薩摩の子   作:キチガイの人

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 ネタ回です。
 シリアス続きでしたからね。
 感想お待ちしております。




 余談ですが、薩摩の馬鹿共は『有馬かな』を洒落にならないくらい警戒します。ヒントは苗字。


 2023/9/2 誤表記修正『夏休み始まる前に』→『夏休み終わる前に』


3章 舞台編
108.夏の終わり、終わらぬ課題


 夏休みは長いようで短い。

 特に自称進学校たる××高校は、明後日から通常授業が始まるとの事で、元人気アイドルの少女はカレンダーを見るたびに宇宙猫になっている。何度見たところで休みの日数が増えたりなどはしない。

 一方のルビーは毎日を楽しそうに謳歌している。そりゃ、憧れの推し(母親)との学校生活が待っているのだ。ワクワクしない要素が見当たらないと言ったところだろう。アクアも心なしかテンションが日に日に高まっているし、彼も嬉しいんだろうね。

 

 アクアはまだいいとして、ルビーは本当に分かってるのかな? ××高校はまごうことなき自称進学校なのだ。芸能科とは校風や方向性が180度違うのだ。

 しかも休み明けって実力考査なかったけ?

 実力考査を勉強しないで(本当の実力で)受けようとするな。

 

 

「「課題が終わらないよおおおおおおおおお!!」」

 

 

 まぁ、この母娘が清々しい新学期をスタートさせるには、この山になった課題の数々を終わらさないといけないんですけどね初見さん。

 楽しい楽しい夏休みが残りわずかで、尻に火のついた元人気アイドルとアイドル志望。見てみろよ、この雄大な我らが桜島を彷彿とさせるような、積みに積みあがった課題の山を。アイがこなすべき量は少なめだが(当社比)、ルビーにいたっては絶望的と表現せざるを得ない。

 大変そうだね。(他人事)

 

 こういう時に助けてくれる黒川さんは不在である。

 というか神プロ組が東京に帰るって話になり、鷲見さんやMEMちょさん、寿さんを見送りに、そしてカミキヒカルを出荷するために、鹿児島空港へと行っているはず。兼定を無理やり同伴させといた。未来もなんか知らんけどついて行ってた。

 お土産物も大量に押し付けたし、また来てくれると嬉しいなぁ。嬉しいなじゃねぇや、神木プロダクション勢が舞台しに、1ヶ月経たないうちに来るやん。来てくれるのは良いとして、東京と鹿児島を反復横跳びって辛くないんかな?

 

 ……ところで、兼定と寿さんが、手を繋ぐくらいには距離が縮まっていた気がするが、どういう心境の変化だろう? 不機嫌そうな顔はしているけど、スキンシップに何も言わなくなったんだよな、あの兼定(アホ)。彼女のおっぱいに陥落したのか、それとも別の要因があるのか。恋愛からもっとも程遠いと思ってた伊集院家の暴力装置がこのザマとは、グラドルってすげぇんだな。

 あと、未来がLINEを見ている姿をよく見かけるようになった。前まではそんなスマホを長時間見続ける奴じゃないはずだったんだが。どうしてだろうね。あと、MEMちょさんも、この鹿児島滞在時にスマホをよく見てたよなぁ。なんでだろうね。(すっとぼけ)

 

 

「……うぅ、因数分解ってなんなの……? こんなの前世でも見たことないよぉ……! アイドルに因数分解は必要なかったもん……!」

 

「点Pが勝手に動くんだけど!? どうして動くの!? というか、この範囲って芸能科でもまだのはずなんだけど!?」

 

 

 遊んだ記憶の多い夏休みだったが、双子は既に××高校で転入手続きが完了している。

 何の因果か知らんが、無事にアイと一緒の3組に編入されたのだ。代わりに山田先生は帰らぬ人となってしまった。夏休み終わる前に蘇生できればいいんだけど。

 手続き後、アクア君とルビーちゃんは、書類やら学校指定の道具衣服の数々と共に、忌々しき夏課題を渡されるのだった。学校側としても在校生と同じ量を、夏休みがわずかしかない編入生に渡したりはしない。量を少なめに調整された課題だと聞いた。

 数学担当教師は普通に同じのを出しやがったけど。覚えておけ、我が校の数学担当は基本的に人の心を捨ててきた連中だ。慈悲はない。

 

 紆余曲折あり、こうして母娘が泣きながら数学をしてるってワケ。カンニングペーパーありきで解いているけど、それでも量が馬鹿みたいに多いので、こうして四苦八苦しているのだ。

 アイなんか遠慮なく他人の答えを写しながらやってる。そしてルビーも。(不正)は嫌なんじゃないの?って聞いてみたところ、ルビーがガチ泣きしてアクアに俺が怒られた。普通に解いたら、さりなさんの人生分足しても終わりそうにない。(ブラックジョーク)

 

 

「これさえ終われば自由なのに……! どうして数学を後回しにしちゃったんだろ……? オーカ、手伝ってよぉ」

 

「こころおれそう。せんせ、たすけて」

 

 

 しまいには母娘からSOSが来る始末。

 アイは言わずもがな、ルビーは普通科で生き残れるだろうか?

 

 さて、助けを求められる俺とアクアはと言うと──

 

 

 

 

 

「なんだこのクソ梟……!? このクソ魔球考えた奴を殴り殺したい」

 

「んなオウル程度で詰まってるようじゃ、この先地獄だぜ?」

 

「言うな、悲しくなる」

 

「「………」」

 

 

 

 

 

 女子の視線をガン無視して『くまのプーさんのホームランダービー!』を嗜んでいた。アクアは100エーカーの森の愉快な畜生共と、ホームランバトルを嗜んでいた。

 俺は最後までクリアした勢なので、後方腕組島津をやってる。

 このゲームは非常にシンプルなゲームである。ディズニーでも比較的有名であるくまのプーさんを主体とし、ホームランしか得点を認めない森の害獣と野球で遊ぶゲームなのだ。もちろん野球ゲームなので、クソみたいな変化球も、アホみたいなボールの揺れ方のする玉も、なんなら消える魔球も、このブラウザゲームには存在するのである。

 控えめに言って頭おかしい。

 

 

「どうしてパパとせんせは、私たちの近くでゲームしてるのかなぁ?」

 

「そうだよ! オーカとアクアは終わったの?」

 

「既に俺は馬鹿共と一緒に終わらしてる。アクアは?」

 

「昨日全部終わった」

 

 

 終わった発言に母娘は撃沈する。

 息子は立派に育ってて良かったな、アイ。なお娘。

 

 口で何と言おうが課題が減るはずもなく、もう俺たちも散々なサポートを施し、もう課題を肩代わりするぐらいしか手伝えることがなくなってしまった。

 ここで手伝い過ぎると、学期初めのテストが凄惨なことになるんだよなぁ。学校の先生方も、このテスト勉強として課題を出しているので、テスト対策としても課題を自力でやらないと、点数がルビーの歌唱力以下になってしまう。

 

 

「なっ……! 50球中、40回ホームランだと!?」

 

「あーあ、とうとう来ちまったか。ロビカスのステージ」

 

 

 そんでアクアは習〇平じゃない方のプーさんと一緒に、ド畜生のラスボスであるロビン(ロビカス)と戦うのである。前にエアライドしたときにも薄々感じていたが、アクアは想像以上に負けず嫌いなので、たかがブラウザゲームに必死に食らいついている。

 俺はロビカス倒すのに3時間かかった。

 見せてもらおうか、星野アクアマリンの性能とやらを。

 

 ──なんて、心を鬼にして無視したが。

 時間が経つごとに、死んだ魚の方が生気のありそうな目で課題をやる母親と妹の姿が目の前にあるのだ。アクアがそっちに視線が向くようになり、なんなら俺の方にも視線を寄越してくる。

 このマザコンでシスコンの言わんとすることは分かる。

 

 

「かと言って、ルビーの法外的な課題の残量を無視は出来んか。ルビー、とりあえず頑張れ。死ぬ気でやれ。最悪の場合は、咸と黒川さんを応援に呼ぶ」

 

 

 手伝い過ぎると大変なことになるが、別の意味で大変なことになってるルビーの課題。さすがに、編入初日から課題未提出は心象を悪くする可能性があるので、本当に苦肉の策だが、高偏差値組の力を借りて残りを処理しよう。黒川さん、アクア、咸が、身内の偏差値トップ3である。ここに微力ながら俺も肩代わりするしかないだろう。本当は自力でやってほしかったけど。

 だって数学だけで泣いてるもんな、俺の義娘は。これに古文、漢文、現代文、日本史、世界史、地理、化学、物理、地学、生物、英語があるんだぜ? そりゃ桜島にもなるわな。

 

 アイの課題を手伝う?

 俺はアイを信じているので、自力で終わらせるはず。うん。多分。……はい、俺が手伝います。

 

 

「……チッ。しまった。高学歴のアホを逃したのはイタいなぁ」

 

「誰?」

 

「カミキヒカルの中身」

 

「「「は?」」」

 

 

 そんなガチトーンで声揃えて言わんくても。

 

 

「オーカの冗談は面白いねっ。あの変態よりアクアの方が絶対に頭いいよ?」

 

「冗談なもんか。あの変態、確かイギリスのどっかの大学卒だぞ」

 

「「「はぁ!?」」」

 

 

 人は見かけによらないのである。

 

 

 

 




桜華「俺たち全員、学歴カミキ以下か……」

アクア「国交断絶レベルのヘイトスピーチだろ、それ」

アイ「世の中言っていいことと悪いことがあると思うよ?」

ルビー「殺人の動機になるレベルの暴言だね」

桜華「そこまで言う?」
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