帝都物語異録の話をざっと解説したブログなど見ると、重兵衛と加藤の血縁なさげ…?!
ここでは加藤と重兵衛は血縁関係ありとします
読んでなくてすまんせん、いつか読みます。はい
怨念は、恋しがっている。
苦しみ、辛さ、憎しみ…そうして、恐怖から逃れたいと思っている。ただ、その感情はもはや心の奥底、隠された感情となっていた。負の感情ばかりにがんじがらめになり、自分の心から欲するものを見てみぬふり、いや…後戻りすらできない。
怨霊は解放されたかった。
もう、疲れていた。恨むことも、憎むことも、悲しむことも…何もかも、すべて解放されたい。
そんな怨霊たちは、海を求めた。何故か。
海は、すべての命を生みし生命の母であり胎とされていた。恨み辛み、すべてを憎みし怨念たちは、苦しく、つらい日々、年月を送っている。その辛さを忘れたい、無くしたい…かつて在りし日に戻りたい、と彼らは海を求めた。
彼らの望み、それは──胎内回帰。
桜はまどろみによって鎮魂とし、辛さを隠してくれる…だが、桜とは生きる木々。次第に力を失い、鎮魂を保てなくなっていき…そうして、今の時代となった。龍脈も、その力を失い着々と、その息をか細くしていた。
海はそんな時代だからこそ…最後の安らぎの場所となった。
怨霊は海の中へ、母の腹へと還る。
──還りたかった。
歌が、聞こえる。
澄んだ声、幼い声だ。
──…悲しげな、声がする。
「巫さま」
不確かで協調性のない声が、あちこちから聞こえていた。
男性か、女性か、子供か。複雑に混ざり合いまったく形の分からない声ばかりが、少女の耳に流れ込む。
少女は恐ろしくなり、ぎゅうと目をつむり静かに、静かに息をひそめた。
「巫さま」
少女は恐ろしかった。
声もそうだが、少女の周りは真っ暗でひどく冷たい。水の中に居る、でも息はできていた。
何も解らないまま、少女はそこでじっとしていることしかできない。ただ、真っ暗闇の中で少女から伸びる一本の糸は、握りしめるとほんのりと温かみをもたらしてくれる。それだけが、少女にとってありがたいほどに、正気を留めてくれた。
「巫さま」
声が大きくなった。少女は恐ろしく思いつつも、目を開ける。
先ほどまで真っ暗だった世界が、僅かに光が差し込んで青色が混じっている。天上を見上げ光源を探し一か所…ちいさな光が差し込んでいた。その光から少女が握っている糸が伸びており、辿れば容易に光の場所まで行けるだろう。
少女は糸をたどり、ゆっくりと光の場所まで向かっていった。
ゆっくり、ゆっくりと。
光が近づいていくたび、冷たさが引いていき温かい感触を覚える。心地よく、柔らかく、包まれているような温かさ。
「巫さま、巫さま」
声は、そう言い残し途切れた。
声が止んだのは、おそらく光の場所に達したからだろうと少女は推測。道中、ゆっくりと流れ込んでくる誰か…かつての自身の記憶を、思い出す。人であった頃の記憶、そのころに起きたちょっとした冒険と体験を、思い出す。
天邪鬼な友達に、クールで熱い狐、ロックスターのようにロックな神様、それに…少女にとって、何よりも大切で一時期憎たらしく思ってしまった肉親であり、弟。
大切な記憶を思い出し、少女は…その暗い空間から、顔を出した。
そうして…──巫(かんなぎ 神仕えの神官、依代の女性)が、産まれた。
『艦娘顕現を確認。
推定、10代前半。外見的類似、白露型二番艦時雨。
外見的特徴、時雨と類似。…訂正、太刀を確認。日本刀である。
……目標艦娘、行動確認。
歌だ、歌を歌っている。歌詞解析にかけろ……神仕えの者たちの一致により、その歌詞は祝詞。
対象艦娘時雨、巫と推測』
「ここ、どこ?
お父さん、お母さん…?ダイ、シャギ、クコ…。
武神、さま?」
艦娘の権限が確認された。
目の前の少女、時雨はぼんやりとしている。すると、まどろんだ目をしながらぼんやりと口を開き、うわ言のように誰かを探している。龍脈の影響か在りし日、前世の記憶を持っているのか…珍しいケースだが、驚くほどでもないな。
しばらくして、覚醒したところに質問を投げかける。
相手は艦娘とはいえ、自分よりもだいぶ齢の離れた少女。高圧的な態度をするほど、馬鹿じゃあない。
「僕は、僕は…時雨。違う、時雨だけど…。
僕は、渡辺…渡辺綱の、子孫?時雨だけど、…渡辺兄(けい)。ダイ、渡辺弟(だい)はどこ?」
あの渡辺綱の子孫か。
とすると、手に持っているのは鬼切丸なのか。現存する鬼切丸か、それとも…いや、そういうのはどっちでもいいだろう。
自分の心配より、弟を探すか…ずいぶんと、兄弟の思いの少女だ。
「…ケイくんと言ったね。君が望むとおり、弟くんをこちらで探そう…だが心して欲しい。
弟くんは、この世界に居るかどうかはまだわからない。前世の記憶を持った人と言うのは、ほんの一握り…いや、稀と言ってもいい。必ずしも、この時代に生まれているとは限らないよ」
「…僕は、一体なんなんですか?」
「君は、艦娘。かつて戦場で活躍した船たちが化生と化した存在だ。
君以外にも、深海棲艦と言う似たような存在もいる。彼らは永きにわたり恨み辛み、戦死していった無念を抱く魂…。
君は、艦娘たちはそれを鎮める巫なんだ」
簡易な説明を施すが、それでも時雨ことケイくんは理解が追い付いていないようだ。無理もないか、普通の艦娘だったらすぐに深海棲艦を鎮めることを優先とするが、彼女は記憶もち。生前の記憶が邪魔をし、艦娘のあり方を曖昧とさせていた。
人である。艦娘でもある。
なんとも、中途半端になってしまっていた。
「…僕、は」
「なにも無理に戦えとは言わない。ただ、この世界は怨念たちを鎮めなければいけない世界で、辛い世界と覚えて欲しい」
そう、この世界は動こうとも動かないとも…結果は、もう決まっている世界だった。
「…やり、ます…。どこまでやれるかはまだ、分からないけど…でも、僕は、やらなきゃいけないんですよね。
僕は、もう…艦娘だから」
強いのか、はたまた無理をしているのか。
どちらでもあるけど、自分はその姿を見て…ひどく、胸が苦しい。悔しい。そうだ、まだ齢も若いんだ…自分よりも、ずっと若い。自分たち大人が何もできないで、こんな年若い子が戦場に立つなんて。
「戦場に立つんだぞ。怪我をして痛い思いもする、死ぬかもしれない。
…いいのか?」
肩を掴み、言い聞かせる。何度も、何度も…断って欲しいと、矛盾な願いを持ちながら。
ケイくんは、まっすぐ目を見ながら…口を開いた。それは、もう覚悟を決めてしまった目だった。その目を何度か目にしている…間違いがない。その目が、どうしても好きになれず嫌いな目…ケイくんのように年若いからこそ、不甲斐なさを覚える。
「…弟は、生きているんです。解るんです、生きてるって…だから、僕はお兄ちゃんだから、弟が生きれるように戦います」
「すまない。俺たちが、もっとどうにかできれば…君は、弟くんと」
「いいんです。だから…ダイには、言わないでください。
もう、僕はお兄ちゃんじゃないから…でも、どんなことであれ、どんな存在であっても僕はお兄ちゃん。ダイの、ダイのお兄ちゃんなんだ」
「…。
分かった。ダイくんには言わない、内密にしておく。…恨んでほしい、辛く当たってもいい…それくらい、安い代償だ」
そうして、短い対談を終え…時雨こと、ケイくんと別れた。
未だ、ケイくんの肩の感触がこびりつく。細い、すぐにでも砕けそうなほど、脆いと感じてしまう感触。
神よ、どうか居るなら…ケイくん、艦娘たちを護って欲しい。
こんな、こんな…俺たちの報いに、付きあわせてしまうことを赦してほしい。
生きて、帰ってこれますように…神様、お願いします。
妖怪大戦争久しぶりに見るかな、もう内容カッスカスでな
PSゲームの闇吹く夏も手を出したくなってきた。龍人、本編より年取ったくらいか?
恐らく本編は20、30代くらいでゲームの時期は40代あたりと思ってるよ
行き当たりばっかりだが、気長に付き合ってもらえれば幸いです