二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第31話 《死剣》

「ス…スバル……貴様………」

 

クラディールさんが立ち上がろうとするが、何度やっても無駄だった。

 

「諦めな。お前を斬りつけた短剣にはびっしりとマヒ毒が塗ってある。そう簡単には動けねぇよ」

 

スバルさんはあの優しい声ではなく狂ったような声で話し、ゴドフリーさんの元に移動する。

 

「いいか?お前たちのパーティーはここ、55層迷宮区前で休憩中、犯罪者プレイヤーに襲われた♪そして、お前たちは勇戦空しく、全員死亡♪どうだ?中々にいいシナリオだろ?」

 

「スバルさん………どうしてこんなことを………?」

 

「ああん?うぜぇな、ま、冥途の土産に教えてやる。《血盟騎士団》所属《剣聖》スバルは表の名、裏の名は《死剣》。元《ラフィン・コフィン》のメンバーだ」

 

そして、腕のガントレッドを外すとそこには《ラフィン・コフィン》のマークがあった。

 

《死剣》、プレイヤーにも一瞬の間も与えず速やかに首と胴を切り離して命を刈り取る犯罪者プレイヤー。

 

だが、《ラフィン・コフィン討伐作戦》の時、捉えた者の中に《死剣》と思われるプレイヤーはいなく、死んだと思われていた。

 

「おっと、急がないとマヒが切れちまう」

 

そう言ってガントレットを戻し、片手剣を抜く。

 

そして

 

「楽に逝け♡」

 

ゴドフリーさんの首を斬り落とした。

 

それだけでゴドフリーさんの体は無数の破片になって散った。

 

「次は、どぉ~れぇ~にぃ~しぃ~よぉ~かぁ~な!」

 

次にキリトさんに狙いを定めた。

 

「そんじゃ、さようなら《黒の剣士》様♪」

 

片手剣がキリトさんの首目掛けて振り下ろされる。

 

そう思った時、クラディールさんが動けない体を無理矢理動かし、前に出てキリトさんを庇った。

 

剣はクラディールさんの右肩に当たりクラディールさんのHPを僅かに減らす。

 

「ク、クラディール……どうして………?」

 

「き…貴様は…ゲーム攻略に必要な人間だ。………貴様でなければ………このゲームはクリアできない。俺は……そう思う。貴様の事は気に食わないが………認めてはいる」

 

クラディールさんは、キリトさんの方に顔を向ける。

 

「頼む……ゲームを終わらせ「ウザいんだよ」

 

最後の言葉も言い終わらないうちにスバルさんはクラディールさんの首を撥ねた。

 

「本当にクラディールはウザかったな~。いつも、自分は栄光ある《血盟騎士団》の~とか、アスナ様は攻略に必要~とか、言ってよ。攻略第一主義者っつーのかな?まぁ、俺にいわせりゃかなりウザい奴だわ」

 

片手剣の腹をポンポンと叩き、しゃべる。

 

「邪魔されて興が覚めちまったぜ。そんじゃ、さっきの続きと行くか♡」

 

再び片手剣がキリトさんに下ろされる。

 

俺は何とか右手を動かし、ピックを投げつける。

 

狙うは目だ。

 

だが、麻痺による命中率低下判定によりピックは頬を掠るに終わった。

 

「………そうかいそうかい。お前が先に死ぬのをお望みか!」

 

標的をキリトさんから俺に変え、スバルさんは片手剣を持って寄ってくる。

 

「特別だ。お前にはじわじわと死ぬ恐怖を味わってもらう」

 

そう言って取り出したのはショートスピアだった。

 

そして、それを俺の背中に突き刺す。

 

嫌な感触が俺を襲う。

 

「うっ!」

 

ショートスピアは《貫通継続ダメージ》の効果があるらしく徐々に俺のHPは減っていく。

 

「《黒の剣士》様もそこで見てな。自分のお友達がゆっくり死んでいくのをな♪」

 

「やめろ!どうしてこんなことをする!?」

 

キリトさんが叫ぶ。

 

その問いに対しスバルさんは口を開く。

 

「気に食わないんだよ。ガキの癖に《ユニークスキル》なんて持ちやがってよ。俺は英雄になりたいんだ。この世界から多くのプレイヤーを救った英雄になりたいんだよ!その為、俺は俺以外に英雄になりそうなやつをかたっぱしから殺した!そして今回のターゲットはお前たちだ!まぁ、ゴドフリーとクラディールは完全に巻き込まれた形だな」

 

「そ……そんなことの為に……人を殺したのか!?」

 

「あ~、もういいよ。お話は此処までだ。そんじゃ、楽しい観賞タイムだ♡」

 

HPが…………もう…………

 

「レイ――――ン!」

 

キリトさんの叫び声が聞こえる。

 

ここで………終わりか………

 

シリカ………………ゴメン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くすると聞いたことある声が聞こえた。

 

ゆっくりと目を開ける。

 

すると、そこには

 

「シリ……カ…?」

 

「よかった、間に合って」

 

俺の大事なパートナー、シリカが居た。

 

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