二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第18話 おまじない

「やぁぁぁぁぁぁ!」

「甘い」

片手剣用ソードスキル《バーチカル》を放ち、俺にアタックを仕掛けてくるユウナを

俺は軽く両手剣を振り弾く。

「あわっ!?」

勢いに負けユウナは後ろに転ぶ。

「う、う、痛くないけど痛い・・・」

「ゴメン、ゴメン悪かったな」

ユウナに目線を合わせぶつけた所を撫でる。

すると

「はう~~~~~」

ユウナは目を細めて嬉しそうな顔をする。

ユウナの髪はサラサラしていて触っててとても気持ちいい。

嬉しそうに目を細めて撫で続けらえるユウナを見ていて俺も頬が緩む。

そんな俺をシリカは

「・・・ロリコン」

蔑むのであった。

「ちょっと待てシリカ、流石にそれは言い過ぎだ。てか、俺はロリコンじゃない」

「小さい子の頭を撫でて、そして笑ってるなんて・・・ロリコン」

なんか、最近シリカから罵られる回数が増えた気がする。

そういうときは決まってユウナをこんな風に可愛がってる時だ。

「あの、ごめんなさい・・・お姉ちゃん」

申し訳なさそうに謝るユウナ。

「え、いや、ユウナちゃんは悪くないよ」

シリカは慌ててユウナに謝り、目線を合わせる。

「でも、お姉ちゃん、最近、お兄ちゃんに構ってもらえなくて不機嫌だよね?」

「ぶっ!?」

ユウナの爆弾発言にシリカは女の子に有るまじき反応する。

「な、なにを!?」

有り得ないぐらいにテンパるシリカ。

まさか・・・マジ?

だったら、少し嬉しいな。

「お兄ちゃん、お姉ちゃんもなでなでしてあげて」

「べ、別にいいにょ!?」

シリカ・・・語尾がおかしいぞ。

「ほらよ」

「あへっ!?」

シリカの頭に手を置いて撫でる。

すると

「あ、あふ~~~~」

シリカも気持ちよさそうに目を細めて撫でられる。

 

 

 

 

「2人はお昼ご飯抜き・・・」

冷たく言い放たれる。

「「ごめんなさい、シリカ(お姉ちゃん)!!」」

ユウナと2人仲良く土下座して謝る。

シリカを撫で終わるとシリカは顔を真っ赤にし俺を睨んだ。

すると、「お姉ちゃん、嬉しそうだったね」とユウナが言い、

「ご要望とあればいつでも撫でてやるぞ?」と俺が言うと

シリカはこう言ってきた。

そのため

俺とユウナは土下座をして許してもらおうとしている。

もし、SAOに土下座というスキルがあれば間違いなく俺は完全習得してるだろう。

結局はユウナの涙目上目使いと俺のなんでも言うことを聞くということで許しを得た。

そして、昼飯になった。

今日は、パンとシチューにサラダだった。

「ユウナちゃん、野菜も食べてね」

「は~い」

「レイン、そのトマトみたいなもの残さないでね」

「ぐっ」

いつも通りの生活。

かれこれ最前線から離れてもう半年たった。

一応、迷宮区の攻略にたびたび参加してるのでレベルは攻略組の平均より10程高い。

具体的に言えば現在の最前線が66層で俺のレベルが86、シリカが84

攻略組平均が75と言った具合だ。

ユウナもあれから俺が直々に特訓をしてレベルは67ある。

この前最前線に連れていきモンスターに一撃入れさせた。

もちろんレベル1なのでHPは1しか減らない。

その後俺かシリカが攻撃し倒す。

倒せばパーティー全体に経験値が振り分けられる。

するとユウナはレベルが一気に20までになった。

ソレを繰り返しユウナは中層プレイヤーより上、攻略組より下といった具合になった。

もう半年か・・・そろそろ最前線に戻るべきなのだろうが

やっぱりユウナを1人にするのはな。

迷宮区攻略とボス攻略戦の時だけサーシャさんに預けるか?

そんなことを考えてると家の扉がノックされた。

「私出てくる」

ユウナはとたとたと玄関へ走っていく。

直ぐにユウナは戻って来て俺とシリカを呼んだ。

玄関に行くと白に赤を基調とした制服を着た男性プレイヤーがいた。

アレは《血盟騎士団》の制服だ。

「《血盟騎士団》所属のグレイと申します。こちら、《飯綱使い》レイン殿と

《竜使い》シリカ殿の御宅であってますでしょうか?」

敬礼しながら挨拶をするプレイヤー。

「はい、あってます」

「でしたら、少しお話があります。お時間はよろしいでしょうか?」

俺はユウナに部屋にいるように指示をし、グレイさんを招き入れた。

「お話とは?」

「はい。実はこのたびある作戦の為、攻略組プレイヤー達から有志で参加者を募っておりまして、出来ればレイン殿たちにも参加の方をお願いしたく参りました」

「その作戦とは?」

その質問にグレイさんは一瞬黙り込むが意を決したかのように口を開く。

「実は3週間程前に攻略組からある被害がでました」

「被害とは?」

「PKです」

「なっ・・・・!」

PK・・・てことはプレイヤーによる殺し、まさか

「被害にあったプレイヤーは?」

「攻略組の小規模ギルドが2つ。人数は合わせた20人。《聖龍連合》から10人。

そして、我が《血盟騎士団》から5人がPKされました」

35人も殺されたのか。

「やったのは《ラフィン・コフィン》ですか?」

「・・・はい」

声を震わせながら質問に答えてくれる。

やっぱりか。

PKの時点で予想はしてたがやっぱりか。

「作戦というのはもしかして」

「お察しの通り《ラフィン・コフィン討伐作戦》です」

やはり、とうとう乗り出してきたか。

「今回の作戦は強制ではありません。もし、参加するのなら明日、

《血盟騎士団》本部に10時までにお越し下さい。

参加人数は50人を予定してます。それでは」

最後に一礼をし、グレイさんは家を出てった。

「レイン」

シリカが心配そうに見てくる。

「シリカはどうする?」

「・・・・私は・・・」

やっぱり考えるよな。

相手が殺人者とはいえ人を殺すかもしれないんだ。

「俺は参加する」

「そうか・・・」

「シリカ、お前はユウナと「あたしも行く」えっ?」

シリカを見ると真っ直ぐ俺を見ていた。

「いいのか?もしかしたら人を・・・殺すかもしれないんだぞ?」

「それでも、レインが死ぬよりマシだよ」

シリカはそう言うと無言で俺の肩に頭を置いた。

俺は顔を真っ赤にしながらもそれを許した。

鼓動が聞えやしないか緊張する。

2分か3分そうしてるとシリカが口を開いた。

「約束して」

「ん?」

「絶対あたしの目の前からいなくならないで。どうしてもいなくなるならあたしの後にして」

「シリカ?」

「もし・・・・もしレインが死んだらあたしも後を追うから」

俺は言葉を失った。

シリカが後を追う?

何言ってんだよ?

「何言ってるんだ?そんなこと言うなよ」

「だったら、絶対に死なないで」

「・・・・当たり前だろ。それに、ユウナのこともある。絶対に死なない」

「うん」

それっきりまた会話がなくなった。

シリカは俺の肩に頭を乗せ目を閉じ、俺はシリカの頭に手を置いて撫でてる。

そういえば昔もボス攻略戦の前はこうしたっけな。

いつもボス攻略戦の前は不安になり、俺がこうすると落ち着いてボス攻略戦に挑む。

それが気が付いたら平気でボス戦に参加できるようになってる。

成長したんだな。

「レイン・・・約束、守ってね」

「ああ」

「じゃあ・・・」

不意に頬に何か温かいものを感じた。

それがシリカの唇だというのに気が付くのに時間がかなり掛かった。

「えっ?」

「おまじない・・・」

シリカは顔を真っ赤にしながらも微笑んでいた。

「明日も明後日もこの先ずっとレインとユウナちゃんと3人で笑って暮らせるおまじない」

そんなシリカを見て俺はシリカを抱き寄せ同じく頬にキスをした。

「ふぇ?」

「おまじないなんだろ?」

俺がニヤリと笑うとシリカは盛大に顔を真っ赤にして怒る。

「~~~~~!レインの馬鹿!」

そう言って俺を殴る。

圏内なのでダメージを受けないが振動は伝わる。

「悪かった、悪かったって」

「もう」

シリカは頬を膨らませ横を向く。

「・・・必ず帰ってこような」

「・・・うん」

そして、再びシリカは俺の肩に頭を乗せてきた。

俺はソレを無言で受け止める。

 

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