二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第8話 シリカVSユージーン将軍

しばらく飛ぶとユイちゃんが叫んだ。。

 

「プレイヤー反応です。前方に大集団、六十人おそらくサラマンダーの強襲部隊です。さらにその向こうに十四人、シルフ及びケットシーの会議出席者と予想します。双方が接触まで後五十秒です」

 

雲を抜けると、遠くにサラマンダーの強襲部隊を捉えることが出来た。

 

どうやら間に合わなかったみたいだ。

 

「間に合わなかったね。ありがとう、ここまででいいよ。君たちは世界樹へ行って……短い間だったけど楽しかった」

 

「…………ここで逃げ出すのは性分じゃないんでね」

 

「え?」

 

そういうとキリトさんは急角度のダイブを始めた。

 

「な、何よそれぇ!」

 

リーファさんも叫びながらダイブする。

 

あたしも、翅を思いっきし震わせダイブする。

 

そして、今にもシルフとケットシ-がサラマンダーに襲われそうになる一触即発の中に隕石の様に突っ込んだ。

 

「双方、剣を引け!」

 

キリトさんがシルフとケットシーの前に立ち、叫ぶ。

 

そして、右隣にあたしとアルブスさんが、左隣にクラインさんとアヤメさんが立つ。

 

リズさんはリーファさんと一緒に後ろに下がってる。

 

「指揮官と話がしたい」

 

キリトさんの言葉にレアアイテムと分かる防具と武器を持った人が前に出る。

 

「スプリガンにケットシー、インプ、ウンディーネ、そして、我らを裏切ったサラマンダーが何の用だ?どちらにせよ殺すには変わりないが、その度胸に免じて話は聞いてやる」

 

「俺の名はキリト。義によってシルフ及びケットシーの助太刀に参上した」

 

「中々殊勝な心がけだ。だが、貴様らには関係ないことだ。即刻引いてもらおう」

 

「此処に来る前、サラマンダーのメイジ部隊に襲われた。そいつらを拷問して吐かしたら、上からの命令だって言ってた。これでも、関係ないとは言わせないぞ」

 

「そうか、一概に貴様らも無関係ではないと云う訳か」

 

「言っとくが、俺達は六人でお前たちのメイジ部隊十二人を倒した。六十人ぐらいなら、全員倒せなくても領主を逃がすぐらいの時間を稼ぐ位なら可能だ。領主に逃げられたら、お前たちの計画もうまく行かないんじゃないか?」

 

キリトさんの質問にプレイヤーは思案顔になる。

 

「確かに貴様の言う通り、ここで領主に逃げられたら計画は失敗だ」

 

「そこで、取引だ。俺達としてもあんた達と戦って全滅はごめんだ。だから、一騎打ちをしよう。そちらから一名、こっちからも一名を出す。それで、俺たちが勝ったらサラマンダーには大人しく引いてもらうぞ」

 

「なるほど。なら、俺たちが勝った場合はどうなる?大人しく領主の首を差し出してくれるのか?」

 

その言葉に、キリトさんはウインドウを操作し、大きな革袋をオブジェクト化する。

 

「ここに俺の全財産、800万ユルドがある。コレをアンタ達にやる。そのかわり、領主の首は諦めて貰おう」

 

「………いいだろ」

 

「言っとくが、もし約束を反故するようなことがあれば、俺の仲間たちがサラマンダーは約束を反故にする様な下等種族だと、吹聴するぞ」

 

「安心しろ。俺も武人だ。この剣に誓い、約束は守ろう。こちらからは俺が出る」

 

「よし、ならこちらからは「あたしが行きます!」って、シリカ!?」

 

あたしが声を上げたことにキリトさんが驚く。

 

「キリトさんが出れば確実に勝てるでしょうけど、サラマンダーが絶対に約束を守るとは限りません。そのためにもキリトさんの手の内は見せない方がいいです。それに、両手剣ならあたしの得意分野です」

 

「…………わかった。でも、必ず勝ってこいよ」

 

「はい!」

 

力強く返事をし、ピナを連れて飛ぶ。

 

「貴様が相手か、俺の名はユージーン。して、貴様は?」

 

「ケットシーのシリカ、こっちは相棒のピナです」

 

「きゅるる」

 

「なるほど、フェザーリドラが使い魔とはいいモンスターだ。だが、俺の敵ではない」

 

次の瞬間、ユージーンさんの持つ両手剣があたし目掛けて斬り掛かってくる。

 

短剣では受けることは出来ないから、受け流すように短剣を構える。

 

だが、ユージーンさんの両手剣はあたしの短剣の刀身をすり抜けた。

 

行き成りの事で驚いたが、すぐに後ろに飛んだので肩を軽く斬られる程度で済んだ。

 

「今のは……」

 

「驚いたか?今のは俺の剣《魔剣グラム》の特殊効果《エセリアルシフト》だ。剣や盾で受け止めようとも剣が非実体化し、すり抜け、すり抜けると再び実体化し、相手にダメージを与える」

 

「反則級ですね」

 

「気に食わんか?」

 

「いえ、あたしも二対一みたいなものですし………ピナ!バブルブレス!」

 

ユージーンさんの背後に移動していたピナの口から虹色の泡が吐かれる。

 

背後からの攻撃にユージーンさんはおどろきながらも剣を盾に防御する。

 

「ふっ!」

 

その隙に近づき、短剣を振る。

 

「ふん!」

 

ユージーンさんはピナの攻撃がそこまで強くないと知ると、防御を止め、あたしの剣を防ぐ。

 

「せい!」

 

そこから何度も連撃を浴びせる。

 

攻撃の隙を与えたら駄目だ。

 

エセリアルシフトは刀身を非実体かし、剣や防具をすり抜ける効果。

 

常にこっちから攻撃して、エセリアルシフトを使わせなければこっちにも勝機があるはずだ。

 

だが、ユージーンさんは連撃にわずかな間が空くと、すぐに攻撃に入ってくる。

 

この人、強い。

 

一端距離を撮り、ユージーンさんから距離を取る。

 

「逃がすか!」

 

その後をユージーンさんは追いかけてくる。

 

あたしは鉱山都市で手に入れたある物を投げた。

 

次の瞬間、それは破裂し眩い閃光を放った。

 

シリカSIDE END

 

 

 

 

 

 

 

 

リーファSIDE

 

シリカちゃんが投げた何かが破裂し眩い閃光を放った。

 

あれは鉱山で摂れる閃光石から作られる魔法閃光爆弾(マジック・フラッシュバン)だ。

 

でも、あれはレプラコーンじゃないと作れないアイテムでプレイヤーメイドの物だ。

 

リズさんがレプラコーンだけど、あれは、かなりのスキル熟練度が必要のはず。

 

まず初心者じゃ作れない。

 

なら、シリカちゃんは何処で……………

 

凄い閃光の為あたしたちの目も一瞬だが眩んだ。

 

視力が戻るとシリカちゃんの姿は何処にもなかった。

 

「いない?」

 

「まさか、あの子、逃げたんじゃ……」

 

「それは無い!」

 

キリト君が声を上げた。

 

「何があっても、シリカは絶対に仲間を見捨てたりはしない。それは俺たちが良く知ってる」

 

キリト君の言葉にみんなが頷く。

 

そうだ、あたしも、シリカちゃんを、友達を信じよう。

 

胸の前まで持っていき両手を強く握る。

 

その時、大きな影かあたしたちを覆った。

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空中には竜に跨るシリカちゃんがいた。

 

「ピナ!バブルシュート!」

 

シリカちゃんがピナと呼んだ竜は口から大量の虹色の泡を高速で放った。

 

ユージーン将軍はその攻撃をグラムで弾くが、威力が高いのか、HPが徐々に減り始めている。

 

「あれって……変異魔法!?」

 

「変異魔法って、使い魔の見た目を変えるあの?」

 

「うん、使い魔に魔力を与え、力を与える魔法。でも、あの魔法は攻撃スキル値によって強さのパラメーターがランダムで決められるから、大抵は通常より一回り大きくなる程度。それに、強さもそんなには高くはならないはず………」

 

アリシャさんは有り得ないと言った風に言う。

 

ケットシーの領主である彼女が驚いたように言うんだから、シリカちゃんがやったのは凄いことなんだ。

 

キリト君も規格外だったけど、シリカちゃんも規格外過ぎる。

 

竜の攻撃が止むと、シリカちゃんは龍から飛び降り、ユージーン将軍も手を掴み

 

「せい!」

 

短剣でグラムを腕ごと切り裂いた。

 

グラムを握り締めた手を放り投げ、シリカちゃんは手慣れた動きでユージーン将軍を斬りつける。

 

肩を斬り、そして、切り上げ、首を斬る。

 

そこから、空中で回転し蹴りを叩き込み、胸の中央に短剣を刺す。

 

「ぐおおおおおおお!?」

 

ユージーン将軍は断末魔の叫びを上げる。

 

なんとかスペルをつぶやき火炎魔法でシリカちゃんを吹き飛ばす。

 

だが、爆発に吹き飛ばされてもシリカちゃんは突っ込み、ふたたび短剣での連撃を叩き込む。

 

そして

 

「せやああああああああ!」

 

短剣を持っていない左手を手刀の様に構え、ユージーン将軍の首を突く。

 

そして、ユージーン将軍のHPは底を尽き、巨大なエンドフレイムを巻き上げ、アバターは燃え崩れた。

 




はい、なんかとんでもない展開になりました。

すみません。

ピナがおっきくなりました。
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