異世界転生後輩   作:一之三頼

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口を挟まないようにしていたけど

「まぁとにかくだよリョータ、わたしは何を言われ様とも心は変わらないよ。」

「グランマ……」

「そんなにしょんぼりしなさんな。これはわたしなりのケジメってやつだからさ。」

 

どうあっても説得には耳を貸さないと言うグランマの在り様に眉を落とす。

彼女はその選択に納得し微笑みを浮かべているが、俺はそれに同意出来ない。

例え理屈の面では彼女が正しいと理解出来たとしても、感情の面で納得出来るかと言われればそれは別なのだから。

 

「話が見えてこないんだが……」

「グランマたちは何の話をしてるのー?」

「ケジメって何の事ー?」

 

俺とグランマのやり取りを見ていたオルガノたちは首を傾げて説明を求める。

 

「わたしが牢に繋がれるって話さ。まぁ自首するんだけどね。」

「「えぇ~~~!?」」

「牢!?」

「ほら、この前からアルステッドを連れ出した件があるだろう。それだよ、それ。」

 

グランマが短く説明すると三人は驚愕に染まる。

普段はどちらかと言うと物静かな方のオルガノでさえも声を大にするくらいだった。

 

「だが、それは……」

「捕まる必要なんてないんじゃないかなー……」

「せっかく戻って来てくれたのに、また離れ離れになっちゃうのー?」

「さっきも言ったろう。何を言われても心は変わらないって。」

 

皆がグランマを引き止めるも、相変わらず決意は固いようで彼女は態度を翻すことは無い。

 

「ふむ……これは君たちの問題だから口を挟まないようにしていたけど、一つ良いかな?」

「なんだよ、フリード。」

 

先程から沈黙を保っていたフリードが口を挟んでくる。

彼とグランマはほぼ初対面で関係性は無いに等しいはずだが、いったい何を言いたいのだろうか?

 

「そもそも牢に繋ぐのかどうか、どのような沙汰を降すのかはグランマ殿ではなくラディウム公ではないかな?つまりはグランマ殿の望みがどうなるかは分からないと言う事だよ。」

「「「「それだ!」」」」

 

決定権はあくまでもラディウム公にある。

それならばもしかしたら……!

 

「いや、どっちにしろ厳しいんじゃないか……?」

 

一旦落ち着いて考えてみると喜んでばかりもいられない。

あのラディウム公が決定者となると楽観視は出来ない。

失意に染まってこそいるが、アルステッドを連れ出した犯人に対しては並々ならぬ怒りを露わにしていたし、人の意見に耳を傾けようとしない頑固な人物だ。

仮にグランマを投獄しないでほしいと説得しようにも一筋縄ではいかないだろう。

と言うか最悪の可能性を想定するのであればグランマの命が危うい。

フリードの助言を聞いて一瞬喜色に染まったが、次の瞬間には何としても助けなくてはならないと言う決意に満ちた。

 

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