二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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時間的には第一層攻略後の話です


番外編1話 エクストラスキル《体術》

第一層をクリアし、シリカと共に第二層を目指す。

 

第二層の主街区の《ウルバス》に入ろうとすると誰かが飛び出し、西の方に逃げて行った。

 

「今の……アルゴさん?」

 

「だったね」

 

飛び出してきたのはアルゴさんだった。

 

だけど、西の方は大型モンスターがいる場所だ。

 

情報屋のアルゴさんがそこに向かうとはおかしい。

 

すると今度は二人組の男が現れアルゴさんと同じ方向に向かった。

 

そして、今度はキリトさんが現れ、俺達に気付かずに、アルゴさんと男たちの後を追った。

 

何があるだろうと思い、俺は後を付けることにした。

 

後ろの方ではシリカもちゃんとしっかり付いてきてる。

 

後を付けると、小型の岩山二つに挟まれた谷に着いた。

 

するとアルゴさんと男二人組の間にキリトさんが立ってる構図になっていた。

 

そういう状況だ?

 

様子をじっくり見ていると、俺はその二人組の男に見覚えがあった。

 

「あの二人ギルド《風魔忍軍》の奴等だ」

 

「《風魔忍軍》って?」

 

「ベータ時代に素早い速さで恐れられていたギルドだよ。アルゴさんみたいにAGIを極上げしている奴等だ」

 

「恐れられていたってことは、強いの?」

 

「いや、恐れられていたってのは、彼奴らはAGI壁の戦闘していて、危険になるとダッシュ力に物を言わせて逃走、そして、他のパーティーにモンスターのダケを擦り付けるって意味で恐れられてたんだよ。とんでもない集団だ」

 

「うわ~、酷い」

 

シリカは酷いことするな~って顔で言う。

 

すると

 

「「ご…………ござるぅぅぅぅぅぅぅうううううううう!!!」」

 

急に男二人が走り出し、逃げ出す。

 

「ブモオォォ―――――!!」

 

その後ろを、《トレンブリング・オックス》という、巨大ウシ型モンスターが追いかけていった。

 

《風魔忍軍》の二人は全速力で逃げ出し、そのまま《トレンブリング・オックス》を連れて何処かに居てしまった。

 

二人が去ったので、谷の間を覗くと、アルゴさんがキリトさんの後ろから抱き付いていた。

 

キリトさんと俺たちの目が合う。

 

「「間違えました」」

 

「ま、待て!話を聞いてくれ!」

 

 

 

 

 

 

キリトさんの話によると、なんでもあの二人はアルゴさんに、この第2層で手に入るエクストラスキルについての情報を知りたくって、アルゴさんに迫っていた。

 

そこを偶然キリトさんが通りかかり、助けたら、抱き付かれたとのことだ。

 

それはフラグ建築と言う奴なのでは……………

 

そして、キリトさんは、アルゴさんが知りたい情報を一つ無料で教えてくれるということで、お髭の理由を聞こうとしたらしいが、結局はエクストラスキルの事を聞くことにしたらしい。

 

するとアルゴさんが

 

「レーくんとシーちゃんにも聞かれちゃったシ、どうせ、後でキー坊も聞かれたら教えるつもりだろウ?だったら、最初から二人もいた方がいい。付いてきナ」

 

そう言われアルゴさんの後を付いて行き、岩壁を上り、洞窟に入って、ウォータースライダーみたいな地下水流を滑り、2層の東の端の、岩山の頂上に着いた。

 

周囲を岩壁が囲み、泉と一本の樹、そして小さな小屋があった。

 

小屋に入ると、筋骨隆々の初老の大男がいた。

 

頭はスキンヘッドで、口の周りには豊かな髭がある。

 

ぞして、頭上にはクエスト開始点である《!》マークがある。

 

「あれがエクストラスキル《体術》を教えてくれるNPCだ」

 

「た、体術?」

 

「おそらく、武器を使わないで、素手で攻撃するスキルだと推測できル。だが、いいのか?ここまで案内しといて言うのはなんだが、ココのクエストを受ける事のオススメは絶対にできないヨ。あと、三人に一生恨まれてもヤダからネ」

 

アルゴさんが心配そうにそう言ってくるが、俺の決意は決まっている。

 

「俺は受けます。どんない辛いことでも、必ずやり通します!」

 

「わ、私もです!」

 

シリカも俺と同じらしく受ける意思を示した。

 

「安心しろ。例えどんな結果になっても、俺はアルゴを恨んだりはしないさ」

 

キリトさんもそう告げ、NPCの前に行く。

 

「入門希望者か?」

「…そうだ」

 

「「…はい」」

 

「修行の道は険けわしいぞ?」

 

「「「望むところだ(です)!!」」」

 

「ならば付いて来い」

 

そう言ったNPCの後を、俺達は付いて行った。

 

付いて行った先には巨大な岩があった。

 

かなりデカイ…………

 

「汝らの修行はただ一つ。この岩を両の拳で割るのだ」

 

「「「……はっ?」」」

 

思わず聞き返してしまった。

 

キリトさんはおもむろに岩に触れる。

 

そして

 

(これ、《破壊不能オブジェクト一歩手前レベル》……………)

 

目で教えてくれました。

 

(マジですか!?)

 

俺も目で答えを返す。

 

「この岩を割るまで、山を降りることは許さん。汝らにはその証を立ててもらう」

 

すると、道着の懐から、インクの瓶と筆を取り出した。

 

俺とシリカはすぐにクエストを取りやめようとするが、NPCもとい師匠は素早く俺達の顔に筆を走らせる。

 

「その証は汝らが修行を終えるまで消えることは無い。信じているぞ、我が弟子たちよ」

 

そう言って師匠は小屋に戻って行った。

 

「そうか、アルゴ。お前はテストの時、このクエストを自力で見つけたんだ。そして、クエストを受け、クリアできずに髭を描かれたまま、最終日までプレイした。その結果、情報屋の《鼠》のキャラが立ったから正式サービスでも商売の為に髭のペイントをしてるわけだな」

 

「エクセレント!見事だぞ、キー坊!結果として《髭の理由》と《エクストラスキル》両方の情報を知ることが出来たわけダ!お祝いにもう一ついい事教えてやるヨ。その岩、《鬼》ダヨ」

 

「だろうな」

 

アルゴさんからの新しい情報に俺は更にショックを受ける。

 

「……なぁ、俺のペイントもお前とおなじような髭か?」

 

「ん~、いや、違うな」

 

「ど、どんな感じだ?」

 

「一言で言えば…………《キリえもん》だな」

 

そこまで言うと、アルゴさんは耐え切れず大笑いしだした。

 

「シリカ、大丈夫か?」

 

隣に居たシリカは、俺に背を向け《手鏡アイテム》で自分の顔を眺めていた。

 

肩が震えている…………

 

「なぁ、シリカ?」

 

シリカの肩を掴み、顔をこっちに向けようとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 こ 、 こ っ ち 見 ん な ! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女の子らしくない声を上げ、俺の手を振りほどき、岩の後ろ側に回り込んだ。

 

「うにゃああああああああああ!」

 

そんな絶叫と共に、岩が殴られる音が響いた。

 

よほど、恥ずかしいペイントだったらしい…………

 

ちなみに俺のペイントは非常に可愛らしい髭とのことだ

 




次回はSAOクリア後のアルブスとリズの話を書きます。

次回もお楽しみに
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