薩摩の子 作:キチガイの人
感想、評価頂けると幸いです。
原作でアイを早々に退場させた理由が、「アイのキャラが強すぎる」との事でしたが、最初はそんなのどうでもいいからアイ生存で書いてほしいと思ってました。しかし、当事者になるとその気持ちが十分わかります。
安易におとめ座の男入れるんじゃなか
カミキ「くっ、この程度の
コイツが脳内のプロット邪魔してくるんです。
数話に一回放出しないと侵食してくるんです。
これをお読みの『推しの子』二次作者の皆さん、私からの忠告です。グラハムは入れるな。
兼定は雨宮先生が白骨化死体で見つかった経緯を語る。
島津の懐刀は、茜色の空を背に、カラスを追いかけていた。
「遊ぶな」
『ンなわけねェだろ殺すぞ』
「雨宮先生死んどるやんけ」
『センセじゃねェよ、テメェだよ』
なぜコイツは遊んでいたのか。
次の日病院を散策しようと近くの宮崎のホテルを予約したはいいが、そのホテルの鍵を害獣に盗まれたと語る。薩摩の武者がカラス一匹に翻弄されている滑稽な姿を見てみたかったが、既に終わったことなのでそこら辺は心の内に秘めておく。
カラスは的確に兼定の鍵だけを盗み、山道の上を飛ぶ。
兼定はそれを的確に追う。
途中、カラスは山道外れて森の中に逃げるが、逆にそれがカラスにとって仇となった。
薩摩兵特有の化け物じみた身体能力を使い、森の木々を器用に蹴り上げて、カラスと同じ高度へと舞い、兼定はカラスの咥えた鍵を奪取するのだった。
カラスは化け物から逃げるように茜空へと消えて行ったとか。
『……今思うと、あの時カラスをシバけばスピネル逃さなかったンかねェ』
「バイオじゃねぇぞ」
ここで常人なら山道へと戻るだろう。
しかし、伊集院の殺戮兵器は、その森で血の匂いを感じたらしい。生々しい類のものではなく、既に風化した痕跡を感じたと口にする。
荒事関係だと本当に化け物じみた勘を発揮するな、伊集院家の人間ってのは。
兼定は森の奥を野生の勘のみで進もうとする。
その時、
〈──おにーさん、そっちに行っちゃダメだよ〉
そこにいたのは、黒い服装に身を包んだ少女だった。
「お前、咸に感化された?」
『あのクソロリコンと一緒にすンじゃねェよ。はっ、あと半世紀年重ねて出直せってハナシ』
「ババアじゃん」
『それがいいンだよ。わっかんねェかなァ』
その時間帯に、森の中で、幼い少女が忽然と現れたと。
普通のスーパー薩摩人であれば、その距離に人がいれば気配で察知する。しかし、その少女は、そこに居るはずなのに気配が認識できないと語った。
少女は兼定に微笑んだ。絶対的上位種が、下等生物を見下すような感覚だったと。
〈それはおにーさんの役割じゃない。あなたが見つけていいものでもない。ただでさえイレギュラーでぐちゃぐちゃになっているの。これ以上は──看過できないよ〉
〈あァ? テメェ何言ってんだァ?〉
〈これは、あの
少女は兼定に近づき、覗き込むように嗤った。
〈ただでさえ星と海になって崩れたはずの星野アイの魂は、あの■■によって再構成されてしまった。あの日、あの時、あの場所で、星野アイは永遠に消えるはずだった〉
〈──ンだと?〉
〈ただ■■に再構成された魂であっても、軌道修正されて、自死によって星野アイは完全に消えるはずだった。……■■に救われなければ、あのまま終わるはずだったの〉
少女の顔は歪む。
〈本当に、あの忌々しい■■。そして、最後の望みだった──も、▼▼によって潰えてしまった。もう、この歪みを正すことは、事実上不可能になってしまった〉
〈何訳の分かんねェこと言ってんだ? 寝言なら、さっさと帰ってベッドで眠りな〉
〈だから、帰ってくれないかな?〉
兼定はその言葉に応じなかった。
確かに不気味な存在ではあるが──彼は
少女はため息をつく。
〈彼を見つけるのは彼女の役目。星野アイの担当医が死んでいること、当時、病院の傍に不審な人物──学生位の男と中学生位の男の子がいたこと。それを、彼女は知らなくちゃいけない〉
〈………〉
〈彼を殺したのが──であることを、彼女自身が、知らなくちゃいけない〉
だから、あなたはこれ以上行かないでね。
あなたにとって、それは関係のないことだから。
〈そうでしょう? ──大友の若武者さん?〉
〈大友?ンなわけねェだろ〉
兼定の否定に、少女はさもおかしそうに笑う。
〈私には分かるわ。その夥しい血の匂い、普通の人間が纏うそれじゃないわ。この地でそんな血を浴びるのは──大友に連なる者しか、いないでしょう?〉
〈オレは島津のモンだ。大友の連中と一緒にすンな泣かすぞゴラァ〉
兼定はそう吐き捨てた。
そして──少女は、
〈………………は?〉
〈さて、ンじゃ聞かせてもらおうかね。星野が、どうしたって?〉
〈え、でも、ここは大友の勢力圏で……あ、あなたは……?〉
〈オレん名前は伊集院兼定。島津家臣団、伊集院家のモンだ〉
彼女はその言葉に目に見えて青ざめ──消えた。
ふっと、何もなかったかのように、存在そのものが消えてしまったと兼定は語った。
「……ファンタジーワールドから帰ってこい」
『それ言ったら星野ん存在そのものがファンタジーだろうが』
「一理ある」
よくわからん不思議な存在に会った不思議の夢の国の兼定だったが、彼女の言葉に引っ掛かりを感じ、行くなと言われたのにガンガン先へ進んだという。
草木生い茂る森の中。
そろそろ日が暮れてしまうと思ったその時、彼は小さな洞窟を見つけた。
そして中にあったのは──
『ボロボロの白衣を着た眼鏡かけた男の白骨化死体だった、ってワケ』
「その女の子の言ってることが本当かどうかわからんが、アイの担当医ってことであれば、まぁ、状況証拠的には雨宮先生なんだろうなぁ」
『首にかけられてた名札のストラップから、身分証明的なのは抜き取られてた。ただ、ストラップん中に、アイドル時代の星野のキーホルダー的なのが入ってたぜ。ンで、洞窟近くを合流した薩摩の他メンバーと漁ってたら、ボロボロのサイフを見つけたってハナシ』
その中に雨宮先生の身分証明が入ってたってことね?と俺は確認すると、殺人犯も遺体移動時に落とすなんざツメが甘いと兼定は嗤った。
これで女の子の証言が正しいのであれば、雨宮先生はシロと断定できるであろう。問題があるとすれば、彼女が本当のことを言っているのか分からない点、それ以前に彼女が誰なのかと言う点、そして、さらなる疑問が生まれた点だ。
「ちゃんと女の子との会話は録音したんだよな?」
『スマホで動画起動してた──が、再生したがオレの声しか聞こえねェ。つまりはそういうこったろ』
「……俺の方から当主には報告しとくわ。マジか。ここにきて超常現象が出張ってくんのかよ」
少女が敵であるか、それとも味方なのか定かではない。
兼定を攻撃することを選ばず消えたということであれば、彼女に直接的な攻撃手段がない可能性も浮上してきた。何にせよ、こんな信じられないことは俺から上に言った方がいいだろう。
雨宮先生の行方を捜すはずが、まさかこんなことになるとはなぁ。
『クソ桜華、テメェは当分、星野から極力離れんじゃねぇぞ』
「言われずとも。……ところで、白骨化死体ってその後どうした?」
『ンあ? 必要な情報は得たしな』
兼定はさも当然のように言い放つ。
たとえ──その行動が、遥か彼方の少女を壊す行いだとしても。
『とりあえずポリ公には通報しといた。あとは無能共が供養してくれンじゃねェの?』
〔──昨日未明、宮崎県××の山道近くの森林地帯で、男性の白骨化死体が発見されたとの事でした。警察によりますと、遺体は行方不明だった──の産婦人科医、
『………………せん、せ?』
〈ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい〉
〈なんでっ、どうしてっ、あそこに
〈いや、それよりも……〉
〈
〈なんなのもおおおおっっ! また島津なのおおおおっっ!?〉
【伊集院 兼定】
主人公の幼馴染。熟女好き。ちゃっかりセンセのストラップ&キーホルダーは回収している。それ以外の足の着く真似はしてない。
【少女】
イカレ島津の被害者。神様? 主人公が心配するほどの影響力は持ってないが、本筋に修正しようとしている。が、九州の化け物共に阻害される。もうぶっちゃけ本筋に戻るとか無理なので九州から出たい。