薩摩の子 作:キチガイの人
ちょっとルビーの計画を進めるうえで、コイツの心理描写が必要なのでブチ込みました。そろそろイチャイチャ書きたいんすけど。
感想お待ちしております。
恥の多い生涯を送って来ました──などと豪語する程でもありませんし、生涯を語れるほど生きてきたわけでもありませんが、今まで他者に誇れる生き方をした記憶はありません。そして、今後も生き方を改めることはないでしょう。
そんな齢15にも満たない未成年者な私ですが、こと『親』と呼ばれる存在に関して、人生の経験上から理解したものがあります。
一つ、親も所詮は人であるということ。
一つ、血が繋がっていようと、所詮は赤の他人であると言うこと。
一つ、無償の愛なんてものは存在しないということ。
以上です。
反論は受け付けます。
「おそらく私とアイさんは同じ考えでしょう。それとなく家庭環境が似ておりますし。……まさか自分に似た存在が、一般家庭から現れるとは思いませんでしたが」
これも時代の流れと言うものでしょうか? 仕事上、様々な人間と関わる機会があり、一層実感してしまいます。昔は『子は親が守るもの』みたいな風潮が一般的でしたが、最近は『自分の時間を自分の為に使いたい』という見解もあるようで。
まぁ、親は子を育てる機械ではありません。ましてや子育てなるものは、特に最初の内は自身の時間の大半を犠牲にしなければ成り立ちません。じゃないと、子が比喩表現なしで死にます。子沢山の伊集院家の奥方がそのように仰っていました。
子からしてみれば、「じゃあ、なぜ自分を産んだ?」と思わなくもないですが。
そして、血の繋がりなんてものは、遺伝子情報云々くらいの有用性しか存在しないということです。勘当、離婚、縁切り……近現代において、そういった家族間の繋がりを断つ現象が見受けられるようになった気がします。
……私の知人には、親族であれば命を投げ捨ててでも助ける、なんて気狂いも存在しますが。島津家がおかしいのか、あの知人がおかしいのかは知りませんが、アレを見ていると血の繋がりを重視し過ぎるのもいかがなものかと思いますね。
貴様より、あの島津の欠陥品の方が遥かにマシだろう?
最後に、無償の愛というファンタジー概念。
ルビーさん曰く、親が子を愛するのは当然だそうです。素晴らしい考えですね。別に皮肉として言っているのではなく、ルビーさんの子供は健やかに育っていくだろうと思っただけです。アイさんが実母に捨てられ、私が実母に殺害されそうになった事実さえなければ、もっと素直に称賛できたのでしょう。
しかし、現実は非常です。家族であれば無条件で愛してもらえるなんて、私には到底信じられるものではありません。
天童寺さりなさんは、親から愛されていたのでしょうか? それとも──愛されて欲しかったゆえの願望でしょうか?
これ以上は深掘りしませんけどね。
……これが厨二病みたく、『親から愛されてないけど、自分そんなに気にしてませんよアピールする自分カッコイイ』な思考より生まれた妄言であれば、どんなに良かったか。
「けれども──アイさんは、それでも『愛情』を求めるんですね」
そこが税所 ■■■と星野 アイとの違い。
私は愛情を理解すること自体を放棄し、逆にアイさんは愛情を知るために邁進する。
同じように親から捨てられ、同じように『噓』で自分を固めた同族であるにも関わらず、彼女は諦めることなく進み続け、道半ばで倒れても、それでも『愛情』の可能性を信じ続けた少女。最終的に彼女は自身の欲しかったものを手に入れたことを考えると、アイさんが信じたものは無駄でも無意味でもなかったことを裏付けます。
理解に努めようとしなかった貴様とは違う。
『アイさん、あなたの欲しかった愛は手に入れましたか?』
『……うーん、どうなんだろ?』
『と、言いますと?』
『上手く言葉にできないんだけど、『愛』って手に入れるものじゃなくて、お互いに育んでいくものなんだと思う。私も詳しいことは分からないけど』
噓つきな女の子は難しそうに首を傾げていました。
ソースが自身の感性であるが故に、それが正解なのか不安そうに。
『みっちゃんは教えてくれたよね? ……私、お母さんから愛されてなかったって』
『言うべきかどうか迷いましたけどね。しかし、成り行きでも知ってしまった以上、当事者には伝えておくべきではと思ったまでです。……不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません』
『大丈夫、後でオーカにいっぱい甘えたから。それに薄々は気づいてたし』
悲しげに笑う一番星の少女。
『私がどれだけお母さんから愛してほしいと思っても、お母さんは私のことを愛してくれなかったと思うよ。だって、私の愛は一方通行でしかなかった』
『一方通行の愛情は、愛足りえぬと?』
『そうとは言えないけど……今の私が欲しいものじゃないのかもね』
『アイ』を愛してくれる人は沢山いたけど、『星野 アイ』を──本当の自分を愛してくれた人はいなかったからねー、と。本当の自分を見せてこなかったから当然なんだけど、と噓つきな女の子は笑いました。
本当の自分を愛してほしいけど、本当の自分を見せるのは怖い。
想いと行動が矛盾しており、悪く言えば面倒な性格をしているとも言えます。その気持ち、非常に分かります。
この健気な少女を見ても、それでも自身の本当の姿を晒すのが怖いとは。つくづく臆病者だな、税所家の汚点が。
『だから、オーカに会って、アクアやルビーとも再会できて、今の私って本当に幸せなんだ。幸せ過ぎて、これが夢なんじゃないかって怖くなるくらいに』
『それって桜華も夢見てるってことですよね? 仮に夢だったとしても、あなたを幸せにするために桜華は奔走しますよ。それこそ、夢を現実にするために、いかなる手段を用いても』
『あははっ、それは嬉しいなぁ』
アイさんは笑った後、真剣な表情を見せました。
『お互いに愛し合うことが一番っ!』
『なるほど、素敵な考えだと思います』
『だから、たとえ嘘から始まったとしても、最後には相手の想いに真剣に向き合わないとね。私も──そして、みっちゃんも』
『………』
『あかっちは、ずっと待つつもりだよ?』
私とアイさん。
たとえ『愛情』へのスタンスが異なろうとも、結局は相手から向けられる『愛情』をどうするべきなのか。答えを出さなければいけない、ということです。
島津の蛮族と元人気アイドルのバカップルは、もう答えが出ているようなものですが。
問題は私の方でしょう。
愛情というものへの理解が乏しく、ましてや必要だと思うこともない。これが割と本気で分からないからこそ、税所 ■■■という男は本格的に壊れていると言っても過言ではないでしょう。
自覚している分、タチが悪いな。
黒川 あかね。
かつて劇団『ララライ』に所属し、若きエースとまで言わしめた少女。誹謗中傷により自殺未遂にまで追い込まれ、私が手を
今でも後悔しています。もっとスマートに、もっと効率よく、彼女の役者としての生命を断つことなく、あの状況を打破できるやり方があったのではないかと。彼女に手を差し伸べたことに後悔はなくとも、ひたむきに役者の道を歩んできた彼女の夢を壊したのは、紛れもなく私の落ち度と言えるでしょう。
ましてや、彼女は恩義と恋愛感情を混同しているようにも見えます。
頑張り屋で真面目な彼女は、もっと人を見る目を養うべきだと思うのは自分だけでしょうか? 勘違いとは恐ろしいものですよ。
同時に、私は彼女をどう思っているのでしょうか。
最初は『使える駒』と思ったのは事実ですし、実際に彼女は私の仕事に大いに貢献しています。何なら私のお株が奪われそうになるくらいには。
桜華に聞かれたことがあります。
『──駒だなんだの言う割には、その駒に対して随分と入れ込んでいるようで。お前らしくない。結局、お前は黒川さんのことが好きなのか?』
『そのクソ長ったらしい言い訳はどうでもいいんよ。というか、是非を問うたはずなのに、なんで長文の回答が返ってくるのか分らん。好き嫌いの単純な話ではないとお前は言ったが、コレはその単純な話の最たるものだろう?』
『~べきじゃない、なんて女々しか言い訳を並べてはいるが、それを決めるのは咸、お前じゃないだろう。俺でもわかる。黒川さんって純粋に咸んことが好きなんだと思うぜ。で、だ。ここまで来ると、あとはお前次第だと思うけどね』
私があかねをどう想っているか。
これは恋愛感情なのか、否か。
親から愛されたことのない男は、他者への感情が『愛』なのか分かりません。
知ろうともしなかった、というのが正しいでしょう。そのツケがこのような形で表れてしまうとは。
これは答えを出すのに骨が折れそうですね。
本当の自分すら見せないくせに、よくもまぁ『愛情』を理解しようと思ったな。
貴様に愛を語る資格などない。
貴様に誰かを愛する資格などない。
母親から不良品と吐かれ始末されるような男が、人並みの幸せを求めるなど、おこがましいにも程がある。恥を知れ。
勘違いするな。
理解しろ。
貴様に愛される価値などない。
貴様に、黒川 あかねを愛する資格はない。
それすらも理解できないのなら。
いっそ死んでしまえ、■■■。
あかね「──って、思ってるんだろうなぁ」
※兼定ほど重くないなって? それ反転してる文字見ても同じこと言えます? ちなみに文字反転はドラッグとかで見れます。見れないときは小説情報の「ここすき」からの総数。あと読み上げ機能とかあるらしいですよ。