昨日のアジア少年少女魔法師交流会は大きな問題が起こることなく終えることができた。四葉深夜様には初対面で心の声が漏れるという失態を犯したもののおおむね他の両家の方たちには良い印象を残せたのではと思う。
ただ気がかりなのは七草弘一様が睨んできたことだ。おそらくだが四葉真夜様のことを僕から守ろうとしていたのだろう。あの場には近しい人が三人しかいなく次期七草家当主ましてやあの中で一番の年上だったのだから当たり前と言える。
20時を過ぎた今、僕は四葉家の皆様が泊まるホテルへと向かっていた。フォア・リーブス・テクノロジーのCAD部門の開発部門への出資強化のお話らしい。もちろん僕が出資交渉するわけではないがフォア・リーブス・テクノロジーの若手代表として四葉姉妹と別件で内密のお話があるそうだ。昨日展示してあったアーティファクトに興味を示していらしゃったからそれ関連だと思う。
そんなことを考えつつCAD開発部門のこれからの資料を見ていると対向車線を周りよりも幾分かスピードを上げ走ってくる。こんな時間に外交ナンバーしかも大型の車とは珍しい、乗車していたのはアジア系だろうか。
そんな時僕のデバイスが鳴った
「もしもし龍朗です」
「私だ」
「父さんでしたか」
「今日行う予定だった会談はなしになった。戻ってもらって構わない」
父のテンションが妙だいつもの覇気がない。父が戻れということはそうしたほうがいいと勘がいっているということだ。僕はすぐに運転手の成田さんに手で宙を回し戻れの合図を出す。
「理由をお伺いしても?」
「わからない。しかしすでに会場にいた者はすぐに退場させられてしまったそうだ。ホテルも四葉家のフロアは封鎖されていたようだし連絡もあまりにも一方的だったといえるな。まぁそれはいつもどうりといえばそうなんだが」
「わかりました。ありがとうございます。では僕はホテルに戻りたいと思います。」
「おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
父の態度には絶対に裏があるように感じる。今日四葉に関する違和感はあるだろうか。あったとしたら急なこの連絡とさっきの外交ナンバーの車だろう。
「成田さんさっきの外交ナンバーが進んだほうに向かってもらってもいいですか?あと、この車についているカメラの録画を直ぐにクラウドに移すようにお願いします。」
「承知いたしました。」
直ぐにメッセージアプリを開きさっきの外交ナンバーの情報を集めるように共有する。
数百万を超える都市で関係者300人だけの人数は少ないかもしれないが、僕を中心に大体10キロ圏内に全ての人がいる。それは僕がアーティファクトを持っているからだ。ビジネスでは先手を打てと父から幼いころからいわれてきた。今回の別件での呼び出しはアーティファクト関連だと予想していたからこそ持ってきたわけだが、部下たちが周囲にいることで情報を集めるのにも役に立つとは思ってもいなかった。
そしてすぐに情報は入ってきた。
情報によるとあの車は崑崙方院(こんろんほういん)台北支部しかない陽明山(ヤンミンシャン)へと入っていくところを見たものがいたそうだ。一帯は封鎖されている崑崙方院は大漢における魔法研究の中心であり特に台湾には陽明山にしか支部はない。それほど重要なところに外交ナンバーましてや仮想敵国であるアジア系の人物を入れるとは思えない。
おそらくあのアジア系の人物は大漢の者たちだろう。そして早急に済ませなくてはならない大事があったに違いない。台湾内でのことかこの国に残っている外国人に問題があったか。台湾内もしくは大漢のことではないだろう外交ナンバーを使わずともこの国における公職の権限はかなり強いからだ。
なおのこと外国人に問題があったと考えるべきだろう。今この国にいる重要な人物で外国人VIPと呼べるのは日本から四葉家、七草家そして東南アジア同盟からドゥトゥン家のみだ。またドゥトゥン家は魔法師ではなく豪族という面が強い。そうなると四葉家、七草家どちらかだろう。
「成田さん七草家の情報はどうですか?」
「今のところ大きな動きはないようです。動きがあった順としては四葉が動き出しその次に七草家といえるでしょう。」
「では、今すぐにわが家の魔法師に陽明山を監視させてください。私たちは今すぐ四葉へと向かいましょう」
想定外の大きな反応ありがとうございます。
1000文字書くのに4時間かかりました。劣等生は世界観が固いので時間がかかりますね。
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2024/10/28誤字の修正を行いました