二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第3話 合流

「ど、どうしてクラインさんが!?」

 

「昨日、エギルの野郎にアスナさんとレインの事を聞いてな。それで、昨日からここにログインしてたんだよ」

 

「エギルさんが?」

 

どうやら、エギルさんは私達以外にもレインとアスナさんのことについて話していたみたいだ

 

「でも、クラインさん。どうして、さっきの二人と一緒にいたんですか?」

 

「実は、ルグルーってとこに行く予定だったんだが、運悪くサラマンダー領で、ユージーンの旦那に捕まっちまって、それで、昨日からあの二人と行動してたんだよ。でも、シリカちゃんのおかげでアイツらと別れることが出来たし、結果オーライだ!」

 

そう言ってクラインさんはにかっと笑って、親指を立ってる。

 

「あはは」

 

その姿がなんだが懐かしくて、思わず笑ってしまった。

 

「笑うことは無いだろう!」

 

「ごめんなさい。なんだが、懐かしくなっちゃって」

 

「……で、シリカちゃんはこの後どうするの?」

 

「あたしは、取りあえずキリトさんと合流しようかと」

 

『うわああ!』

 

その時、何処からか悲鳴が聞こえた。

 

「今のは!?」

 

「近くだ!行ってみよう!」

 

クラインさんに言われ、悲鳴があった所に行く。

 

其処に行くと、さっき人たちと同じ赤い鎧を着たプレイヤーと髪が黄緑色の女性プレイヤー、そして、赤い鎧のプレイヤーに退治してる黒い髪に片手剣を持った男性プレイヤーがいた。

 

すると、黒い髪のプレイヤーが飛び出し赤い鎧のプレイヤーを切り裂く。

 

赤い鎧のプレイヤーは体を四散して、小さな火になった。

 

「どうする?あんたも戦うか?」

 

「………やめとくよ。もうすぐで魔法スキルが900なんだ。死亡罰則(デスぺナ)が惜しい」

 

「正直な人だな。………そちらのお姉さんはどう?彼と戦いたいなら邪魔はしないけど」

 

「あたしもいいわ。でも、今度は勝つわよ」

 

「正直、君ともタイマンで勝てる気はしないな」

 

そう言うと、羽根を広げ飛び立つ。

 

それにしても、あの黒い髪のプレイヤー凄いなぁ…………

 

でも、あの動き………

 

「なぁ、シリカちゃん。あの動きとスピード、キリトじゃないか?キリトもこっちにきてるんだろ?」

 

「多分、キリトさんだと」

 

「よし、なら声かけようぜ」

 

そう言うとクラインさんは茂みから飛び出す。

 

「おーい、君達。ちょっと聞きたいことが」

 

「動かないで!」

 

クラインさんが近づくと、黄緑色の髪のプレイヤーが剣を抜いて構える。

 

「貴方、サラマンダーよね。ここにいるってことは、さっきの人の仲間。よく、平然と仲間がやられるを見てたわね」

 

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ!確かに俺はサラマンダーだ!でも、敵じゃない!」

 

「それを信じろと?」

 

「ま、待って下さい!」

 

クラインさんを斬りかねない雰囲気なので、あたしも飛び出し、間に入る。

 

「……ケットシー?」

 

「あの、この人、サラマンダーですけど、あたしの友達なんです!」

 

「友達?………まぁ、ケットシーがサラマンダーを庇う理由なんてないし、一応信じてあげるわ」

 

そう言って剣を鞘に納める。

 

取りあえずは、落ち着いた。

 

「あ、それでよ、そこのスプリガンに聞きたいことがあるんだけどよ」

 

「ああ、なんだ?」

 

「あの、貴方の名前って、キリトですが?」

 

名前を出した瞬間、その人は驚いた顔をした。

 

「な!?なんで、俺の名を…………待てよ。そのフェザーリドラ………もしかして、シリカか?」

 

「やっぱりキリトさんでしたか!」

 

「おめぇー、キリトかよ!」

 

「その荒々しい口調は………クラインか!」

 

「分かってくれたか!」

 

クラインさんはキリトさんの方に手を回し、喜ぶ。

 

「苦しいだろ!離せ!」

 

「ちょ、ちょっと!キリト君、君、この人たちと知り合い?」

 

「ああ、リアルでの友達だ」

 

黄緑色の髪の人が聞いて来る。

 

「紹介するよ。こいつはクライン。この子はシリカだ」

 

「シリカです」

 

「クラインだ」

 

「で、こっちはリーファ」

 

「……どうも、リーファよ」

 

警戒しながらリーファさんは自己紹介してくる。

 

「パパ、私も紹介してください」

 

「分かってるよ。シリカは知ってると思うけど、クラインは初めてだな。ユイだ」

 

「ユイです。よろしくお願いします」

 

一通り自己紹介が終わり、一息ついた。

 

「それにしても、貴方たち初心者よね。サラマンダー領、ケットシー領はここから結構距離があるはずだけど、なんでここに居るの?」

 

その質問にあたしたちは少し、困った。

 

クラインさんはともかく、あたしはケットシー領に行くはずが、いきなりこの森に落ちて来ました、なんて言って信じてもらえるはずがない。

 

「「み、道に迷って」」

 

「………ぷっ、あはははははは!貴方たちも変なこと言うのね、変過ぎ」

 

リーファさんは笑うと、今度は笑顔でこちらに向き直る。

 

「改めて、よろしく。さっきはごめんなさい、クラインさん。いきなり、剣を向けたりして」

 

「いや、いいさ」

 

「シリカちゃんにも迷惑かけちゃったし、これから彼に一杯奢る予定なの。よかったら、お詫びも兼ねて一緒にどう?」

 

「いいんですか?」

 

「ええ、構わないわ」

 

情報も欲しかったところなので、有難く、一緒に行動することにした。

 

「それじゃあ、ちょっと遠いけど北の方に中立の村があるから、そこまで飛びましょ?」

 

「あれ?スイルベーンって街の方が近いんじゃ?」

 

キリトさんの言葉にリーファさんは呆れたような顔をする。

 

「あのね、分かってる?あそこはシルフ領よ」

 

「だから?」

 

「……だから、街の圏内じゃ、君はシルフを攻撃できないけど、その逆はアリなの」

 

あれ?それじゃあ、あたしとクラインさんもまずい?

 

「サラマンダーともシルフは敵対関係だし、ケットシーは古くから親交もあったから問題は無いけど」

 

あ、私は大丈夫なんだ。

 

あ、でも、それだとクラインさんは危ないんじゃ…………

 

「でも、皆がそう言うわけじゃないだろ?リーファさんもいるしさ」

 

「……はぁ、リーファでいいわ。其処まで言うならいいけど、命の保証まで出来ないわよ」

 

そう言うとリーファさんは背中からは翅を出す。

 

「あれ?リーファは補助コントローラーなしで飛べるのか?」

 

「ええ、君たちは?」

 

「ちょっと前に、コイツの使い方を覚えたとこさ」

 

「あたしも」

 

「俺は出来るぜ」

 

え?クラインさんが、コントローラーなしで飛べる?

 

横でキリトさんも同じような表情をする。

 

「おい、お前ら、俺へのその態度酷くね?」

 

「随意飛行にはコツがあるから、出来る人にはすぐに出来るわ」

 

クラインさんの言葉をスルーしてリーファさんはキリトさんの背中を触る。

 

「いい?まずここから仮想の骨と筋肉が伸びてると想定して、それを動かすの。そして、最初は思い切って片や背中の筋肉を動かして、翅と連動する感覚を掴んで」

 

リーファさんの指示を聞いて、あたしは翅を動かす。

 

すると、ゆっくりと宙に浮いた。

 

「やった!できた!」

 

随意飛行が出来たことに喜び声を上げると

 

「うわあああぁぁぁぁぁぁ――」

 

キリトさんがロケットのように真上へと飛び出した。

 

そして、キリトさんの体は小さくなった。

 

「「「「………………」」」」

 

あたし、クラインさん、リーファさん、ユイちゃんは暫し目を合わせ、沈黙する。

 

「やばっ!」

 

「パパ!」

 

「キリトさん!」

 

「キリト!」

 

慌てて飛び出しキリトさんの後を追う。

 

森を抜け夜空を見渡すと月に影を移しながらふらふら動く姿を見つけた。

 

「わあああああああああああ………止めてくれええええええええ!」

 

情けない悲鳴が空に響く。

 

その様子を見ながらアタシたちは目を合わせる。

 

そして、同時に吹き出した。

 

「あははははははははは」

 

「ごめんなさい、パパ。おもしろいです~~」

 

「あははは、キリトさん、面白いですよ」

 

「キリト、楽しそうだな」

 

四人でお腹を抱えて笑う。

 

笑いが収まったかと思うと、またキリトさんの悲鳴が聞こえ、笑いだす。

 

それから十分経つと、キリトさんは見事に随意飛行をマスターし、旋回やターンもできるようになっていた。

 

「おお、これは凄い」

 

「だろ?俺も初めて飛んだときは感動したからな」

 

キリトさんとクラインさんは、平行に飛びながら話す。

 

「それじゃあ、スイルベーンまで飛ぼっか。ついてきて」

 

そして、リーファさんを先頭にあたしたちはスイルベーンを目指した。

 

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