※地雷原です
いや、ねーわの方はブラウザバック。
新帝都物語のある部で萌えてしまった人間の末路よ…
黒田が執務室を出て、それほど時間がたっていない中…執務室では、重兵衛のほかに艦娘が一人。
薄紅色の着物に紺色の袴を着た小柄な女性。手には分厚めの黒い手袋がはめられ、指肌の露出が無い。
艦娘、航空母艦鳳翔型一番艦、鳳翔ではあるが…外見的違いが、そこにあった。
白髪であったのだ。汚れの無い白髪、それをまとめるように赤いリボンが結ばれている…重兵衛が着る紅の民族衣装と同じ色。
艦娘、鳳翔でありながら彼女は、平田おちょうと言う記憶があった。
江戸後期の国学者にして、医者。また、幽冥論という死後の魂魄が行きつく黄泉について学問として、向き合うきっかけを作った平田篤胤(ひらた あつたね)の息女。父篤胤の弟子平田鐵胤(かねたね)の妻。
また、平田篤胤の旧姓、大和田は平将門を始祖とする家系であり、父と共にその血を引く末裔であった。
将門の血を引き、さらに強い霊力を持っていたおちょうは、明治元年にて重兵衛の策略により将門を降ろす依代になりかけた。江戸から始まる重兵衛との長らく辛い闘いの中で、この神おろしは失敗に終わり、夫鐵胤と共に重兵衛を黄泉へと押しやってようやく、ケリを付けたのである。
そして、長い年月にておちょうは再び生を受けた。
艦娘として生を受け、いくつかの鎮守府を行ったり去ったりを繰り返し…そうして、たどり着いたのが怨敵、重兵衛の下。
数奇な運命であった。
本来なら、夫鐵胤の元へ行くはずが…あろうことか、重兵衛の下に来てしまう。当初は困惑するも、艦娘としての責務を全うせんとここまで来たのだった。
「意外ですね。あなたが嬉しそうに話すなんて」
「……ガラにもないことをした」
「私の知る加藤は、そんな姿していませんでしたよ。…ん、ぅ」
「おちょう、黙れ」
穏やかな顔をし、己に対し慈しむおちょうの姿が憎らしく思ったのか…重兵衛は目の前の艦娘、鳳翔ことおちょうの口をふさいだ。
ちろり、とおちょうの口内に舌を入れ、彼女の舌を絡め取った。長い舌にからめ捕られ、重兵衛の胸部におちょうは手を添えるも、あまりの感覚にぎゅう、と拳を作る。数分、短い間ながらもおちょうの口内をゆっくりと犯し、腰を強く抱きすくめる。
細身ながらも、硬く太い男の腕の感触が、おちょうは背を通して感じ取れた。
ようやく口が離れ、銀色の糸が伸びる。
「……事実、ですのに」
ぷう、と頬をわずかに膨らましいじらしげに声を上げるおちょう。
「ふん、貴様も俺の女になって来たものだな。以前は舌を入れようものなら、噛み千切らんとしてきたと言うのに」
「…そう、です、ね」
急所を射るような言葉だった。
…おちょうは、重兵衛に惹かれていた。怨敵であるというのに。
彼女は鐵胤に対し、今でも愛を抱いている…そんな中で、重兵衛の与える無意識とも言えるすがるような愛情が、見捨てられなかったのだ。夫に操を捧げているはずなのに…なんと浅ましく売女(ばいた)な自分であると、おちょうは常日頃蔑んでいる。
そんな重兵衛は、おちょうの心情を理解し蔑むダシに使っていた。けれども、重兵衛はおちょうを求め続けている。
歪で、醜い関係が…ズルズルと、未練たらしく続かせていた。
「…」
「…」
沈黙が二人を包み、追い詰めていく。
時間がじわじわと攻め入る中、お互いに離れることはしないでいた。重兵衛はおちょうを強く抱きしめ離すそぶりも見せない。おちょうにいたっては、重兵衛を突き放す行動すらしなかった。出来る状況だった、それを二人はしないで時間だけが容赦なく過ぎていく。
……。
…。
すると、重兵衛は沈黙を破る。観念したようにおちょうの肩に頭を寄せ強く、逃がさんとばかりに強く抱きしめた。おちょうは息苦しさを感じながらも、重兵衛がしたいようにさせた。
耳元で、ポツリ、ポツリと…ひどく、弱ったような声が聞こえる。
「…お前は、将門の巫女だ。…俺の、巫女だ」
「……じゅ、う、べ、え?」
「俺の巫女よ…逃げないでくれ」
おちょうは、何も言えないでいた。目の前の男は、自分を何度も痛めつけて、許されないほどに凌辱までした男。
ただ、あの日だけ…男の本心が見えたような出来事があった。
平田の門下生の一人、豊間によって重兵衛の額に風穴を開けた死闘での後。おちょうは死にかけた重兵衛に薬を煎じたとき、垣間見えた言葉と同じだった。
「加藤、重兵衛…」
「…おちょう、逃げないでほしい。頼む…俺は、もう…」
「あなたは、疲れているのです。ここの所、ゴタゴタ続きでしたもの。だから…休みましょう、加藤」
つらく、悲痛な声がおちょうの耳に響く。すがりたい、そう願うような声でもあった。
今、拒絶しなければ後戻りが出来ない。おちょうは、無理やり言葉を連ねさせ、何とか加藤から離れようとした。
「おちょう」
また、悲痛な声が聞こえた。
彼女はその声に反応するように、顔を上げた。上げてしまった。
目の前には、あの魔人の姿は無い。その力を求めすがり、己であった者さえ裏切られた、哀れな男の姿が、そこにあった。
ストックホルム症候群じみた愛に、裏切られ弱気が重なって出来たような関係
もうちょっとなんかあるだろ、な言い方だけど言葉にするのがムズいんよ
不倫、で片される話でもない。いや、不倫かな
つら、どうにかしてほしい…
いやむしろ、もういっそのこと書けばいいやん(白目、ヤケクソ)