妖怪少女がストレージに入ってる世界   作:シャケ@シャム猫亭

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なんか迷走した。してる。


これが日常

 デュエルを終えて。

 

「それで師匠、どうでしたか僕のデュエル」

「いや師匠じゃないから」

 

 これは否定しなくてはいけない。じゃなきゃズルズル巻き込まれる。

 やだよ闇のデュエルなんか。たとえガチデッキ使っても手札事故したら終わりなんだから。ただでさえリアルソリッドビジョン気味で衝撃や痛みのフィードバックがあるのに、魂を削るとかごめん被る。

 そういえば、ソリッドビジョンのセーフティ切った地下デュエルとかあるんだろうか? ……あるかもしれないなぁ。

 ともかく呼び名は関係性だ。ユウキ君を強化しつつ闇のデュエルには関わらない良い塩梅、1期でフェードアウトできるくらいの関係性に落とさなくては。

 

「じゃあ先生?」

 

 先生でもない。教員免許は持ってないノーネ。

 あ、でも塾の先生も先生呼びか。

 

「そうだなぁ……呼ぶなら”シドウさん“がいいかな」

「わかりましたシドウさん! それで、どうでしたか?」

「あー……予想以上だったかな。リッカさん、何処か席ってあるかな? 今のデュエルの検討したいんだけど」

「それなら店内にスペースありますので、そちらでどうぞ。……私も聴いていいですか?」

「構わないけど、店番はいいのかい?」

「うっ……まずいかも。クローズにしてるのもホントは良くないし」

 

 しぶしぶといった風にリッカは店番へと戻っていく。かわいそうだが、またの機会ということにしてもらおう。

 俺はユウキに案内され、店内の談話スペースへと入った。先ほど使ったデッキを机に置き、卓上デュエルの用意をする。

 

「まず最初に聞きたいのだけど、手加減していたのはわかったかな?」

「それはまあ、はい。プレッシャーというか気迫というか、そういうのが全然なかったので」

 

 本当は「使ったカードから初期手札を把握して」の回答が満点なのだが、今はまあいいか。

 

「このデッキのエース、アームド・ドラゴンは攻撃力がとても高い。しかもそれだけじゃなくて、効果破壊耐性、戦闘破壊耐性を付与していたんだ。それを突破できたのはとても良かったと思う」

「っ、はい!」

「それから、墓地から光の護封霊剣を発動させたのも良いね。墓地を有効活用できないと上には絶対行けないし」

「えへへ……」

「何より最後まで諦めない心。強くなるには絶対必要なものをユウキ君は持ってるよ」

「あ、ありがとうございます!」

 

 さて、しっかり褒めたことだし。

 ここらで落とすか。

 

「でも、大会で優勝できるほど強くないね。本戦に行けたら上々くらいかな」

「うぐっ」

「まず根本として、デッキが弱い。カードパワーが低いのはまあ、お金のこともあるししょうがないけど、デッキコンセプトがブレてるよね」

 

 装備ビートなのか魔法使いデッキなのかははっきりした方がいいと思う。装備ビート(魔法使い)もあるけど、それならそれで組まなきゃダメだ。攻撃力を上げるためだけに突進を入れてるなら、団結の力や魔導師の力の方が良い。

 

「それに単発カードばっかりでシナジーが薄い。グッドスタッフが悪いとは言わないけど、サポートカードも大事だよ」

「その、例えばどんなのがありますか?」

「そうだな……装備のサポートカードなら【工作箱】とか【焔聖騎士-ローラン】、魔法使い族にこだわりたいなら【妖精伝姫-シンデレラ】とかかな」

 

 パワーツールドラゴンもおすすめしたいところだが、彼のデッキにチューナーがいないのでパス。値段も高いし。

 その点、焔聖騎士は攻撃力が低いから総じて安く子供にも勧めやすい。

 

「あと、デュエルが猪突猛進すぎるね。ユウキ君は考えたら打開する手を思いつけるんだから。取り敢えず攻撃するのはやめて、ちゃんと考えてから攻撃宣言しよう」

「……はい」

 

 考えずにとりあえず生よろしく攻撃宣言してるとどうなるかって? 攻撃順番ミスって相手のライフが100残るよ。

 ミリ残りしてターン回すなんて、逆転フラグじゃん。

 

「とにかく、まずユウキ君が強くなるためにやらなきゃいけないのは、デッキの見直し。絶対に譲れないカードを一つ決めて、それを軸にしてデッキを組み直そう」

 

 最後にそのカードがデッキから抜けたら完成……なのは前の話。フェイバリットカードが如何に大事かは語らなくても良いだろう。

 

「譲れないカード……」

「まあすぐには決められないよね。来週までに決めておいて」

 

 あと3週間しかないのに悠長なことだと思う。でもここを疎かにすると多分どんなデッキでも勝てない。カードとの絆は実に大切で、実に厄介なものだ。

 

「じゃあさっきのデュエル、お互いの手札を公開しながら振り返ろうか。きっと色々発見があるよ」

「よろしくお願いします!」

 

 それから先ほどのデュエルの3倍の時間をかけてユウキと一手一手を検証して、今日はお開きとなった。

 ユウキはまだデュエルし足りないようだったが、それよりデッキの見直しをしっかりするよう、もう一度念を押しておく。

 

 彼らと別れた帰りの電車の中。昨年の大会の動画を探す。割と大きい大会ということで、ちょっと調べただけで本戦の動画が何本も出てきた。

 その中から決勝戦、3位決定戦、準決勝と上から順に再生していく。

 

「……やっぱエクストラデッキを使えないと厳しいよなぁ」

 

 ソリティアこそないものの、1ターンで星7シンクロやランク4エクシーズが出てくる。今のユウキ──1ターン目に下級モンスター出して、2ターン目にそれをリリースしてアドバンス召喚──ではデュエルスピードが足りていない。それを補っていたのが装備カードなのだろうけど。

 ただ、EXデッキのモンスターは攻撃力が高いのが多く、よって値段が高い。エースカードにするにはお財布的に厳しいものがある。安くて有用なカードとなると……いや、そもそもユウキのデッキが決まってからか。

 フェイバリットカード、何を選ぶんだろうなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 週が明けて、いつもの時間に起きて、いつも通りに出勤する。

 駅から歩いて5分で工場に到着。ロッカーで作業着に着替えて、自分のデスクでメールチェック。さっと見て重要そうなのにチェックを付け終える頃にはラジオ体操の音楽が流れ始める。

 世界が変わっても勤め先は変わらなかった。それはすごくありがたい。

 何せこうして働いて生きていけるのだから。

 

「えー、今日の雨ですが、午後には晴れるそうです。ただ雨漏りしているところには晴れてもしばらく水滴が垂れるのでコーン置いて、製品を置かない・製品を運搬しないようにしてください。それでは、今日も一日、ゼロ災で行きましょう」

「「「ヨシ」」」

 

 工場勤務というものは、毎日違うようでパターン化された注意喚起の後、業務が始まる。俺はというと、それを傍で見て終わるのを見計らい、注意喚起をしていた班長へと話しかけた。

 

「班長、おはようございます」

「おおシドウ君。早速で悪いんだけど、検査機が夜勤からトラブってるみたいなんだ。何とかしといてよ」

「どこのです?」

「Cブロックの、ほら、外観検査機。オレもさっき報告されたばっかりで詳しくは知らないから、取り敢えず行って見てきてくれない?」

「了解です。他にトラブってる機械はないですかね?」

「なくはないけど現場の方で何とかなるから。シドウ君は検査機だけ頼むよ」

 

 とまあこういった風に、困り事を現場から吸い上げて解消するのが俺のメイン業務だ。デュエル至上主義の世界でもデュエルだけじゃ社会と経済は回らない。普通の仕事は普通にある。

 

「おーす、シドウちゃん」

「お疲れ様です。検査機見にきました」

「助かるよー。5分に1回くらい止まっちゃってさー。その度にエラー解除すんの面倒くさくて」

 

 だが、こんな世界になったのだから職場でも変わったことは間違いなくあって。

 

「そういやシドウちゃん、昨日のタイトル戦観た?」

「あー、観てないですね」

「もったいねー。すごかったぜ、海斗プロのデュエル」

 

 身直なところだと、雑談の話題がほぼほぼデュエル関係になったことだろうか。おかげでどいつもこいつも話が合うものだから、俺の社交性というかコミュニケーション力というか、そういうのが上がった。

 やっぱ共通の話題持ってるのは強いわ。

 

「それで終わったかと思ったんだが、どっこい、海斗プロはバトルフェーダーを手札に持ってたんだ」

「ちゃんと保険握ってたんですねぇ」

 

 相槌を打ちながら設備のメンテを進める。

 前なら話が合わなかったから「じゃ、よろしく」で仕事に戻っていた人と、こうして駄弁るようになったのは良いことかと問われると少し難しい。短期的な目で見れば良くないが、長期的な目で見れば良いことだ。

 

「──よし、直りましたよ」

「ありがてぇ。原因なんだったの?」

「センサーを固定してるネジが緩んで誤検知してました。しっかり締めておいたんでしばらくは大丈夫だと思います」

 

 後は年1回の点検項目に今回のことを加えておけば良いだろう。

 

「それじゃあまた何かあればいつでも連絡して下さい」

「お、じゃあ休日の深夜に電話しちゃおうかなぁ? オバケが出たぞって」

「あはは、勘弁して下さいよ」

 

 ガチでありそうだからマジでやめて? もちろんこのガチはオバケに掛かっている。

 そんな冗談を交わして生産現場から自分のデスクのある事務所へと戻る。今度はメールの返信作業だ。

 了解の一言で終わるものをさっさと終わらせて、資料やデータを付けなきゃいけないやつに頭を悩ませる。そうして悩んでいると手が止まる。

 止まるとどうなるか? 暇だと思われて仕事が振られる。

 

「シドウ君、使用電気量の年間推移グラフってなかったっけ?」

「見たことないですね。月別ならいつもの共有サーバーにありますから、そこから数字拾えば作れますよ」

「午後の課長会議で使いたいんだけど、さっと作れる?」

 

 こんな風にね。

 課長の欲しいグラフのイメージを聞き取って、すぐ出来そうだったので今回は了承する。30分くらいで仕上げて、さて自分の仕事に戻ろうとメールに戻り……中断する前までに考えてたことの半分くらいが頭から溢れたので、もう一度どうメールを返そうかと悩む。

 そうこうしてメールの処理をしているうちにお昼のチャイムが鳴った。

 

「今日のメニューは……A定食かな」

 

 昼食は会社の食堂で済ます。安くて早くて量は普通。味はほどほどでメニューは日替わりA定食、B定食、麺の3種類。食事にこだわりがない人はだいたい食堂だ。

 カウンターで定食を受け取って、席は沢山あってどこに座ってもいいのになんとなくいつも同じ場所に座る。そういう人は結構多い。だからよく見ればなんとなくグループが分かれて座っている。そのグループは男女だったり老若だったり、部署だったり、管理職だったり。

 そうつまり定位置というのはなんとなく決まってるから、そうじゃない人が自分の対面に来たらすぐに気がつく。今まさに。

 

「お疲れ様です、シドウさん」

「ん? ……ああ、山本さん! お久しぶりですね」

「ここ座っても?」

「どうぞどうぞ」

 

 営業の山本さんとは電話やメールでのやり取りはよくするものの、彼は本社勤務のため顔を合わせることはほとんどない。もともとは開発部に在籍していたため製品にも詳しく、顧客との調整を現実的なところに落とし込んでくれる、とても頼りになる人だ。

 頼りになる人……だったんだがなぁ。

 

「そういえば、この間の値上げ交渉どうでした?」

(かんば)しくないですねぇ。シドウさんからいただいたデータのおかげで値上げへの理解は示してくれたんですけど、そこからが揉めてまして」

「単価10円の値上げで利益0でしたっけ。いくらで交渉してるんです?」

「20円です。でも先方は5円までしか認めてくれなくて。このままだとデュエルで決着つけなきゃいけなくなりそうで……気が重いですよ」

「あー……」

 

 何を隠そう、この人はデュエルが弱いのである。

 前までは「じゃあ18円で」「いや、6円」「せめて15円」「8円以上はうちも厳しい」「これだけコストかかってるんです。弊社も努力するんで、なんとか11円でお願いします!」「仕方がない、10.5円」「ありがとうございます!!」といった風なギリギリの交渉があったのだが。

 悲しきかな、今は揉めたらすぐ「デュエルで決着つけよう」になってしまう。だからこそ企業お抱えのデュエリストがいて、営業部・製造部と並んで決闘(デュエル)部があるのだが。

 

「一応聞きますけど、デュエル部の支援は……」

「厳しいですね。向こうはもっと大きな、それこそ数千万単位の案件を抱えてますから」

「ですよねぇ」

 

 主に大口受注やM&Aなどにかかりっきりで、こうした小さな案件には関わってこないのだ。

 仕方がないといえば仕方がない。彼らはデュエルの勝敗で企業全体の将来を左右する案件を抱えているんだ。想像してみろ。自分のデュエルで数百人の社員が路頭に迷うかもしれない、そんなプレッシャーを背負ってるんだ。相手企業デュエリストの調査、デュエルシミュレーション、デッキ調整。やるべきこと、尽くすべき努力は山のようにある。

 それに比べて山本さんの案件は、デュエルに勝ったら年間25万の赤字の製品が年間50万黒字の製品になりますって程度の話だ。デュエル部の支援が受けられないのは至極当然、というと冷た過ぎるか? よくあること、くらいには言っていいだろう。

 

「シドウさん、何か良い対策ないですかねぇ……」

「えぇ……デュエルの相手も知らないのに?」

「十中八九、古代の機械(アンティーク・ギア)です。私、その人に勝ったことないので、多分今回もその人とデュエルになるかと」

 

 負けたデュエルの内容を聞けば、歯車街(ギア・タウン)でじわじわ有利を取られるか、それを嫌ってサイクロンで破壊しても上級モンスターがポンと出てきて押し切られてしまうのだとのこと。

 流石一流企業の営業マン。良いテーマでデッキを組んでいる。

 

「ならそうですね……取り敢えず、サイクロンをコズミック・サイクロンに変えてみるのはどうですかね」

「コズミック・サイクロン……ですか?」

「持ってないなら砂塵の大竜巻でもいいですけど」

「どうでしょう、多分持ってたと思いますけど。でも、それで何か変わりますかね? もっとこう、古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)を倒せるようなカードないですか?」

「いやそもそも──」

 

 出されなきゃ良いだろうに。そう言おうとしたが、それは聞き覚えのない着信音に阻まれた。

 

「っと、すみません。私です」

 

 山本さんは胸ポケットから会社支給の携帯を取り出し、着信先を見て一瞬憂鬱な顔をした。しかし無視するわけにもいかない相手のようで、俺に「すみません、どうぞ先に上がってください」と断りを入れてから通話ボタンを押す。

 

「営業の山本です……ええ大丈夫です……はい……」

 

 壁にかけられた時計を見れば、もう昼休みは残り10分となっていた。お先に失礼しますと山本さんに目で断りを入れて席を立つ。食器を返却し、食堂に併設されている売店で飲み物とお菓子を買ってから自席のある事務所へと向かう。予報通り雨が上がってくれて助かった。

 途中、中庭でデュエルをやってるのを見かける。ソリッドヴィジョンで対峙しているのは、知らないモンスターと知らないモンスターだ。遊戯王が好きとはいえ、結構前に10,000種を超えたその全てを把握なんて出来るわけない。だからこそマイナーカードが逆転の一手になるようなことや、予想外なシナジーが生まれるようなことがあって面白いんだけど。

 数人のギャラリーに混じってデュエルを観戦する。フィールドと手札の枚数を見る限り、一方がやや優勢か。

 飲み物を一口飲んでお菓子を摘もうとして、そこで初めて手に持ってたはずのお菓子の袋が消えてることに気がついた。ここに来る途中で落っことしたのかもしれない。

 しかし歩いてきた道を遡って探すも見当たらない。すでに誰かに拾われてしまったのだろうか。

 小さくため息を吐くと同時に昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。事務所に戻る傍らで先のデュエルの方を見れば、すでに決着がついていたのか、中庭には誰も残っていなかった。

 

 

 

 

 

「ただいま〜……」

 

 返事は返って来ないが、無意識に口にしながら玄関を開ける。

 今日は特に残業もなく、帰宅できた。

 スーパーで買った食材を早々に冷蔵庫に放り込み、ワイシャツのボタンを外しながらリビングに移動してテレビを点ける。火事だったり不祥事だったりのニュースを聴き流しながらスーツから部屋着に着替え、冷えた麦茶を一杯飲んでひと息つく。その頃にはニュースはスポーツコーナーに移り、そして当たり前のようにデュエルのプロリーグの結果を放送し始めた。

 プロリーグはシングルとタッグとチームの三つに分かれているが、シングルの6属性を(もじ)った6つのタイトル戦が1番注目度が高く、ニュースでも1番枠を取っている。タイトル戦の形式は前の世界の将棋や囲碁に近い。

 

「お、海斗プロだ」

 

 今日職場で話題になったプロのデュエルハイライトが映った。タイトル【氷帝】を賭けた5番デュエル、その3戦目らしい。海斗プロはすでに2勝していて勝てばタイトル獲得だったのだが、今日は結果振るわず黒星となった。

 

『今日の敗因はどこにあるとお考えですか?』

『そうですね……挑戦者としてここ2戦全力で挑んで来たので、手の内をほとんど見せてしまったのが、やはり辛いなと思います。しっかり対策されてしまって今日は思うように展開出来ませんでした』

『明日は勝てそうですか?』

『どうでしょう、難しいデュエルになると思います。まだ柏木(かしわぎ)2冠は見せてない手があると思うので。負けるつもりでデュエルはしませんが、最終戦まで行くのも覚悟しています』

 

『柏木2冠、見事なデュエルでした。今日の一戦を振り返って如何ですか?』

『ふーむ、そうさな。今日は勝てたというところじゃな。明日はわからんのぅ』

『今日は海斗プロの展開を止める一手が何度か見られました。やはり前2戦から対策を取ったというところでしょうか?』

『実は2戦目も対策を取ったんじゃが、足りんくて押し切られてもうた。今日は足りたが、明日は足りんじゃろうなぁ』

『あと2戦、負けられないデュエルが続きます。意気込みをお願い致します』

『負けられないデュエルなぞ毎回じゃ。負けるつもりでデュエルするようなデュエリストはおらんじゃろ。ま、年の功というのを存分に活かしてやるとするかの』

 

 うーん、食えないジジイだ。俺でも分かるくらい情報戦と番外戦術をガンガン仕掛けているし、相手に合わせて自由枠カードを変える、狡猾と言われるようなことも平気でする。俺としてはとても好感が持てるんだがデッキは六武衆。武士道はどうした武士道は。

 しかし、海斗プロは氷結界デッキか。タイトルの【氷帝】は海斗プロが持ってる方が合ってるところが、少し気になる。

 

「……メシ作るか」

 

 気にはなるが、所詮は画面の向こうの話。今日の夕飯、買ってきた豚肉と適当野菜3種の炒め物を作る方が大事だ。

 天気のニュースになったテレビをつけっぱなしにしたまま、夕飯を作るために台所に移動するのであった。

 

 

 適当炒めと白米を持ってリビングに戻ってきたらチャンネルが変わっていた。なんか最近よくあるんだよな。リモコンがダメなのかもしれん。リモコンだけ売ってないかな?

 

 

 

 

 

 

 

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