二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第10話 SAO生還者と《笑う棺桶》

待機エリアに戻ると、俺は大気エリアの壁際のボックス付近に居た。

 

どうやら転送時と同じ場所に転送されるみたいだ。

 

辺りを見渡しているとキリトさんもいた。

 

どうやら向うも早く終わったみたいだ。

 

声を掛けようとした時、キリトさんの体が小刻みに震えているのに気づいた。

 

「キリトさん?」

 

声を掛けるとキリトさんは驚いたように振り向く。

 

そして、俺だと知ると安堵の表情をした。

 

「レイン……か」

 

「どうしたんですか?顔色悪いですよ」

 

「あ、ああ、ちょっと、な」

 

歯切れが悪そうにキリトさんが答える。

 

「本当にどうしたんですか?」

 

「…………《死銃》と思われる奴と接触した」

 

「なっ!?」

 

「………おそらく、SAO生還者で《笑う棺桶》のメンバー。それも、無印なんかじゃない上級幹部の奴。そして、俺と剣を交えた奴だ」

 

その言葉に俺は驚きを隠せなかった。

 

《笑う棺桶》討伐作戦。

 

もう一年ぐらい前になる。

 

俺も攻略組の一員として、シリカと共に参加した作戦だ。

 

あの戦いで、キリトさんは人を二人殺してる。

 

キリトさんだけでなく、アヤメさん、クラインさんも殺している。

 

だが、そうしなければ仲間が殺されていた。

 

俺もシリカを守る為に、人を、スバルさんを殺した。

 

そのことを仕方がなかったことなどと言う言葉で片付けるつもりはない。

 

だが、あの時の行動が間違ってたとは思ってない。

 

少なくとも俺はそう思ってる。

 

「キリトさん、俺は、あの戦いが仕方ないことだったとは思いません。でも、あの時の行動が間違ってたとも思ってません」

 

俺の言葉にキリトさんはただ黙っていた。

 

「あの時、俺がそうしてなければシリカは死んでいたかもしれない。俺はシリカを守る為にあの人を、スバルさんを殺しました。あの時、キリトさんたちが《笑う棺桶》のメンバーを殺したからこそ、救われた命もある。少なくとも、俺はそう思ってます」

 

キリトさんに背を向け、歩き出す。

 

途中で俺は立ち止り、キリトさんに振り返る。

 

「俺は一生スバルさんの事を忘れません。俺はこの先一生、スバルさんの死を忘れないで、背負って生きるつもりです」

 

「………ははは、レインは強いな。俺にはそんな強さは無い」

 

「……俺だって強くないですよ。シリカが居ないと俺は強くありません」

 

そうだ、俺は強くない。

 

スバルさんの死をこうして背負えるのだって、シリカのお陰だ。

 

シリカが一緒にその重荷を背負ってくれる。

 

あの日、シリカが俺にそう言ってくれたから、俺は背負っていられる。

 

背負って生きていけるんだ。

 

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