二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第6話 ルグルー回廊での戦い

暫く空を飛び、世界樹を目指していると《古森》エリアで羽根が生えた巨大な蜥蜴に襲われた。

 

ピナの支援のおかげもアリ、あたし襲ってきた8体の内2体を倒した。

 

その間にクラインさんは3体、残りの3体の内2体をキリトさんは剣の一振りで倒した。

 

残りの1体はリーファさんがホーミング系の魔法を使い倒した。

 

そこで、あたしたちの翅の限界が来たので、一度地面に降りることになった。

 

地面に降りるとキリトさんは体を伸ばしたり、肩を回したりした。

 

「疲れた?」

 

「いや、まだまだ」

 

「頑張るわね。でも、空の旅はここでおしまいよ」

 

「どうしてですか?」

 

「あれよ」

 

あたしの質問にリーファさんは聳える山を指差す。

 

「あの山の高さが飛行限界高度を超えてるのよ。だから、山越えにはあの山にある洞窟を抜けないといけないのよ」

 

「洞窟って、なげぇのか?」

 

「かなり。途中で中立の鉱山都市があって休めるけど、三人はまだ今日は時間大丈夫?」

 

「えっと、リアルだと今は夜の7時か。俺は平気」

 

「俺も問題ないぜ」

 

「あたしも平気です」

 

「じゃあ、もうちょっと頑張ろう。ここで、ローテアウトしよっか」

 

聞きなれない言葉にあたしは首を傾げる。

 

キリトさんも同じらしい。

 

「ローテアウトってのは、交代でログアウト休憩することだ」

 

「中立地帯だから即落ち出来ないのよ」

 

「あ、だから、かわりばんこに落ちて、残った人が空っぽのアバターを守るんですね」

 

「そういうこと」

 

「なるほど、なら、先にリーファとシリカからどうぞ」

 

「俺達は後からで構わないからよ」

 

「ありがとうございます」

 

「じゃ、お言葉に甘えて。よろしくね」

 

そう言ってあたしとリーファさんはログアウトした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ログアウトした後、軽くシャワーを浴び、お母さんが作ったおにぎりと味噌汁で晩御飯を軽く済ませ、すぐにALOにダイブした。

 

ダイブするとちょうど、リーファさんも戻ってきたとこだった。

 

「おう、おかえり」

 

キリトさんは寝転がりながら口に何かを咥えていた。

 

クラインさんは何故かログアウト休憩していた。

 

「キリトさん、クラインさんはどうしたんですか?」

 

「ああ、あいつ『7時に宅配ピザ注文してたの忘れてた!』って言って即行ログアウトしたぞ」

 

そう言えばデスゲーム開始した時も、同じことしてたってキリトさんから聞いたような………

 

「ところでキリト君、それ何?」

 

「出発前に雑貨屋で買ったんだ。スイルベーン特産だって」

 

「あたし、知らないわよ」

 

そう言うとキリトさんはリーファさんにそれを投げ渡した。

 

リーファさんは、躊躇いながらもその何かを咥える。

 

「じゃ、今度は俺が落ちるな」

 

キリトさんもログアウトした。

 

すると、キリトさんの胸ポケットからユイちゃんが出てきた。

 

「うわ!あなた、ご主人様がいなくても動けるの?」

 

「当然です。私は私ですから。それと、ご主人様じゃなくてパパです」

 

「そう言えば、どうしてパパって呼んでるの・まさか、キリト君がそう言う風に設定したの?」

 

いくらなんでも、そう考えるのは酷過ぎると思う。

 

「………パパは私を助けてくれたんです。俺の子供だって。だからパパです」

 

「そ、そう………パパのこと、好き?」

 

リーファさんの質問にあたしは驚いた。

 

このタイミングで言うってことはリーファさん、もしかして……………

 

「…………好きって、どういうことなのでしょう?」

 

ユイちゃんの言葉にまたあたしは驚いた。

 

なんか哲学的な問題だなぁ~。

 

「……いつでも、一緒に居たい、一緒に居るとどきどきわくわくする、そんな感じかな」

 

すると、リーファさんは心当たりでもあるのか、顔を赤くすると、急に首を横に振った。

 

「………リーファさん、大丈夫ですか?」

 

「どうしたんですか?」

 

「ななななんでもない!」

 

「何が何でもないんだ?」

 

「わっ!!」

 

キリトさんが休憩が終え、戻って来た。

 

「ただいま」

 

「お帰りなさい、パパ。今リーファさんと「わあ、何でもないって」

 

ユイちゃんの言葉をリーファさんは遮るように言葉をかぶせる。

 

「それより、キリト君、早かったね。ご飯とかは?」

 

「ああ、家族が作り置きしといてくれたから」

 

「よし!腹も満たしたし、休憩終了だ!」

 

そこで、クラインさんも休憩を終え戻って来た。

 

「よし、じゃあ、行こうか!」

 

リーファさんが翅を広げ、飛ぶ体勢に入る。

 

あたしも飛ぼうと翅を広げる。

 

その時、キリトさんが腑に落ちないといった表情で後ろを振り向いた。

 

「どうしました?」

 

「いや、誰かに見られてる気が……ユイ、近くにプレイヤーの反応は?」

 

「いいえ、ありません」

 

「ユイちゃんの言葉は正しいと思いますよ。ピナも反応しませんし」

 

「ひょっとしたら、トレーサーが付いてるのかも」

 

「トレーサー?」

 

「追跡魔法よ。大概ちっちゃい使い魔で術者に対象の位置を教えるの」

 

「解除は出来ないのか?」

 

「見付けられたら可能だが、術者の魔法スキルによっては対象との間に摂れる距離も増えるから、この森だと見つけるのは無理かもな。でも、気のせいってこともあるかもしれないから、気にしなくてもいいだろ」

 

「そうだな、取りあえず先を急ごう」

 

「うん」

 

頷き合い、空を飛び、洞窟の所まで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洞窟、ルグルー回廊に着くと、中はとても暗くよく見えなかった。

 

リーファさんが言うには洞窟はスプリガンの得意分野だと言って、キリトさんに灯りの呪文を頼んだ。

 

キリトさんはユイちゃんが教えてくれるスペルをたどたどしく言い、魔法を使う。

 

ほの白い光の波動が広がり、あたしたちの体を筒む。

 

すると、視界が急に明るくなった。

 

「暗視能力付加魔法か。スプリガンの魔法も捨てたもんじゃないわね」

 

「うわ、その言い方、なんか傷付く」

 

「でも、使える魔法は暗記しといた方がいいわよ。スプリガンのしょぼい魔法でも、それが生死を分ける状況だってひょっとするとないとも限らないし」

 

「うわ~、更に傷つく………」

 

「ドンマイだ、キリト」

 

「ドンマイです、キリトさん」

 

「お前らの優しさが余計に俺を傷つける」

 

洞窟の中を進みながらキリトさんはたどたどしく、魔法のスペルを言い続ける。

 

「そんなつっかえたらちゃんと発動できないよ。機械的に暗記しようとするんじゃなくて言葉の意味を覚えて、魔法の効果と関連付けるようにして記憶するの」

 

「まさか、ゲームの中で英熟語の勉強みたいな真似ごとするとは…………」

 

「俺は魔法は使わないけどよぉ、上級魔法は二十ワードはあるってよ」

 

「うへぇ……俺もクラインと同じピュアファイターでいいよ」

 

「泣き言わない!って、メッセージだ。ごめん、ちょっと待って」

 

一端立ち止まり、リーファさんはメッセージを開く。

 

「………なんだこりゃ?」

 

疑問の声を上げた。

 

「エス……さ…し…す……う~ん」

 

「きゅるるるるるる!」

 

リーファさんが考えていると、頭に居たピナが声を上げた。

 

ピナのこの反応からして……

 

「キリトさん、何かが接近してきます。それもかなりの数です」

 

「モンスターか?」

 

「パパ、違います。プレイヤーです。十二人います」

 

「じゅうに!?…………嫌な予感がするわ。隠れてやり過ごそう」

 

「でもどこに?」

 

「そこはお任せを」

 

そう言うとリーファさんはあたしたちを連れて壁の窪みに入る。

 

そして、魔法を使い、あたしたちの目の前に薄いベールみたいなのを張った。

 

「喋るときは最低のボリュームで。魔法が解けちゃうから」

 

リーファさんの指示にあたしたちは頷く。

 

「もうすぐ視界に入ります」

 

ユイちゃんの言葉に固唾をのんで待つ。

 

「あれ、何かな?」

 

「え?まだ何も見えてないけど?」

 

「プレイヤーじゃない、赤くて小っちゃい蝙蝠みたいな……」

 

よく見ると、キリトさんの言う通り、小っちゃい蝙蝠みたいなのが飛んでいた。

 

すると、リーファさんは行き成り通路に飛び出した。

 

「お、おい、どういした?」

 

「あれは高位魔法のトレーシング・サーチャーよ!潰さないと!」

 

魔法を使い、リーファさんは蝙蝠を倒す。

 

「走るよ!」

 

「また隠れるのは駄目なのか?」

 

「トレーサーを潰したのはもう向うにもバレてる。それに、あれは火属性の使い魔。てことは」

 

「サラマンダーですね!」

 

「こんな所まで追ってくるのかよ!」

 

わき目もふらず必死に走り、とうとう、湖に囲まれた中立の鉱山都市へ繋がる橋を渡る。

 

「どうやら逃げ切れそうだな」

 

「油断して落こっちないでよ」

 

その時、後ろから飛んでこいた光線が都市の城門の前に落ち、巨大な壁を生み出した。

 

それを見たキリトさんとクラインさんが武器を抜き、斬り掛かる。

 

だけど、攻撃は軽々と弾かれる。

 

「ムダよ。これは土魔法の障壁だから物理攻撃じゃ破れないわ」

 

「もっと早く言ってくれよ………」

 

「壊せないんですか?」

 

「攻撃魔法を沢山打ち込めば壊せるけど……」

 

「そんな余裕奴さんらはくれる気は無いみたいだぜ」

 

すでに後ろからガチャガチャと金属音が鳴っている。

 

近つくたびにピナが低いうなり声を上げる。

 

「湖に飛び込むのはありか?」

 

「無理よ。ここには超高レベルの水竜型モンスターがいるの。ウンディーネの援護なしに飛び込めば自殺行為よ」

 

「なら、戦うしかないな」

 

「ええ、でも、これだけ高レベルの土魔法をサラマンダーが使えるってことは、よっぽど手練れのメイジが混ざってるわ」

 

全員武器を構えると、とうとうサラマンダーの姿が見えた。

 

最初の三人が分厚い鎧やタワーシールドで固めた重戦士、残りは全員ローブを着たメイジだ。

 

「三人共、ここは俺のサポートに回ってもらえるか?俺の後ろで回復役に徹してもらいたい。クラインには二人を守ってくれ。その方が俺も思いっきり戦える」

 

キリトさんお指示に従い、あたしたちは後ろに下がる。

 

キリトさんは走り出し剣を振りかぶり、攻撃をする。

 

サラマンダーはキリトさんに攻撃をしようとせず、三人が横並びになり、シールドを構える。

 

キリトさんの一撃にサラマンダーはHPが一割減る。

 

だが、後ろにいる、メイジがすぐに回復魔法で回復させる。

 

そして、さらにその後ろに居るメイジが火炎魔法でキリトさんを攻撃する。

 

「ぐあっ!」

 

爆発にキリトさんは吹き飛ばされHPがイエローにまで減る。

 

あたしはピナに指示し、キリトさんにヒーリングブレスを行う。

 

そして、リーファさんの回復魔法でHPを完全回復させる。

 

HPが回復すると、キリトさんは再び走り出し、今度は下から斬り上げるように斬る。

 

それにより、サラマンダーはHPが半分減るがすぐに回復させられ、またキリトさんに攻撃魔法が襲い掛かる。

 

斬り上げた時、ジャンプしたので今は空中に居る。

 

そのため、キリトさんは防御もできずに攻撃をモロに食らう。

 

ピナのヒーリングブレスとリーファさんお回復魔法でまたキリトさんのHPを回復させる。

 

でもこのままじゃ、キリトさんが持たない。

 

「もういいよ、キリト君!またスイルベーンから何時間か飛べば済むことじゃない!奪られたアイテムだってまた買えばいいよ、もう諦めようよ……!」

 

諦める?

 

何を?

 

生き残ることを、諦める…………絶対に嫌だ。

 

こんなところで諦めたら………レインを助けるなんてできるはずがない。

 

「嫌だ!」

 

キリトさんが大声を上げた。

 

「俺が生きてる間は、パーティーメンバーを死なせやしない。絶対にだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「その通りだ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭上を二つの影が飛びこえた。

 

そして、目の前に槍を持ったウンディーネ、刀を持ったインプがいた。

 

二人は武器を構え、キリトさんの横に立つ。

 

「俺たちで三人の内、二人を倒す。お前は残りの一人を」

 

「やれるな?」

 

「アンタたちは………いや、援護感謝する」

 

キリトさんがそう告げると、三人は走りだし、三人を力任せに踏み倒す。

 

そして、分裂させると、個々に戦いだす。

 

「くそっ!爆裂魔法だ!アイツらを吹き飛ばすぞ!」

 

「し、しかし、それでは、あの三人も!?」

 

「そんなの知るか!いいからやれ!」

 

リーダー格のサラマンダーの指示に命児たちが一斉に魔法と唱え始める。

 

させない!

 

あたしは短剣を逆手に持ち、走り出す。

 

「ピナ、バブルブレス!」

 

「きゅる!」

 

ピナの口から吐き出された虹色のシャボン玉がサラマンダーに直撃する。

 

大したダメージはないけど、時間稼ぎは出来た。

 

メイジのサラマンダーに近づき、そのまま、首を掻っ斬り、胸を一突きする。

 

一人倒すと、次のサラマンダーの脇腹を突き刺して抜き、空中に飛び上がって頭に踵落としをする。

 

クラインさんも刀を抜き、他のメイジを斬り倒していた。

 

リーダー格だったサラマンダーは逃げようと湖に飛び込み、水竜型モンスターの餌食になった。

 

キリトさんたちも重戦士を倒し終わっていた。

 

残るはこのメイジ一人だ。

 

リーファさんは剣を抜き、切っ先を向ける。

 

「さあ、誰の命令とかあれこれ吐いてもらうわよ!!」

 

「こ、殺すなら殺しやがれ!」

 

「この……」

 

「いや~、危なかったな」

 

ピリピリした空気をキリトさんが壊した。

 

「よう、ナイスファイト!良い作戦だったな。彼らの援護がなかったらやられてたぜ」

 

「は?」

 

「ちょ、ちょっと、キリト君?」

 

「まぁ、見てな。それで、ものは相談なんだけど、これ、今の戦闘で俺がゲットしたアイテムとユルドなんだけど、俺たちの質問に答えてくれたらコレ全部上げようかな~なんて」

 

「え?」

 

「あ、彼らとも話済みなんだけと、彼らも質問に答えたら彼らがゲットしたアイテムとユルドもくれるってさ。無論そこのケットシーの子とサラマンダーのおっさんも」

 

「…………まじ?」

 

「まじまじ」

 

そこで、メイジのサラマンダーとキリトさんはにやっと笑った。

 




最後に出てきたウンディーネとインプの正体は………次回分かるでしょう。

分かる人は分かると思いますが………

そして、すみません

キリトの魔法のお披露目、無くしました。

本当にすみません。

最後の二人の出番を出すためにやむを得ずいれませんでした。

すみません
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