異世界転生後輩   作:一之三頼

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オレが小難しい話を覚えてられると思ってるのか?

ナーヤは商品の積み込みと整理を続けるようなので、俺とモルダは一旦商館の中に入る。

既に使用して良い部屋を用意してもらっていたようで、受付の人に案内してもらって部屋へと向かった。

 

「しっかし何にも情報は無かったな。」

「うーん……アンジェロさんと再会出来た事が唯一の成果だなぁ……」

 

知り合いと再会は出来たが、探していた知り合いでは無かった。

また大聖堂に行く時に助かるだろうけれど、心の内には落胆の気持ちが存在してしまう。

ナーヤ絡みの衝撃で頭から抜け落ちていたが、アンジェロの話で思い出した。

 

「そう言えばモルダ、さっきアンジェロさんに案内をしてもらってる時に絵画の説明をしてもらってただろ?」

「あぁ、それがどうかしたのか?」

「悪いんだけど、あの時にどんな説明をしてもらっていたか覚えてるか?なんだが急に頭が痛くなってさ。」

「頭が?おいおい、大丈夫かよ?医者に診てもらおうぜ。」

「いや、一瞬だったから今は大丈夫だ。それよりも、アンジェロさんの説明は覚えてるか?」

 

そう、アンジェロの説明を聞いている時に何故だか急に頭が痛くなり、説明を聞き逃してしまったのだ。

一応戻って来てからディーゴに聞こうと思っていたが、モルダにも聞いてみるかと思って尋ねてみた。

頭痛の件で心配をかけてしまったが、俺は首を横に振って問題無いと態度でも示す。

そしてモルダに再度尋ねるが、彼は何故だかドヤ顔で口角を上げてこちらを見やる。

 

「おいおい、リョータ。何言ってんだよ。」

「?」

「オレが小難しい話を覚えてられると思ってるのか?」

「モルダに聞いた俺が馬鹿だったよ……」

 

他人の話を覚えていない事に対して自信満々に胸を張るな。

呆れのあまり思わずため息が出る。

仕方がないから時間のある時にディーゴに聞いてみよう。

忙しく動き回っている彼に時間を割いてもらうのは申し訳ないが、それでもアンジェロの善意による説明を無下にしてしまうのもよろしくない。

 

「それにしてもレオノーラは今どこにいるんだろうな……」

「案外、オレたちの方が先にルーメンに着いてたりしてな。」

「流石にそれは……って言いたいけど、実際俺たちの馬車は使ってないからなぁ……」

 

モルダの意見もあながち否定できない。

突発的に拠点を飛び出して、しばらくしてから冷静になって誰かの馬車に相乗りなりさせてもらって来る可能性もある。

はたまた勢いのままに歩きでここまで来る可能性も無くは無いが、流石にそれは現実的ではないだろう。

むしろ後者の場合かなりの時間を要する上に、道中で悪人や野生動物に襲われる危険性もある。

いくら冷静さを欠いて行動に出たレオノーラと言えど、それくらいの知性は発揮できるだろう。

これがモルダだったらその限りではないだろうけれど。

 

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