そしてディーゴの協力を得て現在に至る。
今の所どうにかバレてはいないが、外の様子は分からず、俺たちを運んでいる人物の会話も途切れ途切れにしか聞こえない。
「……いったん…………いておく……」
「あぁ………の場………」
「……………に報告……くる。」
「……あ、オレは………に戻……」
しばらくすると揺れは収まり、衛兵の声も聞こえなくなった。
頭上の荷物をずらして箱の蓋を開けるとそこは……
「倉庫、いや、宝物娘か……?」
様々な貴重品と思しき物が置かれた部屋だった。
彫像、絵画、宝飾品、金貨に壺に宝剣などなど、様々な宝に目がくらみそうになる。
「すっげぇな…………」
「ナーヤを連れてきたらどんな反応をするんでしょうね。」
「ビックリして恐れおののくか、はしゃぎまわって品々を検めるかもな。万が一があったら怖いし、とにかく触らないように気を付けよう。」
決して触れないよう、壊す事はおろか、指紋を付ける事も無いように俺たちは慎重に部屋の出入り口まで歩く。
幸い、部屋の中は丁寧に整理整頓され、下手に近寄らない限りはそれらの危険性は無さそうだ。
問題があるとすれば……
「やっぱり想定はしていたけど……」
「どこだろうな、ここ。」
「アンジェロに案内してもらった時はこんなところ来なかったし、とにかくアニエスを探すしかないな。」
「見つからないように注意しながら、ですね。」
現在位置が分からない。
辺りに人影は無い事から、教会の人間や衛兵に見つかる心配は少なそうだが、同時にアニエスも見付けづらそうだ。
ともあれ俺たちは注意しつつ廊下を進んで行った。
「おい、アレを見てくれよ……!」
しばらくするとモルダが前方を指差す。
そこには中庭があり、開けていて視線が通りやすそうだ。
端の方では衛兵が談笑している。
ここは避けて通った方が良いだろう。
「ここから先に進むのは難しそうだな。少し戻って別の道を進むか。」
「そうじゃなくて、アレを見てくれよ、アレを!」
「モルダ、声が大きいですよ。バレたら……っ!!?」
踵を返そうとする俺をモルダは呼び止め、中庭に向かってやや上を指差す。
少しばかり大きかった彼の声を咎めつつレオノーラはその指先に視線をやると目を見開いて口を開ける。
どうにか声を押し殺した彼女に釣られ、俺もその方向を見るとそこには、
「アニエス……!」
俺たちが探し求めていた人物が窓の向こうで横顔を見せていた。
俺もまた驚きの声を上げそうになるのを必死に堪え、同時にどうやって彼女の下へ辿り着くか考えを巡らせるのであった。