妖怪少女がストレージに入ってる世界   作:シャケ@シャム猫亭

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妖怪少女がストレージに入ってる世界

「ぅお、マジかよ!?」

 

 思わず声が漏れた。

 慌てて周囲を見渡して、誰も聞いていないことに安堵し、もう一度手元を確認する。

 カードショップのストレージボックス。1枚10円の投げ売りコーナーで見つけた、キラッキラな遊戯王カード。前までは30万円は下らないカードがストレージに入っていたのだ。

 

「ゃべぇな、うららのプリシクじゃん」

 

 ストレージに入っていたのだから、当然キズありで状態は最良とは言えない。が、灰流うららのプリズマティックシークレットレアである。間違ってもストレージボックスに入っていていいカードでは無い。

 だが、現実として入っているのである。

 当然、即買いだ。うららは何枚あっても良い。

 

「ぅお、マジかよ!」

 

 そうしてまたあさり始めたストレージボックスで、またもや同じように声を上げた。

 今度は幽鬼うさぎのプリシク発見である。

 ストレージに入っていたのだから、当然キズありで状態は最良とは言えない。が、幽鬼うさぎのプリズマティックシークレットレアである。間違ってもストレージボックスに入っていていいカードでは無い。

 だが、現実として入っているのである。

 当然、即買いだ。うさぎは何枚あっても良い。

 

「ぅお、マジかよ……」

 

 三度声を上げた。

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー」

 

 こちらこそありがとうございましたと言いたくなるのをグッと堪えて、ほっくほく顔で店を後にする。

 漁れば漁るほど有用カードが出てくるストレージボックスで、気づけば100枚を超えてお買い上げしていた。でも2,000円は超えていない。

 信じられねえ。前はこのカードだけでひと財産築けた。

 それが今や2,000円以下である。

 今更だが、今なお思う。やっぱこの世界おかしいぜ。

 

「どこか座れるところ……」

 

 とりあえず、この輪ゴムで止めてあるカードたちを早くスリーブに入れたい。どこかないかと記憶を探り、駅前の広場を思い至った。

 確か据え置きのベンチとテーブルがあったはずだ。今日は風も無く穏やかな日だ。テーブルにハンカチを敷いて、ささっとスリーブに入れよう。

 歩いて数分、駅前に着いた。幸いベンチには誰も座っていない。

 バッグからカードケースとスリーブを取り出し、先程買ったカードたちをスリーブに入れてはカードケースへと納める。とはいえ100枚以上あるとすぐに終わるものでもなく、さらには一枚一枚丁寧に納めるものだから時間がかかる。次第に周囲がガヤガヤとしてきたが、それもまたBMGもといBGMにして、のんびりとカードを眺めながら、ケースへ納めていた。

 

「うわああああああっ!!」

 

 そんな悲鳴と共に突風が吹き、カードが飛ばされるまでは。

 

 

「うぉおおおい!?」

 

 慌てて残りのカードをカードケースに納める。半分くらい生身だが、失くすよりマシだ。

 飛ばされたカード達を拾い集め、枚数を数えて全部あることに安堵し、ようやく悲鳴が上がった方を見た。

 

「ぅ、ど、どうして光天のマハー・ヴァイロが!? 攻撃力は勝ってたはずっ!?」

「ひゃーっはっは! 俺のゴーレムはなぁ、お前のモンスターの効果を無効にするんだよ! つまり、お前のモンスターは装備カードと合わせても攻撃力2050、対して俺のゴーレムは攻撃力2500。当然の結果だよなぁ?」

 

 剥き出しの脳みそに無数の目を生やしたモンスターを従えたチンピラが、ジャージに赤い帽子の中学生──男子かな?──と対峙していた。いや逆か?

 中学生がモンスターを従えたチンピラと対峙してるのか?

 両者の腕には、ああ、当然。

 決闘盤が。

 

「っく、でもライフはまだある。次のターンで──」

「お前に次のターンなんてねぇよ。ゴーレムはなぁ、戦闘で光属性モンスターを破壊すると、もう一回攻撃ができるのさぁ!」

「なんだって!?」

「やっちまえゴーレム、ヒットウィズナーバス!」

「うわぁああああああ!!」 

 

 脳から生えた触手のようなものに殴られ、少年は吹き飛ばされた。

 そして彼の決闘盤は無情にビーッと音を鳴らし、敗北を告げる。

 

「ヒャハハハ、イキっておいてこれだぜ! ナイトを気取るにもザコすぎんだろ」

 

 チンピラは倒れた少年を煽り、少年の元には同級生らしき少女が駆け寄る。うーん、起承転を見ていないが、この結だけ見て大体何があったか分かってしまうな。

 

「おっと、そうだ。アンティだ。テメェが言ったんだ、約束通りレアカードをいただくぜ」

 

 チャラチャラとチェーンを鳴らしながらチンピラは少年の元へと歩き、決闘盤から彼のデッキを引き抜いた。

 

「しょべぇカードばっかだな。だがまあ、こいつはメシ代くらいにはなるか」

 

 デッキから一枚のカードを引き抜き、残りはポイッと捨てる。抜かれたカードは、先の光天のマハー・ヴァイロか。

 少年のデッキが辺りに散らばり、彼はそれを見て悲痛に呻く。

 

「めんどくせぇデュエルだったぜ。あばよ」

 

 チンピラが去り、少年と少女、幾ばくかの野次馬が残された。

 

「その、大丈夫?」

「……ごめん。勝てなかった」

「ううん、いいのそんなこと。私の方こそ巻き込んじゃって……」

 

 野次馬も散っていく中、流石に可哀想かなと思い、散らばった少年のカードたちを拾い集める。無論、可哀想なのはカードたちだ。デッキは命なんだろ、はよ拾えや。

 彼らの話を小耳に挟んだ感じでは、少女がチンピラに絡まれて、そこに少年が割って入り、そしてデュエルでボコられたらしい。

 な、なさけねぇ……いや、割って入る勇気があるのは情けなくないな。

 誰でもできることじゃない。立派だ。ただ、ちょっとしまらなかっただけだ。

 

「はい、君のデッキ。多分全部あるはずだよ」

「あ、すみません。ありがとうございます」

 

 集め終えたデッキを少年に渡せば、彼は礼を言って受け取った。

 そこで初めてまともに少年を見る。二次性徴がまだなのか、細い身体をしている。顔立ちは中性的で、髪を伸ばしたら女子みたいだ。

 

「あの、なにか?」

「ああ、ずいぶんゴロゴロ吹っ飛ばされてたから、怪我ないかなって。不躾で悪かったね」

「いえ……」

「っと、そうだ。ちょっと君のデッキ見てもいい?」

「え? いいですけど……」

 

 戸惑いながらも了承してくれたので、デッキを受け取りささっと中身を確認する。

 う、うーん。魔法使いのビートダウンデッキ、なんだろうな。多分。モンスターがほとんど魔法使い族で、攻撃力の高いモンスターや攻撃力を上げるカードが多いから。

 エクストラデッキは見てないが、まあ、これじゃ勝てないわな。いや、これでも勝てるのか。

 

「……うん、ありがとう」

「いえ……」

 

 少年にお礼を言ってデッキを返す。中学生デュエリストのレベルを把握するのにとても参考になった。

 あんだけストレージに有用なカードがあってどうしてこのレベルなのかマジで意味がわからないが、だが事実なのである。

 マジで意味がわからない。

 

「そうだ。デッキ見せてくれたお礼に、さっきストレージボックスで買ったカードあげるよ」

「え、いや、いいですよ。見せただけですし」

「いいって。一枚10円だし。それに、君。さっきカード取られてデッキ枚数足りないでしょ。とりあえず、このカード入れておきなよ」

 

 カードケースから取り出した一枚を、少年に押し付けるように渡し、じゃあねとその場を後にした。

 早く帰って残りのカードをスリーブに入れたい。それから、今日買ったのでデッキパーツが揃ったのがあるから、新たにデッキを組んでソロで回してみたい。

 先程のデュエルはさっさと忘れ、改札口へと向かうのであった。

 

 しまった。「ラッキーカードだ」ってやればよかった。

 

 

 

 

 

 

「ホントに大丈夫?」

「大丈夫だよ、もう立てるし」

「まだふらついてるじゃない。ほら、そこのベンチで休んでて。いま飲み物買ってくるから」

 

 そう言って彼女はコンビニへと走っていってしまった。

 僕は情けないやら悔しいやら、そんな気持ちが渦巻いて下を向いてしまう。腕にはめた決闘盤とデッキが目に入り、余計に落ち込んだ。

 光天のマハー・ヴァイロ。父さんに貰った大事なカードだったのに。それなのに……。

 彼女を助けるためにデュエルを挑んだことに後悔はない。でも売り言葉に買い言葉でアンティを受けたのはあまりに軽率だった。

 

「……どうしよう」

 

 もう一度挑んで取り返す? 光天のマハー・ヴァイロが無いこのデッキで? あっても勝てなかったのに?

 そもそも、デッキ枚数が足りないからデュエルもできない。まずは家に帰ってカードを足さないと。

 

「っと、そうだ。さっき、おじさんからカード貰ったんだった」

 

 とはいえストレージに入っていたカード。期待はできないが、無いよりはマシだろう。

 

「えっと……ディメンション・コンジュラー、攻撃力500かぁ。ホントに無いよりはマシ────ん、んん?」

 

 

【ディメンション・コンジュラー】

効果モンスター

星1/闇属性/魔法使い族/攻 500/守 500

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。

自分のデッキ・墓地から「ディメンション・マジック」1枚を選んで手札に加える。

(2):このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合に発動できる。

自分フィールドの魔法使い族モンスターの数だけ、自分はデッキからドローする。

その後、ドローした数だけ手札を選んで好きな順番でデッキの上に戻す。

 

 

「デッキ・墓地からディメンション・マジックを……?」

 

 ディメンション・マジックなら一枚デッキに入っている。

 ということは……

 

 

 

 

 

 

 

 一週間後。

 

「ぅお、マジかよ!」

 

 前とは別の店でストレージボックスを漁り、前と同じように声を上げた。増殖するGが雑に入っていたのを見つけたからだ

 当然、即買いだ。増Gは何枚あっても良い。

 とはいえデッキに入れるかというと、ちょっと悩みどころ。

 ドローソースとして大変優秀なのは間違いないが、デッキテーマと世界観が合わないことが多々ある。いくら優秀でも寿司デッキには絶対入れたくないこの気持ち、きっと多くの人が分かってくれると信じている。

 

「ありがとうございましたー」

 

 今日も有用カードがザクザクでホクホク。気分よく店を出る。

 さて昼飯はどうするか。そう悩みながら駅前を歩いていると、駅前広場でゴーレムのソリッドビジョンが現れた。

 またゴーレムか。グラディウスデッキでも流行ってるのか? 

 少し気になり野次馬に混ざって対戦者を見れば、見覚えのある少年と、見覚えのあるチンピラだった。

 

「──現れろ! 闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)!」

 

 お、魔力カウンターモンスター。前は入ってなかったぞ。少年、もしやこの短期間でデッキを変えたのか?デッキは魂でプライドだから、多くのデュエリストがデッキを変えられないのに。

 

「バトル! 闇紅の魔導師でゴーレムに攻撃!」

「バカがよぉ! 俺のゴーレムは攻撃力2500、返り討ちだぜ!」

「速攻魔法発動! 突進!」

「なにぃ!?」

 

 これで闇紅の魔導師の攻撃力は3000。さらに魔法を発動したことで闇紅の魔導師に魔力カウンターが一つ追加され、攻撃力は3300だ。

 パンプアップビートダウン。少年のデッキは変わっちゃいなかったぜ。

 

「くらえ、闇紅衝撃波導(ダークレッド・ショック・ウェイブ)!!」

「ぐわああああっ────なーんてな。永続罠カードオープン! 千六百七十七万工房(レインボリューション・ラボ)!」

 

 おお、ウマい! あのチンピラ、遊戯王の才能あるぞ。

 まるでプロみたいなコンボだ。

 

「コイツでお前のモンスターを機械族、6属性全てにするぜ。光属性にもなったお前のモンスターの効果はゴーレムで無効だ!」

「なっ!?」

「これで攻撃力は2400。ざぁーんねん、100足りなかったなぁ? やっちまえゴーレム!」

「闇紅の魔導師!? っ、くぅ!」

 

 ゴーレムの触手に貫かれた闇紅の魔導師は、光となって弾け散った。

 少年の決闘盤からティロティロティロとライフが減少した音が鳴る。

 

「……っ、ターンエンド」

「けっけっけ、ガラ空きじゃねえか。俺のターン、ドロー。っち、モンスターが引きたかったってのに。まあいい。ゴーレムでダイレクトアタックだ!」

「っ、うあああああああっ!」

 

 ゴーレムに殴られ、少年が吹き飛ぶ。だがまだ僅かにライフが残っているようで、よろよろとだが彼は起き上がった。

 

「おら、さっさとサレンダーしろよ」

「する、もんか」

「めんどくせぇ奴だな。ターンエンド」

「僕の、ターン……」

 

 少年のフィールドは0枚。手札は2枚。ここで起死回生のカードを引けなければ負け。そういうことだろう。

 こういう時、この世界は分かりやすい。

 

「ドロー!!」

 

 ドローする前に、ドローする者の表情で分かってしまうのだ。

 ああ〜、逆転の一手が聞こえる〜。

 

「僕はディメンション・コンジュラーを召喚し、効果発動! ディメンション・マジックをデッキから手札に加え、そのまま発動だ!」

「なっ! 俺のゴーレムがっ!?」

 

 ディメンション・コンジュラーが光となって消え、代わりに現れたアイアンメイデンのような鉄の檻がチンピラのゴーレムを中に閉じ込める。

 そして再び開いたとき、中から現れたのは──

 

「来い、マハー・ヴァイロ!」

 

 少年の手札より特殊召喚されたマハー・ヴァイロが、悠然と彼の前に立った。

 カッコいい。カッコいいが、演出が効果処理の順番と合ってない。めっちゃ気になる。

 

「クソッ、だが大したモンスターじゃねぇな」

「まだだよ! 墓地に送られたディメンション・コンジュラーの効果発動! 1枚ドローし、1枚デッキトップに戻す──来た! 装備魔法ワンショット・ワンドを発動! マハー・ヴァイロに装備し、攻撃力を800アップ。さらにマハー・ヴァイロの効果で装備カードの数×500攻撃力アップだ!」

「なっ、攻撃力2850だとっ!?」

「いっけー、マハー・ヴァイロ! ホーリー・ライトニング!!」

「ひっ、やめっ、ぐわあああああああああっっっ!!」

 

 放たれた聖なる雷がチンピラに降り注ぎ、チンピラはばたりと倒れた。

 決闘盤がデュエルの終了を告げ、マハー・ヴァイロは少年に頷くと静かに消えていく。

 

「さあ、僕のカードを返してもらうよ」

「ぐぐぐ、クソッ! 覚えてろよ!」

 

 チンピラはカードケースから取り出した一枚を投げ捨てると、走り去っていった。髪の毛がチリチリになっていたが、身体は問題ないようだ。ソリッドビジョンすげーと言うべきか、髪が生贄になるなんて闇のゲームじゃんと言うべきか。

 一方少年は慌てて投げられたカードを拾い、傷んでいないことに安堵の息を吐いていた。そして丁重にカードケースに戻し、顔を上げる。

 

 あ、やべ、目が合った。

 

「あ、あの時のおじさん!」

「おじっ!?」

 

 あー、でもそうか。中学生から見たらそうだよな。

 嬉しそうに駆け寄ってくる少年に、やあと手を上げる。

 

「……どうやら勝ったようだね」

「はい、おじさんに貰ったカードのおかげです。大事なカードも取り返せました!」

「それはよかった。これに懲りたら安易にアンティなんて受けないようにね。今回もたまたま勝てただけみたいだし」

「それは……はい。肝に銘じます」

 

 しょぼんと肩を落とす少年。どうやらちゃんと反省しているようだ。

 

「なら大丈夫だね。それじゃあ、おじさんはこれで……」

「あ、待ってください!」

 

 長く話すような話題も間柄もない。切り上げて去ろうしたが、少年が呼び止めてきた。

 

「おじさん、プロの人ですよね?」

「プロって、プロデュエリスト? いやいや、まさか」

 

 その辺にいる工場勤めのサラリーマン。そこを走っている車、そのエンジンパーツを作ってる、日本の製造業じゃ従事者が一番多い職業だ。

 ファイトマネーなど一度も貰ったことがない。

 

「そ、そうなんですか? 僕のデッキを一目見ただけで理解して相性の良いカードをくれたから、てっきりプロかと……」

「それは、えーと、あれだ。年の功ってやつだよ。君の人生の倍は遊戯王に触れているからね」

 

 倍、ギリ倍か? 少年の学年によるが。

 

「聞きたいのはそれだけ? もう行っていいかい?」

「ええっと、だ、ダメです」

「ダメなんだ」

「は、はい! あの、おじさん! 僕を鍛えて下さい!」

 

 突然何を言い出すんだこの子は。

 

「いやー、それはちょっと……プロどころかアマですらないし」

「でもおじさん強いですよね?」

 

 それは、まあ……少なくとも少年には負けないと思う。

 けど、この世界の遊戯王は俺の知ってる遊戯王じゃない。ルールもちょっと違うし、運命力だってある。俺は見たことないが、もしかしたらカードの精霊もいるかもしれない。

 しかもマジでデュエルの強さが人生を左右する世界で、それを他人に教えるというのは、ちょっとハードルが高いというか。

 ぶっちゃけ何かあった時に責任取りたくない。

 

「お願いします! どうしても強くなりたいんです!」

 

 そう言って勢い良く少年は頭を下げた。

 そのまま放っておけば土下座までしそうな勢いだ。

 

「そうは言ったって……お互い名前も知らないような間柄で、親御さんは納得しないと思うよ」

「親はいないから大丈夫です。名前だって…………そういえば自己紹介してなかったですね」

 

 顔を上げた少年はこほんと咳払いし、名乗った。

 

「フジワラ ユウキ、天崎中学1年です。よろしくお願いします」

「あー……シドウ ススムです。よろしく…………待って、ユウキってどんな漢字書くの?」

「えっと、遊ぶに輝くで遊輝です──あ、ちょっと、どこ行くんですか! 待ってくださいっ!!」

 

 聞いて即座に逃げ出した。

 ええい、待てと言われて誰が待つか。遊の字を持つ少年なんて、関わっちゃいけない存在No.1だろうが!

 世界の命運なんか知ったこっちゃねえ。俺は帰ってイシズティアラメンツで壁とデュエルするんだい!

 

「待って、ますからねー! ここで! 明日も、明後日もー! シドウさーん!!」

 

 ええい、知るか知るか。そんなこと!

 大体、明日は平日だろうが。仕事じゃ仕事!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホントに待ってるよ、アイツ。

 えぇ……マジ? 

 いま20時だぞ……。

 

 

 

 

 

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