推しの子 〜Revenge of the Brother and Son〜 作:よもぎもなか
ルビー「えっ! アクアドラマ出るの⁉︎」
アクア「なんで言うんですか」
皇帝「だってアクアは自分から言わないだろ? 所属タレントの広報活動は事務所の仕事だからしょうがない」
ルビー「ママ言ってたもんね……私は将来アイドルで………アクアは将来役者さんかなって………あの言葉忘れてなかったんだね………で…なんて作品に出るの?」
皇帝「『今日は甘口で』って言う作品 少女漫画が原作の………」
ルビー「『今日あま』ってアクアの部屋にあったやつ⁉︎」
皇帝「そうそう! 俺もアクアの部屋にあったから暇つぶしで読んだけど面白いよな」
ルビー「皇さんも読んだんだ!」
アクア「ルビー勝手に読むな 皇さんもせめて俺に言ってから読んでください」
ミヤコ「最近できたネットTV局制作のドラマで全六話中三話まで放送済み メインの役者も新人が多いし規模として少し小さめの作品ね」
皇帝「新人って言ってもある程度は演技できんだろ……たぶん」
ミヤコ「アクアの出番は最終話に出てくる悪役みたいよ」
ルビー「向いてるじゃん 悪い顔してるもんね」
アクア「うるせぇな」
ミヤコ「ネット局のドラマだから今見れるわよ」
ルビー「観る観る!」
ルビー「あっロリ先輩」
アクア「ロリ先輩?………ってなるほどね……」
⁇[オマエソンナカオシテテタノシイノ?]
ルビー・アクア・ミヤコ・皇帝「………………」
⁇[ワラエバカワイージャン]
重曹ちゃん「からかわないで!」
ルビー・ミヤコ・皇帝「………………」
モブ「オレノオンナニテヲダスナ」
⁇「ハッ ナンダテメェ」
重曹ちゃん「けんかはやめてー!」
ルビー・アクア・ミヤコ・皇帝「………………」
ルビー「『今日あま』ってこんな作品だっけ?」
皇帝「ゼッタイコンナンジャナイヨ-!」
ルビー「演出とかはしっかりしてるから観れない事はないけどなんか原作に居ないオリキャラが活躍してるし」
皇帝「出来るだけ多くの役者使いたい制作側の事情で………」
ルビー「展開もさ……こんなんじゃなかったよね?」
ミヤコ「原作14巻分を半クールで収めるとなるとどうしても物語をカットする部分が出てくるのよ」
皇帝(まぁ原作で重要なシーンもカットされてたんだけどね………)
ルビー「役者の演技も…………」
ミヤコ「キャスト陣は演技未経験のモデルの子が多い見たいね」
ルビー「なんていうか………酷いね!」
皇帝「これ、本当に今日あま?」
ミヤコ「皇さん?ルビー?ストレートに言い過ぎよ」
ルビー「ていうかロリ先輩ってさ………もっと演技上手くなかった?」
重曹ちゃん「うっるさいわねー‼︎ あんたの妹そんな事言ってたの⁉︎
アクア「相変わらずクチ悪いなお前」
重曹ちゃん「私の名誉の為に言わせてもらうけどね 私ほど演技できる高校生想像居ないから!」
アクア「じゃあどうして今回こんな なんだよ」
重曹ちゃん「………………今回のドラマはこれから売りたいモデルを兎に角を一杯出してイケメン好きな女性層にリーチする企画なのよ 演技力は二の次 だけどそれじゃ作品が破錠する だからこそ演技が売りの私をヒロインに起用してるワケ」
アクア「それにしてはお前の演技ヌルくね?」
重曹ちゃん「抑えてるに決まってるでしょ! 私の周りの役者は揃いも揃って大根役者ばっかり‼︎ メインキャストの中でマトモに演技出来るの私だけなのよ!!こん中で私がバリバリやってみなさい!他の役者の大根ぶりが浮き彫りになっちゃってぶり大根でしょ‼︎」
アクア「ぶり大根?」
重曹ちゃん「私だって全力で演技したいわよ 誰が楽しくてわざわざ下手な演技をするっていうの? でも上手い演技と良い作品作りは別……上手い演技をすれば良い作品になるかと言われればそうじゃない……確かにこの作品は企画からして売り手の都合が前に出過ぎてる 作品として面白くなりようがないわ 一話の撮影で原作者の先生が現場に来た時………あの失望した顔はキツかったわ…でも役者や裏方さん、個人個人は精一杯やってて見てくれる人や原作ファンの為に少しでも良い作品にしたい せめて『観れる』作品にする その為ならへたくそな演技でもする」
アクア「自分の役者としての評価を下げてもか?」
重曹ちゃん「…………役者として大事なのってコミュ力よ 昔の私は自分の演技をひけらかして 確かに売れてたけど他人を蔑ろにしてた だから旬が過ぎればあっという間に仕事がなくなった 私より演技が上手い子供は居て それでも私を使う意味……それが大事なんだって気づいた さしずめ今の私は我を通さず作品の品質貢献に務める使いやすい役者 Pの人もつきあいが長くてね 今回も私がその辺 弁えてるから起用してくれたんだよ」
アクア「いつの間にか協調性なんか持つようになっちゃって」
重曹ちゃん「ふふん 私 オトナだから まぁモデル共と張っても負けない顔の良さもあるだろうけど!」
アクア「役者って自身家しかいねぇよな………」
重曹ちゃん「というわけで撮影は明日!来週オンエアだから!撮影後即編集!即納品! 本読みすっ飛ばして即リハ即撮影だからヨロ!」
アクア「スケジュールも終わってんなぁ」
重曹ちゃん「アンタの役の子がゴネて降りてリスケになって大変だったの あんまりおいしい役じゃないから だからこそアンタをねじ込めたんだけど」
アクア「コネで役取って、本読みもトバし…またこのパターンか……ガキの時同じ事して散々言ってくれたよな………」
重曹ちゃん「懐かしいわね〜 今度は私がやる側になるとはね 汚い大人になってしまったのよ」
アクア「笑ってんじゃねぇよ」
重曹ちゃん「でも今なら監督の気持ちも分かる アクアを誘った理由はもう分かってくれたよね…………? 誰にボロクソ言われようとも大根と言われてもいい お願い 私と一緒に良い作品を作って アンタとなら出来ると思うの」
アクア(ダメな企画に演技の出来ない役者陣 だけど話を聞いてから改めて観ると脚本と演出は役者に合わせてるのが分かる 駄目な演技でも『観れる作品にするテク』がそこらで使われてくる事に気づく 裏方は優秀そしてヒロインはバリバリの実力派………)
「なんかやりようはありそうだな」