サラマンダーの人との交渉の結果、いくつか分かったことがある。
なんでもあたしたちを狙ってきたのはサラマンダーの上の人からの命令だったらしい。
なんでも作戦の邪魔になるから攻撃を仕掛けてきたらしい。
そして今日、大人数の部隊が北に向かって飛んで行ったとのことだ。
世界樹攻略なのかと思ったが、どうやら違うらしい。
約束通り情報は貰ったので、サラマンダーの人には先ほどの戦闘でゲットしたアイテムとユルドを渡して、返した。
「それにしても、さっきは援護サンキュー。アンタたちが来てくれて助かった」
「いいてことよ。かつての仲間の為ならな」
「仲間?」
「おいおい、忘れたのか?俺だよ、アヤメだ」
「アルブスだ」
「「え、えええええぇぇぇぇぇぇぇ!?」」
この世界に来て三度目の絶叫だった。
話を聞くと、アヤメさんとアルブスもエギルさんから話を聞き、自分たちもALOに入ったとのことだ。
二人は昨日この都市に着き、合流予定だったクラインさんの事を待っていたらしい。
そして、都市にはもう一人、ある人がいるとのことだ。
「アルブス!アヤメ!遅いわよ!って、後ろの四人は誰よ?」
「リズ、この状況なら分かるだろ?スプリガンがキリト、ケットシーがシリカ、サラマンダーはクラインだ」
「キリトとシリカ、ついでにクライン!アンタ達も来れたのね!」
「まあなんとかな」
「リズさん、お久しぶりです」
「俺はついでかよぉ!」
懐かしいメンツ(顔とか色々違う部分もあるけど)と出会い、みんな笑顔になる。
「あの~、皆、知り合い?」
「えっと、まぁ、そんな感じかな?」
「えっと、この子は?」
リズさんがリーファさんいついて聞いてきた。
「あ、あたしはシルフのリーファ。初めまして」
リーファさんが慌てて自己紹介をする。
「私はレプラコーンのリズベットよ。リズって呼んで」
「インプのアルブスだ」
「ウンディーネのアヤメだ。よろしくな」
互いに自己紹介も終えた所で、あたしはあることを思いだした。
「リーファさん、そう言えばさっきメッセージが着てたんじゃ」
「あ、そうだった」
リーファさんがメッセージを送ろうとウインドウを操作すると声を上げた。
「あれ?落ちてる。寝ちゃったのかな」
「一度向うで確認取ったらどうだ?」
「うん、そうする。ちょっと落ちて確認してくるから待ってて」
暫く互いにのんびりとリーファさんの帰りを待っている。
あたしは暇なのでピナを弄って遊び、キリトさんは屋台でなにか爬虫類の串焼き的なものを買って食べようとしていて、クラインさんとアヤメさんは雑談、アルブスさんとリズさんは仲良く話していた。
そんなことをしていると急にリーファさんが戻って来て立ち上がった。
「おかえり、リーファ」
「みんな、ごめん」
帰ってくるなり急に謝りだした。
「あたし、急いで行かなきゃいけない用事ができちゃった、説明してる時間もなさそうなの。たぶん、ここにも帰ってこられないかもしれない」
「じゃあ、移動しながら話そう」
「え?」
「どっちにしろ、ここを出ないといけませんしね」
リーファさんとキリトさんを先頭にあたし、クラインさん、アヤメさん、リズさん、アルブスさんの順に続く。
リーファさんの話によると、サラマンダーがシルフとケットシーの同盟を邪魔しようとしているとのことらしい。
「一つ聞いてもいいか?」
「どうぞ」
「サラマンダーがシルフとケットシーの領主を討った場合のメリットは?」
「まず、同盟を邪魔できる。それが、シルフ側から漏れた情報となれば、シルフとケットシーで戦争になるかもしれない。それと、領主館に蓄積されてる資金の三割を入手できる。そして、十日間街を占領して、自由に税金を掛けることが出来る」
「そんなことができるのか」
「…………これは、シルフ族の問題だから……これ以上君たちが付き合ってくれる理由はないよ……。この洞窟を出ればアルンまではもうすぐだし、多分会談場に行ったら生きて帰れないから、またスイルベーンから出直しで、何時間も無駄になるだろうしね。……ううん、もっと言えば……世界樹の上に行きたいって目標の為なら、君たちはサラマンダーに協力するべきだよ。この作戦が成功すれば、サラマンダーは十分以上の資金を手に入れて、万全の態勢で世界樹攻略に挑むと思うの。君たちの腕前なら傭兵として雇ってくれるかもしれない。だから、今君たちがここであたしを斬っても文句は言わない」
「………所詮はゲーム。殺したいから殺し、奪いたいから奪う。そんなことを言ってるやつを俺は知ってる」
後ろを走ってたアルブスさんが口を開く。
「俺もそう思ってた。だが、仮想世界だからこそ、守らなきゃけないものもある。俺はそのことをアイツに教わった」
「アルブスの言う通りだ。俺もそう思う。この世界で欲望だけに身を任せれば、その代償は現実の人格へと還って行く。プレイヤーとキャラクターは一体なんだ。俺、リーファが好きだ。友達になりたいと思う。たとえどんな理由があっても、自分の利益のためにそういう相手を斬るようなことは、俺は、俺たちは絶対しない」
「キリトさんの言う通りです。でも、一つだけ間違ってます」
キリトさんの言葉を訂正し、あたしはリーファさんの手を握る。
「あたしたちはもう、友達です。友達が守りたいと思えば、それはあたしたちにとっての守りたいものと同じです」
「そうだぜ、ここまで、一緒に生き抜いてきたんだ。もう友達だろ」
「私達は出会って間もないけど、友達なのは確かよ」
「リズの言う通りだ」
「一緒に領主を助けに行こう」
「みんな………ありがとう」
リーファさんが嬉しそうにお礼を言う。
「しまった。時間無駄にしちゃった。ユイ、走るからナビよろしく!」
「りょーかいです!」
「ちょっと手を拝借」
「え?」
そう言うと、キリトさんはリーファさんの手を取り一気に走り出す。
「うわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――!?」
「俺達も急ぐぜ!」
「先いきますね!」
「アルブス、しっかりリズを連れてこいよな!」
「分かってる!リズ、捕まってろよ!」
「はいはい」
全員、全力で走り洞窟を進む。
途中大量のモンスターに数遇したが、すべて無視して突っ切る。
気が付けば後ろに沢山モンスターを引き攣れてる。
「出口だ!」
光が見え、全員一斉に外に飛び出す。
飛び出すと同時に翅を出し、飛ぶ。
「寿命が縮んだわよ!」
「時間短縮になっただろ」
キリトさんとリーファさんの会話を聞きながら後ろを振り向くと、全員無事についてきていた。
「あっ」
リーファさんの声を聴いて再び前を見るとそこには高くそびえる世界樹が見えた。
あそこに、レインとアスナさんが…………
「……リーファさん、領主会談の場所はどこなんですか?」
「ええと、北西のあの山の奥。ケットシー領に繋がる《蝶の谷》の内陸側ので口で行われるそうよ」
「残り時間は?」
「………二十分」
「間に合ってくれ!」
あたしたちはさらにスピードを上げて《蝶の谷》を目指した。
はい、SAOメンバーからはアルブス、アヤメ、リズの三人がきました。
アルブスと、アヤメの種族はイメージで決めました。
キリト陣には、スプリガン、ケットシー、ウンディーネ、サラマンダー、インプ、レプラコーン、シルフ、七種族もいます。
豪勢になっちゃいました。
次回の予告をします。
次回はキリトVSユージーン将軍
ではなく、シリカVSユージーン将軍になります。
キリトの二刀流の見せ場を消してしまった。
キリトファンの皆様、すみません。