薩摩の子 作:キチガイの人
当分はシリアス回続きます。
ほのぼの回入れたいけど、たぶん駆け抜けることを皆が望んでいると思うので。さっさとオギャバブランド復刻しろって宝石妹が言ってる。
感想、評価頂けると幸いです。
次回は宝石兄視点かな。原作主人公存在してるのに、未だに総文字数20万超えて出てないの、この作品だけでは?
感想で「愛さないのに子供産む理由が分からない」と感想頂きました。作者が浄化されそうになりました。
まぁ、世の中には、いるんですよ。儒教的な感じで、子を使い潰すために産む輩が一定数ね? 何なら言うこと聞かないって意味合いで、捨てる親もいますよ。
……私の仕事の客、こういう思考の親がいるんすよ。それなりに。残念ながら。
原作11巻まで読みました。
いやー、はい。癒し求めてココ来る理由が分かりました。
で。導春いつ出んの?(錯乱)
「──釣れてますか、壱護さん」
とうとう来たか。
釣り堀で釣りをしていた俺に、背後から若い女の声がかかる。こうなることは例の奴らから聞いてはいたが、実際にこの瞬間を迎えると、胸の内に複雑な感情が浮かぶ。
……釣りをしていると、厄介なことに巻き込まれることが多すぎる。少し釣りが嫌いになりそうだ。
俺は振り向きもせず答えた。
誰が来たかなど、見なくても分かる。
「……ここに来ても何もいいことはねぇぞ。さっさと自分の家に帰れ」
「あるから来てるんだよ? 分かんないかなぁ」
若い女──星野ルビーは隣に座る。
その間、俺はチラリと横目で彼女を見た。
見ないうちに随分と大きく育ったものだが、それ以上にルビーの
その様に、俺はふと鹿児島で会った小僧を思い出した。
状況はあの時と若干似ているが、今のアイの彼氏は上手に第三者を演じていたものだ。完全に騙された。対して、今のルビーには隠す様子は一切ない。
これが切羽詰まった少女と、余裕のあった少年の違いか。
「それに、こうして娘のように思ってたアイの娘が、こうして会いに来てくれて、本当は嬉しいでしょ?」
これすらも仕組まれたものだと知ったとき、ルビーはどんな反応をするのか。
彼女は「やっと場所を突き止めた」と思っているのかもしれないが、小僧の友人から「そろそろ元社長の場所が割られそうなので、準備しといてくださいね」と
彼らがどういう存在なのか、一応はアイから聞いてはいるが、それでも連中の筋書き通りの状況に、薄ら寒い気持ちを抱いたのも否定できない。生前も生前で苦労したアイだが、今は今で別の苦労をしていそうだ。
「……俺に関わるなって言ってんだ」
「逃がしませんよ。だって──」
俺はあえて突き放す。
それで引っ込むような、引っ込めるような心境ではないことを、事前に知っているから。
「──ママの近くにいた貴方が、一番真相に近いんだから。ママとせんせを殺した男を見つけ出すまで、絶対に逃がしたりしないから」
もっと真相に近い
喉元まで出かかった言葉を、俺は無理矢理飲み込んだ。
……ところで『せんせ』とは誰だろう。
「私の父親が誰なのか、教えて」
「……俺
俺
アイ本人は知っているし、島津の小僧共も知っているらしいが、俺には終始教えてはくれなかった。
『──アイツの元旦那の名前ですか? 何度も言ってますが教えるつもりはないですよ。これはアイからの要望でもあります。諦めてください』
『曲がりなりにもアイツの彼氏だろうが。生前のアイを殺した男が、のうのうと生きていることを許せるのか!? あぁ!?』
『
電話で何度も聞いたが、小僧は頑なだった。
俺の煽りにも、興味なさそうに吐き捨てる。
『っ! だったら俺が──』
『
『……は?』
『まさかナイフ一本片手に特攻するわけじゃないだろう? 俺たちはポン刀あれば首獲れる英才教育を受けているが、カタギがそれで確実に殺れる保証もないからな。もちろん銃火器は必須だよなぁ。素人が相手を確殺できる手段と言えば、銃が一番効率がいいもん。で、斉藤さんはそれ持ってる? あぁ、島津は貸すつもりはないぜ? そもそも論で言えば、銃火器で殺せる相手だという保証もねぇし』
俺の復讐心を小僧は嘲笑った。
前のように感情論で諭すのではなく、現実的な話を以て。
『復讐自体を否定するつもりはないが、分をわきまえろよオッサン。島津にとっての復讐ってのは、何百年何千年かかろうが、確実に
『………』
『ってのは島津理論だけど、本音は別のところにある。……アイにさ、これ以上悲しい思いはしてほしくない。相手刺殺すのならまだしも、斉藤さんが死のうものなら彼女が悲しむ。……死んだら悲しいのは斉藤さんが一番よく知ってるだろ?』
それなら今を大切にするのが建設的だ。島津桜華という男は、ため息をつきながら笑った。
アイが死んだときのことは今でも忘れられない。それを何の奇跡か生まれ変わった彼女に強いるのかと。過去じゃなく今を見ろと言われ、俺は復讐を諦めざるを得なかった。
だから今回の計画に乗った。
ルビーとアクアを解放するために。
「じゃあ、ママと関わりのあった人の連絡先教えて! 全部! あと手っ取り早くアイドルになる方法教えて! 全部!」
「やなこった! そんなの教えたら鉄砲玉みたいに凸するだろうが。アイドルだってなぁ! そう簡単になれるもんじゃ──」
「それじゃあ遅いの!」
悲痛な叫び声に俺の言葉は止まった。
ルビーは俯き顔が見えないが、その声からして焦燥が感じ取れる。
「たっくさんオーディションにも参加して! スカウトも最初の頃はあったけど、最終的には断られて! いっぱい、いっぱい努力して、それでもアイドルになれてない! 芸能科でも私だけが何も残せてない!」
「………」
「私はアイドルになってママの夢を叶えて、そして……ママと──を殺した男を見つけ出して、同じ目にあわさなきゃいけないの! だから、だから! 私には時間がない!」
島津の小僧には、俺がこう見えていたのか。
憎くて憎くて憎くて、どうしてもアイを殺した男をぶっ殺したくて、目を閉じれば棺桶に眠るアイツが浮かんで、夢の中でも自分が自分を責めて。そんな日々を十数年続けていたが、今のルビーはそういう状況なのかもしれない。
俺はもう悪夢を見ることはなくなったが、ルビーと、そしてアクアは、まだ覚めることのない悪夢を見続けているのだろうか。
……そうだな、小僧。
こんなこと、もう終わらせねぇとな。
「だから……だから、教えてよ……。ママを……ママを……」
「……お前の親父を確実に知っている人間に心当たりがある」
「──誰っ!?」
バッとルビーは顔を上げた。
目元を赤く腫らし、黒く光る星を輝かせながら。
「──星野アイ。お前の母親だ。アイツなら確実に知ってるだろうからな。知りたいなら、直接本人に聞け」
「……何言ってるの。ママは──」
「少し前、俺は鹿児島でアイの生まれ変わりに会った。信じるか信じないかお前の自由だが」
「えっ」
だからアイツ等に任せようと思う。
アクアとルビーの母親と、新しい父親に。
十数年苦しみ続けた最悪に、終止符を打つために。
「──小僧の指示通り、双子の妹の方にアイのことを伝えたぞ」
『ありがとうございます。双子兄の方も……うし、咸がやってくれたことだし、あとは盛大に歓迎する準備をしねぇとなぁ』
「……お前らが思っている以上に今のルビーは荒れている。アイにも伝えてくれ」
『了承しました。……んー、咸からは妹の方はメンタル面は大丈夫だって聞いたんだが。何か問題でも発生したか? 会ってみないと分らんなこりゃ』
「俺の役目は終わった。切るぞ」
『あ、そういえば斉藤さんに聞きたいことがあるんですが』
「……なんだ?」
『今の斉藤さんって無職のプー太郎ですよね? クッソ暇ですよね? 何なら人生の夏休み満喫してますよね? 釣り堀警備員してますよね?』
「煽ってんのかガキ」
『俺はアイの彼氏です。
『斉藤さん、ウチで働いてみませんか?』
カミキ「──ふっ、はっ。──君たちの視線を、釘付けにする!」(白星開眼)
かな「アンタがラーメン体操踊るのかよ」
カミキ「かな君も私と一緒に踊るが?」
かな「(´;ω;`)」