鹿屋のY氏   作:yasu0573

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今回も新キャラがでます。
果たして、知ってる人はいるのでしょうか?
それでは、はじまります。



第2話 Y氏、仲間を集う

 鹿屋基地、基地司令執務室

 

 「失礼します。」

 Y氏と吹雪が執務室から退出したのを確認して、宇垣中将は電話の受話器を取った。

 「交換か、東京の海軍省、高野総長の執務室を頼む。」

 しばらくすると、受話器から高野の声が聞こえた。

 『高野です。』

 「総長、宇垣です。」

 『宇垣中将、ご苦労様です、彼は着きましたか?』

 「ええ、今着任の申告受けました。同じ将官なのに申告されてびっくりしましたが。」

 宇垣の言葉に受話器の向こうでくくっと笑う声が聞こえた。

 『Y君らしい、彼は前世では民間の警備員だったそうですよ。』

 「警備員?民間の警察のようなものですか?」

 『似た用なものでしょう、もっとも本人曰く警察とは別物の組織だと言ってましたが。』

 二人は電話越しに笑いあった。

 しばらくして、高野が聞いてきた。

 『宇垣君、彼をどう見る?』

 しばらく考えてから、宇垣は話し出した。

 「…今は周辺の状況をうかがっているような感じがしましたね、戦争に対しての抵抗はかなりあると感じましたが、私の事を把握しても嫌悪感や憎悪を表すことはありませんでした、特攻隊の事を知っているなら真っ先に私に憎悪をぶつけてくると思っていましたが…。」

 『彼は君の事も承知ししていました。なぜ、最後の特攻を行ったのか心情では何となく理解できそうだが司令官としては理解に苦しむと話していましたよ。本人がそこにいるとは思わなったでしょうが。』

 「総長もお人が悪い。」

 再び受話器に高野の笑い声が聞こえた。

 『…宇垣君、彼の事をよろしく頼む。』

 高野の声に、宇垣は力強く頷いた。

 「高野総長、ご安心ください。彼は救国の士です。私のすべてをかけて彼の立場を守ってみせましょう。」

 『宜しくお願いする、では。』

 通話が切れ、受話器を置いた宇垣は再び空を見上げた。

 (彼には自由に生活してもらわなければならない、何としても彼の事を守りきって見せよう、それがこの空に散って行った皆に対してのたむけになればよいが。)

 

 鹿屋鎮守府、提督執務室

 

 「広い部屋だな。」

 基地指令に挨拶したのち鎮守府に移動したYは、執務室に足を踏み入れた。

 「司令官、海が見えますね。」

 吹雪は窓の外から軍港を眺めていた。

 「あそこから、出撃するんですね…。」

 港をじっと見つめる吹雪の背中に俺は声をかけた。

「一緒に頑張ろう、吹雪、」

俺は吹雪の隣に並んで、彼女に話かけた。

「はい、司令官。一生懸命頑張ります。」

此方を見て微笑んでくれる吹雪に、俺は間抜けな質問をしてしまった、

「ところで吹雪、俺は取り敢えず何をすれば良いのだろうか。」

吹雪ははっと我にかえって俺を見ながら

「失礼しました、司令官、先ずは館内放送をいれますね。」

吹雪は、放送用のマイクを手に取った。

『提督が鎮守府に着任しました、これより艦隊の指揮をとります。』

 

鹿屋鎮守府工廠

 

「ここが工廠か。」

館内放送を行った後、俺と吹雪は鎮守府内を見てまわった。

「此処で艦娘を建造するのか…。」

工廠を見ながら俺は呟いた。

「妖精さんは何処にいるのかな?」

挨拶をしなければと考えていると、天井から沢山の玉?がふってきた。

床に跳ねた玉?は、ポンと音をたてて人型のぬいぐるみのようなものになって周りに落ちてきた、これが妖精?

「おまえ、だれです?」

「あなた、だれです?」

「ここははいれないです?」

「かぎがかかっているです?」

「かぎもってないとはいれないです?」

「このひとたちかぎもっているです?」

「かぎもっているからはいれるです?」

「なんでかぎもっているです?」

次から次へと質問してくる妖精?たちを、俺は茫然とみつめた。

(人類は衰退してしまったのか?)

隣で、吹雪が一生懸命に説明していた。

「ですから、司令官はというのは、鎮守府の一番偉い人で。」

「ちんじゅふさん?」

「えらいひと?」

「ちんじゅふさんはいちばんえらいひとです?」

「あまあまくれるひとです?」

「あまあまくれるひとはかみさまです?」

「あまあまおいしいです?」

「あまあまたべるです?」

まわり中から質問攻めにされ吹雪が半泣きになってすがりついてきた。

「しれぃかん、たすけてください!」

吹雪の頭をよしよしと撫でているとき。

『ピ~~~~~ッ!』

鋭い笛の音が工廠の中に響きわたった。

「あんたたち、なに騒いでるのよ!」

積み上がったコンテナの上で、羽のはえたぬいぐるみの様な妖精が此方を見ていた。

サンタの様な帽子の先に笛をつけたその姿は…。

「何でエタメロのフィリーが此処にいるのかな?」

エターナルメロディー、俺が昔はまっていたゲームにでてくる案内妖精で、時々主人公と取っ組み合いの喧嘩をしていた。

「ふーん、私のことを知っているんだ、それなら話は早いわ、今は私が此処のボスだから、宜しくね。」

ニヤリと笑いながらそう告げるフィリーをみて、俺は頭を抱えた。

「それで、此処に来たって事は、建造したいって事なんでしょ?」

フィリーの言葉に俺は頷いた。

「ああ、資材の量は…。」

「お任せでいいのよね?」

フィリーはニヤリと不敵に笑って言った。

「なに?一寸待て、そんなに資材はないぞ、一体どうするつもりなんだ?」

「心配しないでも高野総長が山のように送り付けて来てるわ。それに、基地司令からも宜しくお願いされているんだから、あんしんして任せておきなさい。」

「…判った、宜しく頼みます。」

何やらはりきりだしたフィリーに不安を覚えながらも、俺は吹雪と共にその場を離れた。

後で後悔する羽目になることも知らずに。

 




妖精?とくればこの人たちでしょう、
ただ、Yと吹雪の精神はもつのでしょうか?
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