二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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この話はフェアリィ・ダンス編のIFストーリーとなります


フェアリィ・ダンス編 レインver
プロローグ


目が覚めると、そこは四十七層にある俺たちの家だった。

 

辺りを見渡しても彼女の姿が見えない。

 

ベッドから飛び起きるように、立ち上がり、居間に繋がる扉を開ける。

 

扉を開けると、彼女が驚いた表情でこっちを見ていた。

 

「ど、どうしたの?」

 

「いや……お前がいなかったかったから」

 

そう言うと、彼女は、くすりと微笑み、近づいて来る。

 

「大丈夫。あたしは勝手にいなくなたったりしないから」

 

「……ああ、そうだな」

 

彼女がゆっくりと近づいて来る。

 

彼女を抱きしめようと手を伸ばす。

 

その直後、彼女の姿が目の前から消えた。

 

気が付くと、自分の服装が、普段着ではなく、戦闘用になっていた。

 

背中には愛刀の大太刀も背負っている。

 

彼女は何処だ!?

 

辺りを見渡すと、後ろの方で、戦闘用の服に着替えた彼女が見えた。

 

彼女の名前を叫び走る。

 

彼女が俺に気付き、こちらに手を伸ばしながら走り出す。

 

俺も手を伸ばし、走る。

 

距離が縮み、もう少しで手が触れあう距離に近づく。

 

だが、手が触れあう直前、彼女の胸元から剣が突き出た。

 

彼女の背後には、狂った笑みを浮かべた一人の男が居て、その手に持つ片手剣は彼女の背を突き刺していた。

 

そして、彼女は目の前でガラスが砕け散る様な音と共にポリゴンの欠片となって消えた。

 

「シリカッ!?」

 

声を上げると同時に、目が覚める。

 

目の前の天井は見慣れてるはずだが、何処か懐かしい気がする。

 

ベッドの上でゆっくりと上体を起こし、辺りを見渡す。

 

本棚とノートパソコンが置かれた机。

 

扉には、コートが掛けられ、クローゼットの横には大きな姿見がある。

 

あのクローゼットの中には、フルダイブ型VRインターフェイス《ナーヴギア》がいまだに置かれてある。

 

ベッドから降り、立ち上がって、姿見の前に立つ。

 

二○二五年一月十九日 日曜日午前八時

 

あの世界から帰って来て二ヶ月が経つ。

 

二年間で俺の体重はかなり落ち、最初の頃は車いすでの移動しかできなかった。

 

体重は二年前よりも軽く、服の下は骨ばってる。

 

アルビノの為、白髪、白肌、赤目と普段から虚弱に見える姿が、いつも以上に虚弱に見える。

 

両手を動かし、目の前に持ってくる。

 

今にも折れそうな細い腕を見ながら、あの世界で両手剣を振り回していたのが嘘のようだと思いながら、自虐めいた溜息を吐く。

 

「こんな様じゃ、飯綱使いの名が泣くな」

 

かつての自分の二つ名を口にし、部屋のカーテンを開ける。

 

窓を開けると、冷たい空気が入って来る。

 

冷たい空気を肺一杯に吸い、吐く。

 

「会いたいな…………シリカ」

 

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