薩摩の子   作:キチガイの人

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 ほのぼの回です。
 アクルビ関連を進めたいけれど、原作を合間に少しずつ読み進めているので、まだ双子のプロファイリングが終わってないんですよね。早く最新刊まで読みます。同じ理由であかね視点書けないんですよねぇ。
 感想、評価頂けると幸いです。




 ここで原作主要キャラの本作での進行状況を軽く説明。

【星野 愛久愛海】
 アイの元旦那探しが難航中であり、子供部屋おじさんと映画製作(イチャイチャ)してる。なんか最近アイ似の少女をSNSで見た気がするが、おそらく気のせい。何なら『今日あま』にすら出てないので、かなとも接点が薄い。あかねに関しては会ってすらいない。

【星野 瑠美衣】
 メンタルが現在進行形でヤバい。アイドルになれる兆しすらないし、センセ死んどるし、何ならこの後生前の母親の姿を見に行ってメンタルブレイクする。後に薩摩でエンジョイする過程で後顧の憂いをなくすためである。最新話とは違いアクアと仲悪くなってないし、アイもいるから引き上げるのは何とかなると思いたい。

【有馬 かな】
 仕事がどんどん減っていくフリーの役者。可哀そうなことにカミキに拾われる。とりあえず後に薩摩行くで。カミキもそうだけど当分は前後がきでしか登場しない。仕方ない、作者が鹿児島舞台にしか話書けんのや。

【黒川 あかね】
 既に薩摩にいる。

【MEMちょ】
 カミキ君。ここにアイドルになりたい少女が。


055.続・食えや踊れや今宵は宴ぞ

 どうしてこうも焼肉の匂いは人の腹を刺激するのだろう。このカルビを見てほしい。既に白飯を片手に待機したくなるような面をしている。

 俺は焼けた肉の加減を観察し、アイの皿に乗っけていく。黒川さんは咸の介護を任せているし、兼定と未来と撫子は各々がトングで焼いては食ってる。特に武闘派の兼定は尋常じゃないくらい食べるし、種子島姉弟もガツガツと食す。

 

 アイの分も焼きながら、俺は焼肉にたれをつけて、白米と一緒に食した。

 うん、美味い。

 そして俺の一口だけ手を付けた白米をアイに渡す。そして、アイも俺と同じ感じで焼肉を堪能する。アイの前に置いてあった白米を、俺は手元に寄せた。

 

 初めて見た人は驚く光景だろう。俺の残飯食ってるように見えるし。

 実は星野アイという少女は白米が少し苦手なのである。俺もそれを知ったのが同棲してから数日の事であり、白米信者で同棲初日からバリバリご飯ものを出してたもんだから、発覚したときにはアイに土下座したのは覚えている。

 どうやら生前の軽いトラウマが要因らしい。聞いた時は驚いた。まさか白米にガラス片や砂が入っていることを想定して食するとは。

 それ以降ご飯ものは出してない──と言いたいが、実は普通に出している。

 

 

『──だって、オーカの出したものなら安心して食べられるんだもん』

 

 

 それ聞いたときちょっと泣きそうになった。

 なのでアイは『俺が作って出したもの』か『俺が先に手を出したもの』なら、白米をおいしく食べられることを知った。前の焼肉屋でもそうしてたからなぁ。

 

 

「おいひい」

 

「そりゃ良かった」

 

 

 俺にとって焼肉+白米は至高だと思ってる。

 アイにもそれを堪能してほしかったし、条件付きでも白米を食えるというのは、俺にとっても嬉しい限りだ。

 

 

「カルビおいしー。やっぱコレだよねー」

 

「生きてるって実感するわァ」

 

「そこそこの値段だけど、中々イケるわね」

 

 

 世の中にはそこの馬鹿三人みたいに白米食わずに肉だけで堪能できる非国民も存在するが。(過激発言)

 食べ放題だから肉食って元を取ろうな!って考えは理解できるが、理解できたとしても実行できるかは別問題だ。どうしても白米が欲しくなる。撫子は性格的に元を取ろうとする側だが、兼定と未来は、食べ放題云々に関わらず、焼肉のみで満足できるタイプの人間なのだ。

 ちなみに咸は白米勢だ。俺たち4人は一緒につるんではいるが、根本的に様々な分野において相容れない存在なのである。

 

 俺とアイはスローペース(当社比)で楽しく食べていると、NO白米勢が周囲の肉を全て食べつくしたようだ。まだ食べ放題終了まで時間あるのに。

 とか思ってた矢先に、未来が脊髄反射で店員を呼び出すボタンを押す。

 

 

「注文どうぞー」

 

「カルビ7人前追加で」

 

「ネギ塩厚切り豚ロースとネギ塩牛ホルモンを3人前ずつ」

 

「そうね……味噌牛ホルモンを2人前」

 

 

 あの3人が食う量である。

 もう一度記す。()()3()()()()()()()()()

 奴らの胃袋は底なしか?

 

 

「……あかねさん、あまり食が進んでないように見受けられますが?」

 

「私のことは気にしなくていいよ。咸君も遠慮しなくていいからね? たくさん食べてほしいし」

 

「私個人としては、あかねさんにも楽しんでほしいんですよ。私はたくさん食べる女性は……好きですよ?」

 

「……ふぇ?」

 

 

 元演劇少女の肉を焼いていたトングが止まり、みるみるうちに顔が赤くなり、それは耳まで到達する。旧タイプの体温計でももうちょっとゆっくり温度が上がるだろうが、黒川さんは早かった。

 その固まっている隙を狙って、咸は黒川さんからトングを奪取する。

 

 

「今度は私が焼く番です。楽しみましょう」

 

「……はい」

 

 

 店員が俺の元にアイスコーヒーを持ってくる。

 礼を言い、俺は一気飲みした。苦い。甘い。

 

 

「どうしたの、オーカ?」

 

「いや、初々しいなと思って」

 

「そうだね。早くヤっちゃえばいいのにね」

 

「何てことを」

 

 

 俺も口に出さなかったのに。

 この完全で無敵だった元アイドルは、俺たちが面として言えないことを、さも当然のように口にする。頼もしいのか、頭ピンクなのか、未だによく分からない。

 

 逆に俺の反応がアイには理解できないようだ。

 可愛らしく首をかしげる。かわいい。

 

 

「でもみっちゃんってモテるよね。このままだと誰かに取られちゃうし、それなら先に繋がりを持った方がいいと思うけどなぁ」

 

「つながり(物理)っすか。慎みを持って」

 

「でもあかっちの精神衛生上、一発ヤれば安心すると思うけどな。他の女を牽制できる材料の有無って、全然違うよ?」

 

 

 その牽制しまくった結果、俺の脱童貞は校長にまで広まってんだぞ。どうしてくれる。

 校長から「……まぁ、避妊は確実にするように」と目を逸らされながら言われて、隣にいたアイが「約束できないけど頑張ります!」と言ったのは記憶に新しい。

 おい、嘘つき少女。こういう時に嘘つかんでどうする。

 

 それを今度は咸と黒川さんに強いるらしい。

 さすがに黒川さんは、アイみたいに視界に映る女子生徒全員に牽制するようなことはしな──しないよね? 大丈夫だよね? 黒川さんは薩摩の常識枠だよね?

 撫子と初めて会って、人格破綻者が黒川さんを利用した云々の胸糞話したときに、彼女が笑顔で「つまり種子島さんが私と咸を引き合わせてくれたんだね!」と言われて過呼吸状態になった話を聞いたもんだからなぁ。アイツ本当に善意耐性ないな。なし崩しに友達になってるし。

 

 

「……またオーカがあかっち見てる。長時間」

 

「正確には初々しいカップル未満の存在だな。咸を省くな」

 

「私もカップルなんだけど!」

 

 

 当事者と第三者視点だと、また違った趣があるんよ。

 なんて言い訳をしようとした瞬間、俺の口にたれ付き肉がねじ込まれる。美味い。

 咀嚼し終えたのち、俺は犯人をジト目で見る。

 

 

「……自分のはちゃんと自分で食え」

 

「私のモノはオーカのモノ、オーカのモノは私のモノ。別にいいでしょ?」

 

「なら俺のモノをどーぞ」

 

 

 お返しと言わんばかりに、俺の皿に積み重なっていた肉の一つにたれをつけて、零れないようにアイの口に運ぶ。ひな鳥のように待つアイは、素直に焼肉を頬張る。

 

 

「美味しいか?」

 

「うん。オーカが食べさせてくれたから、数倍美味しい」

 

「……そっか。そいつは良かった」

 

 

 こういう時に笑顔になるのは卑怯だろう。

 やっぱり俺はアイには勝てない。

 

 

 

 

 

「「「………」」」

 

「注文どうぞー」

 

「……僕は唐辛子マシマシ激辛カルビ7皿追加」

 

「……オレは悶絶激辛ホルモン3皿追加。あと水をボトルで」

 

「……激辛極級厚切りロースを4皿お願いするわ」

 

 

 ちなみに支払いは体育大会に全然参加してない俺と未来が半々で出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『──星野さん、少々よろしいでしょうか?』

 

『ん? オーカならミク君と会計で端数の1円をどっちが出すかで揉めてるよ』

 

『私は貴女に用件があるのですが……あの二人はなんて女々しい真似を』

 

『私に用事? あかっちがいい顔しないと思うけど』

 

『あかねさんには話は通してあります。……彼女に話を通さないといけない前提なのは疑問に思いますが、まぁ、それは置いておきましょう。私は貴女に聞きたいことがあります』

 

『私に答えられる?』

 

『むしろ貴女にしか答えられないでしょう。無理に、とは言いません。桜華も詳しく知らないのだから、つまりはそういうことなんでしょう』

 

『………?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『──貴女の生前の母親について、少しお伺いしたいことが』

 

 

 

 




カミキ「……カミキラーメン体操、か」

かな「ヒエッ……」
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