賀茂さん所の艦娘がメインです、みんな大好きあの軽巡姉妹が活躍する話
追記、占い描写ですが間違ってる可能性があります。それとなくな描写です
日の入りが始まろうとしてる時間、暁が刻々と近づいた時間に加茂は目覚める。
真水で身を清め、束帯(そくたい 平安時代のスーツ的正装のひとつ)に着替え祈祷、そこから一日の吉凶を占うことから始まる。
本来ならば、陰陽師と言うのは事細かく気まりで動いている。ただ、神秘が死に絶え行く今世では陰陽師と言えども、しきたりだけで食いつないでいくのはままならない状況下であった。それで死んでは元も子もない。苦渋の決断として、省略している部分もある。
この朝の決まりを終え、加茂はようやく提督として、陰陽師としての職を務めはじめるのであった。
「天龍、龍田」
加茂は静かな口調で、艦娘の名を紡ぐ。
目の前の机には加茂の担当する海域を記した大きめの海図、羅針盤さらには陰陽師たちが使うとされる正方形の盤、六壬栻盤(りくじんちょくばん 中心北斗七星が刻まれた回転する円が付き、あらゆる方角に十干と十二支の漢字が刻まれた盤)、渾天儀が置かれている。
乱雑ではあるが、これが加茂の仕事机の定番であった。
加茂の前には二人の艦娘、一人は眼帯を付けた勇ましい娘に、もう一人は穏やかそうな娘。軽巡洋艦天龍型の一番艦天龍に二番艦龍田と呼ばれる艦娘。
ふたりはここ、加茂が務める鎮守府において主戦力となっている艦娘であった。
「あら、出撃ねぇ…うふふ、ずいぶんと険しい顔」
「その顔をするっていうことは、凶か。まぁ、オレとしちゃあどっちでもいい」
加茂は海図を天龍たちに見えるように突き出し、傍には占い終えた六壬栻盤を近寄らせた。加茂は海図で場所を指し、淡々とした声で任務内容を告げる。
「南東、戊、巳の状態だ。白虎が根付き、停滞を続けている…簡潔に言うなら、お前たちが向かう場所の深海棲艦たちは今後主戦力となりえる。そうなれば、ここら近海は強者の領域、そうなる前にお前たちで仕留めて欲しい。
式での偵察は済ませ裏付けは取ってはある。後方支援隊はすでに向かわせてある、あとは…」
「シズメロ、ねぇ」
「首級は期待していいぜ、提督。行くぞ、龍田」
天龍は部屋に響くように声を上げけたりけたり、となんとも嬉しそうに腰に差した刀をとんとんとこずく。数分もかけることなく扉を開け広げ、加茂の視界から消えていた。その様子を横目に、気のいい返事をしながら後を追おうとした龍田であったが…。
「はぁい。…そうそう、戦艦は使わないのかしら?」
くるり、と龍田はそんな疑問を加茂へ向け、問う。
加茂はきょとん、とした間の抜けた顔を浮かべながら龍田の問いに返答。
「ん。お前たちなら、と踏んだが…居るか?」
「んーん、なんでもないわぁ」
龍田は花のような笑みを浮かべ、加茂の言葉を噛みしめる。
加茂は天龍たちの実力は理解しているからこその、決断だった。それでも保険はいくつもかけていることを、彼女らには知らせていないが…信頼は、確かにあった。
「気を付けるんだぞ」
「わかってるわよぉ、提督ー」
「さ、天龍ちゃん。バリバリやっちゃうわよぉ」
ズンバラリン、薙刀を大きく振りかぶり一刀両断。重巡戦艦級の頭部からつま先にかけ、ブレもない見事な太刀筋。続けるように背につけた砲台を鳴らし、硝煙を登らせた。
そんな龍田の様子を、さも自分のように嬉しがる天龍。彼女の周りにはいくつも肉片が浮かび、さらには手に頭部を残した背骨だけの深海棲艦を掴んでいた。
その深海棲艦の残った肉体は、もはや海に沈んでいるか原形を留めていないか、のどちらか。
「おいおい、ずいぶんと弾んでんじゃねぇの。提督になんか言われたのか?
ま、言いたいことは解るからいいか…それに、お姉ちゃんは嬉しいぜ。お前が嬉しそうな顔をすんのは、なぁ!!」
手に持っていた深海棲艦の頭部を相手方に投げつけ、集まっていた深海棲艦たちに向け一気に間合いを詰める。そこには空母級ヲ級と軽巡、重巡の混合…さらに奥には、憎悪を秘めた戦艦級が睨んでいる。
迎え討とうとしたその時、天龍の背後から猛スピードで迫る砲弾の嵐。天龍に当たらず、確実に軽巡と重巡の混合の命中。
「よくもまぁ、当たらずにかけますね。…不知火の落ち度は見当たりませんが」
「はいはい、撃って撃たないと減らんよぉ」
砲弾の射手、駆逐艦の不知火と黒潮は天龍のことを考慮してもなお、引き金を引き続けている。誤射、なんて言葉を知らずとばかりに。
砲弾が命中し、打撃が重なる一方でヲ級は杖を海面へと叩く。水しぶきとともに海面から一気に水柱が挙がった。水が軌道を描くように、ナニカを発出…生きものを象った戦闘機である。戦闘機たちは天龍へ向け爆撃を開始、天龍は舌打ちをしながらも…嗤っている。
愉しんでいた、戦場を、修羅場を、死地を。
生粋の武人、そこには勝利を求めた獣が一人。…もう一人、と。
「天龍ちゃん、ズルい!!ズルいわぁ!」
そのような子供の癇癪染みた叫びと共に、二機の戦闘機が薙刀によって貫通。薙刀の柄尻にはワイヤーが伸び、その先には龍田の腕が絡まっている。薙刀を一気に戻し、龍田は天龍と並走…先ほどまでの穏やかな娘はそこに居なかった。
「おっせんだよ」
「いけず、ヘタレ、フフこわ!!天龍ちゃんいっつもそう、私を置いて行って全然残さない!」
「わーったよ。…って、あとオレはヘタレじゃねぇ!」
痴話げんか染みた会話をつづけ、天龍と龍田の周りにはもう、残っているのはヲ級と戦艦級。上空の戦闘機たちは、不知火と黒潮の狙撃で撃ち落とされる続けている。守りの盾である軽重と重巡は、すでに海の底。
勝利に植えた武人であり獣たちを前に、ヲ級は恐怖を抱く。控える戦艦級は、鉄仮面を崩さない。ヲ級はどうにか、生き残ろうと必死にもがこうとするが…放題もない、戦闘機も撃墜された空母は鉄舟に等しい。
「おい、シズメや」
一閃、ヲ級の首は宙を舞い…ボチャンと、音を鳴らした。
戦艦級はヲ級が沈む様子をみても、微動だにしない。ただ、天龍と龍田を見据え…ニタリ、と嗤った。
「よいのか?」
初春こと平井は占う加茂に対し、そう問いかけた。
「…何がです」
「戦艦のことじゃ。回した方がいいと、わしは思うが」
平井からして、今回の作戦には思うことがあった。占いでは白虎が根付く、と結果が出された…そもそも、白虎とは四方の守護聖獣で西の守護を務める。その守護聖獣が守りを外せば、どのような災いを起こすか、予想が出来ないモノだった。
それを不安とする平井に対し、加茂は逆に確信があるような顔色を浮かべている。
「好いんですよ。あれは、私からして最適解です」
「なら、いいが。もしもの時はわしも出る」
「えぇ、…でも」
指令室の扉が一気に開く。
そこに立っていたのはほくほくと、嬉しそうな満面の笑みを浮かべた天龍と龍田。ベットリと黒い液体を被ったかのように、べたべたと汚れている。二人のハイテンションぶりに、引いた様子を見せる駆逐艦不知火と黒潮の二人。
「報告だぜ!戦艦級、ヲ級級の鎮魂完了だ!!」
「全員無事よぉ。あ、これは返り血…なのかしら。うん、どっちでもいいわ、返り血よ!」
「…あー…。かすり傷程度ですけど、全員無事やで。提督はん」
「帰港、完了です」
結果に、平井は驚きの様子を見せるもすぐに、天龍と龍田の汚れように苦笑を浮かべる。
「こりゃあ、また…ずいぶんとやんちゃしたのぅ」
加茂はその様子を慈しむように、優しく声をかけた。二人、そして駆逐艦たちが無事に帰港することを当たり前のように思っていたのだ。
占いだけで進ませず、彼女たちの実力を信じているからこそ、加茂はあのように決断したのである。
「お疲れさま。その様子からして文句は無いみたいだな…まずは、風呂と傷を治すように。詳細はそれが終わってからだ」
艦娘強くね?なんて疑問ですが、轟沈描写はしなくとも別の基地やら鎮守府ではヤラれ負けている…多分
艦これでやってるけど、あらすじで恵子さん巡る話の内容もやりたいだけなんよ…
pixivでやれ?それは、そう…