二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第33話 繋がる思い

スバルさんを殺した後、俺達は《血盟騎士団》本部に戻り、ことの顛末を話した。

 

ゴトフリーさんとクラディールさんの死とスバルさんの正体、そして、スバルさんの死、《剣聖》があの《死剣》であったことに幹部の人たちは驚いていた。

 

その後、俺とキリトさん、アスナさんの三人はギルドへの不信を理由に退団した。

 

アスナさんは一時退団だ。

 

ヒースクリフさんは黙考をし、そして退団を了承した。

 

だが、その時ヒースクリフさんは「君たちはすぐに戦場に戻ってくるだろう」と言って、謎の微笑を浮かべていた。

 

キリトさんとアスナさんは手を繫いで転移門に向かっていた。

 

キリトさんは今日、アスナさんの家で過ごすそうだ。

 

そんな二人を見送った後、俺とシリカも家に帰った。

 

家に向かってる間、シリカは終始無言だった。

 

家に着き、シリカの方を向こうとするといきなりシリカが俺にぶつかって来て、そのまま押し倒してきた。

 

なすすべもなく俺は床に体を打ち付け倒れる。

 

「……シリカ?」

 

「………嫌だよ………いなくならないで」

 

!?

 

その言葉に俺は驚いた。

 

何故なら俺はシリカの下を離れようと考えていたからだ。

 

………俺は、人を殺してしまった。

 

そして、殺した理由をシリカを守る為だと考えソレを肯定しようとした。

 

それが、許せなかった。

 

シリカを理由に殺人を肯定しようとした自分が。

 

そんな自分が許せないし、何より人を殺した俺がシリカの傍に居てはシリカにもその罪を背負わしてしまうと思い離れようと思った。

 

だが、シリカはそんな俺の考えを見破っていたらしい。

 

「…………俺は、人を殺した。このゲームで絶対にやってはいけないことをしたんだ。それに……………俺は、お前を守るって理由を付けてスバルさんを殺した。……………俺はお前の傍に入れない」

 

「そんなの関係ないよ!」

 

シリカが大声を上げる。

 

顔を上げたシリカは泣いていた。

 

「だってレインは約束してくれたでしょ!《はじまりの街》であたしの事を守ってくれるって!なら、最後まで約束を守ってよ!」

 

「………俺がいなくてもシリカは十分に強い。もう一人でもやって行ける。」

 

「強くなんかない…………強くないよ」

 

俺の服を握り締め弱く呟く。

 

「あたし…………レインがいないと………駄目なんだよ。レインがいないと………強くいられないよ」

 

…………俺はシリカの傍に居ても良いのか?

 

こんな人殺しが傍に居ても良いのか?

 

俺に、シリカを守る資格なんてあるのか?

 

良いはずがない、資格なんてあるはずがない!

 

シリカの為にも俺はそばを離れないといけないんだ。

 

筋力値なら俺はシリカより勝ってる。

 

シリカを突き飛ばして、離れるって言わないといけないんだ。

 

俺はゆっくりと手を伸ばしそして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シリカを抱きしめた。

 

俺は驚いた。

 

俺自身の命令に俺の体が拒否をし、俺が考えていたことと逆の事をした。

 

すぐに抱きしめるのをやめて、シリカを突き放さないといけない。

 

そう何度思っても俺の体はそう何度も思うたびにシリカを強く抱きしめる。

 

「…レイン………痛いし、苦しい」

 

「ご、ゴメン」

 

謝り、腕の力を緩める。

 

楽になったのかシリカの呼吸が普通に戻った。

 

「お願い…………あたしの傍から居なくならないで。一生のお願いだから」

 

「………さっきも言ったが、俺はお前を守るってことを理由に人を殺した。それはお前にもその罪を背負わせちまうってことだ。俺はお前にそんな重荷を背負わせたくない」

 

「勝手なこと言わないで!」

 

シリカの声に俺は驚き、シリカを見る。

 

「私がそんなもの背負いたくないって思ってるの?勝手に決めつけないで!そんな重荷、いくらでも背負うよ!背負うから……………傍に居て」

 

「………どうして、そこまで言ってくれるんだ?」

 

理解できなかった。

 

どうしてシリカがそこまで言ってくれるのか、どうしてそこまで俺と居たいのか。

 

分からなかった。

 

「……………好きだから。レインの事が………好きだから」

 

「え?」

 

何を言われたのか理解できなかった。

 

冗談かと思った。

 

だが、シリカの表情、瞳が真実を語っていた。

 

本気なんだ。

 

「……………シリカ。俺もお前が好きだ。だけど………俺は人を殺した。俺と居ればその重荷を背負う破目になる。……………それでもいいのか?」

 

「うん………いいよ。レインと一緒ならどんな重荷だって背負う」

 

「…………俺にはお前の傍に居る資格も、守ってやる資格も無いぞ」

 

「それはレインが決めることじゃない。あたしが決めることだよ」

 

そう言ってシリカは体を起こす。

 

開放されたので俺も体を起こすとシリカは今度は腕を俺の首に回してきた。

 

「傍に居るのに資格なんていらない。あたしはレインが好きで、レインもあたしが好き。それで傍に居るには十分過ぎる理由だよ。それに、レインだけがあたしを守るんじゃない、あたしもレインを守るの」

 

「…………シリカ」

 

「…………ずっとあたしの傍に居てくれますか?」

 

俺は嬉しかった。

 

人殺しである俺の事を好きと言ってくれたことが。

 

こんな俺でも傍に居てほしいと言ってくれたことが。

 

「ああ、ずっと傍にいてやる、絶対だ」

 

「うん、約束だよ」

 

「約束だ」

 

そして、俺とシリカは互いに見つめ合い、そして、微笑み、どちらかともなく唇を重ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は誓う。

 

何があってもこの先シリカを守り、ずっと傍に居てやることを。

 




やってしまったと思ってます。

だが、後悔はしていません。

次から日常編を少し挟み75層ボス戦に行こうと思います。
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