

「アロナ、後詰めの部隊が必ずいる。敵性車両出現地点周辺の監視カメラを漁ってくれ、情報をヴァルキューレに。L33、増速して照準を外せ」

 

 残りの距離が300mを割ろうとしている。そんな中でモニタに表示されたのは、優先制御権を行使してアラタ先生が操作に割り込んでいるという通知文。

 

 ―――つまりそれは、イヌワシの求める動きに追いつけなかったという意味の宣告だ。

 

 先生の白いワイシャツに包まれた腕越しにコマンドを追う。わざわざここで指示を出しているということは、私にどうするべきか教えようとしている。追いかけるしかない。

 

「L48は進路を啓開(けいかい)しつつN33P32へ、SCの進路の安全を確保する。SC班、ロジコマに乗ってそのまま森の奥へ」

《全員乗ってるからもう動かして》

「わかった」

 

 L48号機が森の中に突っ込んでいく。相手が張っていたらしいワイヤートラップが次々と破壊されてあちこちで爆発だったり警報だったりが作動している。その後を追ってL32号機とL43号機が森へ。

 

 ジェットモグラがヴァルキューレが置いていた鉄の柵を飴のように曲げながら警戒線を超えた。公園の入り口まであと1ブロック、おおよそ200m。相手の肩撃ち式の対戦車ミサイル等が見える。L24号機はジェットモグラに向かって左、L33号機とL16号機は対向車線に飛び出して右手に向かう。ジェットモグラを左右で挟み込む形になった。

 

「L16、L24、L33、相対速度合わせ」

 

 相手を真横に見る位置で一瞬跳ねてその間にロジコマはバック走行に切り替え、一瞬で相対速度を合わせた。走行速度は65キロ。履帯走行のジェットモグラ相手にロジコマは速度で勝るし、バック走行と前進でロジコマの速度は変わらない。相手は慌てて対戦車ミサイルをL16号機に向ける。L24の方はライフルを持った温泉開発部の部員が照準を向けようとしているが、射角が合っていない。相手は2台が回り込んだ右側を本命だと思ったみたいで、L16号機にミサイルが突き刺さる。左腕部破損、マニピュレータ使用不能(I N O P)、その警告を先生は一瞬で解除(クリア)した。

 

 先生がコマンドを叩く。L24に対し使用武器種指定、M242ブッシュマスター、マイナスを叩いてショートネームオプションをセット、モードは高速給弾(H)二重装填機構(ダブルフィード)停止(ネガティブ)、給弾レーンはNo.1のみを指定、第一給弾レーンにセットされているのは徹甲弾(A P)。ロジコマから即時に機関砲用意ヨシ(R D Y / G U N)のレスポンス。

 

「L24射撃開始(CLEARED HOT)

 

 先生の指示と同時にブッシュマスターが起動する。『走る対爆弾薬庫兼生徒用シールド』としての役割を重視して防弾性能にステータスを全振りしたこともあり、ブッシュマスターはロジコマの腹の下、地面に近いところについている。射角が取れないのが致命的な配置だが、こういう場面では問題ない。毎秒3発というあまり早くはない速度だが、撃ち出されているのは25mmの口径を持つ徹甲弾だ。それを部品が入り組む駆動部に真横から至近距離で同じ場所に固め撃ちされている状況にある。

 

 当然、駆動輪が砕け、履帯があらぬ方向に弾け飛ぶ。そのタイミングで先生のコマンドに従ってL16号機がジェットモグラに体当たりした。逆に衝突を回避すべくL24号機は、跳ねるようにして方向転換し相手に銃口を向けたまま一気に相手の背後に回り込む。

 

「な……!」

 

 ウタハ先輩の驚いた声。削岩機は飛び切り重い工業機械だ。それを時速60キロを超えて高速走行する台車に乗せて動いているというのは、どうしても高重心にならざるを得ない。そんな状況で、L24号機が履帯を片方だけ破壊した。そしてそれに追い打ちをかけるようにロジコマが横っ腹に突っ込む。どうなるか。

 

 結果は単純明快で、急に左に頭を振ったジェットモグラは、慣性の法則に耐え切れず突っ込んだL16号機を押しつぶすようにして乗り上げた。L16号機は動作停止(シンボルロスト)

 

「L33、防御姿勢」

 

 先生の声色はどこまでもフラットで、背中に氷を突っ込まれたみたいだった。ロジコマが()()()ことなんて知らないみたいにまっすぐな指示が飛ぶ。L33号機は相手に潰される位置にいる。全力で後退すればおそらく逃げられる。それでも先生は、それを許さない。ロジコマにとって作戦指揮所(オペラハウス)からの指示は絶対だ。

 

 L33号機が腕部のシールドを高く掲げてジェットモグラを受け止めた瞬間にL33号機からとんでもない数の警告メッセージ(コーション)が飛んでくる。その数153件、数トンで済めばいいであろう質量を受け止めたせいでL33号機の駆動系が死にかけているのだが、先生は無情にも緊急警告(ワーニング)以外の情報にフィルタリングを掛けて黙殺。ジェットモグラから振り落とされてアスファルトの上でうめいている温泉開発部の生徒を見て、先生はこの子たちがジェットモグラに押しつぶされないようにL33号機をその場に残したことに気が付く。先生を見上げるが、先生はこちらに気が付かない。まっすぐに正面モニタを睨む先生の目に、モニターの温度のない青白い光が反射している。L24号機のスピーカーに先生のマイクが直結される。

 

「僕たちは連邦捜査部シャーレだ。おとなしく投降してほしい。投降してくれれば身の安全と医療提供を約束する」

 

 先生はそう言いつつ正面側の予備戦力として残していたロジコマを後方に回している。遠方ということでスタンバイに回していたロジコマを追加で6機手配。正面のモニタにはシッテムの箱のAIがまとめた支援車両と思しきクレーン車やトラックの画像が一斉に並べられていく。D.U.全域の監視カメラのネットワークに一斉に照会が走り、移動先が絞り込まれていく。応援として手配されたロジコマはそちらを追うように動かしている。

 

 ジェットモグラに乗っていた温泉開発部の生徒は白衣の子の指示で一斉に頭の後ろで手を組んだ。投降のしるしだ。先生が安心したようにため息をつく。

 

「温泉開発部の君たちはそのまま待機しなさい。まもなくヴァルキューレの人員が到着する」

 

 カンナさんが手配したヴァルキューレ警察学校の人員が駆けてきたのを確認してL24号機はSC班の支援に復帰。先生はL33号機、L16号機は全損(ロスト)判断として指揮系統から切り離した。

 

《わぁ! 全損(ロスト)だって!》

《構造解析とかされちゃうかも、貴重なサンプルだよね》

《いいなぁ……死に際の光景(さんずのかわ)って後でダウンロードできるのかな?》

 

 そんな機械音声の出所はSC班と一緒に動いていたロジコマたち。それを聞いて先生は思いっきり顔をしかめている。

 

「SA、SC、敵性車両は撃破した。SC班はそのままロジコマを盾に前進、おそらく前方に指揮所があるから制圧してくれ。後ろはこちらで固める」

《温泉開発部は敵?》

「わからないけど今のドリルはおそらく陽動だ。まだ来るはずだ」

《わかった。そっちはお願い。以上SC》

 

 エイミさんの応答、SC班に向けて大量のマシンガンの銃撃が打ち込まれている。進路啓開のためにわざとトラップを踏ませていたL48号機の観測データをもとに、別ルートで追いついたL24号機が銃撃。明後日の方向からの攻撃にどんどん銃座が落とされている。L48号機もおそらく全損扱いになるだろう。

 

「こういう戦いはあまり教育によくない。なんとか早めに終えたいね」

 

 先生はそう言いながら指揮権の復帰に向けた手順を呼び出していく。

 

「ユズ、こういう危ないときは迷っちゃだめだ。必ず安全に判断を倒すようにしよう。そのためにも頭を使うべきタイミングと手を動かすタイミングがそれぞれ別だってことを意識しないとね。判断と行動は同時にできないから」

 

 先生の声色は優しい。ロジコマを一瞬で切り捨てた時の全く感情のない目の色も、声色も、今はもうなりを潜めている。

 

「ユズには温泉開発部側の増援を警戒してほしい。ロジコマのコントロールをもう一度預ける。できるかい?」

「はい……!」

 

 先生からロジコマのコントロールを戻される。

 

「ユーハブ」

「アイハブ、です」

「別動隊に警戒。RABBIT小隊を撃破でき次第、戦力をそちらに回すから5分耐えてくれ」

 

 先生は、SRTの特殊部隊を5分で片付けるつもりらしい。

 

「わかりました」

 

 先生は、静かにタブレットを回収して正面を見つめる。ジブリールちゃんが先生を「イヌワシ」と呼ぶ理由がわかった気がした。先生は優しいひとなんかじゃないのだ。どれだけのことができるのかを瞬間的に把握して、瞬間的に線引きをする厳しいひと。そしてその線引きに沿って顔色を変えずに攻撃できる、強いひと。

 

 それに守られるということが、どれだけ心強いか。そんな人に戦況を任せてもらえるということがどれだけすごいことなのか、おぼろげながら見えた気がした。アビドス高校のアヤネさんがすごい努力を重ねているのもわかる。この信頼に応えたいと強く思う。

 

 それと同時に、恐ろしいとも思う。――――アリスちゃんとロジコマの間に、どれだけの差があるのだろう。先生が本当に追い込まれたら、切り捨てられてしまうのだろうか。私たちも、いつか切り捨てられる時がくるのだろうか。

 

(そんなことは、ない、はず……)

 

 もしもそうなるときは、先生はつらそうな顔をするのだろうか。そんな判断をさせるのは、嫌だった。何ができるだろうか。何をすべきだろうか。

 

「……イヌワシのために」

 

 つぶやく。先生はこの言い方を好きではないみたいだけど、自然と口に出てしまった。

 

 先生は聞かなかったフリをしてくれた。

 

 

 


 

 

 

「温泉開発部が突っ込んできた? まさかシャーレと手を組んだのですか?」

《シャーレも攻撃してるからよくわかんないけど……どうすんのRABBIT1》

 

 RABBIT3からの通信。向こうも大混乱ということだろうか。温泉開発部はよく知っている。いろんな場所で『温泉開発』だと言ってテロ活動をしているからちょくちょく先輩たちも鎮圧に狩り出されていた。RABBIT小隊自体がやり合ったことはないけれど、それでも名前ぐらいは知っている。

 

 その温泉開発部がなぜかこのタイミングで攻め込んできている。私たちが温泉開発部と手を組むなんて自己矛盾甚だしいことをしていない以上、原因は2択。本当にたまたま突撃してきたのか、シャーレがけしかけたか。こんなタイミングよくたまたまで来るとは思えない以上、シャーレが裏で手を回したとみて間違いないだろう。

 

「……私たちを消す理由として用意した、ということでしょう。テロリストと結託した汚職警ら学生、ということにして矯正局送りというところでしょうか」

《ほ、本当にテロリストにされちゃうの……?》

 

 RABBIT4のミユが不安そうな声。そのタイミングで北口側の警報機やトラップが恐ろしい勢いで起動していく。相手は自律戦車の防御力に物を言わせて強引に突破してきたらしい。

 

「RABBIT2、3、迎撃続行。厳しければこちらまで後退して……いえ」

《RABBIT1?》

 

 RABBIT2、サキの怪訝な声。

 

「こちらにもお客さんが来てしまいました。プラン・(ロメオ)3を発動します」

 

 ライフルを構える。その先に赤いスカーフの少女が見えた。

 

「銃を置きなさい。アラタが話をしたいと言っています」

「こんにちは、新田ジブリールさん」

 

 銃を突き付けあう構図になる。ミユが状況をつかんでくれたのか移動しようとしてくれている。ミユの得意な戦闘距離(レンジ)ではない。それでどこまでやれるか。

 

「投降しなさい。あなたにはミレニアムで助けてもらった恩があります」

「でしたらこの場で見逃してくれると助かるのですが」

 

 あくまで交渉はしないという意思表示をしつつ半歩下がる。ここはあまりに分が悪い。正面から突入してきたシャーレの人員は3人だが、目の前にはジブリール一人。ミユの位置がばれていて対処しているとしても、ジブリールだけで交渉に来たとは考えづらい。二人がこちらを陰から狙っていると見るべきだ。

 

「正義のためにも私たちはここで立ち止まるわけにもいかないのです、アラタ先生にもそう伝えてください」

「侵略者も戦争を始めるときには『正義のため』と言います」

 

 暗に「お前の正義なんて知るか」という喧嘩を売られる。まぁいいですが。

 

「残念です。本当に」

 

 左目をウインクしてプリセットの命令を起動。ジブリールに向かって自走地雷が飛び出す。とっさに木の幹の裏に身体を隠したジブリールは戦闘センスがいい。地雷が起爆するけれどこちらもこれで撃破できると思っていない。それでもジブリールの視界から逃れることができた。

 

 走る。プラン・(ロメオ)3が発動している。ロメオ3は正面から突破して適当な地下水道に逃げ込む撤退プランだ。ヘリも食料備蓄も諦めるしかないが、突破さえできればそのあたりはいくらでも調達できよう。身分を隠しての作戦用に用意されていた偽名登録された口座も生きていることが確認できているし、地下水道なら共同溝から端末の充電ができ、ネット経由で活動資金も引き出せる。RABBIT小隊4人で突破するだけならば十分できるはずだ。

 

 それに相手は温泉開発部に頼らなきゃいけないほどに疲弊していて攻め手を欠いていることがわかった。撃破数からしてヴァルキューレも3日は人員を最小限に絞った非常計画(BCP)を発動せざるを得ない。

 

 問題はシャーレをどこまで出し抜けるかだ。

 

「っ!」

 

 木の陰からジブリールが飛び出してくる。速い。銃を構え直すよりも速く懐に踏み込まれかねない。こういう時は自分から飛び込むに限る。拳を固めて振りかぶった。ジブリールも同じ考えだったのかライフルをスリングで吊っている。

 

 トルソーを狙った拳が相手のこめかみを掠る。つまりジブリールが屈んで飛び込んだ。つまり―――

 

(アッパー、くるっ!)

 

 屈んだ時のバネの勢いを乗せたジブリールの左拳が鼻先を抜ける。バックステップで逃げつつ確認したが、彼女はなにか筒状の物を握っている。専用の武器(メリケンサック)というわけではなさそうだが、何かを握りしめて殴りかかることは拳の威力を増すためにも理にかなっている。つまり、最初から殴り合う気満々ということだ。

 

 距離を取った瞬間に飛んでくる拳銃弾。右手に拳銃を持ったまま殴り掛かったのか。そんな危ないことをよくやると思う。

 

 虫の知らせ、というのだろうか。ほぼ反射でさらに後ろに飛ぶ。11時方向から射撃された。シャーレ側の応援。おそらくこっちが本命だった。ジブリールは自身を囮にしている。

 

(でもそれぐらい、ミユにモールスを送った時からわかってるんですよ!)

 

 射撃してきたのは黒いツインテールの人物。初めて見る顔だ。とりあえずその子の射線にジブリールが取り残される位置に動いたら、またジブリールが突っ込んできた。援護射撃をあてにせずに飛び込むあたり、接近戦によほど自信があるらしい。

 

「いいでしょう」

 

 もう一度拳を固める。この間に残りのRABBIT小隊のメンバーが逃げ切れることを信じる。




年度末でバタバタしてますがなんとか投稿できました。やっぱり戦闘描写は楽しい。

次回 キャットファイト

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