薩摩の子 作:キチガイの人
感想、評価頂けると幸いです。
次回投稿遅れるかもしれません。なんか会社の歓迎会あるらしいっす。行きたくないけど行きます。
あと『推しの子』の全11巻を入手しました。新品高かったですけど、日ごろお世話になってるので還元しなきゃね。というか本作、4巻までしか読んでない作者が書いてるんすよ。ネタバレ気にしない派なので反応集とか見てますけど。
転生したときに、生前の身体と何か違いはあるのか。
私の場合だと、目に見えるような違いはなかった。前世と同じような速度で成長するし、身長体重もそこまで差はなかった。……おっぱいくらいは、前世より成長しても良かったんじゃない?と思わなくもなかったけど。ナデコちゃんぐらいは欲しかった。
あと処女復活した。もうオーカにあげちゃったけど。
それでも、生前と違うところもある。
いくら同じ身体だとしても、やっぱり違うんだなと時々思うことがある。
「あ、暑い……」
「そうか?」
「分かんない」
休日に家でダラダラしていると、あかっちが家に転がり込んできた。時間的にもうちょっと後になると聞いてたけど、涼しい恰好をしているのに、肌に汗が浮かんでいる。
オーカはいつもの自作Tシャツ(『
もし今度瀕死になったら、当日に
そんな私もオーカのベッドでゴロゴロ転がりながら、オーカのタブレットで漫画を読んでいる。前に彼が読んでいた『今日は甘口で』というタイトルだ。
私はオーカが一番気に入っている自作Tシャツ(『
基本的に自分の私物は少ないし、今身につけているので自分のものと言えば、下着とネックレスぐらい。
「耐えられないくらい?」
「むしろ涼しい顔してる桜華君とアイちゃんが信じられないくらい、物凄く暑いんだけど。南の方って、もうこの時期で暑いんだね……」
「……あー、こりゃ、しゃーないかぁ」
アイ、エアコンつけといてくれ。
そう彼は言い残して、キッチンへと消えて行く。
私はエアコンのリモコンを見つけ出し、東京にいたころを思い出し適温に弄る。今の身体だとそこまで暑くはないけど、よくよく考えてみたら都心より気温高いもんね。あかっちには辛いのかもしれない。
ついでに小型の充電式扇風機も渡しておく。
あかっちは小さくお礼を言って、首元を冷やし始めた。
そのタイミングで、キンキンに冷えた麦茶ボトルと人数分のコップを持ってきた私の彼氏。
保冷剤も持ってきているあたり、とても準備がいい。
「アイ、何度にした?」
「今の東京だと、このくらいだと思うけど、これでいい?」
「……まぁ、いっか」
俺が厚着すりゃいいしと、愛しの彼は自分のタンスからジャージを取り出して羽織る。運動部系の人みたいで凄くカッコいい。
いっつもオーカはカッコいいけどね!
「あ、ありがとう。私の部屋、まだエアコンとか取り付けてないし、扇風機とかも買ってなかったから。こんなに暑いと思わなくて」
「部屋が冷たくなるまで時間かかるから、とりあえず寛いどいてよ」
オーカはそう言い残してアルバイトに戻る。
時間が経って復活したあかっちも、自分のパソコンを開いて何か作業するくらいには回復した。
でも対面のオーカのことをチラチラ見ながらパソコンを弄ってるのは何でかな? 愛しの私の彼のことを意識しないといけないコトって何だろうなー。ものすごく気になるなー。あかっちは私の友達だから信じてるよ? だってみっちゃんがいるもんね。けど、オーカの顔をしきりに伺ってるのは気になるなー。なー。なー? あ、今じっと見てた。時間長かった。
「……あかっちはパソコンで何してるの?」
「桜華君の事をまとめてるよ」
「ファッ!?」
どおおおしてオーカのことをまとめてるのかなぁ? いくら友達だって、オーカは絶っ対に渡さないよ? 彼の髪の毛の先から、つま先まで、私のもの、なんだからね? やっぱり何か彼に私の痕跡を残すべきなのかな? 歯形? キスマーク? でも痛いのは嫌だよね。私もオーカのこと傷つけたくないし。あ、そうだ! 指輪するってのはどうだろう? 婚約指輪とかいいよね。だってオーカとは実質夫婦だし、18歳になったら夫婦になるし。今度、お義母さんに相談してみよっかなぁ。
「……どうして、オーカの事、まとめて、るの?」
「私が知る中で、桜華君の愛情が一番重そうだから」
「なんだろう、全然褒められてる気がしないんだけど」
オーカは愛たっぷりだもんね。
私の彼氏だもんね!(大声)
「アイちゃんも言ってたでしょ? 咸君に愛情を教えるのなら、桜華君ぐらいの愛情をぶつけないと、咸君は気付いてくれないだろうから、全力で調べてるの。咸君が桜華君を一番信頼してるのって、そういうのも関係してるのかなって思う」
「俺に恋愛小説として『舞姫』薦めるアホだもんな。俺の愛情を激重と評している点に関しては物申したい気持ちだが」
確かにオーカの愛は心に響くからね。でも、みっちゃんって『愛情』を求めてるのかな? 求めてないと、そもそも響かないような。
愛情への関心度が■■■君に似てる気がする。
そんな思い出したくもない過去をふと考えてしまった時、あかっちの携帯の着信音が部屋に響き渡る。
彼女は小さく謝りながら、部屋の隅で電話に対応する。
「……はい、黒川です。──へっ? ……え、あぅ……あー……そ、そのぉ……」
次第に涙目になって、私とオーカを交互に見ている。
気になった私は、あかっちと電話相手の声が分かるくらい近づいてみる。もしも私の友達を困らせるような電話だったら、相手にガツンと言わなきゃ。
『○▼※△☆▲※◎★●○▼。○▼※△☆▲※◎★●○▼※△☆▲。○▼※△☆▲※◎★●!?』
「ごめん、オーカ。何言ってるのか全然分かんない」
さすがの私も言語の壁は超えられない。
その間もあかっちはオロオロしていたので、オーカはため息をつきながら、私たちに近づいてくる。
彼は少しだけ彼女と電話越しの相手の会話を聞き、あー……と何かを察したような顔をして、あかっちに電話を替わるようジェスチャーをした。
「はーい、電話代わりました。……あぁ、おっちゃん? うん、島津ん倅よ。……あーね、遅れるん? ……そっかそっか、そりゃしゃーないわ。……うん、伝えとく。はい、おっちゃんも気をつけてな。……はーい」
電話を切った彼は、あかっちにスマホを返す。
「エアコン取付作業、先方の都合で1週間ぐらい遅れるってさ。その代わり超格安で済ませてくれるって。それを伝えといてねーって」
オーカ曰く、かなり鹿児島訛りにクセのある業者さんからの電話だったらしい。
私には何言ってるのかさっぱりわからなかったけど。
「桜華君、さっきの全部分かったの?」
「いや、5.6割しか分からん」
「「え?」」
「あのなぁ、ド田舎のジジババの言ってることなんざ、若者からしてみれば全然分からんからな? 他の県がどうか知らんが、ああいう年配の人との会話ってのは、少ない方言知識とその場の雰囲気とノリだけで会話して、会話の重要な部分だけ分かりゃいいの」
薩摩弁って古語訛りが多いし、他の九州の県とも発音やアクセントが全然違うから、分からない人にはマジで未知の言語なんだよねと笑った。
古典の点数が赤点ギリギリの私には分からない話だった。
「……そっか、そうだよね。方言も、勉強しなきゃだよね」
「いざという時は咸に会話してもらうのが早いと思うぞ。アイツは俺より喋れる方だから」
「うん、頑張るっ」
そんな昼近くの何気もない話。
「親戚同士の集まりもあるから、アイも少しは覚えないとな」
「私英語も苦手なのに……」
「
【島津 桜華】
主人公。とりあえずアルティメット鹿児島弁アニキの『わっぜか音がしっせえよ、あたいは今朝ん台風か思っせえよ。あん外に出てみっせえそこら辺見たぎいな、道路の向かいあるいてったら警察がとまっちょら、ないごてけ思って見てみっせな、あいがと
【星野 アイ】
ヒロイン。転生者。↑で何言ってるのかさっぱり理解できない。『推しの子』の最新話で悲鳴を上げている皆さん、安心して下さい。アイは今日も薩摩で楽しく暮らしてるので、ルビーが悲観することは何もないです。
【黒川 あかね】
劇団『ララライ』の元女優。今回の電話、最初は怒られてるのだと思って、めっちゃ怖かった様子。薩摩弁は威圧感あるからね。仕方ないね。