二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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久々の投稿だ!

お待たせしました。

ここまでくるのに時間がかかりました。

それではどうぞ。


第22話 白き想い

「殺す……絶対に殺す!」

 

アルブスは刀を両手で握りしめ突っ込んでくる。

 

無理に相手のスピードと力に逆らわず逆に後ろに飛ぶようにしてダメージを受けずに距離を稼ぐ。

 

「この剣はヴァイスから貰って今の今まで使ってこなかった。もしかしたら、この日の為に使わなかったのかもしれない」

 

「黙れ!」

 

「ヴァイスはこうなることを分かっていたのかもな」

 

「貴様如きが、弟を語るな!」

 

ヴァイスの話をするとアルブスは先ほどとは変わり攻撃が読みやすくなっていた。

 

アルブスの攻撃を受け流して防ぐ。

 

俺は《大太刀・黒桜秋水》の刀身を右下に下げ構える。

 

両手剣上位突進技の《スラッシュ・バインド》だ。

 

この技は刀身を右から横薙ぎに払い、その後左から右下に振り下ろす二連撃のスキルだ。

 

だが、このスキルは《アインクラッド》に居れば必ず見る技で対して珍しい技でもない。

 

「ハッ!二番煎じだな!」

 

アルブスは刀身を淡い水色のライトエフェクトを帯びさせる。

 

あれは武器防御スキル《返し剣》だ。

 

防御した瞬間、剣を捻り相手を斬るカウンター防御だ。

 

既に隙を発動させた俺はもう止まらない。

 

一気に走り出しそのまま剣を横薙ぎに振る――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

《大太刀・黒楼秋水》は横薙ぎではなく右下から切り上げるようにして振られた。

 

「な………!?」

 

予想外のことにアルブスは驚いていた。

 

まさか、《スラッシュ・バインド》だと思ってたのが予想外の動きをしたのだから、無理もない。

 

体の右側に刀を構えていたため俺の一撃はモロにアルブスの体を切り裂いた。

 

防御すらしてないアルブスの体はそのまま切り裂かれHPをレットに落とす。

 

そして、HPは残り数ドットの所で停止する。

 

「い、今のは…………《空閃一刀》………だと」

 

そう、俺が発動したのは《スラッシュ・バインド》ではなく刀上位スキルの《空閃一刀》だ。

 

「どういうことだ………何故、両手剣で刀のスキルが使える…………」

 

「《大太刀・黒楼秋水》は両手剣スキル以外に刀スキルも使える武器だ」

 

《大太刀・黒楼秋水》は両手剣スキル以外に加えて刀スキルも使える剣。

 

だが、この剣を使うにはいくつか条件がある。

 

1、 両手剣スキルが完全習得されてないといけない

 

2、 刀スキルが800を超えてないといけない

 

3、 STR以外にAGIも高くないといけない

 

これらの条件が揃い初めてこの剣が使える。

 

「こいつを使うためにかなりの時間がかかったし、シリカにも手伝ってもらったりして迷惑をかけた。まぁ、そのかわりレベルがかなり上がったがな」

 

「………俺の負けだ。殺せ」

 

「勝ったら俺の話を聞く約束だろ」

 

俺は《大太刀・黒楼秋水》を鞘に戻し、アルブスの前に膝をつく。

 

「………ヴァイスは、俺が殺したようなものだ」

 

「……どういうことだ?」

 

俺はあの日のことを語りだす。

 

あれは俺たちがヴァイスと知り合ってから一週間経った頃だ。

 

あの日俺たちはいつも通りに迷宮区を攻略してたら偶然隠し部屋を見つけた。

 

そこでやめるべきだった。

 

俺達三人は好奇心からその部屋に入った。

 

そこで隠しボスと出会った。

 

そいつが予想以上に強く苦戦を強いられた。

 

おまけに結晶無効エリアになっていて転移もできなかった。

 

さらに回復アイテムも回復結晶しかなく回復すらできなかった。

 

俺は焦りから上位スキルを発動してしまった。

 

その為、硬直に入り動きが取れなかった。

 

ボスの攻撃があたる瞬間、ヴァイスが間に攻撃を受け止めた。

 

それにより、ヴァイスは死んだ。

 

その後は覚えてない。

 

気が付いたらボスを倒していた。

 

「あの時、あの部屋を見つけていなければ、あそこで引いていれば、あそこでスキルを使わなかったら……………ヴァイスは死なずに済んだかもしれない。

…………………ヴァイスは俺が殺したも同じだ」

 

「……………なら、その剣はどうやって手に入れた?」

 

ヴァイスが死んでから一週間が立ったぐらいに俺に一つのアイテムが届いた。

 

ヴァイスから俺宛に。

 

中身は《大太刀・黒楼秋水》だった。

 

その時、思い出した。

 

その日は俺の誕生日だった。

 

記録結晶がありそれを聞くとヴァイスの声で一つの言葉があった。

 

『誕生日おめでとう。僕の剣を攻略に役立ててくれ』

 

まるで死ぬことを予知してたかのようなセリフ。

 

俺はその言葉に泣いた。

 

「それから、曲刀スキルを上げて刀スキルを習得。スキルを800までに上げた後は両手剣の完全習得に向けてひたすら戦った。そして、今日、初めてこの剣を使った」

 

「…………それじゃあ、弟は、お前に殺されたんじゃ、ないのか?」

 

「……俺が殺したようなものだ」

 

「………誰かのために死ぬ。………は、アイツらしい最後だな」

 

そういうアルブスは笑っていた。

 

いつもの獰猛な笑みではなく。

 

まるで自分のことのように弟のことを誇る笑みだ。

 

「アルブス、お前本当はヴァイスのことが好きだったんじゃないのか?」

 

「…………当たり前だろ。どこの世界に実の弟が嫌いな兄がいる」

 

やっぱりか。

 

ヴァイスの剣を出してから様子がおかしいと思っていたが………

 

「アイツのことを憎んでたってのだって本当は悲しみをこらえるために自分についた嘘だ。たっく、俺もガキだな」

 

「…………アルブス、もう一度やり直したらどうだ?」

 

「何?」

 

「ヴァイスは、攻略組として最前線で戦い、全プレイヤーを現実に返すことが夢だった。

俺はヴァイスの夢を実現したい。だけど、俺はまだ未熟だ。

だから、手を貸してくれないか?」

 

俺は手をアルブスに差し出す。

 

アルブスは驚いた顔をした後、俺の顔を見る。

 

「いいのか?俺は、この手で人を殺した。それでも、いいのか?」

 

「人間には誰しもやり直すチャンスはある。お前がやり直すチャンスは今だ」

 

暫く沈黙が続く。

 

そして、アルブスは手を伸ばし、俺の手を掴んだ。

 

「こんな俺だが、お前の夢を実現する手伝いをしたい。是非、俺にも手伝わせてくれ」

 

「ああ、頼む」

 

俺はアルブスの手をしっかりと握り固い握手をした。

 

ともにヴァイスの夢を実現するために。

 




ふぅ~、やっと終わった。

あとはエピローグ的なのを書いてこの話は終了。

そして、ユウナの秘密が明らかになった、とうとう最後の話に入ります。

次回をお楽しみに
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