二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第29話 何してくれてんですか!?

キリトさんが倒れて数秒経つとキリトさんは目を開けた。

 

「いててて………」

 

「バカッ………!むちゃして…!」

 

起き上がったキリトさんにアスナさんは凄い勢いで首にしがみついてきた。

 

「…あんまり締め付けると、俺のHPがなくなるぞ」

 

冗談っぽく言うキリトさんにアスナさんは怒ったようにハイ・ポーションを口に突っ込んだ。

 

「生き残った連中の回復は済ませたが、二人死んだ」

 

「そうか、ボス戦で犠牲者が出たのは67層以来だな」

 

「こんなのが攻略っていえるかよ。死んじまったら何もならないだろうが」

 

そう言ってクラインさんは深いため息を吐く。

 

「そりゃそうと、キリト、先のはなんだ!?レインもあの技は何だよ!?あんな技、刀にも両手剣にもねぇぞ」

 

「…言わなきゃダメか?」

 

「当たり前だ」

 

「………エクストラスキルだよ。《二刀流》」

 

「……同じくエクストラスキル《大太刀》です」

 

どよめきが《軍》の生き残りとクラインさんたちの間に流れる。

 

「しゅ、出現条件は」

 

「分かってたらもう公開してる」

 

「俺のは心当たりが」

 

《大太刀》、このスキルを手に入れたのはつい最近のことだ。

 

リズさんにお願いして《大太刀・黒楼秋水》と《白龍刀》の二つを合成してもらった時だ。

 

武器と武器同士の合成というのは異なる武器同士を炉に入れ熱くした後二つの武器を重ねハンマーで叩くことで出来る。

 

ちなみに重ねた時、下に置いた武器がベースになる。

 

例えば、片手剣の上に短剣を置いて叩いたら片手剣が出来ると言った感じだ。

 

だが、武器同士の合成は非常に運が良くないとできない。

 

場合によっては違う武器になったり、合成そのものが失敗し、武器が駄目になる場合がある。

 

確立は10%以下。

 

だが、俺は成功すると思ってた。。

 

アルブスとヴァイスの兄弟の剣なんだ。

 

成功しない方がおかしい。

 

結果は勿論成功。

 

そして出来たのが《大太刀・白楼秋水-龍-》。

 

そして、その武器を手に入れてから俺のスキルウィンドウに《大太刀》が現れた。

 

おかしなことに既に熟練度が900を超えていた。

 

どうやら熟練度は《両手剣》と《刀》の両方の熟練度足した数の二分の一になる。

 

大太刀だけで戦闘しても熟練度は上がらなくて両手剣と刀、両方の熟練度を上げないといけないのだ。

 

能力としては、両手剣、刀のスキルが使えることと、大太刀専用のスキルが使えることだ。

 

ただし、《大太刀》をスキルに選択して、両手剣か刀を使ってもスキルは発動しない。

 

その結果《大太刀スキル》は《大太刀》と名がつく武器でしか使えない、ということが分かった。

 

「なんというか、めんどくさいスキルだな」

 

クラインさんがそう言ってきた。

 

まぁ、俺もそう思うけど。

 

「今の話からすると、レインのスキル《大太刀》はその武器に付加されてるんだと思う」

 

「武器を得ることで得るスキルか………キリトの《二刀流》といい、レインの《大太刀》といい、これって《ユニークスキル》なんじゃねぇのか?」

 

「おそらくな」

 

ユニークスキルとはエクストラスキルなのだが習得したものが1人しか判明してないことから唯一無二のスキルということでユニークスキルという。

 

シリカの話によれば《ラフィン・コフィン》のリーダー、PoHも持っていたそうだ。

 

俺を含めて《ユニークスキル》持ちが四人か。

 

「それにしても水臭ぇじゃねぇかよ。こんな必殺技隠してるなんてよ」

 

「出し方が分かってれば隠したりしないさ。だけど、まったく心当たりがないんだ。……それに、こんなレアスキル持ってるなんて知られたら、しつこく聞かれたり……いろいろあるだろ…」

 

「ネットゲーマーは嫉妬深いからな。俺は人間出来てるからともかく、妬み嫉みはあるだろう、それに……」

 

クラインさんはそこで言葉をつぐみ、キリトさんにしっかりといまだに抱き付いてるアスナさんを意味ありげに見やり、にやにやと笑った。

 

「……まぁ、苦労も修行のうちと思って頑張りたまえ、若者よ」

 

そう言って軽くキリトさんの肩を叩き《軍》の方を向く。

 

そこではコーバッツさんが地面に膝をついて四つん這いになっていた。

 

「私は……私は自分の判断でボスと戦い………部下を二人も死なせてしまった」

 

かなりショックを受けてるようだ。

 

「私は……どうしたら」

 

「コーバッツさん」

 

俺はコーバッツさんに話しかけていた。

 

「コーバッツさんは、どうして《軍》に入ったんですか?」

 

俺の質問にコーバッツさんはぽかーんとする

 

「……勿論、一般プレイヤー解放の為だ」

 

「そうですか。でも、今の《軍》は何をしています?」

 

その質問にコーバッツさんは苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

「今の《軍》はもはや《軍》として機能していない。俺はそう思います。25層のボス戦以来攻略には参加せず組織拡大に努め、徴税と称してコルを巻き上げる。もう、チンピラみたいな集団ですよ」

 

「それは分かってる!だが、《軍》の指揮権があの男に移ってから《軍》は変わってしまった!…………私は……俺は、アイツの、シンカーの友人でありながら何もできず、ただ毎日アイツの言うことを聞くだけの日々。毎日、自分の不甲斐なさに頭を抱えてるシンカーを見ているのがつらかった!だから俺は、このボス攻略で見事勝利し、キバオウから指揮権を奪おうとしたんだ!そして、もとある《軍》に、《MTD》に戻したかった!」

 

「……じゃあ、今回のボス攻略戦は」

 

「俺の独断だ。………だが、その性で2人も命を落としてしまった………」

 

「……………《軍》をあるべき姿に戻すって指揮権が無いと無理なんですか?」

 

「………」

 

「指揮権が無くてもやれることはあるはずです」

 

「だが、俺には一人でアイツに対抗する力は………」

 

「一人じゃありませんよ。だって、貴方には、仲間がいるじゃないですか」

 

そう言って俺はコーバッツさんの部下の人達を見る。

 

「そこにいる人達って皆、コーバッツさんと同じ思いだからこのボス攻略戦に参加してきたんですよね?」

 

コーバッツさんは頷く。

 

「ほら、一人じゃないじゃないですか。………死んでしまった二人もきっと《軍》をあるべき姿に戻してほしいと思ってますよ。だから、頑張ってみて下さい」

 

コーバッツさんはゆっくりと立ち上がり後ろの部下の人達を見る。

 

「お前たち……………俺と共に戦ってくれるか?」

 

「……何言ってるんですか?当たり前ですよ!」

 

「そうですよ!俺、隊長に付いて行きます」

 

「俺もです!」

 

「自分も!」

 

次々と部下の人達はコーバッツさんに付いて行くことを宣言した。

 

「…そうか………なら、これからはお前たちは私の部下ではなく、友人だ!共に、《軍》を《MTD》に戻そう!」

 

「「「「「「「おおおおおおおおおおお!」」」」」」」

 

「手始めにギルドに戻り、宣戦布告をする!俺に続け!」

 

「「「「「「「おおおおおおおおおおお!」」」」」」」

 

そして、部下だった人たちは回廊に出て次々と転移結晶で転移していった。

 

「少年、君のおかげで今、何をすべきが分かった。感謝する」

 

「はい、コーバッツさん、頑張ってください」

 

「ああ!」

 

そして、コーバッツさんも回廊に出て転移結晶を使って転移した。

 

「………どうやら、一件落着みたいだな」

 

「そうだな」

 

「それじゃあ、俺達は75層の転移門をアクティベートして行くけど、お前はどうする?」

 

「任せていいか?俺はもうヘトヘトだ」

 

「分かった!ゆっくり休めよ。………………あのよぉ、キリト。おめぇがよ、《軍》の連中を助けに飛び込んで行った時な………俺、なんつうか、嬉しかったよ。そんだけだ、またな」

 

そう言ってクラインさんはギルドの人達と一緒に次の層に続く扉を開けた。

 

「俺達も帰ります」

 

「キリトさん、アスナさん、それじゃあ、また」

 

回廊に出て転移結晶を使い、俺達は《フローリア》に帰宅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の新聞を見て俺は驚いた。

 

《軍の大部隊を壊滅させた悪魔》、《それを撃破した二刀流使いと大太刀使いの百連撃》と尾ひれが付まくっていた。

 

幸い、俺とシリカの家は誰にも気づかれないような場所なので誰かが訪れることは無かった。

 

そして、その後更に驚くことが起きた。

 

キリトさんから来たメールだ。

 

『ヒースクリフとデュエルすることになった』

 

なにがあったのだろうかと思ってるとさらに続きがあった。

 

『後、ヒースクリフがレインとも戦いたいって言ってたから勝手にOKした』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何してくれてんですかぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

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