二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第10話 目覚めぬ再会

あの後、あたしたちはアルンを目指して空を飛び続けた。

 

途中で、現実での時間が午前1時を回り、もう落ちることになった。

 

あたしや、キリトさん、アルブスさん、アヤメさんはSAOの事もあり、学校に行く必要が無く、四月から都立高の総廃合を臨時学校として通うので特に寝不足でも問題ないけど、体に悪いということから近くの村の宿屋で落ちることになった。

 

そして、先にキリトさんとリーファさんが降り、次にあたしが降りようとした時。ピナが声を上げた。

 

そこで、あたしはモンスターがいることに気付き、キリトさんたちを戻そうと声を上げようとした瞬間、キリトさんとリーファさんは巨大なミミズモンスターに捕食されていた。

 

行き成りの出来事にあたしは口を開けて固まってしまった。

 

あたしは、キリトさんとリーファさんが死んでしまったと思った。

 

だが、アヤメさんが言うには、あのモンスターの捕食にはダメージが無く、そのまま、《ヨツンヘイム》という地下ダンジョンに行くらしい。

 

なんで知ってるのかと聞くと、事前に調べたらしい。

 

さらに言えば、アルンの東西南北に一つずつ大型ダンジョンがあり、そこの最深部にヨツンヘイムに繋がる道があるので、キリトさんたちならそこからアルンに向かうと信じ、あたしたちはそのまま、アルンを目指した。

 

午前三時を回り、アルンに着いた。

 

どうやら、今日の午前4時から午後3時まで定期メンテナンスがあるとのことで、明日の三時にまた会うと約束して、全員宿屋でログアウトした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現実に戻ると、ナーヴギアを外し、そのまま眠りにつく。

 

翌朝、朝8時に起きて、シャワーを浴び、朝食を摂った所で、時計の針は午前9時になっていた。

 

お母さんは用事で居ないし、お父さんは仕事。

 

午後三時までどうしようかと考え、テーブルに肘を乗せ、頬杖をつく。

 

すると、家電に着信が入った。

 

受話器を取り電話に出る。

 

「はい、綾野です」

 

『あ、俺だ。キリトだ』

 

「キリトさん?」

 

『今から所沢総合病院に来れるか?』

 

所技総合病院なら近い、

 

「はい、行けます」

 

『なら、来てくれ』

 

そう言うとキリトさんは受話器を切った。

 

何で病院なんかに行くのか分からなかったが、特にやることも無いので病院に向かった。

 

乗って来た自転車を駐輪場に置き、病院の入口で待つ。

 

暫くするとキリトさんが女性とやって来た。

 

「やあ、お待たせ」

 

「いえ、あたしも今来たところです」

 

「お兄ちゃん、この子は?」

 

「ああ、紹介するよ。この子はあの世界で友達になった………名前なんだっけ?」

 

そう言えば、一度も本名を教えてなかった。

 

「綾野珪子です」

 

「そうか、俺は桐ケ谷和人。改めてよろしく」

 

互いに自己紹介をし、握手をする。

 

「そして、こっちが俺の妹の直葉だ」

 

「初めまして、桐ケ谷直葉です」

 

「はい、初めまして」

 

軽く挨拶をし、病院に入る。

 

受付で通行パスを発行してもらい、エレベーターに乗る。

 

十階でエレベーターを降り、キリトさんに先導されて来たのは、一つの個室だった。

 

ネームプレートには朝霧雫とあった。

 

誰だろ?

 

「入って」

 

「え?でも、勝手に入ったら……」

 

「いいから、ほら」

 

キリトさんに促され、病室に入る。

 

病室の中はカーテンで、閉め切ってあり、とても暗かった。

 

そして、暗い中を歩き、ベッドに近づくとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………レイ……ン?」

 

長く伸びた綺麗な白髪、透けるような白い肌、そして、忘れようにも忘れない顔。

 

レインがいた。

 

あたしは一歩一歩よろよろとした動きで、ベッドに近づく。

 

「驚いたか?俺も最初は驚いた。まさか、レインも明日菜と同じ病院に居たなんてな。本当はもっと早く教えたかったんだけと、現実と折り合いづけるのに忙しいと思って今まで教えなかったんだ。悪い」

 

キリトさんがそう言ってるが、あたしの耳には入らなかった。

 

ベッドまで近づき、レインの手を両手で取る。

 

骨と皮だけになっている。

 

あの世界で両手剣を振り回し、あたしを守っていてくれた手はとても頼りなくなっていた。

 

でも、あたしは嬉しかった。

 

レインがちゃんと生きてることを知れて。

 

「うっ……うううっ……」

 

いつの間にかあたしは涙を流し、レインの手を強く握っていた。

 

「……俺は明日菜の所に居るから、ここの最上階。何かあったら来てくれ」

 

そう言ってキリトさんは部屋を出て行った。

 

暗い病室にはあたしとレインの二人が残り、あたしはずっとレインの手を握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイン、待っててね。必ず、助けるから」

 

あたしはレインの手を握り締め、そう告げる。

 

僅かに残る涙を手で拭き、気合と喝を入れる意味で頬を叩く。

 

そして、病室を出る前に、レインの顔に近づき、唇にキスをする。

 

「……行ってきます」

 

最後にそう言い、部屋を後にする。

 

その後、アスナさんの病室を訪れ、アスナさんのお見舞いをして、すぐに家に帰った。

 

時間は午後三時を十分程過ぎてる。

 

すぐにナーヴギアを被り、ベットに横になる。

 

「リンク・スタート!」

 

そして、ALOにダイブする。

 

宿屋の部屋を出て、一階に降りると既に、クラインさん、アヤメさん、アルブスさんはもう来ていた。

 

「すみません。遅れました」

 

「大丈夫だ。俺達も今来たところだしよ」

 

「キリトに連絡を入れたら、あいつもアルンに昨日到着したらしい」

 

「アルン中央市街に続く門で待ち合わせだ。早速行こう」

 

宿屋を出て、あたしたちはアルン中央市街を目指し歩く。

 

アルン中央市街に続く門に着き、キリトさんとリーファさんの到着を待つ。

 

暫くすると、キリトさんとリーファさんがやってくるのが見えた。

 

「キリトさ~ん!」

 

「お~い!此処だぜ!」

 

「悪い。待たせたな」

 

「ごめんね」

 

「俺達も今来たところだ」

 

「世界樹はこの上だ」

 

全員合流し、アルン中央市街に続く門をくぐろうとした時、急にキリトさんの胸ポケットに居たユイちゃんが顔を出す。

 

「お、おい……どうした?」

 

「ママが……ママがいます」

 

「なっ!本当か!?」

 

「間違いありません!このプレイヤーIDは、ママのものです……あ、このIDは………レインさんもいます!」

 

ユイちゃんの言葉にあたしは体に衝撃が走った。

 

「ユイちゃん!それ本当!?」

 

「はい!」

 

「座標は!」

 

「まっすぐこの上空です!」

 

それを聞くとあたしは空を睨みつけるように見上げ、歯を食いしばる。

 

背中の翅を広げ、一気に上空に飛ぶ。

 

隣にはキリトさんも同じように飛んでいた。

 

後ろでリーファさんたちが、叫んでたが、あたしたちの耳には届かなかった。

 

この上にレインが……………絶対に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶対に助けるんだ!




アインクラッド編より進みが早い。

フェアリィ・ダンス編、いよいよ大詰めです。

次回もお楽しみに!
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