二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第5話 肉を切らせて骨を断つ

シリカと別れてすぐ俺は町はずれにある小さなバーに向かった。

 

向った理由はあるクエストを受ける為だ。

 

扉を開けると中には人はおらずNPCのマスターしかいなかった。

 

カウンターの席に着くとマスターは水の入ったグラスを俺に渡した。

 

貰ってすぐに飲み干す。

 

飲み干すと「もう一杯どうですか?」と聞いてくる。

 

「ください。」

 

そう言うとマスターはグラスに新たな水を注いだ。

 

またそれを飲み干すとマスターの上に「!」が現れた。

 

これでよし。

 

新たな水のお代わりを頼むとマスターが寄ってきて水を注ぐ。

 

すると急にマスターは何かの話を始めた。

 

「お客さん、知ってるかい? 町を出てすぐの場所に洞窟があるんだが、そこに亡霊の剣士が住み着いているんだよ。そいつを倒すとある剣が手に入るらしいんだが、多くの剣士が挑み皆死んだ。

ほとんど肉を切らせて骨を断つような戦いだったから死んだのだろう。」

 

短いような長いような話をし終えると俺の視界にクエスト受注のマークが出た。

 

 

 

亡霊剣士。

 

βテストの時、アイツと戦い、いい両手剣をドロップしたことがある。

 

あの時はずっとダンジョンやら迷宮区等をかけずり回ったため喉が渇きこの店で浴びるように水を飲んだのが始まりだった。

 

アイツの弱点は背中と顏の二か所。

 

ほんとならレベルが7あって1人でやっと倒せるぐらいだが、弱点を正確に狙えば

 

今の俺でも倒せる。

 

シリカがいればもっと楽に行けるだろうがシリカのレベルは5、正直心もとない。

 

万が一死んだりしたら・・・・いや、考えるのは止そう。

 

とりあえず、洞窟に着いた。

 

さてと、始めるか。

 

 

 

洞窟の中は薄暗くてジメジメしている。

 

着ているフード付きマントが張り付きそうだ。

 

まぁ、そんなことは無いが。

 

しばらく、どうでもいいことを考えていると後ろから足音が聞こえた。

 

NPCの店で買った安物の両手剣の柄を握り、鞘から抜き構える。

 

そして、現れたのは今回の目玉のモンスター。

 

≪phantom fencer≫ 亡霊剣士の登場だ。

 

だが、その格好に俺は驚かせられた。

 

βテストの時は骨の人間にボロ切れのような服に胸当てと脛当てだけの装備が体を覆う鎧、足を守る脛当て、手を守るガントレット、更に頭を守るフルフェイスメットに背中を守るマントに変わってる。

 

HPバーが二本。

 

剣士というより騎士だな。

 

βテストの時とモンスターの仕様が違う。

 

うっすらと予想はしてたが、こりゃ、やばい。

 

弱点の背中はマントと鎧、頭はフルフェイスメットで固められてる。

 

完全防備じゃねーか。

 

亡霊は持っている両手剣を振り上げ下ろした。

 

それをなんなくと避ける。

 

そして僅かな隙間の鎧とフルフェイスメットに両手剣を突き刺した。

 

HPが少し減った。

 

亡霊だから痛くないってか。

 

やはり弱点を叩かないとな。

 

そんなことを考えてると亡霊は剣を地に水平振ってきた。

 

両手剣用ソードスキル≪グランセ≫。

 

当たれば大ダメージ。避けても範囲ダメージで4割は減らされる。

 

なら、これを使う。

 

俺は両手剣の刀身で相手の剣を受け止めた。

 

普通ソードスキルを武器で受け止めたら耐久値がかなり減るが

 

俺は≪武器防御スキル≫をスキルスロットに入れてる。

 

このスキルを発動し、なんとか防ぐ。

 

流石に威力を全て殺すことはできないがHPは2割程度減っただけで済んだ。

 

そこから亡霊が硬直に入った。

 

そこで、同じ≪グランセ≫を使った。

 

HPは2割減った。

 

だが、またかなり先がある。

 

 

 

戦い続けて30分。

 

亡霊はHPバーが最後の一本で残りが4割。

 

こっちは残り2割。

 

ポーションを使う暇は無いし、向こうも攻撃の手を止めようとはしない。

 

回復結晶が早く欲しい。

 

でも、結晶が使えるのはまだ先だしな。

 

たぶん後一回でもソードスキルをくらったら死ぬ。

 

だからと言ってこちらが使うのもなぁ~。

 

そう思っていると、不意に背中が何かにぶつかった。

 

後ろを見ると洞窟の壁だった。

 

いつの間にか追い込まれていた。

 

「まずい!!」

 

そう思うと亡霊は突進してきた。

 

やべ、俺死んだ。

 

あのモーションは≪スタンバインド≫。

 

突進がモーションのソードスキルだ。

 

避けられない。

 

あ、もしかしたら、ああすればいいかもしれん。

 

だが、失敗したら・・・まぁ、どうせ死ぬかもしれないし

 

派手にやるか。

 

俺は両手剣を下から振り上げ亡霊の両手剣にぶつけた。

 

 

 

「人間やってみるものだな。」

 

亡霊の両手剣は俺の肩をかすって壁に刺さった。

 

最後に使ったソードスキル≪フォールバインス≫をソードスキル発動瞬間の亡霊の両手剣に当て

た。

 

ソードスキル発動直前のソードスキルはソードスキルで打ち消せる。

 

もっとも成功率は低いが。

 

おかげで向こうのソードスキル発動が失敗に終わり

 

たたの両手剣は軌道を逸らし俺の肩をかする程度ですんだ。

 

さらにマスターが言ってた「ほとんど肉を切らせて骨を断つような戦い」

 

あれがヒントなのか分からないが助かった

 

「これで、終わりだ。」

 

両手剣を上に上げ、≪グリムゾンフォース≫を使い振り下ろした。

 

亡霊の頭のフルフェイスメットを破壊しそのまま頭にソードスキルが入った。

 

それにより、亡霊のHPが0になり、ポリゴンになって散った。

 

「よし、勝てた」

 

クエストが終わりポーションを飲んで洞窟を出るとメールがきた。

 

『今、何してるの?』×50

 

・・・・・帰るのが怖い。




バトルになってるかな?
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