「お兄ちゃん、おはよ」
「おはよ」
ユウナが目を覚まし挨拶をする。
それにしても、最初の時から思ったがユウナって礼儀正しいよな。
「ユウナちゃん、おはよ」
「お姉ちゃんもおはよ」
「うん、よくできました」
シリカはユウナの頭を撫でながら褒める。
本当の姉妹に見えるな。
「それじゃあ、ご飯にしよっか」
シリカの作った朝食を摂りながらユウナに今日の予定を話す。
「ユウナ、今日は《はじまりの町》にある教会に行くぞ」
「教会?」
「そこにユウナちゃんの友達を探しに行くの」
「うん、わかった」
朝食を摂り終え、俺達は準備を整え家を出る。
転移門まで移動し《はじまりの町》に移動する。
フィーとピナは騒ぎになると思いどこかに隠れてもらった。
町を歩き、教会を探すが見当たらない。
仕方がなく近くにいたプレイヤーに聞くと東7区の川べりにあるそうだ。
町を歩き、教会に向かっているとシリカが口を開いた。
「レイン、そういえば《はじまりの町》には何人のプレイヤーがいるの?」
「う~ん、軍の連中を含めて約2000人弱はいるはずだけど」
「それにしては人が少ない気がするよ」
確かに言われてみればここに来るまでにすれ違った人は両手の指で数えるぐらいだ。
元気のいいNPCの声が響くが空しく響く。
「教会に行けば何か分かるかも知れないな。もしかしたら、今日はミサの日かも」
「ははは、そうかもね」
ゆっくりと歩きながら教会を目指す。
暫く歩くと教会が見えた。
教会ではモンスターの特殊攻撃《呪い》や対アンデットモンスター用に武器の
祝福をなどを行うことができる。
このSAOの中ではかなり神秘的だ。
扉をノックするが何の返事もない。
再度ノックするが同じだった。
今度は強く叩くが変わらなかった。
扉を開け中を覗くが誰もいなかった。
「留守なのかな」
「いや、いるぞ。右の部屋に3人、左に4人、2階にも何人かいるな」
「へぇ~、索敵スキルって便利ね」
「まぁ、熟練度900ぐらいはあるからな」
いるのは分かったので今度は声を掛けることにした。
「すみませ~ん。人を探してるんですけど」
「誰かいませんか~」
すると、扉から女性の声が聞えた。
「あの・・・軍の方ではないんですか?」
「俺達は軍の人間じゃありません。上の層から降りてきました」
俺とシリカは私服で武装をしてないので恰好だけなら軍の人間じゃないってことが
分かるはずだ。
「本当に軍の方ではないんですよね?」
扉が開き、中から黒縁眼鏡を掛けた女性が現れた。
腰には短剣を装備している。
女性は俺達を見ると安堵の顔をした。
「君たち、どうしたの?」
「実は、あたしたち上の層から来て」
「上の層!?ってことは本物の剣士!?」
甲高い少年の声が聞え扉が勢いよく開く。
奥から何人かのプレイヤーが現れやってくる。
出てきたプレイヤーは皆12~14っといった子供、要するに俺達と同年代の子供だった。
「なんだよ、剣士かと思ったらガキじゃん」
「な、お前もガキだろ!」
「ガキにガキって言われたくねーな!」
「コイツ!」
「よしなさい!」
殴りかかろうとするとシリカに襟を掴まれる。
「でも」
「デモもストも無い!」
仕方なく引き下がる。
あのガキ、笑ってやがる。
いつか泣かす!
「こら、初対面の子に失礼でしょ!」
女性がそいつを怒る。
へ、怒られてやんの。
「よかったら、入って。お茶を用意するから」
女性に言われ俺とシリカは奥に招かれる。
「自己紹介がまだね。私はサーシャ、よろしく」
サーシャさんは俺達に微笑みかけながら自己紹介をする。
「シリカです」
「レインです」
「ユウナです」
シリカ、俺、ユウナの順に自己紹介をする。
「シリカちゃんにレイン君、ユウナちゃんね。改めてよろしく」
「それで、ユウナなんですけど実はこの子22層の森で見つけたんです。
装備が初期状態のものなのでもしかしたら、この教会の子なんじゃないかと思って」
サーシャさんはユウナの顔をじっくりと見る。
「申し訳ないけど、知らない子ね。毎日《はじまりの町》を見て回って小さい子がいないか
どうか見てるけどこの子を見かけた子は無いわ。それに子供たちはここに居るので
全員だと思うわ。」
そうか、手がかりは無しか。
「そういえばあなた達も見たことが無いわね。いくつなの?」
「14です」
「同じく」
「上の層に居たからと言っても子供なんだからあなた達も今日からここに住みなさい。」
は?何言ってるんだ、この人?
そういえば上の層っていっても俺達が攻略組って言ってないや。
「あの、すみません、俺達」
「遠慮しないの。それじゃあ、今日は歓迎会ね。大したものは出ないけど」
そう言ってサーシャさんは部屋を出ていった。
「・・・・どうする?」
「言うタイミング逃したね」
「「はぁ~~~~~~~」」
「どうしたの?お兄ちゃん、お姉ちゃん?」
溜息をつく俺達を余所にユウナは無邪気に問いかける。
その後、サーシャさんによって俺達の歓迎会が行われた。
俺に喧嘩を吹っかけてきたのはギンという奴で俺に
「俺はお前の先輩だがらな、仕方がないから俺が面倒見てやるよ。ガキ」
コイツ、確かに俺の身長は150㎝ぐらいで同年代と比べたら身長は低い方に位置する。
ギンは見た感じ155㎝ぐらいだ。
くそっ!
夜になり、俺はシリカとユウナにおやすみと言い寝室に向かった。
部屋はケインという奴とギンが一緒だった。
「お前と一緒かよ。まぁ、先輩として面倒みてやるよ」
泣かしてぇ!めっちゃ泣かしてぇ!
今すぐにでも全損決着モードで勝負してやりてぇ!
という怒りを抑え込み布団にはいる。
明日にでもサーシャさんに俺達のことを話してここを出よう。
「なぁ、ガキ」
「ガキじゃねぇー、レインだ」
「お前、シリカとはどんな関係だ?」
シリカとの関係?
それは・・・・攻略パートナーだろ。
「パートナーだよ」
「へ、お前にパートナーが務まるかよ。むしろ、俺が適任だな」
「・・・何が言いたい?」
ギンの言葉に俺は思わず反応する。
「要するに俺はシリカに惚れた。一目ぼれだ。」
コイツ、マセガキかよ。
「だから、俺がシリカのパートナーになる!」
所詮ガキの戯言だと分かっている。
分かってる。
分かってるんだが・・・・・胸糞悪い。
なんだよ・・・この感じ?
なんかすんげぇームカつく。
「だがら、諦めろ。次にシリカの隣に立っているのは・・・・俺だ」
そう言ってギンは眠る。
くそ、ムカつく。
目が覚めて食堂に移動するとギンとシリカが楽しそうに話をしてた。
『へ、お前にパートナーが務まるかよ。むしろ、俺が適任だな』
『要するに俺はシリカに惚れた。一目ぼれだ。』
『だから、俺がシリカのパートナーになる!』
『だがら、諦めろ。次にシリカの隣に立っているのは・・・・俺だ』
昨夜の言葉を思い出すと俺は自然とシリカの方に向かって歩き出した。
「シリカ」
「あっ、レイン。おはよ」
いつも通りの反応をするシリカ。
そんなシリカの手を俺は握った。
「え?」
そして、そのまま食堂から連れ出した。
「ちょ、ちょっと、レイン!離してよ!」
食堂からある程度離れると足を止めシリカに振り返る。
「な、何?」
シリカは真っ直ぐに俺を見る。
若干頬を赤く染めてる。
そして、俺はシリカを抱きしめた。
「へ!?れ、レイン!?」
シリカの鼓動が聞こえそうだった。
抱きしめると俺の心臓は高鳴りを上げた。
本当は初めから気づいてたのかもしれない。
あぁ、認めてやるよ。
あの日、シリカを守るって誓った時から
俺は
シリカが好きなんだ。
レインが嫉妬する回でした。
シリカを好きと受け入れたレインはこれからどうするのでしょうね。
ギンとケインは小説に出てきた子供です。
それでは次の更新を楽しみにしててください。