魔人…が着任しました   作:イシグロ

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イベントの後処理話

少なくとも、加藤はこれ以上は動かないです、帝都クソザコだしつまんないからね




嵐の後に

 

大規模作戦から数日後、平岡は恵子の指揮する鎮守府へと赴いていた。その日は珍しくいつも入り浸る甘粕の姿はない、どうやら別件でしばらくは平岡だけ監視に赴くことになったと言う。

「もう平気なのか、加藤」

「あれくらいでは死なん。…先の深海棲艦はどうやら当たりのようだな」

「…加藤、今回の発端の人物に心当たりはないのか?」

「知らん。知っていたとしてもそもそも興味はない」

変わらずに態度に、平岡は安心を覚える。加藤が大破、重傷を負ったと言う報告が挙がった時は、心臓が早くなり焦りが無意識に起こっていた。あの加藤が、と言う認識もあれば深海棲艦の認識の甘さを痛感したとも言える。

そんな病み上がりの加藤は平岡が持ってきた報告書を強奪し、読み進めている。報告書の内容は尸解仙のことに、深海棲艦についての内容が記されていた。

黙々と読み進める加藤を、平岡はじっと見つめる。

その真剣な表情を懐かしげに見ていた。

昔から、加藤は職務に忠実だったことを平岡は覚えていた。平岡が自衛隊に入隊していた際、その時の上官が加藤であった。尾行訓練の際、自身の爪に甘さが仇となった失敗で加藤からひどく叱咤された記憶を蘇らせる。あの時の加藤は、魔人でありながらもこの国にために戦う姿が見えたのである。あの時の叱咤は間違ってはいない、加藤は正しいと言う認識を与えた。

その上で、平岡は己の未熟さを痛感した日でもあった。

「…」

「…おい、この深海棲艦はちゃんと処分したのか?」

「処分だと?心臓も潰され四肢も動かず、脳も崩れているのだ。もう活動停止と言ってもいいはずだ」

「馬鹿者、尸解仙を不死身を侮るな。こいつは生きている、灰塵にしなければいつまでもしつこいぞ」

 

「いいか、尸解仙は反魂法であり本体は魂だ。体が損壊しようが魂が無事ならば体なんぞいくらでも取り替えられる。さらにこいつは肝を食っているのだろう?

生肝には浄化、解毒作用共に霊薬の素材となる臓器だ。霊薬は丹という薬で、不老不死を実現させる。

不老不死とは文字通り、死も老いも克服した存在だ」

 

「そんな肝を食い荒らしたこいつは、一体どう言った存在となる。怨霊だけなら艦娘や核兵器で事足りる、だがこいつが滅するためには灰すらも残すな。

滅却しないと厄介な存在だぞ」

 

「なんだと…!」

加藤の言葉に血の気が引き、ことの恐ろしさを知った平岡はすぐに無線で陸軍本部へ報告。陸軍からの返答は、被害を出しかねない内容に舌打ちを混じった苛立ちと、己の甘さだった。

 

『マズったか!海軍はすでにその深海棲艦を回収した。……おい、何だ。慌し…なに、海軍の研究所が…?』

 

無線側が妙に慌ただしかった。加藤の言葉が現実となったのか…平岡は心臓の鼓動が早くなることを、感じ取れた。

頭の中でサイレン、警告がひっきりなしに鳴り止まない。嫌な結果が、目の前に迫り現実の無常さを実感してしまった。

「ふ、どうやら大暴れしているようだな」

加藤はどこか、楽しそうだ。てんやわんやと慌てふためく人々の様を嘲笑い愉しんでいた。

相変わらず、重傷を負ったとは言え性格の悪さが伺えられる。

「…被害は」

『最悪だ。師団を招集しすぐに現場へと向かわせた…研究所は棄てられるだろう。お前は監視を続けろ、加藤の話を随時報告してくれ』

「…了解、しました」

ぶつり、と無線は切られた。

平岡は苛立ちと無力さに押しつぶされたかのように、罵倒を吐き捨てた。その罵倒は、誰にたいしてか…。

すると、突如扉が開き黒田が入ってきた。様子からしてただ事ではない。

「加藤、龍脈が騒いでる。お主、何か…どうした?」

「龍脈も反応したか。アレは人ならざる存在に敏感であるからな……尸解仙がまた活動を再開した。それと、下手すれば不老不死が現れたのかもな」

「……そうか。…正直、ワシらでは手に負えんな」

「お前からそんな言葉が出るとはな」

「ワシは風水師、龍脈を観る者じゃ。

化物退治は手に余るぞ。護法童子ならなんとか出来るが…満州で尸と対峙し実感したわい」

「違いない。過信ほどバカなものはないからな」

そう加藤は目を伏せ、ニタリと口角を上げるが…護法童子と渡り合えるのは恵子とお前くらいだ、と聞こえない程度に呟く。加藤自身も、この異質な風水師黒田に対し少しばかり引いた感想を抱いていたのである。

そんな呟きなんぞ聞こえない黒田は、平岡の様子を心配するが。平岡は気が沈みきっており、言葉をかけるに掛けれなかった。

「…」

「このまま燻っても仕方ないであろう。

お前は現場に迎え。俺から話すことは今はない…その目で、お前が、お前たちが退治する化け物を見定めろ」

「…」

平岡は俯いていた顔を上げ、無線に一言を入れ鎮守府を後にする。

残された黒田と加藤はその様子を見るばかり。

「行かないのか?」

「こちとら龍脈を抑えるのに必死じゃ。…ワシは戻る、加藤よお前は安静にしていろ。病み上がりには酷じゃぞ」

ため息混じりの言葉を紡ぎながら、黒田も平岡に続くように鎮守府を後にする。

 

慌しさが過ぎ去り、沈黙が流れる。加藤は自分以外居なくなった部屋で、静かに笑みを浮かべるのであった。

 

 

 




「なんでやって来た平岡少尉ぃ!足手纏いだぞ!」
罵声が聞こえる。それもそうだ、自身は先ほど加藤の監視を続行せよと言われたばかり。その任を放り捨て、こちらに来てしまったのだ。
その怒りも、当然。自分の過ちはとっくに知っているし、後悔はない。あるとすれば、そのまま残ってしまえば…きっと抱いていただろう。
そんな中、場違いなまでに豪快な笑い声が聞こえた。
「…お前さん、随分な目をしているなぁ。はっはっは、いいな俺はお前みたいな目を持つ男が好きだ。抜剣しろ、こいつは並じゃあないぞ」
「…えぇ」
「たく、重兵衛も居るわ化け物もの居るわ…まったく、あの頃と変わらねぇなぁ!!近藤さん、一番槍は俺とこいつ、平岡にしとけっ!」
「許可も聞かず突っ込む馬鹿がいるか!だぁもう、お前らこのバカどもを援護しろ!終わったらシメるから、覚悟しろ貴様らぁ!!」


近藤さんって、中間管理職に近いくらいに問題児に振り回されてそう。そんな偏見

そろそろギャグ回やりたいし、艦娘出したいね
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