薩摩の子 作:キチガイの人
あと、これで主要キャラは出そろいましたね。今何話だと思ってんだ?
感想お待ちしております。
「──えっ、あ、あっ、アイ……さん……?」
事件が故意以外で自身の都合の良いタイミングで起こるはずもなく、出会ったがわからすりゃ、本当に理不尽で無慈悲だ。
そんで事件は基本的に回避不能なものが多い。そりゃあ、避けられるのであれば全力で回避したいし、カミキヒカルに導春がシュゥゥゥーッ!されるのが分かっていたら、徳川の管轄などの小難しい話は全力で無視して、旧神木プロダクションに比喩表現なしで絨毯爆撃を決行するわ。こんなんが自身の勢力下のど真ん中に生えてるんだし、徳川も迎合してくれんじゃね?
あ、今は神プロに爆撃は絶対しないよ? 兼定の奥さんの職場を壊すわけないじゃん。
閑話休題。
そして経緯説明。
久しぶりにゲーセン行かね?という話になり、新生馬鹿共(アクアを含めた野郎どもの総称)と美少女sと軍師(笑)を伴い、学校帰りに安心と信頼の中央駅まで足を運んだ。
何のバグか知らんけど、鹿児島県の高校生は校則でゲーセンで遊ぶことを禁じられている。古臭い慣習が根付き、鹿児島市内から少し離れれば田んぼと茶畑とパチンコ屋しか生えてない、ぺんぺん草すら生えない超絶クッソド田舎の鹿児島である。ゲーセンで遊ぶことを禁止した場合、鹿児島の健全な高校生は何して遊べばいいんだよ。パチンコか?
しかし、ルールは破るためにある。(暴論)
中央駅の上階にはゲーセンコーナーがあり、連日連夜で人が賑わっている。もちろん、ルールを破りゲーセンで遊ぶ同志共も集まっているのだ。
ここには補導員の教員たちも見張っているのだが、昨今人手不足で苦しむレベルな教師陣も人間であり、全てを監視するには限界がある。こんなクソしょーもない見回りより、さっさと自分の仕事を終わらせたい……ってのが本音だろう。
その教師陣の心理状況も踏まえたうえで、中央駅における補導員の警戒ルートや見回りの時間帯を、薩摩の考察班が念入りに調べ尽くし、安全な時間帯を見計らって俺たちは遊んでいた。黒川様の頭脳を余計なことに使うな。
薩摩のチンパンジー4人でガンダム動物園(エセ格闘ゲー。治安がめちゃクソ悪い)をチンパンジーしていると、目をグルグルさせたルビーからヘルプを受ける。余程テンパっていたのか、ルビーの話を要約すると『パルスのファルシのルシがパージでコクーン』らしい。何言ってんのか分らんが、とりあえず緊急事態が発生したいので来てって言いたいのだろう。
ちょうどゲームプレイ中だったので、近くにいた撫子に操作を半強制的に押し付け、ルビーの案内の元、発生源へと向かった。後ろから「え、ちょっ、これどう操作するっ、あっ、そこの馬鹿達は私を狙っ」と聞こえたが気にしない。
事件現場に向かった第一声が、冒頭の台詞ってわけだ。
見たまんまを描写すると、UFOキャッチャーの前にFXで有り金全部溶かす人の顔をしたアイ、超巨大グリブー(鹿児島のマスコット。緑の豚)を抱えた黒川様、珍しくしどろもどろに慌てているアクア。
そんで、見知らぬ美少女。身長はアイと同程度、童顔タイプの可愛らしい少女で、なんか最近どっかで見たようなツラだが、よく思い出せないな。その少女はアクアに詰め寄る形で、魂が抜けているアイの姿に目を見開いている。
……ん? どっちかって言えばルビーの前世であるさりなさんに似──気のせいか。ちなみに冒頭の台詞は、その童顔の美少女から放たれた言葉だ。
……確かにパルスのファルシのルシがパージでコクーンだわ。
カオスと言い換えても通じるだろう。
帰っていいですか?
「……ルビー、あれは何?」
「私には救えぬものじゃ」
ダンブルドアのモノマネで返してくる宝石妹。
この義娘は俺であれば解決できると本当に思っているのだろうか。あの中に関係者面して割り込んでいく勇気は持ち合わせていないんだけど。
俺は少し思案したのち、ルビーに笑いかける。
「今日の中央駅ゲーセンの補導員って誰だっけ?」
「えっと……あ、山田先生じゃん」
「
──俺たちが遊んでいるエリアとは別方面に居た、アイたちの担任である山田教諭。開口一番に「補導してもいいんで助けて下さい」と頭を下げに行くのだった。
でも状況説明したら「ゲーセンの件は見逃すから、これ以上先生の胃を刺激しないで欲しい」と土下座されました。教員としてどうなのかと思ったが、日ごろウチの母娘が盛大に迷惑かけていることを考えると、これ以上の言葉は出て来なかったのである。
♦♦♦
「……有馬 かなです。よろしくお願いします」
「これはこれは、ご丁寧に。島津 桜華です。以後お見知りおきを」
立ち話しも何なのでってことで、ゲーセン近くのレストランに移動した少女と星野家+α。少し離れた席から、薩摩在住組が密かにこちらの様子をうかがっている。俺もあっち側に行きたかったけど、アクアがどうしてもって言うからさぁ。
アクアとルビーは元学校の先輩、アイは一度だけ会ったことあるのかな的な関係。皆が何かしらの繋がりがある中で、俺だけが完全に部外者だ──と、自己紹介をするまでは思っていたのだが、自己紹介の段階で俺は思い出した。
前にアクアが言ってた子じゃん。
肥前の有馬の人じゃん。黒川様から警戒しなくていいって言われたから、記憶から早々に削除してたわ。
その肥前の有馬さんが鹿児島に侵攻してきた経緯は、長々と語られる言葉を要約すると、なんとウチのアクアが目的で来たんだとか。忠影が関与している舞台の役者に抜擢された彼女だが、一足先に鹿児島へ来たらしい。もちろん上司のカミキなヒカルにも了承は貰っているらしく、なんと自費でド辺境まで足を運んだと。
中央駅まで来たまではいいが、肝心の主目的であるアクアはどこ居んの?って話になり、情報収集と観光がてら中央駅を散策していたところ、なんか見知った顔が複数いて近づき、今に至ると。豪運どころの話じゃねぇな。
……ところで、どうして肥前の有馬さんはアクアを睨んでいるんだろうか。
コイツ目的で来たんじゃないの?
「──まぁ? コイツが今何してんのかなぁって。たまたま。そう、
まるでゴキブリを見るような目だった、ということは明記しておこう。アクアに対する感情が刺々しくて居たたまれないんだけど。
ルビーが前に「口が凄く悪い」と評価した点も頷ける。と同時に、アクアへの口撃が続いてはいるが、あそこでオムライスやらナポリタンやら食ってる
それと誤解は正しておこう。
アイはUFOキャッチャーでグリブー(緑の豚)を取れず、数千円ほど散財した現実から立ち直れてないし。後にルビーから7,000円ちょっと使ったと聞いたときは、諦めの悪さと不器用さに呆れてしまったが。どんだけグリブー(豚)を取りたかったんねん。
「あー。有馬さん。このFXで有り金全部溶かす人の顔をしてるのが、星野 アイ。アクアとルビーの親戚で、俺の恋人だ。そこんとこヨロシク」
「……へ?」
「アクアの彼女じゃないから安心してくれ」
「……あー、あー。そういうことね!? あは、あははっ! あー、そうよね! こんなネクラナルシストに彼女なんていないわよね!? アクア、本当にごめんね!?」
これ翻訳すると「アクアに彼女がいなくて本当に良かった」ってコトだろうか。ウチにも意訳使わんといけないくらいひねくれた
けれども、ここまで分かりやすい反応している女の子は見たことないなぁと思いながらも、その発言を聞いて「言い過ぎだろ」と冷静に対応しているアクアの凄まじさよ。女の子を扱いなれているわ。まさかなんだけど、気づいてないってことは……ないよね? ねっ?
と、とりあえず!
念のためにぃ!?
ストレートに言って反応見てみるか!
「有馬さんって、大好きなアクアのために鹿児島へ来たってことでファイナルアンサー?」
「へっ!?」
「は?」(威圧)
あ、すまん。
ルビーの地雷踏んだわ。(死)
【有馬 かな】
陽東高校の2年生。アクアとは子役時代で共演。本作唯一のツッコミ枠。アクアと奇跡の再会を果たすが、現段階では妹枠が彼を狙っているとは思ってない様子。そりゃそうだ。以降、薩摩組のボケ倒しへのツッコミを一身に背負う。