推しの子 〜Revenge of the Brother and Son〜 作:よもぎもなか
アクア(あれから一年……俺たちは立ったり、喋ったりしても怪しまれない程度には大きくなり………
ルビー「ママァ!ママァ!よしよししてぇ! は〜〜極楽浄土〜」
アクア(だが中身は子供じゃない)
アイ「極楽浄土なんて難しい言葉どこで覚えたの……?」
アクア(もしかして………アイは俺達を怪しいと…)
アイ「ヤバい位の天才っぽいな」
アクア(疑う事も無く平穏に日々を過ごしている……)
〜side皇帝〜
コウくん(俺は車の免許を取り、営業の仕事も始め出した。アイはモデルやラジオアシスタントなど着実に仕事を増やしている 今日はその集大成とも言える仕事の日)
ルビー「ママの初ドラマ楽しみだねぇ」
アイ「ちょい役だけどね」
コウ「いいか?ふたりとも どうして持って言うから連れて行くけど職場でアイの事ママなんて絶対呼ばないでくれよ 現場では俺がミヤコさんの子を預かっている設定だから それを忘れずに」
アイ「苺プロのアイです 本日はよろしくお願いします どうかしました監督?」
ルビー「なんか怖いね」
アクア「顔がな」
五反田「この子供は?」
コウ「久しぶりです五反田監督。この二人はウチの社長の子でですね 社長が今子供を見れない状況で預かってるんです それに社会を知るのにちょうど良いかと思いましてね」
五反田「………なるほどな…まぁ現場に犬を連れてくる奴も居るくらいだしなぁ」
モブ1「双子ちゃん‼︎かわい〜っ」
アクア(おおっ……この子たしかグラビアの子で………ルビーの方は『可愛すぎる演技派』とか言われてる若手女優……)
ルビー「ばぶぅ ばぶぅ」
アクア(かわい子ぶってんじゃねぇよ………だめだ…体が持たねぇ………)
五反田「ん?
アクア「あっいえ 我々赤ん坊ですがそのような粗相はしないよう努めますので!現場の進行を妨げないのは最低限のルールと認識しております 弊社のアイを今後とも何卒ご贔屓に…………」
五反田「めちゃくちゃ喋るなこの赤子!どこで覚えた!そんな言葉!」
アクア「ユーチューブで少々………」
五反田「すげぇなユーチューブって‼︎時代だなぁ‼︎ 早熟な子供は結構見るがここまでのは初めて見た お前も演技とかするのか?」
アクア「いや……演技とか…そういうのは……」
五反田「画面としておもしれぇな なんかに使いたい これは俺の名刺だ どっかの事務所に入ったら電話しろ」
アクア「いえ………仕事を振るなら僕じゃなくてアイの方に………」
五反田「あーあのアイドルな 顔は抜群に良い 運が良けりゃ生き残るだろ」
アクア「顔が抜群に良いのに運?」
五反田「いいか?役者ってのは3つある 一つは看板役者 客を求めてくる事をまず求められる 広告塔の役割もあるからギャラも良い 次に実力派 作品の質を担保する役割 レーベルとしてブランドを保つ事が仕事だ 最後に新人役者 ここに演技力なんて期待してない 画面に新鮮さを出してくれりゃ及第点 次のスターに経験を積ませる目的もある 業界全体での投資だな つまりあそこにいる新人達は全員投資を受けてる段階 客に売れるか現場に好かれるか どっちかがなきゃ次の新人に席を奪われる この現場に居る新人全員の中で誰か一人でも生き残れりゃ大成功 そういう世界だ 生き残るのは何かしらの一流だけだ」
アクア「ふーん じゃあ平気だね アイはアイドルとして一流だから」
五反田「いや……アイドルとして一流でも仕方ないだろ」
モブ2「74カット準備できました」
モブ2「カット74!アクション!」
〜・〜・〜・〜・〜・〜
五反田「演技は並だが……いやに目を引く」
アクア「でしょ さっきこんな事言ってた ステージの上だと どの角度からも……皆に可愛くしなきゃいけないけど、ここでは
五反田「MV感覚かよ……時代だなぁ」
アクア「めっちゃ出来良いから絶対見たほうが良いよ!」
ルビー「さ!オンエアーだよ!」
アイ「けっこう撮ったからね」
ルビー「ママの演技楽しみ!あっこのシーンだ! あっママ‼︎」
アクア「もっと大きく写せ‼︎」
ルビー・アクア「……………」
ルビー「えっ!これだけ⁉︎」
アクア「ワンシーンちょびっとじゃん‼︎」
五反田「お……早熟ベイビー」
アクア[ちょっと監督!アイ全然使ってないじゃん!]
五反田[あーあれなぁ……良い仕上がりだったのに残念だったな]
アクア[じゃあどうして‼︎]
五反田[主演の女優は制作会社が『可愛すぎる演技派女優』つって売り出してる子だ なのに同じフレームの中にそれ以上の顔があったらどうだ?イメージ戦略的に問題だろ? アイはあの画面において可愛すぎた そんでまぁ上からの希望があって編集の段階で限りなく削る事になった]
アクア[何それ]
五反田[出演時間の尺は会社間のパワーバランスで決まりがちだから事故にあったと思って受け入れろ]
アクア[納得行かない]
五反田[芸能界を夢見るのは良いけど 芸能界に夢を見るのはよした方が良い ここはアートの場じゃなくビジネスの場だ だがまぁ…そっちの主張も分かるし悪いとも思ってる 替わりにと言っちゃなんだがアイに仕事を振りたい 映画の仕事だ 文句はねぇだろ]
アクア[えっ⁉︎マジで⁉︎]
五反田[ただしお前も出るのが条件だ]
皇くん「こっからは俺が聞きますよ?五反田監督?」
設定8 五反田監督とは撮影場所で数回あった程度だが酒を飲みに行った時に気が合い仲良くしている
設定9 皇帝(エンペラー)と呼ばれる事は少なく、皇くん(こうくん)や帝(みかど)と呼ばれる事の方が多い