魔人…が着任しました   作:イシグロ

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渋沢栄一と言うバグ
もはや奇跡の産物で全く同一のチャートが組めないでしょ。これで渋沢さんに転生しましたな小説出たら、どうなるんよ

帝都物語もこの渋沢さんかキーマンなのよねん
帝都こと東京、地下鉄も関わってるし。何気加藤も接触してるのよ


闇吹く夏

「夏のここは緑豊かだ、あの風景とは大違いだね」

「ええ」

「東京は私がかつて思い描いた風景と似ている。文明開化により、新たな技術と文化を取り入れ、日々ひと皮向けていったあの日々。その中で考案した地下都市計画は、東京地下鉄のメトロ通りとなり形を変えて蘇った。人々が、かつて私の描いた設計図に沿うように都市を作り、生まれ変わらせる。時代というのは面白いものだ。

慶喜さまに支えていた頃も、時代は恐ろしく私の予想を超えていくその様が面白いと、しみじみに思ったのだよ」

「…この時代はもう、終わりそうだと思いますが」

「あぁ、いずれ…近いうちに終わるさ。あっけなくね…でも、良いじゃないか。今度は私が作るよ、もう一度…東京を、帝都を」

 

辰宮は目の前の若い青年に目を釘付けとなっていた。陽の光に浴びながらもその黒は一層目立ち、スラリとした整った顔とその格好。生き生きと新鮮な若さを持った青年だ。そう、どこにでもいるような歳若い青年に見えた。

青年、渋沢栄一は黒く輝く目をしっかりと開き、目の前に広がる東京を純粋無垢な笑みで見つけている。まるで、愛しい恋人との相瀬に心地よさを覚えているかのようだ。

この先に来る未来を、渋沢は悲観もせずただ、待ちわびていると思わせられる。辰宮は目の前の渋沢が酷く眩しい、さらに言えば輝かしいと思えるくらいに盲信できる人と思えた。その心の隅では、この先閉ざされるだろう未来に絶望を一切感じられない、その異常さが恐怖を沸かす。

破壊からの再生、創造…古より永らく続いている循環。

渋沢はこの循環を当たり前とし、これから自分が再生と創造を行おうという決意が見て取れる。

「辰宮くん、君は私に協力してくれるかい?」

「…えぇ、私に出来る限りの事をあなたのために」

「ありがとう。君以外にも幾人か声をかけさせてもらっているんだ」

そう言い終えると、背後から気前のいい声がいくつか上がっていく。渋沢の名を呼ぶ声、それはきっと先ほどの協力者たちのことだろう。辰宮は振り返ると、そこには見知った顔も居ればかつての首相や知事に顔ぶれも、それとともに辰宮の知らない顔もあった。

歳はまばら、中には女性の姿も。彼らの容姿、年齢全てバラバラだが、一貫して渋沢に賛同してこの場に集まってきてくれた同志。

その共通点こそ、確固たる証。

 

「うん、集まってくれてありがとうございます。こうやって顔を合わせるのは良い、あぁ夢が一歩近づくという感触を持てますからな」

「彼らが…」

 

辰宮はちらり、と渋沢の方へ視線を向ける。渋沢は辰宮をしっかりと見てうなづき、目の前の同志たちに線を向けた。

「そうだ。この先、東京は再び死ぬ運命を辿る。

私はこの先に起こる死を、運命を無駄にしないように次の世に繋ぐため新たな東京を生み出すことにした。ここ最近起こる災害や人災、事件などの負の連鎖は我々が積み続けてきたツケによるもの。いまの世は自然とか神仏を蔑ろにし、さらには人の堕落が要因だ」

「私はこの東京は風水都市と教えられたことがあってね。計算された龍脈の流れ、自然が恵まれ利用している地形、加えて守護地霊によって長い繁栄をもたらしてくれた、と。

しかし、度重なる災害や人災に東京はボロボロになってる。正直、基盤も無事ではないだろう。

私は今一度、この東京を生み直そうと思っている。

そう簡単ではないのは理解できる、この地に眠る地の竜は何百はおろか千年以上も多くの魂を贄に、飼い慣らしてきた」

「今度は私達が贄となる。

だが、ただでは贄にはならない。未来へ繋げるためには、この土地は破壊されておくべきだ。地の竜が暴れ、人も大地も何もかも破壊尽くされた綺麗な状態にする。

そうしてまっさらな状態から生み出せるんだ。地の竜が再び沈黙する手筈は整い、そうして手がつけられる。

長い時間が要る、だが私たちの体は限界がある」

辰宮は渋沢から漏れ出るわずかなナニカに、不穏を覚えた。

次第に渋沢の演説は強くなっていき、その感じ取れた不穏も徐々に大きくなってきている。

辰宮は理解した。自分はとんでもない人と道を共にするんだ、という後悔が生まれたのだ。だが、辰宮はこの渋沢の狂気に当てられ彼の行き着く先を見て見たいと思った。この感覚、そうだ…かつてある恐ろしい魔人と逢い見えた瞬間、それと酷似している。

 

「死を超越しようではないか」

 

その笑みは、汚れを知らず汚れることのない無垢な微笑みであった。だからこそ、その狂気が一層際立っていた。

 

辰宮の運命もまた、この時すでに決定したと言えよう。縁と言うのはひどく恐ろしい、辰宮はその未来から視線を逸らすしかなかった。

 




やらないだろうけど、ここではやってもらいます
そんな話でした

登場人物たちが濃すぎてギャグが似合わないよぉ

重兵衛さんは、ギャグ似合いそうですね


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