薩摩の子 作:キチガイの人
感想お待ちしております。
喘息発作辛いですが、良いことと悪いことが一つずつありました。
【朗報】脇腹が筋肉痛じゃないかもしれない【やったね】
【悲報】これ、あばら骨を
ガストのハンバーグって最高だよな。
リーズナブルな価格なのに、あそこまで柔らかく美味しく提供できるのだから、流石すかいらーくグループと言うべきか。ファミレスで働く側からしてみれば、ブラックな印象が拭えないけど。食う側からは高評価だと思う。
鹿児島のファミレスは基本的にガストかジョイフルだよな!
サイゼリヤねぇもんな!(大声)
っと、ソシャゲのガチャ引いたら、最高レア出たわ。
とりあえずスクショしてSNSにアップしよ。
「オイ、会議中にガチャ引くんじゃねェ。死にてェのか? ……で、なンか出たか?」
「わりぃ、新実装の季節限定キャラが単発で出たわ」
「人生のピーク」
俺の人生のピーク酷すぎちゃう?
何気ない未来の一言が俺を傷つけた。
いつもの馬鹿共(含・アクア)は、少し鹿児島市内から離れたガストで、各々好きなメニューを注文した後に、それぞれやりたいことを好きにやってた。
なんで近所のファミレスに行かず、わざわざ別のところに来たのか。
その理由が、特に深刻そうなツラをしている咸と兼定だった。
俺はソシャゲの限定イベント周回をしながら話半分で聞いてるし、未来はLINEで誰かと連絡とり合ってるし、アクアは自身のswitchを持参してゲームしてる。
「あなた達は理解しているんですか? 我々の存亡の危機ですよ?」
「俺って他人の結婚式に出るのは初めてなんだよね。ご祝儀って、基本的に何円くらいブチ込むのが主流なんだろ? そこら辺のことアクアは知っとる?」
「あーっと……だいたい3~5万が主流だな。新郎新婦との関係者なら、金額は多めで考えた方がいい」
「だってさ」
「勝手に結婚式をセッティングしないで頂きたい。私はまだフリーです」
数か月前は俺もそうだったんよ。
まさか俺を墓場に落としやがった貴様らが、のうのうと安寧の日々を過ごせると思わないで欲しい。テメェらと新婦のツーショット写真を片手に、蛍の墓前に添えるミッションが課せられてんだよ、こっちはよぉ。
こいつ等の幸せを願うのは不本意だが、彼らの相方が幸せになるのは全然OKです。
「んで、男だけの温泉旅行ってか? 旅行って言っても県内移動だから、ぶっちゃけ庭のようなもんだけど。場所の候補とか、どう考えてんの埋葬寸前組」
「
温泉旅行にブラフとは何ぞや。
まるで何かから逃げているかのようだ。
「……そこまでして、女子組との水着デートから逃げたいんか?」
「あ、当り前だろうがっ! つか付き合ってもねェ異性に肌面積多い水着姿を見せるとか、女共の貞操観念はどうなってやがンだ!? 恥じらいってもンを少しはもちやがれェ!」
「それに鹿児島の夏は暑いですし、女性陣の素肌を必要以上に痛めつけるのは趣味ではありません。なれば、そもそもビーチ貸し切っての水着デートなど不要。普通に遊園地やらなにやら行けばいいではありませんか」
女々しか悪足掻きで延命しようとする薩摩男児を、確実に息の根を止めるために画策していると気づかないのだろうか? 黒川さんは鈍感彼氏の自覚を待つのは時間がかかると実力行使を検討しているし、寿さんも学校が9月から始まるので、夏季休暇中に良い関係に持っていこうと必死なのだ。
崖っぷちの二人の計画に、他三名追随するのも理由がある。
俺の場合だと、水着デートはいいと思うのだが、第一に俺が水着を着れない。悲しいことに、俺の身体は鷲見さんやMEMちょさんに見せられるような綺麗な肌をしていない。カタギには見せられんの。
そして、これが一番の理由だが、俺にとって水着はトラウマである。元凶はもちろん、元超人気美少女アイドルな性欲ドスケベモンスターの星野アイである。確かに可愛らしいし目の保養にもなるが、あの格好で何度搾られたか。
そんなわけで今回はパスだ。ミイラに転職する気はない。
他面子だと、未来は悪ノリ、アクアは身の安全のため。
未来は言わずもがな、馬鹿共だけでやる祭りには参加の姿勢を示す。で、アクアの場合は逆に参加しないと、他の水着女子に混ざってのハーレムを満喫することになる。普通に考えて、超気まずい。
「俺としては二人が焦る理由がわからん。そんなに危機とした状況なんだろうなってのは、おぼろげながらに分かるんだけど」
「……私とあかねが仕事上の付き合いを始めて、どのくらいの時間が経過したと思いますか?」
「ちょっと待って……あー……1ヶ月経過したってところか?」
その間、咸に特筆するような変化は見られなかったが、最近の黒川さんは本当に笑うようになったと思う。情緒不安定で疑似カウンセリングみたいなことをしていた昔が懐かしい。
ネットすら怖くて見られなかった少女が、今ではPCでカタカタカタ、ッターン!的なリズミカルな動きで咸の手伝いしてるもんな。加えて、俺特攻の核武装も手に入れて、彼女の牙城を崩せる人間が減少し始めている。
「時間が経つのは早いもんだ。黒川さんのことだし、お前のことを少しは暴かれたんじゃないか? 秘密主義の咸も年貢の納め時ってところかねぇ」
「本名以外の偽名、全部バレました」
「うっそだろオイ」
なんなら咸ですら忘れかけていたような、数回しか使ってない偽名すらも暴かれ、もはや薩摩で咸のことを一番よく知る人物の座は黒川さんに奪われた。主義嗜好は無論のこと、小さな癖や行動理念もプロファイリングされ、完全攻略も時間の問題と言ったところか。
蛍関連やコイツの中身、深層意識の攻略難易度が高いかもしれんな。
俺ですら予測がつかん。
俺は咸の焦る理由を理解した。
陥落寸前なら仕方ないだろう。
「そんで、兼定はどうなん? 咸からお前が寿さんセンターのミドジャンを紙媒体で購入したって話を聞いて、俺の腹筋がお亡くなりになり遊ばされたんだが」
「あ、それ僕も聞いた。絵面想像しただけでシュールだった」
絶対に周囲の目を気にしながら買ったに違いない。
伊集院家の暴力装置は逆切れするだろうと思っていたが、項垂れるように弁明するだけだった。
「……買ってねェって知られた日には、その表紙と同じ格好して見せるって脅されてンだよ」
「アクア、今回のミドジャンのって、そこそこエッチじゃなかったっけ?」
「あぁ、健全でエッチだった」
それをリアルで見せてやると。
本人的には脅しの気持ちは一切なく、ただ純粋に兼定の感想が聞きたいと言う行動方針なだけに、皮肉の一つすら返せなかったと語った。
「つか、寿さんを本気で諦めさせたいのなら、性癖暴露で一発だと思うんだけどなぁ」
『兼ちゃんの守備範囲が50歳以上……?』
『そうだ。だから馬鹿言ってねェで諦──』
『……うち、50歳までの間に、兼ちゃん好みの女になれるんかなぁ? 頑張るさかい、これからも兼ちゃんの傍にいてもええ?』
「前言撤回。もうダメだ、諦めろ」
俺が兼定の立場なら、白旗上げる以外の道が思い浮かばない。
性癖暴露してもロクなことねぇな。黒川さんは幼児コスやって咸の胃に穴開けたし、寿さんには目標設定としか認識されなかったようだ。俺の場合は、ガン無視されたけど。
二人の終焉も近いな。限りなく。
「し、しかし! 今回は島津勢の他家の協力も得ております。それとなくブラフに行く風の履歴を、スマホにそれぞれ残してあります。現地民の助力も貰っておりますし、我々の穏やかなバカンスは約束されたも同然でしょう」
「旅行に行くことすら告げてねェし、場所も言ってねェ。地の利がある分、オレたちの優位は揺らがねェぞ」
二人は勝利を確信する。
こうして、男たちだけの自由気ままな温泉旅行が幕を開けたのだった。
後日、旅館前にて。
「当主さんの言った通りだね。咸君、一緒にお風呂入ろ?」
「え!? ここ混浴あるん!? か、兼ちゃん、うちらも……その……」
「オーカ、アクア。逃げられると思った?」
「「「「「………」」」」」
おつかれっしたー。
馬鹿共「こっちに協力する言ったじゃん」
伊集院家「馬鹿息子よりも将来の可愛い嫁さん優先だろ?」
種子島家「だって黒川様の意向には逆らえんし」
税所家「姉御の指示だし」
島津他家「可愛い女の子たちのお願いを無下にはできないし」
島津宗家「だって黒川様のお願いだし」