今回もシリアスな展開?
それでは、はじまります。
鹿屋基地、中庭
鹿屋鎮守府から鹿屋基地司令の執務室に向かって大和と霞が歩いていた、大和の肩にはフィリーがちょこんと乗っかっている。
「そうだ、ボス、矢矧が此方に来たがっていたわ、なんとか出来る?」
霞がフィリーに尋ねると、フィリーはいとも簡単に頷いた。
「判ったわ、次の機会で呼びましょう、あいつも水雷戦隊のまとめ役が必要でしょうし。」
「そんなにすぐ喚べるのですか?」
フィリーの言葉に大和が驚いていると、霞が溜め息をつきながら言った。
「貴女をボスの前まで運んだのは誰と誰だったかしら?今回は依代がなかったからこれなかったけど、それさえ出来れば直ぐに来れるわよ。」
霞の言葉に大和は頬を赤らめると口を尖らせて拗ねた口調で言った。
「霞ちゃんのイジワル。」
その顔を見て、霞とフィリーはケタケタと笑った。
「…ねえ、フィリーさん、私達の縁は判りましたけど、加賀さんの縁って何なんですか?提督が関わっているとの事でしたが。」
暫くしてから、大和はフィリーに尋ねた、だかフィリーはその言葉を聞いた途端、顔を歪ませた。
「…ごめん、私からは話せないわ、いつかあいつが話すと思うから…。」
「判りました、申し訳ありません。」
フィリーの表情を見て、大和はこれ以上聞けないと察した。
「…着いたわ、此処よ。」
鹿屋基地司令部の建物の中に入ったフィリーは、二階の部屋の前で止まった。
コンコンとノックしたあと、フィリーは大きな声で言った。
「私よ、連れて来てあげたわよ!」
すると、中から入れとの声が聞こえてきた。
「失礼します。」
大和がドアを開けたその先には、宇垣中将が少し驚いたように立っていた。
「…君が大和か、本当に連れてきてくれたんだね。」
大和は驚いた顔をしていたが、やがて少しづつ笑顔が溢れてきた。
「宇垣提督!どうしてこちらに?」
嬉しそうに駆け寄ってくる大和を見て、宇垣中将は微笑みながら言った。
「Y君と同じだよ大和、久しぶりだね、元気そうで何よりだ。そして君が霞君かい?フィリー君から聞いているよ、大和を連れてきてくれてありがとう。」
宇垣の言葉にニヤッとしながら霞が答える。
「矢矧からこの泣き虫旗艦様の面倒をくれぐれもよろしくって言われてますから。ご無沙汰しています、連合艦隊参謀長殿。霞、鹿屋鎮守府のY提督の下に着任しました。」
「泣き虫旗艦か、言い得て妙だね。この子はいつも気難し屋さんだったからね。」
はははっと笑いながら大和の頭をなでつつ宇垣は霞に答えた。
「…二人ともひどいです。…どうせ私なんか…。」
とうとういじけてしまった大和の頭を宇垣は再び優しくなでながら言いた。
「すまなかったね、大和。何だか懐かしくてついからかいが過ぎたようだ。許せ。」
そして宇垣は窓の外に広がる青空を見上げて言った。
「我々は、かつて君たちを作ったが、いろいろなしがらみの為に君たちを活躍させてあげることができなかった。ましてや最後は特攻などという最も悲惨な攻撃命令を下してしまった。」
そこまで言うと宇垣中将は二人に向き直って言った。
「そしてまた、我々の都合の為に、安息を得たであろう君たちの魂を再び蘇らせ、戦いの只中に送ろうとしている。」
宇垣中将は頭を下げながら言葉を続ける。
「どうか、許してほしい。そして、願わくば再び我等の防人として力を貸してほしい。」
その言葉を聞き、大和はすっと背を伸ばし、霞も大和の横に並んで言った。
「参謀長殿、私たちは決して恨みなど持っていません、天一号作戦の時、閣下が大本営の指示を曲げてまで零式を護衛につけてくれたことに感謝しているのです。今度こそ皆の期待にこたえ、戦い抜いて見せます。」
霞の言葉に大和も続く。
「連合艦隊旗艦を拝命しながら確たる戦果を挙げることもできず、ずっと悔しかったです。今度こそ、この地に降りかかる災厄をはらって御覧に入れます!」
宇垣中将は二人の前に来てそっと抱きしめながら言った。
「…ありがとう。」
時おりかすかに嗚咽の音が聞こえる執務室の中は、優しい空気で満たされていった。
鹿屋鎮守府、軍港コンテナヤード
Yは加賀と連れだって港に来ていた。
そして、その後方50メートル位の所にあるコンテナの陰に3つの人影が潜んでいた。
Yと加賀は何やら真剣に話こんでいる。
「…あの、あとをつけてきて大丈夫なんでしょうか?」
二人の様子をチラチラと見ながら、吹雪はそわそわしながら尋ねる。
「あんたは気にならないの?提督と加賀サンの縁ってやつ。」
曙が二人をのぞきながら吹雪の問いに答える。
「それは…気になる…けど…。」
弱々しく答える吹雪の隣で、満潮は難しい顔をしながら言った。
「うらみや絶望とかじゃなければいいけど。」
「!」
満潮の言葉に驚いた吹雪は、慌てて加賀とYの姿を探し、岸壁の方を見た。
「どうか赦して欲しい。」
Yの声がかぜにのって聞こえてきた。
じっとYを見ていた加賀の右手がゆっくり動き、筒にさしてある矢の一本をつかんだ。
「駄目~!」
その瞬間、吹雪は二人目掛けて駆け出していた。
5分前、鹿屋鎮守府、桟橋。
「提督、風が気持ち良いですね。」
潮風でに吹かれる前髪を右手で押さえつつ、加賀は気持ちよさそうに目を細める。
加賀に二人きりで話がしたいと言われ、俺達は港の桟橋まで来ていた。
「…加賀、君に聞いてもらいたい事がある。」
暫くの無言の後、
俺は思いきって加賀に話かけた。
「俺はこの世界の人間じゃない、そして君たちは俺が住んでいた世界では、ゲームの中のに出てくる登場人物なんだ。」
「…。」
加賀は黙って俺の話を聞いてる。
俺はぽつりぽつりと話続けた。
艦隊これくしょんの事、提督をやっていた事、そして…加賀を沈めてしまった事。
「加賀、俺は自分のミスで君の事を沈めてしまった、。」
加賀は相変わらず無言で此方を見ている。
「俺は…俺は…。」
君に謝りたい、そんな思いが心の中を駆け巡っていたが、言葉にならない。
その時、海の方から俺の背中に向けて風がふきつけてきた。
優しく背中を押されるように吹いてくる風の中、俺は。
「どうか赦して欲しい。」
そう、素直に言っていた。
加賀はじっと此方を見て、おもむろに矢を取り出そうと右手を後ろに回した。
(やっぱり赦してもらえなかった…。)
俺は観念し、目を閉じた。
その時。
「駄目~!」
叫ぶような声に慌てて目をあけると、吹雪が物凄い勢いで此方に走ってくるのがみえた。
吹雪は、俺を背中にかばうように両手を広げて加賀に正体した。
「…吹雪さん、これはなんの真似ですか?」
加賀の鋭い眼光が吹雪を射ぬく。
加賀の威圧感に気圧され、カタカタと震えながらも、吹雪は気丈に答える。
「し、司令官はとっても優しい人です。私のせいで怪我した時も優しく頭をよしよしと撫でてくれました。鹿屋基地の特攻隊の話をしている時、とても悲しそうにしてました。だから…だから…。」
吹雪は目に涙をためながら大きな声でさけんだ。
「司令官を恨まないでください!」
吹雪の事をじっと見つめていた加賀は、ふっと溜め息を附くと吹雪の前までゆっくりと歩いていった、
そして、吹雪の頬に手をあてて、優しい笑顔を浮かべながら言った。
「馬鹿ね、恨むわけないじやない。」
そして加賀は、ポケットからハンカチを取りだし、吹雪の涙を優しく拭いてあげた。
「でも、満潮ちゃんが…。」
吹雪はコンテナ置き場の方をチラッと見ながらいった。
吹雪の視線に気付いた加賀は、コンテナ置き場の方を見ながらいった。
「そこの二人、こっちにいらっしゃい。」
コンテナの影からバツの悪そうな顔をした満潮と曙が顔を出し、こっちに歩いてくる。
「提督、これを見てください。」
二人かが目の前にくるのをまって、加賀は一本の矢をとりだした。
「!これは、烈風じゃないか?」
俺は驚いて加賀をみた。
加賀の初期装備は零戦21型のはずだ。
「提督、また貴方の下で戦えて、私は嬉しいのです。」
加賀は烈風を見つめながら言った。
「提督が初めてこの子を開発した時、赤城さんと一緒に装備させたいと言ってもう一機、一生懸命に開発してくれました。」
加賀は慈しむように烈風を抱きしめた。
「…嬉しかった、貴方の下にいる事が幸せでした。」
加賀は提督を見つめた。
「沈んでいくとき、もう一度貴方に会いたいと強く願いました、そしてまた貴方に逢えた。」
加賀の目にも涙が溢れてくる。
「どうかもう一度私を貴方の側において下さい、貴方に襲いかかる敵は私が全て退けてご覧にいれます。」
俺は、加賀を抱きしめながら。
「ありがとう。」
と、やはり泣きながら彼女の耳元でささやく様に言った。
横では、吹雪がぼろぼろ泣いて。
「よかった…、よかったよ…。」
満潮はそっぽを向きながら肩をふるわせ。
「…、」
曙は、泣くのを必死で堪えながら。
「…ふん、私も守ってあげるわよ、この糞提督。」
皆で佇んでいた。
3日後、鎮守府桟橋前。
「皆、準備は良いか?」
俺は、皆の顔を見ながらいった。
「はい、司令官。」
吹雪の元気な声が桟橋に響いた。
俺は、頷くと、出撃の号令をかけた。
「鹿屋鎮守府第1艦隊、出動する。」
加賀を沈めてしまったのは、事実です。
その時は、久々になきました。
ノートパソコンでプレイしている皆様、ポインターを動かす時はマウスを使った方が良いと思います。
拙い文章を読んで頂き、ありがとうございました。